英語学習に単語力の強化はかかせません。
文法の決まりをしっていても、単語を知らなければ当然会話することはできません。
しかし単語が必要とはいってもどのくらい覚えればよいのでしょう?
全ての語彙を網羅することなどは到底できませんが、ある程度満足に会話できるレベルになるには、何語覚えることを目標にするとよいのでしょうか。
この記事では、日常会話に必要なフレーズや目標とすべき語彙力、単語学習に必要なノウハウについてお伝えしていきます。
これを読んでいただくことでご自分の今いる状況や今後の目標を見定め、ぜひ今後の英会話に活かしていっていただければと思います。
日常会話でよく使われる英単語とは?
スムーズな英会話には、活用頻度の低いものではなく日常会話で頻出のものから覚えていくことが当然効率的です。
けれど、私たちがよく使う「日常会話」とは、どのような会話のことを指しているのでしょうか。今一度振り返ってみましょう。
日常会話には2種類ある
日常会話といっても、大きく二種類に分けることができます。
一つは、「そこまで親しくない相手やサービスの提供者に自分の意向を伝える会話」、もう一つは「ある出来事など特定のトピックに対し、自分の考えを伝え、相手の言うことを聞き取る会話」です。
どのようなものか、詳しく見ていきましょう。
1.旅行先や店先などでコミュニケーションできるレベルの日常会話
こちらは、海外旅行やお店などで英語話者の人に自分の希望を伝えたり、聞きたいことを尋ねたりする能力です。
この会話は場面別に大きく分けると以下の三つに分けることができます。フレーズもご紹介しますので、ぜひ使ってみてください。
挨拶表現
Hello
How are you?
How are you doing?
↑これらは定番中の定番の挨拶表現ですね。
日本とは異なり、お店の人に注文をする際にもこのように挨拶をしてから注文します。
I’m good. I’m fine.
↑「元気です」と自分の状態を伝える表現です。
See you.
See you later.
別れるときに使います。
実際にはまた会うことがない相手でも、用いることができます。
挨拶表現は英語学習で最初に習うので、頭の中に入っている方が多いことと思います。
次に、自分の希望や意思を伝える表現を見ていきましょう。
自分の希望を伝える表現
Take away/take out, please.
→テイクアウェイ(アメリカではテイクアウト)でお願いします。
Can I have your phone number, please?
→電話番号を教えていただけますか?
Could you call a taxi for me, please?
→タクシーを呼んでくださいませんか?
Would you mind if I smoke here?
→ ここでタバコを吸ったら気になりますか?
自分の希望を相手にお願いする時の表現や、相手の意向を尋ねるときには、「Can I/ Could you/ Would you」などの表現は頻出です。
気を付けた方がよいのは、相手に願いをするときに最後にpleaseをつけることです。
この言葉があるかないかで、受け取り手の印象はまるで違います。丁寧な接し方を心掛けましょう。
疑問形
旅先では、時間や行先を尋ねることは必須です。
そのような時に役に立つのが、「5W1H」で始まる疑問形のフレーズです。
特に、what, when, where, howの疑問詞はよく使います。
例文を見ていきましょう。
How can I get there?
→どうすればそこへ行けますか?
When will the next bus come?
→次のバスはいつ来ますか?
What food do you recommend?
→どのご飯がおすすめですか?
How much is it?
→いくらですか?
Where can I buy the ticket?
→チケットはどこで買えますか?
ご覧いただいたように、これらフレーズは、中学校で習ったレベルの言葉ばかりです。
一つ例文を覚えておけば、他のことを聞きたいときにも主語や動詞を入れ替えるだけで応用が可能ですので、暗記しておくとよいでしょう。
2.議論や雑談ができるレベル
議論や雑談ができるレベルの「日常会話」を成立するとなると、先に挙げた例のような単純な暗記だけでは対応できません。
言葉のキャッボールをして会話を続けていくには、次の四つのステップがあります。
①相手の言っていることを「聞き取る」能力
→リスニング
②聞き取った内容を理解する能力
→語彙力・文法知識
③自分の言いたいことを英文にする能力
→語彙力・文法知識
④相手に伝わるように話す能力
→スピーキング&発音
この4ステップを見るだけでお分かりのことと思いますが、「日常会話ができるレベル」というのはたくさんの力が必要です。
付け焼刃ではこのような会話には対応できません。
しかし、後でご説明しますが、適切な方法で単語学習を続けることで、かなり改善することができます。
一体どれくらいの単語量が必要なのか?
単語量が日常会話を発展させるには必要と説明しましたが、果たしてどれくらいの語彙があればよいのでしょうか。
まず、現在のご自分の立ち位置を知りましょう。
現在、中学では1200・高校では1800、高卒で3000語程度を学校で勉強しています。
この数はネイティブの語彙と比べてどれくらいなのでしょうか。
ネイティブスピーカーはどれくらいの単語量なの?
ネイティブスピーカーはどれくらいの語彙力があるのでしょうか。
以下に、各段階別のネイティブの語彙数をご紹介します。
ネイティブの語彙力
幼児(4歳) 約5000語
中学生 約19000語
高校生 約21000語
成人のネイティブ 20000-35000語
ネイティブの語彙と比較すると、私たちの語彙がいかに少ないものかわかります。
もちろん、日本の高卒レベルの語彙でもある程度の会話は可能です。
しかし、上に掲げたような円滑なコミュニケーションができるレベルを達成するには、まずは10000語を目指してみましょう。
ちなみに 10000語はTOEICでいうと900点、英検では一級取得レベルの語彙数です。
自分の語彙力をはかってみよう
10000語をまず目指すとはいったものの、自分の単語量がどれほどあるかを知らない方は多いのではないでしょうか。
「高卒時よりは単語量はあるけれど、今自分がどれくらいかわからない・・・」という方には、便利なサイトがあります。
知っている単語をチェックしていくだけで、おおよその単語レベルを判定してもらえるものです。
https://uwl.weblio.jp/vocab-index
testyourvocab.com/
これらを活用して、到達したいレベルまでの自分の距離を調べてみましょう。
英会話力アップには、英単語学習からまず始めるべきなの?
