importantとnecessaryの違いってなに??

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「重要な」と訳される”important”、「必要な」と訳される”necessary”。似たような意味を持っている2つの語ですが、厳密にはどのような違いがあるのでしょうか。

意味や使い方の解説とともに、似たような意味を持つ
·Crucial
·Essential

についても、あわせて解説いたします。

importantとnecessaryの大まかな違い

さっそくですが、importantとnecessaryの意味の違いについて見ていきます。
冒頭で述べたように、importantは「重要な」、necessaryは「必要な」と訳されることが多いです。

では、日本語の「重要」と「必要」には、どのような違いがあるでしょうか。
国語辞典によれば、それぞれ

重要:物事の成立に書くことのできない関係が有り、他のものでは到底まにあわない様子。大切。
必要:何かをする時にそのものの存在を無視しては用を成さないことを表す。
とあります。(引用:新明解国語辞典)

日本語の説明を見ても、いまいちピンときません。
次に、それぞれの語が実際にどのような場面で使われるのかを考えてみましょう。

重要=価値がある

実際に重要や必要という言葉が、どのような文脈で使われるのかを見ていきます。

誰しもが学校の授業で、「大事なことだから1回しか言わないそ。」というセリフを聞いたことがあるのではないでしょうか。

この「大事」を「重要」と置き換えることはできますが、「必要」と置き換えるのには違和感を感じます。

また、「それは息子からもらった大切なプレゼントです。」という文の「大切」は「私にとって価値がある=重要」という意味を含んでいますが、「必要な」というニュアンスはありません。

これらのことから、
·重要
·大事
·大切

などの言葉は、「私は/それを/価値あることだと/思う」という主観的な判断に基づいている場合が多いことが分かります。

必要=それがないと困る

一方で、「十分な睡眠は健康にとって不可欠だ。」や「紙を切るのに、はさみが必要だ。」と言う場合、それらが「私にとって重要」というよりも、そもそもそれが前提となっていたり、それがないと困るような状況であることが分かります。

睡眠の例では、睡眠は重要であるかどうかに関わらず、そもそも生きる上で欠かすことのできない必須の行為です。

また、はさみを大事にしているかどうかは紙を切るという行為には関係がなく、単にそれがないと目的を達成できないというだけです。

つまり、
·必要
·不可欠
·必須

などの言葉は、「重要」が「私」の判断であるのと異なり、「それは/必要とされている」という客観的な事実であると解釈できます。

ただし、「これらの事実から、これこれが重要である。」や「このルーティーンは私にとって不可欠です。」などのように、文脈によっては上で見た意味が当てはまらない場合もあります。

あくまで「重要」と「必要」の違いを考えたときのイメージとして捉えてください。
この記事では「重要な」を意味する語として、
·important
·crucial

を、「必要な」を意味する語として、
·necessary
·essential

の語について、例文を交えて違いを説明していきます。

important=重要な

importantは「重要な」を表す最も一般的な語です。

辞書では、Having a great effect on people or things; of great valueとあり、つまり、人や物事に対する影響·効果が大きい、または価値が高いことを表しています。
(引用:Oxford Advanced Learner’s Dictionary)

It is important ~

次に、よく使う用法について見ていきましょう。
It is important + to doの形で、「~することは重要だ。」という使い方をします。

It is important to study everyday.
毎日勉強することが大事だ。

上の文で「私にとって」と付け加える場合は、

It is important for me to study everyday.
毎日勉強することは私にとって大事なことだ。

to doの代わりにthat 主語 + 述語を取ることもできます。

It is important that students should study everyday.
学生が毎日勉強することは重要だ。

The important thing is ~

The important thing is ~で、「重要なことは~だ。」という使い方ができます。

The important thing is to keep on studying.
大切なことは勉強を継続することだ。

crucial=極めて重要な

importantの類義語はいくつかありますが、今回ご紹介するのは”crucial”です。crucialの方がimportantよりも重要度が高く、またややフォーマルな語です。

