日本では一般的に「サラリーマン」というと、「オフィスで働く男性会社員」を指した言葉として使われることが多いです。
特に、テレビ番組の「新橋のサラリーマンに聞いてみた」ようなコーナーでインタビューされているような人たちをイメージする方が多いのではないでしょうか。
カタカナ表記のため、英語学習者の方の中には「サラリーマンって英語でなんて言うんだろう」と疑問に思ったことがある方も少なくないでしょう。
日本のワークスタイルは良くも悪くも話題になりがちで、日常会話の中でもよく話されるトピックなため、外国人との英会話の中で説明できようにしておくと良いでしょう。
そこで今回は、「サラリーマン」の英語表現や例文、語源などをご紹介したいと思います。
サラリーマンって英語でなんて言う?
「サラリーマン」という言葉はカタカナ表記のため、「外国人相手にそのまま使っても通じるのでは?」と思っている方もいらっしゃるでしょう。
ここではその疑問も含め、「サラリーマン」に関する英語表現についてご説明したいと思います。
サラリーマンは英語で通じる?
結論から言うと、「サラリーマン」という言葉は通じる人もいれば、通じない人もいます。
ただし、通じるのは「元々サラリーマンの意味を知っている人」です。
日本の労働環境に興味のある方であれば、聞いたことがあるという方は多いでしょう。
日本の労働については、海外のメディアでも時々取り上げられることがあります。
その際に「salaryman」という単語が使われることがあります。
例えば、イギリスの大手新聞の「The Guardian」が、最近以下のような記事を掲載しました。
記事タイトル
Covid-19 spares the Japanese salaryman from ritual exhaustion
Covid-19(新型コロナウイルス)は慣習的な疲労から日本人サラリーマンを解放する記事本文より一部抜粋
While Japan has so far avoided the large number of infections and deaths seen in the US, Europe and China, the outbreak is challenging the traditional image of besuited, exhausted salaryman falling asleep on packed commuter trains following after-hours drinks with colleagues.
日本はこれまでのところ、米国、ヨーロッパ、中国で見られる多数の感染と死者数を避けてきましたが、この発生は勤務後の同僚との飲酒の後、スーツの疲れたサラリーマンが満員の通勤電車で眠りにつくという伝統的なイメージに異議を唱えています。
(「The Guardian」より英文引用)
このように「salaryman」という単語が使われている記事やテレビ番組を見たことがある方や、日本に住んでいる外国人の多くは意味を知っている可能性が高いです。
また、ケンブリッジ辞書には以下のように説明されています。
a Japanese businessman who works very long hours every day
毎日オフィスで長い時間働く日本のビジネスマン
in Japan, a man who works in an office for a salary
日本の、給料のためにオフィスで働く男性
(ケンブリッジ辞書より英文引用)
しかし、そもそも和製英語のため、意味を知らない人には通じない可能性が高いです。
そのようなときのためにも、サラリーマンを指す英語表現は知っておいたほうが良いでしょう。
サラリーマンを英語で言うと?
ここでは、性別に関係なく使えるサラリーマンの英語表現をいくつかご紹介します。
office worker
サラリーマンは厳密に言えば 「給料をもらって仕事をしている人」 という定義ができるため、ショップ店員や飲食店従業員などもサラリーマンと呼べますが、一般的にはやはり「オフィスで働く人」をサラリーマンと呼ぶことが多いでしょう。
つまり、サラリーマンは英語の「office worker」にあたると考えることができます。
company employee
「employee」は「従業員」という意味の単語です。
つまり、「compamy employee」で「会社の従業員」という意味になります。
「office worker」に比べてより広い意味で 「給料をもらっている人」 という意味として使える表現です。
もちろんその中にはサラリーマンも含まれます。なお、「employer(雇用主)」、「employ(雇用する)」といった単語もついでに覚えておきましょう。
nine-to-fiver(9-to-5er)
「勤務時間が午前9時から午後5時の」という意味の「nine-to-five」から来ている表現です。
オフィスワークの全てがその時間に当てはまるわけではありませんが、そのような形態の会社が多いことから生まれた表現です。
「サラリーマンとして働いている」を「work a nine-to-five job」と言うこともできます。
white-collar worker
「collar」は「襟」という意味の単語です。
一般的にオフィスで働く人たちは白い襟付きのシャツを着ることから、このような表現が生まれました。日本で言うサラリーマンも、スーツとYシャツを着て仕事をしているというイメージが先行するため、この表現が使えると言えます。
ちなみに、製造業や建設業のような肉体労働系の仕事を「ブルーカラー」と呼ぶので、覚えておくと良いでしょう。
サラリーマンに関する例文
ここでは、実際に英会話で使える例文をいくつかご紹介したいと思います。
How do you say "Salaryman" in English?