ここまでご説明してきたよう、英単語学習は英会話上達のためには必須といえます。
けれど、単語学習からまず始めるべきなのでしょうか?
それとも、英文法をおさえてから単語を学習するべきでしょうか。
単語と文法は両輪です。正しい会話を成立させるには、どちらも大切です。どちらか一方が欠けていては正しい会話が成立しません。
文法知識も不可欠な理由
私が住んでいるニュージーランドはたくさんの人が住んでおり、多文化社会です。
街中を歩いていると本当に様々な国の人とすれ違います。
以前、所用で出掛け、エレベーターに乗った際にこんな経験がありました。
非ネイティブの大工さんとその同僚の英語ネイティブらしき人が会話していました。
非ネイティブの方は大変積極的に会話をしていたものの、文法としてはめちゃくちゃでした。
I don’t know hime. But he saidy we met before met.
くらいの会話でした。
しかし、その彼はとても堂々と話していて同僚の方も彼が言っていることを理解しているようでした。
これを読んでいる方の中には、 「めちゃくちゃだったとしても通じているのだからよいのでは?」 と思う方もいらっしゃるかもしれません。
けれど、これは「正しい会話」ではありません。確かに相手に伝えたいことを伝えるという自分の目的は達成できているかもしれません。
けれど、聞き手には相当な負担が生じています。
また、文法知識がなくでたらめなままだと、結局は深い内容に発展させることはできません。文法と単語はどちらも英語学習には大切な知識です。
さらに、そこに発音という要素が加わることで、
円滑なコミュニケーションが可能となります。
まだ文法知識に自信がない方は、文法と単語、そして発音の三点を同時に強化しながら学習を進めましょう。
英語上級者の方は発音と単語に重点をおこう
「もう大学入試レベルの文法力&単語量は備わっている、でも会話に伸び悩んでいる。」という方は「単語と発音」を重点的に伸ばしていくとよいでしょう。
このレベルの方にとって大切なことは、単語を覚える際は発音も同時に習得することです。
私自身、大学入試時にたくさん単語を覚えており語彙力だけはあったのですが、せっかく覚えた単語がネイティブ相手に全く伝わらなかった経験があります。
それは、暗記重視で「正しい発音」には取り組んでいなかったためです。
結局、単語の意味の他に発音を再度覚えなくてはならないという二度手間を踏みました。
ネイティブキャンプでは発音や単語学習に有効な記事をこれまでにもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
発音について
発音を練習する際には、一つ一つの単語を確認することも大事ですが、まずは発音記号の読み方や英語の特徴(リダクション、アクセントなど)について抑えてから取り組むとよいでしょう。
単語の覚え方について
これらの記事内でも触れられていますが、アプリの活用や脳のメカニズムを利用した単語の暗記方法はとても有効です。
だらだらと無駄に時間をかけずに、最短で最高の効果を生む学習方法を選択しましょう。
動詞の語彙を増やそう
最後に、単語学習を行う際にどの品詞を重点的に抑えていくべきかについて触れたいと思います。
単語帳をめくってみると実に多くの単語があり、どれから手を付ければよいのかわからない…なんてことがよくあります。
速読英単語やcore1900などの、長文を読みながら言葉を覚えていく形式の単語帳でない場合は、まずは動詞を重点的に学習するとよいでしょう。
なぜ動詞が大切なのか
動詞は文の要となります。
名詞や形容詞はわからなくても、ある程度言いかえが可能です。
例えば、hospital=病院という名詞が出てこなかったとします。
けれど、
The place where many patients go and have a check
The building where sick people stay to get recovered
というように言いかえて表すことが可能です。
形容詞も眠たい=sleepyが出てこなかったとしても、同様に疲れている状態を表す言葉tiredなどを用いることにより、伝えたいフレーズに近づけることができます。
けれど、動詞は言いかえが難しく、それ自体を知っていないと文を成立させることが困難なことが多いです。
イディオムやコーパスも同時に覚えて、様々な表現を身に着けるとよいでしょう。
まとめ
ここまで、語彙力の重要性についてご説明してきました。
せっかく文法が備わっていても、語彙が貧弱ですとどうしても会話は単調になりますし、「知らない単語が出てきたらどうしよう」という恐れを抱きながら話すので、コミュニケーションを心の底から楽しむことができません。
ぜひこれを機に、語彙力を強化してネイティブのように会話ができるレベルを目指してみましょう。
中学在学中のオーストラリアでの短期ホームステイで、「英語のおもしろさ」に目覚める。英語学習歴はかれこれ20年以上で、終わりなき勉強を今も続けています。長期での留学経験はないものの、現在海外ニュージーランドに住みながら、日々「生きた英語」について実践中。趣味は、ネットサーフィンと文章を書くこと。おおらかな性格と自分では自負しているものの、人に言わせるとおおざっぱなようです。夢は、ネイティブと同じくらいの英語力を身に着けることです。