格安航空券が国際線でも当たり前になった昨今、「海外旅行」へのハードルはとても低くなりました。
「せっかく海外に行くのだから、ツアーではなく自力で旅をするバックパッカーのような旅をしてみたいなぁ…。」
この記事をお読みの方の中には、そんな思いを持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
バックパッカーとして旅をすることは、「お客さん」として参加し、添乗員が面倒なことはすべてやってくれるツアーにはない醍醐味があります。
ラグビーワールドカップや東京オリンピックなどの影響で、円高も進んでいて海外旅行に行くのに、今はおすすめのタイミングです。
けれど、いきなりの海外旅行がバックパッカーというのは、不安になる方もいらっしゃることでしょう。
その「不安」の原因はバックパッカーの旅が、よく知らない、未知のものだからです。
今回の記事では、持ち物から行先、旅をする上での注意点などについて詳しくお伝えしていきます。
ぜひ、この記事を読んでバックパッカーの旅を具体的に知り、世界へ一歩飛び出ましょう。
バックパッカーになるためには何が必要?
バックパッカーの旅というと、重たいリュックサックを前にも後ろにも抱えながら歩いている様子を思い浮かべる方が多いことと思います。
ここでは、旅に必要な持ち物について、ジャンルごとに分けて詳しくお伝えしていきます。
どんなバッグを持っていけばいいの?
バックパックの旅を行う上でパスポートの次に大切なものが、このバッグ選びといっても過言ではないでしょう。
行先や旅行の長さにもよりますが、以下の4点が必要となります。
メインのバッグ
サブのバッグ
持ち歩き用の小さなバッグ
マネーベルト
メインバッグは、市内や遺跡を観光する際などには使わず、宿に置いておくものです。
主に、衣服や日用品など、観光には使わないものを入れておきます。
サブバッグは、観光する際に持ち歩くものです。
メインバッグよりは小さめで構いませんが、ガイドブックや飲み物などを入れるのでそれなりに量が入る方が安心です。
旅のお供として持ち歩くものですので、お金はけちらずに機能性を重視してよい製品を選ぶようにしましょう。
Mont-bellやThe NORTH FACEなどの登山やアウトドア向けのものを買うとよいでしょう。
持ち歩き用の小さなバッグは、宿に荷物を置いて少しだけ散歩に出たり、街中の飲食店などに行ったりするときなどに持ち歩く用のものです。
お財布やスマホなどを入れます。気をつけなくてはいけないのが、「きちんとチャックが閉まるデザインのもの」を選びましょう。
日本のように、だれでも手を入れられるようなデザインの鞄はスリなどの格好の餌食です。
中身が見えないもので、ひったくられないように斜め掛けができるデザインのものがよいでしょう。
マネーベルトは、財布やパスポートなどの貴重品を入れて服の下に隠す、バックパックの旅の必須アイテムです。
一番大切なものを入れる鞄ですので、使いやすく、丈夫なものを選ぶようにしましょう。
デジタル機器は何が必要?
旅先で思い出の写真を撮ったり、ブログを書いたりしたいという方にとって、スマホだけでは、行える機能に限界を感じることでしょう。
カメラやパソコンを持ち歩く方にとって必要となるものをご紹介します。
交換プラグ
モバイルバッテリー
交換プラグやモバイルバッテリーは、スマホ・カメラ・パソコンなどの電子機器には必要なアイテムです。
国ごとにコンセントの接続の形が異なっているため、日本のものをそのまま持って行っても当然使えません。
今は、世界一周にも対応できるような変換プラグが売っていますので、滞在国に応じて必要なプラグを選びましょう。
パソコンは、必ずハードケースに入れるようにしましょう。ハードケースの方がしっかりと本体を守ってくれて安心です。
絶対に忘れてはいけないのが、スマホのSIMを解除していくことです。
日本国内を出る前に、解除しないと現地では使えません。必ず行っておきましょう。
おしゃれは厳禁?!バックパッカーにおすすめの服装とは
衣服は、旅のクオリティを決める大事なものです。
皆さんに覚えておいていただきたいのが、バックパッカーの旅をすると決めた以上、「日本の街中のようなおしゃれ」をする意識は捨てましょう。
かわいい服やおしゃれな服は基本的に必要ありません。
また、海外では思っている以上に他人の服装を気にしません。機能性を重視した服を選びましょう。
服は旅の道中で買うこともできますが、基本的には衣服は日本で購入して持っていきましょう。
なんといっても日本のものは品質がよく、Tシャツ一枚とっても縫製がしっかりとしていて丈夫です。
必要なものは以下のものです。
・ダウン
(ユニクロのウルトラライトダウンは薄く、かさばらないのでおすすめです。)
・Tシャツ
