赤鼻のトナカイは英語で?クリスマスの定番ソングを深掘りしていきます!

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クリスマスになると必ず聞こえてくる「赤鼻のトナカイ」は、クリスマスの定番ソングの一つですね。

私たちが子どもの頃から聞き慣れている「赤鼻のトナカイ」ですが、このトナカイにはちゃんと名前もついていることはご存知ですか?

さらにこの歌ができる前から「赤鼻のトナカイ」の物語があったことはご存知ですか?

普段当たり前に歌っている歌だけれど、深く知ると興味深いことがわかります。

今回は「赤鼻のトナカイ」を掘り下げてみました。

子どもたちに話して聞かせたり、音楽に合わせて英語で歌ったりすると、とても楽しいと思いますのでクリスマス前にぜひチェックしておきましょう!

「赤鼻のトナカイ」は英語で?

「赤鼻のトナカイ」は英語で
“Rudolph the Red-Nosed Reindeer”
と言います。

英語では赤鼻のトナカイの名前までわかりますね。

Rudolph(ルドルフ)という名前なのです。

Red-Nosedは「赤い鼻の」という意味で、Reindeerは「トナカイ」ですね。

英語を訳すと「赤い鼻のトナカイ、ルドルフ」となります。

実はこの歌は、赤鼻のトナカイの物語が元になっています。

赤鼻のトナカイ、ルドルフの物語は、1939年にロバート・L・メイにより創作されました。

ロバート・L・メイはアメリカの会社モンゴメリー・ワードで広告コピーライターとして働いていました。

クリスマス時期にはこの会社で毎年塗り絵の絵本を無料で配布していたのですが、会社で絵本を自作して配布することにしたのです。

そして、社内のコピーライターだったロバート・L・メイに詩を書かせることになったのが始まりでした。

「赤鼻のトナカイ」の誕生物語を日本語と英語で解説

赤鼻のトナカイの物語には、作者のロバートの気持ちと家族への思いが込められています。

これから赤鼻のトナカイの誕生物語を、一緒に紐解いていきましょう。

英語中級レベル以上の学習者向けに、誕生物語をところどころ英語で紹介します。

1)「赤鼻のトナカイ」の物語誕生のきっかけ

ロバートがこの仕事を引き受けた1939年のはじめ、彼の妻は癌で闘病生活をしていましたが、次第に酷くなってきていた時期でした。

物語の主人公はトナカイと決めていました。

理由は彼の小さな娘は当時鹿が大好きだったため、病気で元気がない母親を見て悲しんでいる娘を笑顔にしてあげたかったこともあるのでしょう。

そして鹿の仲間であるトナカイは、クリスマスにはピッタリだったからです。

Robert's wife had cancer. He started writing about reindeer when his wife's medical condition began to get worse.
(ロバートの妻は癌でした。彼がトナカイの詩を書き始めたのは、妻の病状が悪化し始めたときでした。)

2)「赤鼻のトナカイ」に込められた作者の思い

そして主人公のトナカイが、みんなの笑いものであるという設定にも深い意味がありました。

ロバートはとても引っ込み事案で小さかった子ども時代を過ごしたので、誰よりもルドルフの気持ちを理解できる人でした。

この物語を作りながら、癌で死にゆく妻を思い悲しむ姿と、ルドルフがみんなの笑いものになって泣いている姿を重ねていたのかもしれません。

作者の思いを知ると、赤鼻のトナカイの歌だけではなく物語も読みたくなってきました。

As a child, Robert was a very shy and small boy, so he was a person who could understand Rudolph’s feelings more than anyone.
(子どもの頃、ロバートはとても引っ込み思案で小さな男の子だったので、ルドルフの気持ちを誰よりも理解できたのです。)

3)大切な人との別れと「赤鼻のトナカイ」の物語完成

1939年7月に妻がこの世を去り、ロバートの上司は他の社員にこの絵本の制作を委ねようとしたのですが、深い悲しみの中でロバートはルドルフの小冊子を完成させることに専念したいと主張しました。

そうして赤鼻のトナカイ、ルドルフの物語は同年8月に完成しました。

その年のクリスマスに初めて、ロバートが作った詩が赤鼻のトナカイの小冊子になって配布されました。

Although his boss tried to reassign the project to someone else, Robert insisted on finishing it himself.
(上司は他の誰かに仕事を割り当てようとしたのですが、ロバートは最後までやり遂げると主張しました。)

4)「赤鼻のトナカイ」の絵本がベストセラーに

「赤鼻のトナカイ」の小冊子を手にした人々は、ロバートが書いた詩をとても気に入りました。

この小冊子はモンゴメリー・ワードが自作したものでしたが、1947年にニューヨークの小さな出版社が絵本にして出版したところ、ベストセラーになりました。

Many people loved his work. After publishing the picture book, it became a best-seller in the US.
(多くの人が彼の詩を気に入りました。絵本が出版された後、アメリカでベストセラーになりました。)

クリスマスソング「赤鼻のトナカイ」の原曲はどこの国のもの?