「サラリーマン」は英語でどうやって言いますか?
My father is an office worker.
私の父はサラリーマンです。
I used to be a company employee. I work freelance now.
かつてはサラリーマンでした。今はフリーランスです。
I worked a nine-to-five job for over 20 years until I started my own business.
私は自分のビジネスを始めるまで20年以上サラリーマンをやっていました。
What do you think about the Japanese "Salaryman" culture?
日本のサラリーマン文化をどう思いますか?
A lot of office workers in Japan work from home now.
今、日本の多くのサラリーマンがリモートワークをしています。
What do you like about working in the office?
オフィスで働くことの何が好きですか?
It's said that being a "Salaryman" is financially more stable than being self-employed.
一般的に、「サラリーマン」であることは、自営業よりも財政的に安定していると言われています。
Most office workers in Tokyo take the train to work.
東京のほとんどのサラリーマンは電車で仕事に行きます。
Shimbashi has a lot of drinking places office workers go to.
新橋にはサラリーマンが行く酒場がたくさんあります。
What age would you like to retire at?
何歳で引退したいですか?
ここで少し余談!
英語の類語辞典を使うと、類義語がたくさん出てきます!類義語を覚えておくと英語学習をしていくうえで便利なことが多いです。
そこで今回はそんな英語の類語辞典に関して紹介する記事を載せておきます。気になる方はぜひチェックしてみてくださいね!
サラリーマンの語源
「サラリーマン」という単語は、大正時代から使われ始めました。
当時、スーツにネクタイ姿の知識労働者を指す言葉として浸透しました。
「マン」は「男性」という意味の「man」から来ており、当時は男性中心の社会だったことがうかがえます。
なお、女性のオフィスワーカーが増え出した頃から最近までは「OL(office lady)」という言葉が一般的に使われていましたが、今は使わないようにする傾向にあります。
近年では、性別問わずホワイトカラー職の人を「ビジネスパーソン」と呼ぶようになりました。
また、サラリーマンという言葉をネガティブに捉える人もこの表現を使うことが多いようです。
ちなみに、「salary」という単語は「給料」という意味の単語ですが、語源はラテン語で「塩」を意味する「salarium」から来ています。
古代ローマ時代、塩は貴重な調味料として扱われてたため、政府が独占的に販売する権利を有していました。
また、その当時の兵士や役人は給料の一部を塩で支払っていたという説もあります。
そのため、英語の「salt(塩)」の語源である「salarium」が派生して「給料」という意味の単語になったとされています。
またまた最後に少し余談!
世の中には和製英語がたくさん存在しています。今回はそんな中でも野球用語での和製英語に特化した記事を載せておきます。
気になる方はぜひチェックしてみてくださいね!
まとめ
では今回の記事のまとめです!
・「サラリーマン」は和製英語だが、海外メディアで日本のサラリーマンについて報じる際は「Salaryman」という表現を使うことがある
・「サラリーマン」を英語で言うと、「office worker」「company employee」「nine-to-fiver」「white-collar worker」
・「salary」の語源はラテン語の塩「salarium」から来ている
いかがでしたでしょうか?
「サラリーマン」という言葉について、この記事で初めて知ったこともあるのではないでしょうか。
他にも日本で日常的に使われているカタカナ表記の和製英語がたくさんあります。
海外だと通じないものがたくさんあるので、英語学習者の皆さんはぜひ一度、思いつく限りの和製英語を書き出して1つずつ調べてみてください。きっと英語力向上にもつながりますよ!
◇経歴
・コールセンターでの日英バイリンガルオペレーター(3年)
・外資系企業(製薬業界)でのテクニカルサポート(2年)
・副業でオンライン英会話の講師(2年)
・東京にて通学型の英会話スクール経営(4年)
・英会話スクールをオンラインに切り替えて運営(現在で約4年)
・英会話講師歴は合計で10年
◇資格
・英検1級
・TOEIC990点
◇海外渡航経験
・イギリス(3ヶ月、短期留学)
・タイ(6ヶ月)、マレーシア(3ヶ月)、台湾(3ヶ月)の滞在歴あり(海外ノマド)
・海外旅行:韓国、マルタ、ベトナム、インドネシア、アメリカ
◇自己紹介
バイリンガル英会話コーチのBobです!ほぼ日本国内で英語を習得してバイリンガルになりました。たまたま始めたオンライン英会話講師の仕事が天職だと悟り、自らの英会話スクールを開校。これまでに200人以上の英語学習者に教えてきました。多くの人たちに英語を好きになってもらい、思いっきり英会話を楽しんでもらえるよう日々活動しています!