イギリス英語とアメリカ英語にはそんな違いがあったの!?

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英語の勉強を続けていくと、「イギリス英語とアメリカ英語、どっちを勉強したらいいの?」と疑問に思ったり、「あなたの発音は、アメリカ英語だね!」と言われたりすることがあります。

同じ英語であっても、イギリスで使われる英語とアメリカで使われる英語には、けっこう違いがあります。

今回の記事では、イギリス英語とアメリカ英語でどんな違いがあるのか見ていきましょう!

どんな違いがある? 〜発音、単語やスペル、表現〜

ハリウッド映画やハリウッド・ドラマをよく観ていて、シーンの中の英単語をピックアップできるという方でも、BBCなどのイギリス系ニュース番組を見て、「何を言っているのか、さっぱり分からない!」と思った経験はありませんか?

イギリス英語とアメリカ英語の違いと聞くと、発音やアクセントの違いを思い浮かべる方が多いですが、発音・アクセントの違いだけでなく、使われる単語、スペルの違い、表現の違いなど、その違いは多岐に渡ります。

イギリスとアメリカは距離的に離れているので、そういった違いが生まれるのも納得ですね。また、イギリス英語、アメリカ英語と一概に2つに分類するのも、難しいのが現状です。

例えば、アメリカの国土は広大なので、アメリカの南部では特有の訛りがあったり、ニューヨークやサンフランシスコなどの都心部では、色んなアクセントの英語が混ざり合っています。

また、イギリス英語と聞くと、王室の英語や上品で洗練された感じのアクセントをイメージされる方がいると思います。イギリスは、ユナイテッド・キングダムと呼ばれるように連合国ですので、同じ英語でも場所によってアクセントがかなり違ったりします。以下にアクセントの一例をあげます。

クイーンズイングリッシュ

英国王室の話す英語であることから、「クイーンズイングリッシュ」や「ポッシュアクセント」と呼ばれています。

実際は、イギリス人の大部分はこのように話すことはないのですが、映画の中では広く用いられています。ハリーポッターや英国王のスピーチなどが有名です。

コックニーアクセント

コックニーアクセントは、東ロンドンの労働者階級の言葉です。階級によってアクセントが変わるのは、かつての階級社会時代の影響でイギリスの文化ならではの特徴です。

アイリッシュアクセント

北アイルランドとアイルランド共和国には、アイリッシュアクセントと呼ばれる独特の訛り、方言があります。

イギリス英語とアメリカ英語の「発音」の違い

イギリス英語の発音の特徴として挙げられるのは、アルファベットを文字通り発音するところです。

カタカナを多く使う日本人にとって、慣れてしまえば意外とわかりやすいかもしれません。

一方、アメリカ英語ではスペル通りに発音しない傾向があります。しかし、ハリウッドや米国テクノロジー企業の世界進出など、アメリカ英語に触れる機会はイギリス英語に触れる機会より多いかと思います。その分、アメリカ英語には耳慣れしている人が多いかもしれません。

両者の違いがよくわかる例として、よく「can」が使われます。アメリカ英語では、「キャン」と発音しますが、イギリス英語では、鼻の奥で音をだすイメージで発音します。カタカナにすると「カン」に近いイメージです。

もっと詳しく違いを見ていきましょう。

Rの発音

アメリカ英語では、「R」を舌を後ろに巻きながら発音します。このようにRを発音することを「Rohtic」といいます。イギリス英語では、「R」を発音をしません。Rを発音しないことを「Non-Rohtic」といいます。

たとえば「hard」という言葉は、アメリカ英語ではかすかに「r」のサウンドが聞こえますが、イギリス英語ではカタカナの発音の「ハード」に近い感じがします。

Tの発音

「T」をしっかり発音するイギリス英語に対し、アメリカ英語では「T」は、はっきりと発音されません。

野菜の「Lettuce」を例にとると、イギリス英語では「レタス、レトゥス」といったように発音されます。いっぽうでアメリカ英語だと「レーダス、レーラス」のように、イギリス英語のようなはっきりとした「T」の音が聞こえません。

このほかにも発音の違いはあり、文字情報として学ぶより、実際に聞いてみて違いを発見することが大切です。

参考になる動画のリンクを貼っておきますので、詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。
https://youtu.be/J55QvbyNptM
https://youtu.be/2nAnT3PASak

イギリス英語とアメリカ英語の「言い回し」の違い

イギリス英語とアメリカ英語では、言葉の言い回しにも違いがあります。どんな違いがあるのか、早速見ていきましょう!

「もう〇〇した?」と言いたいとき

「もう〇〇した?」といった英文を作りたいなと思ったとき、パッと思いつくのはどんな文法ですか?

和訳:もう宿題は終わった?
イギリス英語:Have you done your homework yet?
アメリカ英語:Did you do your homework yet?

和訳:もう昼ごはん、食べた?
イギリス英語:Have you had lunch yet?
アメリカ英語:Did you have lunch yet?

