日本の伝統!書道を英語で紹介して文化をシェア♬

書道、書道英語、日本文化

日本人なら、小学校の授業などで書道をしたことがある人がほとんどかもしれませんね。

ところが書道に親しむのは、日本人だけではありません。

外国人がやってみたい日本文化のアクティビティの一つとして、茶道や相撲観戦とともに「書道」も入っています。

そのような要望に応えるべく、国内には外国人のための英語ガイド付き「書道体験」というレッスンもあります。

墨をすって筆を持つと、なんだか気分がとても落ち着きますね。お花やお茶など、「道」のつく日本の伝統文化特有の感覚かもしれません。

英語で日本文化を紹介できれば、それは小さな親善大使と言ってもよいくらいですね。

書道に魅力を感じている外国人に、せっかくですから英語で説明できるようになって文化交流につなげていきましょう。

ということで、今回のキーワードは
「書道」
初心者向け・中級者向け・上級者向けと3段階に分けて、書道を英語で説明します。

初心者・中級者の人はご自分のレベルに合う英文パターンをしっかりと理解した後、もう一つ上のレベルを理解できるよう目標を立てチャレンジしていくのもお勧めです。

また、書道で有名な日本人も紹介しますので、英会話の話題にお使いください!

書道は、英語でカリグラフィー

書道はカリグラフィーと言い、スペルは「calligraphy」となります。

カリグラフィーとは
西洋や中東などにおける、文字を美しく見せるための装飾書法のことを言います。

西洋カリグラフィーやモダンカリグラフィーなどは、英文字(アルファベット)を装飾するための書法です。

イスラーム圏では、コーランの一部をタペストリーに書く時にアラビア文字を使うのですが、そこではアラビア書道と呼ばれるカリグラフィーが使用されます。

イランではペルシア書道と呼ばれるカリグラフィーが非常に盛んで、どれもペンや筆を使って美しく表現しています。

ですので、日本の書道を表現するときは「Japanese calligraphy」として明確にしましょう。

また、日本には「日本カリグラフィーアート協会」というものがあります。

そのことからも分かる通り、文字に色をつけたり、周りにイラストを描いたりして、様々な筆使いや技法を使ったデザイン文字を楽しむ人が増えてきています。

身近なところでカリグラフィーの作品を見ることができるのは、インスタグラムではないでしょうか。

外国語の文書はもちろんのこと、かな文字や漢字のカリグラフィーを投稿している芸術家はたくさんいます。

手書き文字の美しさは言うまでもありませんが、書かれている言葉の内容やフレーズのメッセージ性に共感する読者も多いようです。

書道のいろはを英語で説明しよう!

奥深い書道の世界を英語で説明するとなると、どこからスタートすれば良いのでしょう。

やはり、歴史や書道用の道具については必須ですね。その他には、掛け軸など芸術としての面にも触れると海外の人にはさらに魅力が伝わるでしょう。

では、さっそくスタートしましょう!

書道とは?

まずは、書道はどういった芸術なのか説明してみましょう。

【初心者向け】

Japanese calligraphy is called Shodo in Japanese.
(カリグラフィーは日本語で書道と呼ばれています。)
※is called~で「~と呼ばれている」という意味になります。

Japanese calligraphy is known as Shodo.
(日本のカリグラフィーは書道として知られています。)

【中級者向け】

Shodo means Japanese calligraphy, “Sho” means writing and “Do” means the way.
(書道は日本のカリグラフィーのことで、「書」は書くこと、「道」は方法・やり方を意味します。)

Shodo is the way of writing Chinese and Kana characters with a brush in India ink.
(書道とは墨をつけた筆を使い、漢字やかな文字を芸術的に手書きする方法のことを言います。)
※India ink=墨

【上級者向け】

Good Japanese calligraphy possesses not only beauty, but also rhythm, as well as the character of the calligrapher and their emotional state.
(優れた書道はその美しさだけでなく、リズムや書道家の性質、そしてその感情までも表現します。)

ちなみに、皆さんは「令和」と言う新しい元号が発表された時、上下逆さまにすると「平成」の文字が「令和」になると言うトリックアート的なデザイン文字が話題になったのはご存知ですか?

