英作文の練習をするのに、例文は欠かせません。
特に全く英作文をしたことがない人だと、突然英作文をしろと言われても、どういう風に書けばよいかわからないでしょう。
書き方の例として使えるため、英作文学習に例文は非常に重要なのです。
しかし英語で書かれた文章なら、どれでも例文に使えるわけではありません。そこで今回は、英作文学習に使える英文の選び方をご紹介します。
英作文学習に使う例文を選ぶ5つのポイント
例文を選ぶときには、その例文があなたの英作文学習に最適である必要があります。
でも、具体的にどのように選べばいいのか、わからない人も多いでしょう。
そこでまずは、英作文学習用の例文をどのように選べば良いのか、5つのポイントに絞って解説していきます。
1.正しい英語で書かれているか
当たり前のことですが、英作文学習に例文を使う場合、その例文が正しい英語で書かれている必要があります。
正しい英語とは、ネイティブが書いた英文のことではありません。
なぜなら、ネイティブも正確な文法や適した表現を使って文章を書いているとは限らないのです。
特にSNSなどにアップしている文章、歌詞、何かのレビュー記事などは、省略が多かったり、細かい文法が正しくなかったりすることが多いです。
不思議に思うかもしれませんが、私たち日本人がいつも正しい文法と表現を使っているわけではないことを考えれば、わかりますよね。
日常会話を身に付けたいなら、そういった文章を参考にするのもアリかもしれません。
しかし「英作文」が求められるような場合とは、何かの試験や大学入試など、きちんとした文法や表現が求められる場も多いですよね。
ですから、例文を選ぶときには、その英語が正しいものであることがある程度保証されているような文章を選ぶ必要があるのです。
2.読んでみて楽に読めるかどうか
より上達するために、少し難しい例文を選びたくなる人もいるかもしれませんね。
しかし同じレベルの英文なら、書く方が読むよりずっと難しいです。
つまり、私たちは読むのが難しいと感じるものを、自分で書くことはできません。
読んだり聞いたりして意味がわかっても、同じレベルの文章を自分で書いたり話したりできるかというと、難しいですよね。
ですから英作文の例文は、読んでみて楽に読めるレベルのものを選びましょう。とは言え、あまりにも文章が簡単すぎると感じるものはNG。
大体スラスラ読めるけど、少しだけ知らない単語があったり、使ったことのない表現があったりするくらいが望ましいです。
単語や熟語、表現によくわからないものが多少あっても構いませんが、一つの文章が長すぎると感じるものや、そもそも文法がどうなっているのか理解できないようなものは、あなたが英作文の練習をするのに適した例文ではありません。
ですから、例文を選ぶときには、ちゃんと読んでみて決めることをおすすめします。
3.その例文を元にバリュエーションを効かせられるか
例文を使って英作文学習ができるかどうかに関わってくるのですが、例文を選ぶときには、その例文を少し改変して、同じ流れで別の文章を書けるかどうか、つまりバリュエーションを効かせられるかどうかも大事なポイントです。
ちょっと言葉では説明しづらいので、実際に簡単な英文を用いて説明します。例えば以下のような形です。
(例文)I want to live in Okinawa one day because I love the food there.
(改変例1)I want to live in Mexico one day because I love tacos.
(改変例2)I want to learn Spanish one day because I love Spain.
これらはとても単純な文章ですが、
『I want to +動詞+目的語+one day+because I love 目的語』
つまり「何をしたいか」そして「それをしたい理由」という構成になっていますよね。
特に例文と改変例1は目的語以外は全て同じです。
このような形で、バリュエーションを作りやすい例文だと、同じ例文を使って何度も練習ができるのです。
(その練習の仕方は、後述します。)
4.何かについての意見を述べている文章か
英作文を求められる場合、特に中級レベル以上になると自分の意見を書くような場面が増えてきます。
特に英検や入試などの試験では、意見を書くような問題も少なくないでしょう。
すでに知っている事実は書けても、自分の意見となると難しいと感じる人も多いのではないでしょうか。
まず意見が思い浮かばないという問題もありますし、上手に意見を文章にする表現力が足りないということもあるでしょう。
ですから、英作文の練習用に例文を探すなら、筆者の意見が少しでも含まれているような例文があるととても良いです。
たとえば、参考書などを使う場合、全ての例文が意見を述べるような文章でなくても構いません。
しかし、意見が書いてあるような文章が多めの方が望ましいでしょう。
5.できれば和訳や解説があるものを選ぼう
英作文の例文は、正しい英語で書かれていることが確かなら、どんなものを使っても基本的には役立ちます。
しかし、和訳や解説がついているものだと、学習がしやすいでしょう。
読んでみて、意味がわかると思っていても、微妙なニュアンスを間違えて理解しているかもしれないからです。
そういった微妙なニュアンスの理解にズレがあると、自分で例文を書くときに、伝えたいことが正しく伝わりません。
ですから、例文を探すなら結局英作文向けの参考書が最適なんですね。
模範解答として例文がたくさんありますし、解説もついています。
特に中級レベルまでの人なら、和訳と解説は必須。
書店に行って、英作文用の参考書を見比べ、より使えそうな例文(模範解答)がたくさんある参考書を選ぶといいでしょう。
ちなみに、試験対策用などではなく、メールやブログ記事などのために英作文を練習したいなら、まずは英文メールの例文集から初めてみるといいでしょう。特にビジネスメールの参考書はかなり種類が豊富です。
ここで少し余談!下記記事で英作文を勉強する際におススメの参考書と勉強方法をご紹介しています!