・長袖シャツ
(少し寒いときに羽織れるようなものがあると便利です。)
・長ズボン
(夏場の旅でも、夜は冷えることが多いので必要です。)
・下着
・半ズボン
(時期と行先にもよります。)
・靴下類
(下着や靴下も、海外のものより日本製の方がしっかりとしていておすすめです。)
・靴
(旅の間ずっと履き続けるものですので、スポーツメーカーのランニング用のものなど、歩きやすいものを購入しましょう。)
・ビーチサンダル
(宿の共同シャワーや機内などで使えるので、一足あると何かと便利です。)
・水着
(時期や行先に応じてですが、一枚あれば下着替わりにもなり便利です。)
鍵は南京錠だけで大丈夫?荷物を守る必須アイテムとは
鍵は必須アイテムです。
あなたの大切な荷物を守ってくれるものですので、きちんとしたものを購入しましょう。
メインバッグとサブバッグには、南京錠を使って、外側から簡単に開けられないようにしましょう。
また、宿においておくメインバッグは南京錠だけだと、よそへ持って行って切り開かれてしまうこともあるのでワイヤーロックという鍵も使いましょう。
この鍵は、メインバッグを置いていく際に、柱などに固定して鍵をかけることができます。
その他あると便利な小物とは
シャンプーや化粧品などの日用品も、日本から持っていく方が安心です。
忘れてはいけないものが、普段使っている薬です。
海外のものは日本のものより成分が強く、体に合わないことがあります。
気軽に医者にかかることができない海外では、常備薬を持っていくことが非常に大切です。
その他お役立ちアイテムとして、「圧縮袋」と「ジップロック」も持っていくとよいでしょう。
圧縮袋はかさばる衣類をコンパクトにまとめてくれてメインバックの容量を増やしてくれます。
ジップロックは、濡れたものを入れる際や、小分けに整理したいときなどに役立ちます。
これらは何枚あっても困らないものですのでぜひ持っていきましょう。
お金はどうやって持ち歩く?現金?クレジット?
長旅に必要なのがお金です。
行先にもよりますが、全てを日本で現金化して持っていくことは避けましょう。
日本の銀行はレートも手数料も高いため、費用を抑えたい長旅では得策ではありません。
現地についてから空港や両替所で換金するようにしましょう。
クレジットカードも必須アイテムです。
ヨーロッパや北アメリカ、オセアニアの多くの国ではATMからキャッシングして現金を引き出すことができます。
日本から多額の日本円を持っていくよりも、カードを用いた方が安全です。
クレジットカードは何かあったときのためにも、二枚は持っていくと安全です。
また、クレジットカードには最初から海外旅行保険のオプションがついているものも多いです。
このオプションがついていれば、病院にかかる際も安心ですので事前にお持ちのカードを確認しておきましょう。
ちなみに、JCBは使えない場所も多いので、VISAやMASTERを用意するようにしましょう。
行先はどこにする? 地域別情報
持ち物については何となくイメージができたかと思います。
次に重要なのが行先をどこにするかです。
初めての旅のアドバイスとして、いきなり世界一周などに挑戦することはやめておきましょう。
最初からハードルの高い地域に挑戦するのではなく、いくつか初心者におすすめの国や地域を周遊した方が安全です。
初心者におすすめのアジアの国は?
初心者におすすめのバックパックの旅先として挙げられるアジアの国に、台湾があります。
台湾の人々は親日的な人が多く、食べ物も美味しいし治安もよいのでおすすめです。
「千と千尋の神隠し」で有名な九扮など観光する場所もたくさんあります。
他には、バックパッカーの聖地、タイやベトナムなども初心者向きです。
タイもベトナムも比較的治安が良く物価が安く、世界遺産もたくさんあり、観光にはとてもおすすめの街です。
けれど、現地でのタクシーの利用などは注意しましょう。
ぼったくりが多く、旅慣れていないとみると騙してくる業者がたくさんいます。
基本的に遠くへ足を伸ばす際にはバスや電車、現地発のオプショナルツアーを利用しましょう。
初心者におすすめのヨーロッパの国は?
ヨーロッパには美しい街並みがたくさんあり、治安も比較的良いのでぜひ一度は訪れてみたい場所です。
EURO圏内ですと通貨も同じですし、国境を超えるのも簡単です。
ヨーロッパを最初のバックパック先として選ぶ場合は、できれば西側諸国や北欧を周るようにしましょう。
旧東側諸国は、情勢が不安定だったり、治安が悪かったりする場所も多いからです。
例え西側諸国であっても、国や地域によってはタクシーの利用はおすすめできません。
アジア編と同様に、郊外に足を伸ばす際は公共交通機関や現地発のオプショナルツアーを使った方が安心です。
イギリスに行きたい!という方にぜひ読んでいただきたい記事はこちら!