こちらはカリグラフィーではなく「アンビグラム」と呼ばれるアメリカ発祥の文字アートです。

興味がある方は是非調べてみてはいかがでしょうか。

書道の歴史

歴史がとても古い書道。
どのくらい前から親しまれてきたのか、書道の歴史の基本とも言える情報はぜひ説明できるようにしましょう。

【初心者向け】

Shodo was practiced during the Edo period by the samurai.
(江戸時代、侍によっても書道は書かれてきました。)
※during the Edo period=冠詞theをお忘れなく。

Japanese calligraphy was essential education for samurai and noble families.
(侍や貴族にとって、書道は不可欠な教養でした。)

【中級者向け】

Shodo is one of the oldest traditional forms of art in Japan, and has been in existence since the 5th century.
(書道は日本の伝統的な芸術の形式で一番古いものの一つであり、5世紀以降存在しています。)
※the 5th century=こちらも、冠詞theをお忘れなく。

【上級者向け】

Japanese calligraphy developed from Chinese writing around 2,000 years ago, as at that time, Japan did not have a written form of language.
(まだ固有の文字が日本になかった約2,000年前、書道は中国の書から確立されました。)

People began adapting characters from Chinese into Japanese forms - and kana writing was developed between the 5th to the 8th century.
(中国からの文字を日本特有の形に変化させ始め、5世紀から8世紀の間にかな文字を確立させました。)
※adapt=順応・適応・変化させる

日本教育でも書道は重要視され、冬休みの宿題の定番ですよね。

私が小学生だった時は毎年冬休み明けに体育館で書き初め大会があり、その中で優秀とされた作品は地域の書道コンクールに出品されていました。

そのため「書道=冬の行事」と言うイメージがあり、寒さに震えながら嫌々やっていた記憶があります。

しかしながら、大人になってみると「あの時真剣にやっていれば、もっと字が綺麗に書けたのかな・・・。」など、字が綺麗で習字を習っていたと言う人に会うたびに後悔しています(笑)


日本の伝統文化を紹介しよう!茶道についてはこちらのブログから!

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書道に使われる道具

書道を語るとき、その道具の専門的なことも外国人にとっては魅力の一つになりますね。

ちなみに皆さんは「筆墨硯紙(ひつぼくけんし)」「筆硯紙墨(ひっけんしぼく)」と言う言葉を聞いたことはありますか?

こちらは文字の通り「筆」「墨」「硯(すずり)」「紙」のことを表し、「読み書きをする道具」「文房具」「筆記具」などのことを言います。

【初心者向け】

Shodo requires a brush, some ink, an ink well, hanshi paper, a felt mat for the paper and a paperweight.
(書道には、筆、墨、すずり、半紙、下敷き、そして文鎮が必要とされます。)

【中級者向け】

Fude (the brush) is the most important tool for shodo. Specialist exclusive brushes are made in Japan using very soft hair from horses, sheep and racoons.
(書道では筆が大変大切な道具です。専門家の高級な筆は日本製で、大変柔らかな馬、羊やタヌキの毛が使われています。)
※exclusive=高級な、唯一の

【上級者向け】

There are many traditional shodo shops. Kousetsuken in Kyoto is one of them, with 150 years of history, and has been loved by many writers, such as Mushanokoji Saneatsu, Junichiro Tanizaki and others.
(多くの伝統的な書道具屋がありますが、武者小路実篤や谷崎潤一郎などの文豪に愛され約150年の歴史を持つ京都・香雪軒もその一つです。)
※such as=「例えば~など」と具体的な例を示すときによく使われます。

芸術としての書道

皆さんの中には、「習字やってた!」という人がいるかもしれません。

しかし、習字と書道の違いをはっきり説明できますか?

