「遠い目をする」の英語表現を身近な関連表現もあわせて紹介

f:id:nativecamp_official:20200907192016j:plain

( = =)
 
(´-ι_-`)

(  ̄- ̄)

このような顔文字とカタカナで「トオイメ」と表記されることもあるリアクション。これらは最近よくネット上で見かける「遠い目」という表現です。なんとなくイメージは分かるけど、具体的にどんな意味なのか、気になったことはありませんか?

今回の記事では、「遠い目をする」についての意味や由来を詳しく解説したうえで、関連する英語表現や体の一部を用いる慣用句もあわせてご紹介します。

この機会に、身近なフレーズからさまざまな表現を勉強していきましょう。

「遠い目をする」ってどんな意味?

「遠い目」とは、「遠くを見つめる目」の比喩表現です。
ここで言う「遠く」とは、物理的な距離というよりも心理的に離れた距離を意味しており、過去の出来事や思い出をふりかえったり、昔話をしているときの穏やかな目つきやまなざしのことを表しています。「今ココ」ではない、はるか遠く過ぎ去ってしまった昔のことを回想する様子です。

そして「遠い目をする」という表現は、過去を思い出して懐かしい気持ちにひたっている状態を表しています。実際になにかを思い出そうとするとき、ちょっと目線を上げたり、手元ではなく少し遠いところに焦点を合わせたりしたことはありませんか?

ウェブ小説などでよくあるのが「あの頃は、よかったなあ(遠い目)」とカッコで「遠い目」を使う表現。これは、今の自分はもう失ってしまった、若さやエネルギーあふれる子供時代や青年時代をふりかえるシーンを「遠い目」という表現効果で演出しています。

具体的な例文をあげてみましょう。みなさんはどのような情景を思い浮かべますか?

・先生は遠い目をしながら子供の頃の話を始めた
・彼女の話をするとき、母はいつも遠い目をする
・「あいつ、今でも元気でやってるかな(遠い目)」

「遠い目をする」を英語でなんていう?

基本的な意味や用法をおさえたところで、続いて英語での表現について学びましょう。「遠い目をする」には類似の英語表現がいくつかあります。

今回は、日常会話でよく使うものを3つほどピックアップしてご紹介します。

look into the far distance

She is looking into the far distance.

彼女は遠い目をしている。

「Be動詞+ ~ing」の形式で、今まさに遠い目をしている状態を表しています。
look はもともと「じっと見つめる」という意味なので、「look into the distance」と言うと「遠くをじっと見つめる」となります。そこに例文のように「far」を追加することで、遠くをぼんやりと見ているような「遠い目」のニュアンスが出ます。 

have a distant look

I saw he had a distant look.

彼が遠い目をしていたのを見た。

名詞「distance」の形容詞である「distant」は「距離がある」や「遠い」などを意味します。
「a distant look」で、遠くどこでもないところへのまなざしという「遠い目」という表現になります。

stare off into space

My dad was staring off into space for a while.

父はしばらく遠い目をしていた。

「look」や「see」と比べると聞き慣れない単語である「stare」は、「(感情的に)じろじろ見る、凝視する」というニュアンスがあります。これが熟語「stare off」になると「遠くを見る」という意味に変化します。さらに「stare off into space」で空間を仰ぎ見るようなイメージとなり、「遠い目」の表現に近いものになります。

「遠い目をする」とあわせて使えるフレーズ

「遠い目をする」ときは、過去を回想したり、古き良き思い出にひたる様子というのがお決まりのパターン。
そこで上記の「遠い目をする」英語表現に組み合わせて使える、過去をふりかえるフレーズを一緒に見てみましょう。

(the) good old days 昔懐かしいあの頃

She is looking into the far distance.She likes to talk about the good old days very much.
彼女は遠い目をしている。彼女は昔懐かしいあの頃の話をするのが本当に好きだ。

ドラマのセリフや歌の歌詞にもよく出てくる「(the) good old days」、これは昔の話をするシーンでは頻出単語なので、ぜひ覚えて使ってみてください。
「the」 はそのときの会話のニュアンスによって、あったりなかったりします。

used to do (動詞の原形) 昔はよく〜したものだ

I saw he had a distant look. We used to play often in the park.
彼が遠い目をしているのを見た。私達は昔はよく公園で遊んだものだ。

こちらも、過去を回想する話題のときにすぐ使える頻出フレーズです。
使う、という動詞の過去形「used」の発音は「júːzd」ですが、綴りが同じでもこの表現では発音が変化して「júːs(t)」になります。「ユーズド」ではなく「ユーストゥ」というように発音が異なるので、会話で使う際には注意が必要です。

bring back memories なつかしい(記憶を呼び起こす)

My dad was staring off into space for a while. Because this picture brings back memories.
父はしばらく遠い目をしていた。この写真がなつかしいものだったから。

