英文法がなかなかわからなくて困っているという人も相当数いることでしょう。
そこで今日は、文法書の中でもかなり人気の高い「一億人の英文法」という英語学習参考書を紹介したいと思います!
受験生や学生が使う分にも良いのですが、社会人が英語を学ぶ時にも持っておきたい一冊です。おすすめの使い方を提示するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
「一億人の英文法」とはどんな文法書なの?
「一億人の英文法」の使い方を知るには、まずこの教材がどのようなものなのかを把握しておく必要があります。
平たく言えば、英語のネイティブスピーカーが持つニュアンスをわかりやすく追加してくれている、ニュータイプの文法書ですね。初心者で、英文法は忘れてしまっているという人には向かず、せめて中学生で習う英文法の基礎は理解している中級者以上にオススメしたい教材です。
文法はどのテキストでもわかりやすいものはわかりやすいのですが、「一億人の英文法」の場合はそのアプローチの仕方が違います。ネイティブスピーカーに焦点を当てていて、母語が英語でない人にネイティブスピーカーの感覚を教えてくれるようなところに味があります。
一応読者対象は高校生になるので、ビジネス英語に特化したものが良いという人には向きませんが日常生活で使える例文はたくさんあります。
英語を趣味で再開したい人、英文法を学校で習ったのとは違った角度から習いたい人、ネイティブスピーカーが持っているニュアンスを理解したい人にはもってこいです。
「一億人の英文法」の目次を確認しよう
では、次に「一億人の英文法」の目次を確認してみましょう。
英文法というからには様々な文法が並ぶと思いきや、ちょっと違うことがわかります。以下でざっくり見てみてください。
Chapter 0:英文法の歩き方
• Part 1: 英文法の骨格
Chapter 1:主語・動詞・基本文型 Chapter 2:名詞
• Part 2: 修飾
Chapter 3:形容詞
Chapter 4:副詞
Chapter 5:比較
Chapter 6:否定
Chapter 7:助動詞
Chapter 8:前置詞
Chapter 9:WH修飾
• Part 3: 自由な要素
Chapter 10:動詞 -ING形
Chapter 11:TO不定詞
Chapter 12:過去分詞形
Chapter 13:節
• Part 4: 配置転換
Chapter 14:疑問文
Chapter 15:さまざまな配置転換
• Part 5: 時表現
Chapter 16:時表現
• Part 6: 文の流れ
Chapter 17:接続詞
Chapter 18:流れを整える
まずChapter0では英文法に関するあれこれを学び、その次に文型の説明があります。
文型は高校生が最初に英語の授業で学ぶもので、中学の間は曖昧でも良かった分野です。これを社会人になってもう一度復習し、より文法の中身を探っていく感じですね。
Part2でも、現在進行形だとか関係代名詞だとか、このような名前は並びません。他の文法書と比べると、どちらかと言えば品詞を丁寧に説明しています。
高校生の時、前置詞などはサラッと流された、雰囲気で理解していたという人は、ここで今一度じっくり向き合う時間を取れるでしょう。
できれば学校で習った文法の名前で、その順序で学びたいという人には向きませんが、学校とは違うアプローチで学び直したいのであれば納得できる目次でしょう。配置転換や時変換という言葉もありますが、これらは見直すと英語に対する理解がかなり深まるはずです。
「一億人の英文法」の使い方
さて、では本題に入りましょう。
「一億人の英文法」の使い方ですが、これは本書にも記載されているので迷うことはないでしょう。本書が理想とする使い方を見ていきましょう。
「英文法の歩き方」は絶対に読んでおこう
「一億人の英文法」に書いてある使い方通りに行くのであれば、まずは飛ばし読みは止めて最初から読んでいきましょう。
理由は、この教材は前の章の内容が次の章にも影響していることがあるからです。
最初から読んでいることが前提なので、「ここは理解しているだろうから読み飛ばそう」と読まないと、突然理解できない場合があるかもしれません。自信のあるところはざっくりでも良いので読んでみてください。
最初に序章として「英文法の歩き方」と題したものがありますが、これは配置原則の解説になるのでよく読んでおきましょう。よくある前座とは違うので、ここは何度も行き来することになるかもしれません。
コラムを読んでおこう
また、「一億人の英文法」には様々なコラムがあり、それには7種類もあります。どのようなコラムか解説があるので見てみましょう。
・HEART:ネイティブスピーカーの心の動きを解説するコラム
・LIGHT:さらに詳しく使い方などを解説するコラム
・ELECTION:文法現象にマニアックな分析を加えたコラム
・CONVERSATION:会話へのヒントを書いたコラム
・POSITIONS:文の要素の配列の仕方を詳しくまとめたコラム
・VOCABULARY:語彙を増強するためのコラム
・TYPICAL MISTAKES:よくある間違いを示したコラム
なんだか少し難しそうに感じるコラムもあるかもしれませんが、ネイティブスピーカーが感じている英語のニュアンスを読み取る上では読んで損がない内容になっています。
学生で言えば、共通テストなどでは出題されないけれど、知っておくとより正しい英文法の取捨選択ができる、といったところでしょうか。
テストに関係ないことは覚えない主義だとなかなかニュアンスを理解するのが難しいですが、そこにこそ英語の神髄が詰まっているのでよく読んで頭に入れておきましょう。
何度も音読を繰り返そう
コラムが読めたら、次は音読です。文法は机の上で黙々と勉強するイメージが強いかもしれませんが、「一億人の英文法」では音読を推奨しています。
頭だけで理解しようとすると効率的ではありませんし、話す英語への近道として良いということは本書にも書いてあります。
TOEICや英検の対策をするだけという場合ならただの効率的な覚え方に過ぎないかもしれませんが、英会話をしているなら英語を話す時のトレーニングにもなるのでやってみてくださいね。長く続ければ効果を実感できるはずです。
ちなみに、「一億人の英文法」によると、この教材は高校生で7~10日で読破できる仕組みになっているそうです。
この通りにできれば理想ですね。1日どれくらいの時間を費やすかにもよると思いますが、社会人なら仕事をやりながらになる人もいるので、余裕を持ちながら定着できるようじっくり取り組んでみましょう。
ここで少し余談!