先に言ってしまうと、習字はお手本通りに綺麗な字を書くために練習をするもの、それに対し書道は芸術性を追求し、書を通して自己を表現します。

書道には、楷書・行書・草書など異なったスタイルがあります。
楷書は、一画一画書体を崩さずに書くもので、楷書→行書→草書の順に字が崩されたり省略されたりしていきます。

さて、芸術としての書道について外国人の皆さんにたくさんアピールしてみましょう。

【初心者向け】

Japanese calligraphy is a Japanese art and is translated to mean the way of writing.
(書道は日本芸術の一つであり、書の道と訳されます。)

【中級者向け】

There are different types of brush strokes in Japanese calligraphy such as Kaisho - the block style; Gyosho - a less formal style than Kaisho, resembling a free flowing script; and Sosho - when one character flows into another, like the wind blowing the grass.
(ブロック体の楷書、楷書よりくだけ動きのある行書、そして草が風にそよぐように字が滑らかに続く草書など、書道にはいくつかの異なる筆の動きがあります。)

【上級者向け】

Japanese calligraphy is like painting, possessing rhythm, emotion and a spiritual quality, using the shading of the ink and balanced placement of the characters on the paper.
(書道は墨の濃淡や紙の上に書かれた文字のバランスある配置から、そのリズム、感情そして精神性をも持つ絵画のようなものと言えます。)

だいぶ書道のことが分かってきましたね。

身近な書道だけに改めて知ったこと、それを英語で説明できるようになるのに役立てて頂けるようなら嬉しいです。

ここで、書道の有名人を紹介していきましょう。


日本の伝統文化を紹介しよう!華道についてはこちらのブログから!

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書道の有名人、英語で紹介しよう!

「空海」から「つるちゃん(片岡鶴太郎)」まで、伝統のある書道には有名な書道家がたくさんいます。

なんと、マツコ・デラックスやつんくも六段の腕前とか?!

書道家は「Calligrapher」と呼びますが、芸術としての書道というところから「Kanji Artist」と表現することもあります。

こちらも初心者向け・中級者向け・上級者向けと分けてご紹介しましょう。

【初心者向け】

There are many well-known calligraphers in Japan. Some comedians and singers have a high dan-grade.
(日本には有名な書道家が多くいます。何人かのコメディアンや歌手も、高段を取得しています。)
※well-known=famous=有名な

【中級者向け】

Kukai (774-835), who is known as Kobo-daishi, is one of the three masters of Japanese calligraphy, as well as being a Japanese buddhist monk.
(空海(774-835)は、日本仏教の僧侶であり弘法大師として知られる日本三筆の一人です。)
※A as well as B=BはもちろんAも

【上級者向け】

Souun, born in 1975 in Kumamoto prefecture, is one of the most famous calligraphers. He became a professional calligrapher, following a career working for NTT after graduating from the Science and Research University.
(1975年熊本県生まれの双雲は、大変有名な書道家の一人です。東京理科大卒業後にNTT入社し、その後プロの書道家として独立しました。)

He has been invited to participate in a variety of projects, such as a live calligraphy performance at the Fuji Rock Festival. He has also been performing, not only in Japan, but also abroad such as Switzerland, Russia, Belgium, Vietnam and Indonesia, and his latest exhibition was held in California in 2015.
(フジロックフェスティバルでの書道ライブなど国内の様々なプロジェクトに関わってきました。そして活動は国内に止まらず、スイス、ロシア、ベルギー、ベトナムやインドネシアなど海外におよび、2015年にはカリフォルニアでの展示会も催されました。)

The Japanese calligraphy school by Souun has been very popular, and classes are always full and difficult to book.
(双雲による書道教室は大変人気であり、クラスはいつも満席で予約が難しいくらいです。)


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まとめ

習字の範囲を超えないものの私もそのスキルを活かし(!)、イギリスの小学校などのスクールフェアや震災の募金活動で子ども達の名前を日本語にしたものを書いたことが何度もあります。

忍者などのイラスト付きの短冊に筆と墨で自分の名前がひらがなで、それも縦書きになったのをみて喜ぶ子ども達は多いです。

子ども達にも体験してもらいますが、私の書いた字を見ながら真似する小さな書道家の作品にこちらが驚くこともあります。

これは正に、書道での文化交流。

書道は準備するものも簡単です。皆さんもお友達の外国人と机に向かい、書道を説明しながら一緒にしてみる機会を作ってみませんか?