例文を使った英作文学習法
英作文練習に使う例文を用意したら、次は実際にその例文を使って英作文の練習をしてみましょう。
ここからは、例文を使って効率よく英作文を練習する方法をご紹介します。
例文の単語を変えて真似て書いてみる
前項の「3.その例文を元にバリュエーションを効かせられるか」でご説明した文章の改変が、ここで出てきます。
まずは例文をそのまま真似て書いてみてもいいでしょう。
しかし、ただ全てをそのまま写し書く場合、実は作業のようになってしまって、頭にあまり入ってきません。
また、その例文を丸覚えしても、あまり英作文に効果を発揮しないでしょう。ただ丸覚えするだけでは、意味がきちんとわかってはいないからです。
どんな文法・表現が使われているのかなども、分析はあまりできていないでしょう。
ですから、例文を使って英作文を練習する場合は、まずはその例文をしっかり読んで意味を理解し、今度はその例文のところどころの単語を変えつつ、例文を真似て書いてみるのです。
全体の構成は同じでも、違うテーマについて話しているような仕上がりになるのがベストですね。
でも、最初は目的語だけを変更するような形でも十分でしょう。
また、筆者が自分自身について語っているような例文なら、同じ構成を使って、あなたもあなた自身のことを書いてみてもいいですね。
とにかく同じ例文を使って、いくつかあちこち改変した文章を書いてみてください。
文頭と接続詞はあまり変えないようにしていると、この練習がなぜ力になるのかわかってくると思います。
いくつかバリュエーションを作れば、ある程度、文章の構成が身についているはずです。
これは使える!と思う表現は丸覚えを
英作文の練習に使う例文は、丸覚えをする必要はありません。
しかし、「これは使える!」と思った表現やフレーズは丸覚えをしてしまいましょう。
「なんだか、この言葉をきっかけに文章が盛り上がっている」
「この言葉から、話が切り替わった」
というように感じるような表現は、ガンガン覚えていきましょう。
また、「まずはじめに」「第二に」「最後に」のように、リスト化されて話が組み立てられているような文章も、最初にどんな言葉が使われているかよくチェックしてみてくださいね。
「その上」「さらに」なんかの言葉もおすすめです。
あとは、自分で面白いと思ったフレーズや、自分でも使えそうだと感じたものを覚えていくといいでしょう。
自分にとって「新しい表現」と感じるようなものもおすすめですよ。
ここでまた少し余談!まだ少し英作文が難しいという方!下記記事でさらに初心者の方向けに英作文のご紹介しています♪♪
まとめ
今回は英作文学習に使える例文の選び方や、それを使った学習法を紹介しましたが、ちょっと地道な作業になるので楽しむことも重要です。
自分で練習する分には、どんな内容になったって構わないので、自分が興味のある話にしたり、ちょっとジョークを入れてみたりしてもいいですね。
また、使える表現やフレーズを探すのも、宝探しをする感覚で楽しんでやってみてくださいね。
ちなみにこの方法で書いた例文は、ネイティブキャンプのレッスンでもチェック可能です。
短めの文章なら、空いている講師にフリートークでチェックしてもらえます。
長い文章のチェックも可能ですが、長い文章だと、しっかり日本語で解説してもらうか、文章の組み立てやちょっと高度な表現力なんかをチェックしてもらえた方が良いので、日本人講師かネイティブ講師を予約して、しっかり見てもらうことをおすすめします。
一度でチェックが終わらなくても、同じ講師を再度予約すれば、また続きを見てもらえるので安心ですよね。
◇経歴
英日翻訳・校正、英会話講師など
イギリスの現地企業にて就業経験あり
◇資格
TOEIC935点
英検準1級
ケンブリッジ英検FCE合格
◇海外渡航経験
イギリス5年弱、グアテマラ6ヶ月、合計49ヶ国に渡航歴あり
◇自己紹介
国内外で活動するWebライター兼翻訳者です。これまで手がけた記事は数千件以上。翻訳経験は通算5年位になります。コロナ禍前は世界中を旅をしながら仕事をするノマドワーカーをしておりました。