では日本でもよく知られている「真っ赤なお鼻の トナカイさんは」という歌詞で始まる歌とロバートの詩とは、どんな関係があるのでしょうか。

赤鼻のトナカイのクリスマスソングの原曲はどこの国のものなのでしょうか。

ここにも興味深い秘密があります。

赤鼻のトナカイの絵本がベストセラーになった翌年の1948年、ロバートの義理の兄弟であるジョニー・マークスが、ロバートの詩を元にした歌を作詞作曲しました。

1949年にレコードがリリースされると、たちまち大ヒットとなりました。

歌のヒットにより、世界中に赤鼻のトナカイが知られるようになりました。

それからは世界中でクリスマスソングの代表曲の一つになっています。

「赤鼻のトナカイ」の歌詞を英語と日本語で比べてみよう

次に「赤鼻のトナカイ」の歌詞を見てみましょう。

英語の歌詞と日本語の歌詞を比べて見ると面白いです。

英語初級レベルの方から楽しめる内容です。

真っ赤なお鼻の
Rudolph, the red-nosed reindeer
(赤い鼻のトナカイ ルドルフは)

トナカイさんは
had a very shiny nose
(鼻がピカピカだった)

いつもみんなの
And if you ever saw it
(みんなはそれを見ると必ず)

笑いもの
You would even say it glows
(光っていると言うだろう)

和訳と日本語の歌詞が、かなり違うのには驚かされます。

これは日本語と英語の音節が違うというのも一因でしょう。

上手に日本語の歌詞が作られていると思います。

続きはぜひ、YouTubeで「Rudolph the Red-Nosed Reindeer」か「赤鼻のトナカイ 英語」で検索して聞いてみてください。

音楽に合わせて歌うとさらに楽しいですよ。

日本語と英語の歌を聞き比べたり、歌詞を読んだりした方はお気付きになったと思いますが、日本語の歌詞には赤鼻のトナカイの名前「ルドルフ」が出てきません。

そういう事情もあって、おそらく日本では他の英語圏の国のように赤鼻のトナカイの名前が浸透していないのかもしれません。

「赤鼻のトナカイ」は世界共通のキャラクター?

ところで英語で歌う「Rudolph the Red-Nosed Reindeer」は、出だしに耳慣れないメロディと歌詞があります。

その歌詞は日本語の「赤鼻のトナカイ」の歌にはないので、歌詞を紹介して説明します。

You know Dasher and Dancer
君はダッシャー、ダンサー

And Prancer and Vixen
プランサー、ヴィクセン、

Comet and Cupid
コメット、キューピッド、

And Donner and Blitzen
ドナーそれからブリッツェンを知っているね

But do you recall
それじゃあ

The most famous reindeer of all?
トナカイの中で一番有名なのは?

ルドルフ以外のトナカイの名前がたくさん出てきますね。

実はルドルフは新米トナカイなのです。

ルドルフの物語が出来たのは1939年でした。

そのずっと昔、1823年にアメリカの新聞に無名で発表された詩の中に出てくる、サンタクロースが乗るそりを引くトナカイの名前なのです。

この詩は後に"'Twas the Night Before Christmas"(クリスマスの前の晩)というタイトルで絵本が出版されました。

クリスマスを祝う国では、この絵本が朗読されているそうです。

日本では赤鼻のトナカイはとても有名ですが、ルドルフという名前は赤鼻のトナカイと比べるとそれほど知られていないかもしれません。

世界規模で考えると赤鼻のトナカイ、ルドルフはもちろんのこと、他のトナカイも親しまれているキャラクターであることがわかります。

今度のクリスマスは「赤鼻のトナカイ」を英語で歌おう

子ども向けのクリスマスソングですが、とても興味深い誕生物語を知ることができました。

日本では馴染みのない英語の歌「Rudolph the Red-Nosed Reindeer」の出だしは新鮮で、トナカイ一頭一頭に名前があり、日本でよく知られているルドルフは新米トナカイということもわかりました。

日本語で馴染みのある「赤鼻のトナカイ」を、今度のクリスマスは英語で歌ってみてはいかがでしょうか。

英語の歌詞にはあって、日本語の歌詞にはない部分の発見も面白いと思います。