日本語と中国語で同じ漢字なのに全く違う意味の中国語に注意!

Chinese

日本人が中国語を勉強する時に、漢字文化ということはとても有利に働きます。

漢字の内容を見るだけでおおよその意味が理解できることが多いですし、相手に伝えるときも漢字を使えば意思疎通が可能となります。

欧米人など、漢字文化ではない海外の中国語学習者よりも圧倒的に日本人が中国語を早く理解することができるのは、この漢字という文化のおかげです。

実際にHSK等の中国語試験でも日本人は読解問題の点数が高くなるのは漢字で意味を理解することができるからです。

当然中国で使われる簡体字と日本の漢字は違いますが、全く同じ形のものもありますし、簡体字の法則を理解すればおおよそ日本語のどの漢字にあたるかはわかるようになりますので、漢字の持つ意味から文章の内容を推測することができます。

ただし注意しないといけないのは、中国語と日本語では同じ漢字でも意味が全く違ったり、与える印象が異なるものがあるということです。

このことを知らずに同じ漢字だけど意味の違う中国語を使ってしまうと相手に間違った印象を与えてしまうリスクがあります。

知らず知らずのうちに日本の漢字と同じ意味で使ってしまうことがあるので注意が必要です。

今回は中国語と日本語で同じ漢字だけど意味が全く違う言葉を集めてみました。

日本語と同じ漢字で違う意味の中国語は数がそこまで多くないのでぜひまとめて覚えておくことを推奨したいと思います。

私自身が、同じ漢字なのに意味の違うものを理解せずに間違った使い方をして中国の方と意思疎通ができなかったという経験がありますので、日本人が間違いやすい代表的なものを書きました。