直訳すると「記憶を呼び起こす」となりますが、日本語の「なつかしい」に近いニュアンスでネイティブスピーカーはこの表現を使います。例文では「この写真」としましたが、モノや場所など、物理的なものに起因して記憶を刺激されたときにこのようなフレーズで表します。

「遠い」の関連英語フレーズ

さらに派生して、次は「遠い」の関連英語フレーズをご紹介します。キーワードに関連づけながら、類似の単語やフレーズを覚えると学習効果がグンとアップしますよ。

distant future 遠い未来

Nobody knows the distant future.
遠い未来のことは誰も知らない。

名詞形「distance」は「距離」という意味でよく見かけますが、こちらが形容詞形「distant」になると「距離がある、遠い」と変化します。「distant future」は遠く離れた未来、とも言えるでしょう。

so far from ~ 〜から程遠い

Your answer is so far from perfect.
あなたの答えは完璧から程遠い。

かなりの距離がある、全然近くない、などの意味を持つ「程遠い」は「so far」で表すことができます。例文の「完璧から程遠い」など見えないもの、概念的なものにも、「so far from home(家まで程遠い)」など物理的なものにも幅広く使えます。

hard of hearing 耳が遠い

The lady is hard of hearing.
その女性は耳が遠い。

直訳すると「その女性は耳がよく聞こえない」となります。「The lady can't hear very well.(その女性はよく聞こえない)」という類似表現もありますが、この場合は周りが騒がしかったり、電話の通信状態が悪くて一時的によく聞こえない、というニュアンスが合います。


ここで少し余談!

日本語では使うのに英語だとなんというのか分からないという英語表現はたくさんありますよね。下記記事ではそんな中から「くだらない」の英語表現についてご紹介しています♪♪

nativecamp.net


「目」に関連する英語フレーズ

それでは最後に、体の一部を使った慣用表現をご紹介します。日常会話でシンプルな文章が使いこなせるようになったら、こんな表現も追加してみると、会話のレベルが確実に上がっていきますよ。

take the long view 長い目で見れば

It will save your time in the long run.
長い目で見れば時間の節約になる。

「long run」はそのままカタカナでロングランと日本語でも親しまれていて、演劇や映画の長期興行を意味します。「in the long run」とは直訳すると「長い期間のなかでは」、そしてこれが慣用句の「長い目で見れば」となります。

be dazzled 目がくらむ (強い光などで一時的に目が見えなくなる様子)

My eyes were dazzled by the sunlight.
太陽の光に目がくらんだ。

視覚に直接的な影響を与える、という意味での「目がくらむ」がこちら。動詞の原形は「dazzle」ですが、受身形にして使うことが多いです。

lose one's head with 目がくらむ(心を奪われて判断力をなくした様子)

He lost his head with money.
彼は金に目がくらんだ。

上記に対して、心理的な描写としての「目がくらむ」という表現もあります。欲望に心を奪われて判断力をなくした様子を表しています。

stone's throw 目と鼻の先

My school is just a stone's throw from here.
私の学校はここから目と鼻の先だ。

日本語では体の一部を使って表現しますが、英語では動作で表す「とても近い、すぐそばだ」というこの慣用句。直訳すると「石を投げたら届く距離」で、近いというイメージを持たせるようです。会話ではあまり登場することはないかもしれませんが、日本と海外の違いが見える面白い慣用表現としてご紹介しました。


ここでまた少し余談!

下記記事では、「どっちもどっち」の英語表現についてご紹介しています!これもかなり役立つ表現なのでぜひ参考にしてみて下さい♪♪

nativecamp.net


まとめ

「遠い目をする」の説明を中心に、様々な関連表現をご紹介しました。例文をまとめて再掲載するので、いくつ覚えたか確認してみてください。
「これ、使えそう!」と思った例文は丸暗記して、ネイティブ講師とのオンラインレッスンで実際に使ってみると、自分のボキャブラリーとして定着しますよ。

「遠い目をする」に関するフレーズ

She is looking into the far distance.
彼女は遠い目をしている。

I saw he had a distant look.
彼が遠い目をしていたのを見た。

My dad was staring off into space for a while.
父はしばらく遠い目をしていた。

「遠い目をする」とセットで使える関連フレーズ

She likes to talk about the good old days very much.
彼女は昔懐かしいあの頃の話をするのが本当に好きだ。

We used to play often in the park.
私達は昔はよく公園で遊んだものだ。

Because this picture brings back memories.
この写真がなつかしいものだったから。

「遠い」に関するフレーズ

Nobody knows the distant future.
遠い未来のことは誰も知らない。

Your answer is so far from perfect.
あなたの答えは完璧から程遠い。

The lady is hard of hearing.
その女性は耳が遠い。

「目」に関するフレーズ

It will save your time in the long run.
長い目で見れば時間の節約になる。

My eyes were dazzled by the sunlight.
太陽の光に目がくらんだ。

He lost his head with money.
彼は金に目がくらんだ。

My school is just a stone's throw from here.
私の学校はここから目と鼻の先だ。