イギリス英語では、アメリカ英語に比べて現在完了形(have +過去分子)をよく使う傾向があります。アメリカ英語では、単純に過去形に「もう」という意味の「yet」を付け足します。

注文するとき、人にお願いするとき

イギリス英語:Can/May I have a XXX, please?
アメリカ英語:Can/May I get/have a XXX?

イギリス英語では、文末に「please」を付けることがポイントとなります。ひと言なので、たいした差は無いと思われる方もいますが、「please」を加えるだけで、丁寧さがグンとアップします。

また、アメリカではあまり気にならないCan I get ~? ですが、getだと少し乱暴な感じがするのでイギリスでは Can I have ~?と「have」を使った方が無難でしょう。

Shall I 〜?

アドバイスや意見、未来のことについて話すときに使うShall I 〜?の表現は、アメリカ英語よりイギリス英語の方が頻繁に使われます。

「〇〇と思う」と言いたいとき

パッと浮かぶのが「I think」の文章ではないでしょうか。

「think」 はアメリカ英語・イギリス英語、どちらでもよく使われますが、イギリス英語では「think」と同じように「reckon」という単語もよく使います。

日本人にとってはあまり聴き慣れない表現ですが、「think」と同じ意味と覚えておけば良いでしょう。

イギリス英語:I reckon we need a solicitor. (弁護士が必要だと思います。)


ここで少し余談!

下記記事では、大人になってから英語の学習をやり直そうと思っている方へ向けて、大人になってからの最適な英語学習方法をご紹介しています♪♪

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よく使う単語やスペルの違い

(よく使う単語の違い)

・apartment / flat
アパートは、アメリカ英語ではapartment(アパートメント)、イギリス英語ではflat(フラット)が使われることが多いです。

補足ですが、日本ではコンクリートで作られた3階以上の住宅を「マンション」と呼びますね。実はこれは和製英語で、英語でmansionと言うと、セレブリティが住むような豪邸・屋敷を連想させるので、覚えておきましょう!

・pint / beer
旅行でロンドンのバーに行ったときに知ったのですが、イギリスではビールのことをpint(パイント)と呼ぶことがあります。ビールは世界共通で使われていると思いきや、ほかの言い方もあるんですね!

アメリカ英語:I'm going for a beer with friends.
イギリス英語:I'm going for a pint with my mates.

また、イギリスでは友達という意味でmate(メイト)もよく使われます。友人と一緒に住んでいる場合、その友人をflat mate(フラットメイト)と呼びます。

(スペリングの違い)

イギリス英語とアメリカ英語には、スペルの違いもあります。

パソコンの自動スペルチェックの機能で、正しくスペリングしているのにも関わらず、赤字が出てしまうことがあります。イギリス英語に設定しているか、アメリカ英語に設定しているかの違いということもあります。

・整理する、オーガナイズする
イギリス英語:organise
アメリカ英語: organize

・謝まる
イギリス英語:apologise
アメリカ英語: apologize

・分析する
イギリス英語:analyse
アメリカ英語:analyze

どっちを学べばいいの?

アメリカ英語とイギリス英語、結局どっちを学べばいいのか疑問に思いましたか?

私の経験からお話しすると、アメリカ英語だから通じない、イギリス英語だから通じないということは、まったくありません。

ただ英語学習を続けていくと、どこかの国の英語に耳が慣れて、選ばずとも自然に自分の発音もアメリカ英語やイギリス英語、または他の国の英語になっているということがあります。

「イギリス英語の音の響きが好きだから!」という理由で、イギリス英語のアクセントを中心に学ばれる学習者もいます。このように、単純に自分の好みで選ぶという手もありますね!

筆者自身はオーストラリアに住んでいたことがあり、英語ネイティブスピーカーの人と話をすると、「オーストラリア英語だね!」と指摘されます。

意識してオーストラリア英語を学んだわけではありませんが、環境の中で自然にオーストラリアならではの言い回しや、発音が身についたのだと思います。


ここでまた少し余談!

下記記事では、英語のスピ=キング力を向上させる方法をご紹介しています!ぜひ英語学習の参考にしてみて下さい♪♪

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世界の英語 〜シングリッシュやオーストラリア英語〜

イギリス英語、アメリカ英語のほかに有名なものといえば、オーストラリア英語や、インド版イングリッシュ、シンガポールのシングリッシュなどがあります。

そのほかにも、香港人が話す英語の発音は、広東語なまりがあったりして、普段聞き慣れている国の英語とは、だいぶ違って聞こえるかもしれません。

また英語を第二言語として使っているフィリピンの英語は、表現や単語などがネイティブスピーカーの英語に比べ限られていて、その分、英語初級者にとっては、わかりやすいかもしれません。

「標準英語を学びたい」とおっしゃる方がいらっしゃいますが、国や人種によって、英語の発音、イントネーション、言い回しなど、いろいろあるのが現実です。

「〇〇英語=標準語」という考え方はグローバル社会においては、差別につながりかねないトピックです。

それぞれの違いをプラスに据えて、いろんな英語に慣れるようにすることで、真のグローバルスキルが身につきます!