中国語を学習するときの参考にしていただければ嬉しいです。

同じ漢字で意味が違う間違いやすい中国語

日本語と同じ漢字だけど間違えやすい中国語を16個厳選して選んでみました。

特に知らずに使ってしまうと全く意味が違うために相手に誤解を与えたり、恥をかいたりするリスクが大きい言葉を選びました。

中国語を学習している人は日本と同じ感覚で使ってしまわないように注意して覚えておいた方がいいでしょう。

その1 「湯」

日本人はこのこの字を見て「お湯」を連想すると思います。

しかし中国語で湯はお湯のことではなく、スープを指します。

例えば「白湯」といえば中国ではパイタンスープのことですし、湯という苗字の中国人も多いので湯という字は使い方を間違わないようにしましょう。

その2 「愛人」

日本語では不倫相手をイメージするネガティブな単語と思いますが、中国語では配偶者、妻、夫を指す言葉です。

中国人から「あなたは愛人がいますか?」と聞かれるとドキッとしてしまいそうですがこれは配偶者がいますかという意味ですので日本語とはだいぶ受ける印象が違います。

その3  「老婆」

日本語では年老いたおばあさんを指す言葉も、中国語では妻、奥さんのことを老婆と言います。

また旦那のことは「老公」といいます。

日本では自分の奥さんに向かって「奥さん」と呼ぶことはあまりないと思いますが、中国では自分の奥さんを「老婆」と呼びます。

そのあたりも言葉の持つ汎用性が異なるようです。

その4 「経理」

日本語では経理課の会計職のイメージがある「経理」ですが、中国語ではマネージメントの意味で使われます。

ですのでビジネスにおいて管理職に当たる人には「経理」という言葉が使われ、この言葉を見ると管理職という認識が中国人にはあります。

また日本で言う社長を指す言葉は中国語で総経理と言い、会社のトップを指します。

その5 「小人」

日本語では子供を指す小人ですが、中国語では器が小さい、教養がない、姑息、卑怯等、ネガティブな意味を持って使われています。

中国語の意味を知らずにこの小人という言葉を中国の人に使ってしまうと相手を怒らせてしまうかもしれませんので注意が必要です。

その6 「怪我」

日本語では怪我は転んだりして体が傷ついた時に使いますが、中国語では 私のせい。という意味で使われます。

相手から責任を問われたりするときによく使う単語です。

中国語で怪我をしたという言葉は「受伤」と言います。

その7 「勉強」

日本語では学習を指す勉強という単語も、中国語では強制するという意味になります。

中国語で勉強をするという単語は「学习」です。

その8 「輸入」

日本語では貿易により商品を外国から仕入れる事を言いますが、中国語では入力するという意味になります。

データや文字の入力等に使用されます。

中国語で輸入という意味の単語は「进口」と言います。また輸出のことは「出口」と言います。

その9 「結束」

日本語では団結の意味で使われる結束も、中国語では「終わる」という意味になります。

その10 「上品・下品」

日本語では人の徳を表したり評価するときに使いますが、中国語では人ではなく物について使います。

その11 「清楚」

日本語では清潔感があり綺麗な様子を表しますが、中国語では「はっきりした」という形容詞になります。

その12 「可憐」

日本語では、いじらしい、かわいい様子で使われますが、中国語では「かわいそう」という意味になります。

中国語ではマイナスなイメージになりますので、好意のある女性に対して間違って使わないようにしましょう。

その13 「顔色」

日本語ではそのまま顔の色を指しますが、中国語ではすべての色に対して使います。

ですので色を尋ねるときは「什么顔色?(どんな色)」となります。

また中国で「色」を単独で使うときは「スケベ」という意味になりますので使用に注意が必要です。

その14 「階段」

日本語では建物の上り下りする階段ですが、中国語では物事が進む過程のことを指します。

「階段」は中国語では「台階」や「楼梯」と言います。

その15 「新聞」

日本語では紙で送られている新聞ですが、中国語ではニュースという意味になります。

中国語で新聞は「報紙」と言います。

その16 「床」

日本語では建物の下に敷く床ですが、中国語では「ベッド」の意味になります。

ホテルでダブルベッドを「大床」、ツインベッドを「双床」と言いますので覚えておきましょう。


ここで少し余談!

下記記事では中国語学習をする上での最重要事項をご紹介しています!ぜひ参考にしてください♪♪

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中国語と日本語で同じ漢字でもこれほど意味が違う

上で示したように、日本語と中国語の間には、同じ漢字でも全く意味が違うものがたくさんあります。

中国語学習者の方の中には知らなかった単語もあったのではないでしょうか?

このように中国と日本は同じ漢字圏でありながら、その文化や歴史の過程で意味が変わっていったり、使われ方が違うものに変化していったものが多いです。

今は気軽に中国の人ともWechatなどのチャットツールで文字のやり取りをすることができますが、中国語の意味を知らずに間違った認識をもってしまっているかもしれませんので同じ漢字でも違う意味の言葉は特に注意して学習する方がいいでしょう。

このことを知らずに中国語の学習初心者や中国に来たばかりの日本人が日本語での意味と同じだと勘違いして使ってしまうことがあります。

もちろん同じ意味であったり似ている意味になっている漢字も多いのですが、全く意味が異なる単語以外はそこまで大きな問題はないかもしれません。

しかし、全く意味が変わってしまうものについてはしっかりと勉強してその違いを理解した上で正しい中国語を使いましょう。

覚え方としては、やはりノートに書いたり、同じ漢字で意味の違うものを集めてまとめたりすると覚えやすいです。

また単語と同時にそれらを使った文章を考えたり、作文をするとより理解が深まるでしょう。

あとこれは豆知識ですが、中国語の文法や中国語で使われる漢字の意味を理解しておくと日本での漢文の授業やテストの理解にとても役立ちます。

漢文は今中国で使われている中国語と大差ないので、中国語が理解できていればその語法や意味が分かるようになります。

私も高校時代は漢文が苦手でしたが、中国に留学するようになってから、日本の漢文の教科書を読んでみると、全て原文で簡単に理解できるようになっていました。

もし今中学生や高校生で授業で漢文を習っている人がいれば、中国語を先に勉強するという方法もおすすめです。


ここでまた少し余談!

下記記事では、中国語の会話内で出てくる「動詞」の使い方をご紹介しています!文法をしっかり攻略して中国語学習を効率よく進めていきましょう♪♪

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【まとめ】共通点も多いが全く意味が異なるものもある

ひらがなやカタカナのない中国語では漢字の数が豊富です。

日本では習ったことがない漢字も多く出てくるでしょうし、苦手意識がある人がいるかもしれません。

しかし漢字圏以外の海外の学生と一緒に勉強したことがある私は、中国と日本の漢字文化という共通点があったおかげで中国留学時代にとても助かった覚えがあります。

日本人であるということは漢字の基礎ができているということになりますので、それだけでも欧米諸国の方と比べて中国語学習においてアドバンテージがあるといえます。

その分漢字圏以外の外国人は発音やリスニングが得意な人が多い印象で、耳で覚えた単語を正しく発音する能力が高いように感じました。

私自身も中国語を学び始めた当初、同じ漢字で意味の違う単語の理解が浅く、間違った使い方により恥をかいたことがありますので、これから中国語を学習しようとしている人や、現在中国語を学んでいる人にはぜひ同じ漢字で意味の異なる単語は注意して覚えてほしいです。

こういう間違いやすい単語は一度にまとめて覚えてしまう方が楽なので比較表等を作って一気に覚えてしまうことをおすすめします。

漢字圏である日本人は中国語を覚えやすい資質があるというのは間違いないと思います。

中国語を勉強し始めると実感すると思いますが、漢字があるだけでその文章の理解度は大きく上がります。

そのメリットを最大限利用してより高いレベルを目指してほしいです。