I found the book easily.
I found the book easy.
I found the easy book.
この3つの例文をうまく訳し分けることができるでしょうか。うまく訳すことができなければ5文型が十分に分かっているとは言えません。
5文型は英語を組み立てる上での基礎になります。英語は知っている英単語だけ並べても意味が必ずしも通じるわけではありません。英作文・リーディングでも5文型は英語を組み立てる上での基礎になります。もちろん英会話でも5文型を意識せずとも使いこなせるレベルになることが望ましいです。
なんとなく英文法や5文型は苦手だなと感じている学習者の方も多いと思います。
本記事では英語の5文型をただ覚えるだけではなく使いこなせるようになってもらうための考え方もご紹介します。
英語の5文型とは?
英語の文は原則5つの文型の組み合わせのどれかに分類されます。これが英語の5文型です。
5文型は高校生、学校によっては小中学校で勉強した方もいるかもしれませんね。しかし、中にはよく分からないまま文法学習を先に進めてしまった方もいるのではないでしょうか。私は高校一年生の時に、田舎の公立高校で分厚い英文法書を渡され「覚えてきて」と言われ訳の分からないまま丸暗記だけしました。
1文型がSVで2文型がSVCで3文型がSVOで4文型がSVOOで5文型がSVOCで・・・。
そもそもSが主語で、Vが動詞で、Cが補語・・・?補語って何?、よく分からないなと思いながら無理矢理、理解せずに覚えて先生から
先生:SVOOは何文型ですか?
私:えーと・・・3だっけ4だっけ・・・分かりません。
先生:ちゃんと家で勉強してきてくださいね。
私:すみません・・・。(これ、何の意味があるんだろう?)
このような調子でした。ですので英語の5文型とか覚えて何の意味があるの?と高校生の時には思ったものです。しかし英語の文型は、理解して使いこなせれば英語の理解に役立ちます。
紛らわしい英語の例文
冒頭でも紹介した3つの例文をうまく訳すことができたでしょうか。文型をしっかり理解していれば訳し間違えることはありません。
1. I found the book easily.
(私はこの本を簡単に見つけた。)
2. I found the book easy.
(私はこの本がやさしいとわかった。)
3. I found the easy book.
(私はやさしい本を見つけた。)
日本語に訳すると、それぞれ全然、意味が違ってきますね。
1. はSVO 第3文型
2. はSVOC 第5文型
3. はSVO 第3文型
が正解でした。文法的な解説をすると
1. はI が主語、foundが動詞、the book の部分が目的語、easilyは動詞にかかる副詞の3文型。
2. はIが主語、foundが動詞、the bookが目的語でeasyは補語の5文型。
3. はIが主語、foundが動詞、the easy bookが目的語。easyはbookにかかる形容詞で3文型。
5文型を理解している人ならすぐに正解できますが、心の底から分かっていないと訳している時に不安になるのではないでしょうか。順番に解説していきます。
自動詞と他動詞の違い
まず自動詞と他動詞の違いを理解しましょう。
<自動詞>
動作を受ける対象を必要としない動詞
<他動詞>
動作を受ける対象を必要とする動詞
と理解しましょう。
例えば
1. Mike ate an orange.
(マイクはオレンジを食べた。)
2. Jane studies English.
(ジェーンは英語を勉強している。)
この2つの文章でしたら、動詞の後に動作を受ける対象があります。
1. の文章でしたらate (食べた)の後に食べられる対象になるオレンジがありますので他動詞。
2. なら、study(勉強する)の後に勉強する対象の英語がありますので他動詞です。
一方で
1. I cried yesterday.
(私は泣いた。)
2. I run everyday.
(私は走る。)
この2つの文章でしたらcried,runの後に動作を受ける対象はありません。なので自動詞と考えます。
第1文型と第2文型の動詞は自動詞、第3文型~第5文型の動詞は他動詞です。
S・V・O・Cの5文型の要素を知ろう
5文型を学習する前にS・V・O・Cがそれぞれ何をさすのかを確認しましょう。
Sは主語 subjectの略「~は、~が」に当たります。
→主語は、述語(動きを表す語)が表す対象となる語。
Vは動詞 verbの略「~する、~である」
→動詞は、主語が行う動作を表す語。
Oは目的語 object の略「~に、~を」
→目的語は、主に動詞が表す目的となる相手や内容を表す語。
Cは補語 complementの略
→補語は、主語や目的語に補足した説明を補う語。名詞や形容詞が補語。
第1文型SV(主語+動詞)
第1文型は「SはVの状態にある」という意味で主に用いられます。
大きく分けて3つのパターンがあり
1. 存在(Sがいる)
There is(V) a cat(S) in my room.
