英語を話しているときに、「ほとんどの〜」と表現することは多々ありますよね。
英語学習者であれば、「Almost」もしくは「Most」の2単語が思い浮かぶでしょう。
実は、「Almost」と「Most」には明確な違いがあります。
しかし、多くの日本人が使い方を曖昧に覚えてたり、間違って使っています。英会話レッスンを受けている方の中には、講師に誤りを指摘されたことがある方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、「Almost」と「Most」の違いや使い分け方を徹底解説したいと思います!
- 「Almost」の意味
- 「Almost people」は間違い?
- 「Almost」の使い方
- 「Most」の意味
- 「Most」の使い方
- 「Most people」と「Most of the people」の違い
- 「Mostly」
- まとめ
「Almost」の意味
まずは「Almost」の意味を見ていきましょう。ケンブリッジ英英辞書には、以下のように説明されています。
nearly
だいたい、ほとんど
「near(近い)」の副詞の「nearly」と同じような意味であるということがわかりました。しかし、ここで気をつけなければいけないことが1点あります。
「Almost」の「ほとんど」は、どちらかというと「もう少しで〜」という意味。つまり、「完全なものになる寸前」の状態や動作に使う単語です。
このことを踏まえた上で、次の項目を考えていきましょう。
「Almost people」は間違い?
「ほとんどの人々」と英語で言いたいとき、「Almost people」と表現することは可能でしょうか?結論から言うと、答えはNoです。
前項で述べたとおり、「Almost」の意味は、日本語で考えると「もう少しで〜」というニュアンスになります。「Almost people」を直訳すると「もう少しで人々」となります。これでは全く意味が通じませんよね。
もし「ほとんどの人々」と表現したいときは、以下のようにする必要があります。
Almost all people
「all」を足してあげることで、「もう少しで全ての=ほとんどの」という意味にすることができます。
もちろん「people」だけでなく、
Almost all college students
ほとんどの大学生
Almost all office workers
ほとんどのオフィスワーカー
など、他の単語にも同じように使えます。上記のような間違った使い方がクセになっている方も多いので、最初は意識的に注意しながら話すようにしましょう。
「Almost」の使い方
ここでは、よくある「Almost」の使い方をいくつか例文で紹介したいと思います。
[例文]
①I work out almost every day.
ほぼ毎日運動します。
②I study English almost every night.
ほぼ毎晩英語を勉強します。
③My family goes out almost every weekend.
私の家族はほぼ毎週末出かけます。
④That training was so hard for me. I almost cried.
あのトレーニングは私にはとてもキツかったです。泣きそうになりました。
⑤I was in a coma for a while after the car accident. I almost died.
その交通事故の後しばらく昏睡状態でした。死にかけました。
⑥When it comes to food, I almost always choose quantity over quality.
食べ物に関して言えば、だいたいいつも質より量を選びます。
⑦I almost never hang out with my friends on weekends.
週末はめったに友人と遊びません。
[解説]
①の「almost every day」を直訳すると「もう少しで毎日」、つまり「ほぼ毎日」という意味になります。
②の「every night」、③の「every weekend」も同じ考え方ができます。
④の「almost cried」は「もう少しで泣いた」です。つまり泣いてはいないけど「泣きそうだった」という意味になります。
⑤の「almost died」も、実際は死んでないけど「死にかけた」という意味として使えます。
⑥の「almost always」の直訳は「もう少しでいつも」なので、「ほぼいつも」と解釈できます。
⑦の「almost never」も同じように考えると「もう少しで決して〜ない」が直訳、つまり「ほとんど〜ない」という意味になります。
「Most」の意味
「almost」の意味や使い方を学んだところで、次は「Most」の意味を確認していきましょう。
「Most」で覚えておくべき意味は以下の3つです。
・たいてい、ほとんどの
・最も
本記事のテーマでもある「Almost」と「Most」の違いでは、二つ目の「たいてい、ほとんどの」の意味にフォーカスします。「Almost」では「もう少しで」の意味に近いのに対し、「Most」は「大部分の」という意味合いになります。
そのため、「ほとんどの人たち」と言いたいときは「Almost all people」のように「all」は付ける必要がなく、「Most people」と表現できます。つまり、「Almost all people」と「Most people」はほぼ同じ意味と覚えておくとよいでしょう。
「Most」の使い方
ここでは、「ほとんどの」の意味での「most」の使い方がわかる例文をいくつかご紹介いたします。①Most people are scared of catching the new corona virus.