また、「ヨーロッパ=英語が伝わる」というわけではありません。
地域や年代によっては英語を話せない人もいますので、スマホアプリなどで現地の言葉を確認しておくとよいでしょう。
ここでは南米・アフリカやインドなどはご紹介していません。
基本的に、これらの地域は旅慣れていない初心者が行くべきではない場所だからです。
残念ではありますが女性の一人旅というだけで、男性のバックパッカーよりも危険性はぐんと増します。
いくつか旅を重ねて、自分の旅のスタイルに自信を持てるようになってからチャレンジしましょう。
また、行先がどこであっても、相手の文化に敬意を払うことを忘れないようにしましょう。
特に忘れがちなのが、寺院や教会を訪れるときです。
半分観光スポット化していることが多いため、服装にまで気を遣わないことが多いのですが、これらの場所ではお祈りをしている人もいます。
その人たちが見て不快にならないような服装(帽子を脱いだり、露出を控えたりすること)を心がけましょう。
日本の常識は実は海外では非常識?!詳しくはこちらから
行く前にチェックしておこう 事前の情報収集が大事
事前の情報収集も大事な旅の準備の一つです。
情報ばかり集めて頭でっかちになってはいけませんが、現地に住んでいる邦人や宿の口コミなどは有益な情報が載っていることが多いです。
ぜひ、事前に情報を集めておきましょう。
宿情報の口コミ
宿は現地で出会った旅人に口コミを聞くことも大事ですが、ネットで事前情報を集めておくと安心です。
宿によってはお湯が出なかったり、 ユースホステルやバックパッカー用の宿などで男女相部屋になったりすることもあります。
夜中にトラブルに巻き込まれても、外に出るわけにもいきません。
「こんなはずじゃなかった」ということを減らすためにも、調べてから泊まるようにしましょう。
外務省が出している海外安全ホームページ
旅先を決める前に、外務省が出している「海外安全ホームページ」に、必ず目を通しておきましょう。
このホームページでは、危険度をレベル1から4に分けて、細かくどのような事件があったか、どの地域に気を付ければよいかを伝えてくれます。
感染症についての情報も詳しく教えてくれますので、行先を決める際は必ず参考にし、現地についてからも確認するようにしましょう。
同じく外務省が提供しているサービス「たびレジ」に登録しておくと、何か事件や天災などに見舞われたときに、日本の家族へ情報を提供してくれるので安心です。
こちらは、事前に日本で行先を登録することで、現地情報を確認することができます。
現地在住の日本人が発信している情報
現地に住んでいる日本人のブログなども読んでおくと役に立ちます。
海外に出るとわかりますが、日本のように「ブランド品を持って歩いていても、ひったくられない」という国は稀です。
日本と同じ意識でバックパッカーの旅はできません。
警戒しすぎはよくないですが、危険な地域の情報は知っておいて損することはありません。
現地に慣れている日本人が警戒する場所やストリートは、旅人である私たちにとってはもっと危険です。
近付かないようにしましょう。
それでも旅はプライスレス
「女性の一人旅、それもバックパッカーで」というと、多くの方は反対されるかもしれません。
けれど、バックパッカーの旅にはツアーでは決して体験できない良さがたくさんあります。
宿で出会った人と仲良くなったり、現地の人と仲良くなったりという経験は、バスに乗って街から街を周遊するだけの旅では決して味わえません。
また、自由な旅のよいところは「すべてを自分で決定できること」です。
日本での忙しい、決まりきった日常を抜け出して、旅先で自己決定を重ねていくことで、旅に関してだけでなく、自分の生き方についても顧みることができます。
レールに従うだけではない生き方を知ることは、あなたの今後の人生を大きく変えてくれる一歩となるかもしれません。
せっかくの一度きりの人生です。後悔のないよう、思いっきり素敵な旅を楽しんできてください。

中学在学中のオーストラリアでの短期ホームステイで、「英語のおもしろさ」に目覚める。英語学習歴はかれこれ20年以上で、終わりなき勉強を今も続けています。長期での留学経験はないものの、現在海外ニュージーランドに住みながら、日々「生きた英語」について実践中。趣味は、ネットサーフィンと文章を書くこと。おおらかな性格と自分では自負しているものの、人に言わせるとおおざっぱなようです。夢は、ネイティブと同じくらいの英語力を身に着けることです。