下記記事では、リスニング力を上げたいという方におススメのリスニングドリルの使い方についてご紹介しています!ぜひ参考にしてみて下さい♪♪
文法定着のコツ
さて、ここまで読めば「一億人の英文法」の使い方はバッチリでしょう!ということで、ここからはこの教材を使って勉強する時のコツやポイントについて触れていきます。
より効率的に早く定着させたいと思っていたり、英会話で早速習ったことを披露したいと感じている場合には役立つ情報です。
定着には個人差があると理解しよう
学生時代に既に経験している人がほとんどだと思いますが、脳に物事が定着するには個人差があります。
中には学習障害のグレーゾーンのように、何度やっても覚えられない人もいますし、逆に1回勉強したらそれで脳に定着する人もいます。
まずは、自分を人と比べないことから始めましょう。周りの習得が早いからといって嘆いていては継続が困難になります。できる人であれば周りを気にせずもっともっと先へ行きましょう。どんな人も自分のペースを崩さず勉強することが大切です。
定着できたかどうかは数週間後にわかるので、時間がかかることも自覚しておきましょう。昨日覚えた単語をその次の日覚えていたとしても、それは短期記憶に残っただけで長期記憶に残っていないかもしれません。
大事なのは、いつでもその記憶の引き出しを開けて答えをスッと出せることです。その段階になるまで地道に繰り返してみましょう。
定着に個人差があること、時間がかかることをしっかり把握しておけば、継続が大事な英語でも途中で断念せず、気長に取り組めるでしょう。
気持ちの問題もあるので、勉強する際には自分なりのペースを守ってみてください。学校のように皆が同じスピードで進む必要はないのですから。
音読はネイティブスピーカーらしく!
「一億人の英文法」の使い方の中に音読がありますが、これはごく簡単に言ってしまうと、ネイティブスピーカーらしく発音するのがコツです。
この「らしく」というのは要は勘ですね。
皆さんの頭の中には、ある程度英語を話す外国人っぽい話し方があると思います。こうしたら外国人っぽいなと思う話し方を真似してみましょう。まずは恥ずかしがらずに発音することが大切です。
丁寧に聞くならCDなどの音源が必要ですが、これはスマホからでもゲットできるでしょう。そこで聞いたことを真似し、恥なんて捨ててください。カタカナ英語の方が恥ずかしいですよ!
音読は、できることなら単語単体で聞くよりも文を音読するようにしましょう。その方が自然なリエゾンが理解できますし、アクセントの位置なども同時に習得できるから効率的なのです。
英語と言っても色んな地域で話されているので、自分の好きな地域の英語をネットで探して聞いてみてくださいね。アクセントや訛りまで習得できればいち早くネイティブスピーカーらしくなれます。
まとめ
「一億人の英文法」の使い方を紹介しましたが、何か参考になることはありましたか?
もちろん、自己流の勉強方法を既に確立していて、この方が自分向きだというものがあればそれも取り入れてみてください。
この教材は初心者向けではないので、既にそういった自分流を追求している人もいることでしょう。
効率的に勉強できるのは魅力ですが、時間をかけた分だけ成長するので諦めずに続けてみてくださいね。目標はあえて低く、達成しやすいようにして地道に反復していきましょう!

◇経歴
英語科高校卒
外国語学部英米学科卒
学習塾で英語を教えている
◇資格
・IELTS6.5
◇留学経験
イングランドのオックスフォードのOxford English Centreに3週間の語学留学と、スコットランドのエディンバラのUniversity of Edinburghに1年間の交換留学をしていました。
◇海外渡航経験
高校時代にオックスフォードの語学学校へ留学
大学時代にエディンバラ大学へ1年交換留学
◇自己紹介
ハリー・ポッターがきっかけで英語に目覚め、高校・大学とイギリスに留学したイギリスマニア。学校はアメリカ英語なので自己流でイギリス英語を習得。発音、スペル、すべてにおいてクイーンズ・イングリッシュを使い英語の先生にバツをくらうもめげず。生まれも育ちも日本で、海外に繋がりがなかったため留学が夢となった。アルバイトで全資金を稼ぎ渡英すると、勝手な高い理想を上回るほどの素晴らしさを目の当たりにし更に虜に。