「受動態」の基本をマスターしよう!

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英文法の基礎の基礎が終わっている人なら、「受動態」という言葉も聞いたことがあるでしょう。

以前、能動態についてもご説明しましたが、基本的な能動態を使えるうようになったら、受動態も学ぶと、より表現の幅が広がります。

英語で話すときに必ず役立つでしょう。

そこで今回は受動態についてご説明していきます。

受動態でなんだかつまずいている人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

「受動態」ってどんなもの?

「受動態」という言葉を使うと、なんだか複雑そうな、難しそうなイメージがあるでしょう。
しかし受動態は単に受け身の文章というだけです。

文章の主語が、動詞に対して受け身の立場である文章のことを、受動態と呼びます。

日本語にもこの受け身の文章はあるので、例文を日本語と一緒に見てみるとわかりやすいかもしれません。

能動態とも並べて、能動態と受動態がどのように違うかも考えてみましょう。

【能動態】

Many people learn English in Japan.
(日本では多くの人が英語を学びます。)

【受動態】

English is learned by many people in Japan.
(英語は日本で多くの人に学ばれています。)

どうでしょうか。

能動態受動態では、同じ事柄について話しているのに主語が変わっていますよね。

能動態では主語である「多くの人」が、「学ぶ」という動作を直接行っています。

一方受動態では、主語である英語は「学ぶ」という動作を、「多くの人」から受け取る形になっているんですね。

これが受動態という文章の正体です。

受動態の作り方

受動態がどのような文章なのかわかったところで、次は実際に受動態を作ってみましょう。

受動態を作るには、能動態とは異なるルールがあります。

ルールさえわかっておけば、あとはパズルをするように受動態の文章が作れるようになるでしょう。

前述で使った例文に再登場してもらいます。

能動態:
Many people learn English in Japan.

受動態:
English is learned by many people in Japan.

能動態の方は、シンプルな現在形の文章です。

では受動態の方はどうなっているかというと、『主語+be動詞+過去分詞』という並びになっています。

“learn”は過去形も過去分詞も一緒なので、一見上記の受動態の文章に、動詞の過去形が使われているように思うでしょう。

しかし実際にはこれは過去分詞なので、過去形と過去分詞が異なる動詞を使えば、この部分は過去形とは違う形になるのです。

能動態を過去形にして見比べてみましょう。

例えばこんな感じです。

能動態:Maria ate the cake.
(マリアはそのケーキを食べました。)

受動態:The cake was eaten by Maria.
(そのケーキはマリアに食べられました。)

“eat”の過去形は”ate”、そして過去分詞は”eaten”なので、このような文章になるわけです。

意外と受動態は作り方がシンプルですよね。

ただし過去分詞を知っておく必要はあるので、注意しましょう。

受動態の時制について

上記で受動態には過去分詞が使われていることを表すために、フレーズを過去形にして比較していますが、上記の例文でもわかる通り、受動態を過去形にする場合は、be動詞の部分を過去形にするだけです。

もう1つ例文を見てみましょう。

能動態:Maria cooked this curry.
(マリアはこのカレーを作りました。)

受動態:This curry was cooked by Maria.
(そのカレーはマリアに作られました。=マリアが作りました。)

またシンプルな現在形や過去形以外の時制でも受動態を作ることができます。

例えば現在進行形だとこうなります。

能動態:She is washing the dishes.
(彼女は皿を洗っています。)

受動態:The dishes are being washed by her.
(その皿は彼女に洗われています。=彼女が洗っています。)

そして現在完了形だとこうです。

能動態:I have bought the cookies.
(私はそのクッキーを買いました。)

受動態:The cookies have been bought by me.
(そのクッキーは私に買われました。=私が買いました。)

このように受動態は『主語+be動詞+過去分詞』を基本として、be動詞の部分をそれぞれの時制に適したものに変化させれば、さまざまな時制で文章を作ることができるのです。

しかしまずは、これは知識として知っておくだけにして、シンプルな現在形・過去形から受動態をマスターすることをおすすめします。

受動態はどんな時に使うの?

ここまで使った例文だと、
「受動態じゃなくても能動態で話せばいい」
と考える人もいるでしょう。

しかし受動態を使うときには、受動態でなければならない理由があるんです。

例えば、動詞の動作をした人が誰かわからないときや、それが誰なのか重要ではない場合は受動態が便利です。

上で少し登場した例文
”The cake is eaten by Maria.”
で、もし誰がケーキを食べたのかわからなかった場合は、下記のように言います。

The cake was eaten.
(そのケーキは食べられました。)

例えば冷蔵庫に入れていたケーキがなくなってお皿だけになっていたら、上記の受動態を使うかもしれません。

ちなみにその状況を見て、怒りや悲しみの感情を表したかったりするなら、下記のようにも言えます。

The cake must have been eaten.
(あのケーキは食べられたに違いない。)

これはちょっと文法的に難しく見えるかもしれませんが、“must”のような助動詞を使っても、このように受動態が作れるんですね。

『must+have+be動詞+過去分詞』の形を取っているのは、この文章が過去形だからです。

このように、どの時制でも受動態が作れるのと同じように、どの助動詞を使っても受動態が作れます。

能動態を受動態に書き換えてみよう!

ではここからは、受動態に慣れるためのエクササイズをしてみましょう。

受動態に慣れるためには、能動態の文章を受動態に書き換えるのがおすすめ。

例えばこのような感じです。

(例)She used the dictionary.
(彼女はその辞書を使いました。)

The dictionary was used by her.
(その辞書は彼女に使われました。)

では早速自分でも下記の能動態の文章を受動態に書き換えてみましょう。

能動態の記事のときに使った例文も、いくつかピックアップしています。

(1)I borrowed his book.

(2)My mother cleaned the house.

(3)She explained about the history of the town.

(4)Jake bought the bag.

(5)Everyone loves her.

解答

(1)His book was borrowed by me.
(彼の本は私によって借りられた。)

(2)The house was cleaned by my mother.
(家は私の母によって掃除されました。)

(3)The history of the town was explained by her.
(町の歴史は彼女によって説明されました。)

(4)The bag was bought by Jake.
(そのバッグはジェイクによって買われました。)

(5)She is loved by everyone.
(彼女はみんなに愛されている。)

どうでしょうか。

上手に受動態は作れましたか?

最後の例文は、日本語でも英語でも自然な受け身の文章ですね。

まとめ

今回は受動態の基本的なことについてご紹介しましたが、理解はできたでしょうか。

この受動態の基本さえわかっていれば、文中でも少し触れていますが、複雑な文法を学ぶにつれて、受動態も応用を効かせることができるようになるでしょう。

まずは受動態の形に慣れ、どんなところで受動態が使われているのか文章を読んだり、英語の会話を聞いたりして観察してみてくださいね。

そうすれば自分でも適切なタイミングで受動態を使うことができるようになるでしょう。