ほとんどの人たちは新型コロナウイルスに感染するのを恐れています。
②Most college students are looking for jobs now.
ほとんどの大学生たちは今就職活動中です。
③Most Japanese beers are tasty.
日本のビールのほとんどは美味しいです。
④I work in a co-working space most of the time.
たいていはコワーキングスペースで働きます。
⑤I talked to a lot of people at the party last night. Most of them were really nice.
昨夜はパーティーでたくさんの人たちと話しました。彼らのほとんどは良い人たちでした。
⑥Most of my students are hardworking.
私の生徒たちのほとんどは働き者です。
上記の例文を見て、勘の良い方なら①②③と④⑤⑥の使い方が少し異なるのに気づいたかもしれません。
④⑤⑥→Most of 名詞
「Most 名詞」の場合、名詞は特定された何かや誰かを指してはいません。一方で「Most of 名詞」は、範囲を限定する「of」が付いています。つまり、名詞は特定された人やものを指すことになります。
このことを踏まえて、次の項の内容を考えていきましょう。
ここで少し余談!
下記記事では、anotherとotherの違いについて、使い分け方も解説しながら詳しくご紹介していきます♪♪
「Most people」と「Most of the people」の違い
英語を学習していると、「Most people」と「Most of the people」どちらも目にしますよね。しかし、これら2つの違いを知らなかったり、正しい使い方がわからない方が多いようです。「Most people」と「Most of the people」はいずれも日本語訳すると「ほとんどの人たち」になります。ここで、前項で説明した内容を思い出してみましょう。
Most of the people→「people」は特定の人々
つまり、「Most people」を使うときは一般大衆を指しているのに対し、「Most of the people」を使うときはどの人たちかが明確にわかっている状況です。
さらに理解を深めるために、例文を使って説明します。
◯Most of the people in this room are studying English.
×Most people in this room are studying English.
「この部屋にいる」と言っているので、どの人たちのことかわかっている状態。つまり、特定の人たちを指すので「Most of the people」が自然です。
このことからもわかるように、「Most people」はより一般的なことを話すときに使うことが多いです。どの人たちかはわからないけど、大多数の人たちを指し示したいときに使いましょう。
「Mostly」
「ほとんど」繋がりでついでに覚えておいたほうが良いのが、「大抵は」「ほとんどは」という意味の副詞「Mostly」です。上で紹介した「Most」は名詞を修飾する形容詞でしたが、「Mostly」は動詞にかかります。
以下が例文です。
彼らのほとんどは学生たちでした。
→Most of them were students.
People in this town are mostly the elderly.
この町の人々はほとんど高齢者です。
→Most people in this town are the elderly.
「Mostly」は日常会話でもよく使われるので、この機会に覚えておきましょう。
ここでまた少し余談!
下記記事では、「everyday」と「every day」の違いについて詳しく解説しています!ぜひ参考にしてみて下さい♪♪
まとめ
では今回の記事のまとめです!・「Most」の意味は「ほとんどの」
・「Mostly」の意味は「ほとんどは」
いかがでしたでしょうか?
今までなんとなくの理解で済ませていた方でも、「Almost」と「Most」の意味の違いや使い分け方が学べたと思います。
また、それ以外にも「Most 名詞」と「Most of 名詞」の違いなど、会話だけでなくテストの文法問題でもミスしがちな内容も盛り込みました。
今回の記事をきっかけに、会話で使うときは違いを意識しながら話しましょう。
意識的に続けていくことで、次第に意識せずとも自然に使い分けられるようになりますよ!

山形県出身。東南アジアを拠点に生活中。約10年前にイギリスのロンドンにて3ヶ月滞在したのをきっかけに英会話にハマり、オンライン英会話×自主学習の組み合わせで、日本国内でバイリンガルとなる。英語対応コールセンター、英語塾講師、外資系企業勤務、オンライン英会話講師を経て、英会話スクールを約4年経営後、現在はフリーランスノマドワーカーとして英語関連事業、ライティング、Web制作など、幅広く活動中。好きな食べ物は家系ラーメン。