和訳するならば「極めて重要だ。」と言うことができ、”very important”の言い換えとも言えます。

crucial→cross→十字路=今後の行方を左右するほど重要な

crucialはcrossを意味するラテン語が語源と言われています。
ここでのcrossは十字路であり、今この時の決断が今後の命運を握るというイメージです。

基本的にはimportantと同じ意味·使われ方をします。
ただし、上で見たように、crucialは十字路の分かれ道でどの道を選ぶかというイメージがあります。

このことから、importantよりも、今後の行方や結果に焦点をあてた言葉であり、選択を間違えると悪い結果になるというニュアンスも含んでいます。

また、全体的な重要度が大きいという点から、個人的な物事よりも組織や社会にとって重要であるという文脈で使われることが多いです。

例文を見てみましょう。

Winning the contract is crucial to the success of the company.
その契約を勝ち取ることは会社の成功にとって、極めて重要だ。
*contract: 契約

この例文では、ここで契約を勝ち取れるかどうかが会社にとってのターニングポイントであり、万が一契約を取れないと業績が悪化するなどの良くない結果を招くことが暗示されています。


ここで少し余談!

下記記事では、nearとcloseの違いについてご紹介しています!ニュアンスが似ていて間違えやすい表現なので、正しい使い方を覚えていきましょう♪♪

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necessary=必要な

「必要な」を意味するnecessaryについて見ていきましょう。
necessaryは元々「避けられない」という意味を持っており、そこから「必要である」という意味が生じたとされています。

また、necessaryは何か特定の目的があるという文脈で使われることが多いです。

例えば、

It is necessary that you should take this medicine.
あなたにはこの薬を飲むことが必要だ。

「(病気を治すためには)薬を飲む必要がある」ので、当然病気でなければ薬を飲む必要はありません。

necessary→する必要がなければ、しなくてよい

上で見たように、necessaryは何かの目的のためにはそれが必要だという意味を含んでいます。

それは一方で、必要がないならそうしなくてよい、場合によってしないで欲しいということを意味します。

If necessary, you can contact me.
必要なら私に連絡をください。

Only use that car when it’s necessary.
必要な時だけ、あの車を使ってください。

この場合は、必要がなければあの車は使わないでほしいということを暗に意味しています。

疑問文·否定文で「必要ない」

「する必要がなければ、しなくてよい」というニュアンスは、特に疑問文·否定文で強く現れます。

例えば、

Is it necessary for me to attend the meeting?
そのミーティングに私が出席する必要はありますか?

この例文は文字通りに受け取れば、単純にミーティングに出るべきかどうかを尋ねています。

しかし、場合によっては「出席する必要はありますか?ないですよね?」という強い疑問、もしくは反語的なニュアンスを表します。

また、否定文では「必要」の否定で「不要」となり、強く「いらない=したくない」という気持ちを表します。

I don’t think it’s necessary to answer the question.
その質問に答える必要はないと思います。

これは、「その質問には答えたくない」という気持ちを少し遠回しに、けれどもはっきりと表しています。

essential=不可欠な

最後に、「不可欠な」と訳される”essential”について、解説していきます。

「重要」と「必要」の比較の際に、必要は「それがないと困る」と表現しましたが、essentialは、そもそもそれがないと成り立たないほど「基礎的な·根本的な」というニュアンスがあります。

Good sleep is essential to our health.
十分な睡眠は健康に不可欠だ。

睡眠は重要であるかどうか以前に、生きるために当然欠かせない行為です。
その上で、十分な睡眠を取ることが健康にとって重要だという意味合いになり、必要と重要の両方の意味を含んでいると言えます。

このため、importantの言い換えとしてessentialが使われることもあります。
筆者がアイルランドにいる間、コロナウイルスの影響で外出禁止(ロックダウン)になったのですが、スーパーや運送業に従事する人は通勤が認めれていました。

こういった人たちは”essential workers”と表現されており、まさに生活に「不可欠だ」という意味で使われています。


ここでまた少し余談!

下記記事では、notice・realize・recognizeの違いについてご紹介しています!英語にはたくさんのニュアンスが似た単語が存在します。使い方を間違えないように正しい使い方を学んでいきましょう♪♪

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まとめ

この記事ではimportantやnecessaryという「重要」や「必要」にまつわる単語を4つご紹介しました。

まず、そもそも日本語における重要と必要の違いについては、

重要:価値がある。主観的
必要:それがないと困る。客観的

というニュアンスが、それぞれ含まれていることを見ました。

その上で、

·important:重要な
·crucial:極めて重要な
·necessary:必要な
·essential:不可欠な

という4つの語をご紹介しました。

英語力向上には語彙を増やすことが”essential”です。意味の似た言葉を覚えて、実際に使ってみることで効率的に語彙を増やすことができるかもしれません。