(猫が私の部屋にいる。)
2. 発話(Sは言う)
I(S) said(V) to him that cat is cute.
(私は彼に猫は可愛いと言った。)
3. 移動(Sは行く、来る)
I(S) go(V) to school.
(私は学校に行く。)
この3つの状態を第1文型で表現します。Vの後すぐに目的語が続かないのが見分けるポイントになります。例えば2、3の例文には動詞の後に前置詞が挟まれています。
少し分かりづらいのですが
There is S (Sがある)
のようにSVの語順になっていない第1文型もあります。
第2文型SVC(主語+動詞+補語)
第2文型は「S=Cの状態」という意味になるのがポイントです。
第2文型をとる動詞には「be動詞」をはじめlook、soundなどの知覚動詞、get、become、などの変化を表す動詞もあります。
例文は
1. He(S) is(V) a soccer player(C).
(彼はサッカープレイヤーです。)
2. He(S) became(V) a teacher(C).
(彼は先生になった。)
3. He(S) gets(V) angry(C).
(彼は怒った。)
それぞれの例文でSがCの状態になっていることが分かります。
第3文型SVO(主語+動詞+目的語)
第3文型は「OをVする」「OとVする」「OについてVする」という意味です。
「S≠O」になります。
例文は
1. We(S) discuss(V) the problem(O).
(私たちは問題について議論する。)
2. I(S) watched(V) TV(O).
(私はテレビを見た。)
3. I(S) ate(V) orange yesterday(O).
(私は昨日、オレンジを食べた。)
第3文型の特徴は、動詞が必ず他動詞になることです。つまり動詞の後にdiscuss atとか、watch atのような前置詞はつけません。
そしてOは動作の対象であるため、S=Oにはなりません。Oは動作を受ける対象になります。
ただし注意して欲しいのが「to」の時。toの後に動詞が続く場合は、toは不定詞になるため「O」になり得ます。
例えば
She(S) likes(V) to study English(O).
(彼女は英語を勉強するのが好きです。)
この場合、「to」は前置詞ではなく不定詞のため「O」になります。
第4文型SVOO(主語+動詞+目的語+目的語)
第4文型の特徴は「SはO1にO2を与える、加える」という意味です。Oが2つありますが第1目的語(O1)と第2目的語(O2)で構成されています。
例文
1. I(S) gave(V) him(O1) a book(O2).
(私は彼に本をあげました。)
2. I(S) teach(V) him(O1) English(O2).
(私は彼に英語を教えた。)
3. I(S) lend(V) her(O1) a pen(O2).
(私は彼女にペンを貸した。)
第4文型によく使われる英語はある程度決まっています。
(例)
give(~与える) teach(~教える) tell(~伝える) show(~示す) lend(~貸す) write(~書く) throw(~投げる)
また第4文型と第3文型の書き換えが、よく英語の文法問題でも登場します。
I(S) gave(V) a book(O) to him.・・・第3文型
(私は彼に本をあげた。)
I(S) gave(V) him(O1) a book(O2).・・・第4文型
(私は彼に本をあげた。)
どちらも同じ意味になりますが、第3文型のOが、第4文型のO2の位置に移動し、to himの部分が前置詞のtoがなくなりhimがO1の位置に移動します。
第5文型SVOC(主語+動詞+目的語+補語)
第5文型の特徴は「O=C」の関係になることです。
このOとCの間に「隠れたSVがある」と表現されることも多いです。
例文を見てみましょう。
I(S) found(V) a book(O) easy(C).
(私はこの本が優しいとわかった。)
この「a book easy 」の部分に隠れたSVがあります。それは「本が簡単だ」つまり「A book(S) is(V) easy.」という感じです。
もう一つ見てみましょう。
He(S) made(V) her(O) angry(C).
(彼は彼女を怒らせた。)
この「her angry」の部分に隠れたSV(彼女が怒っている)、「She(S) is(V) angry.」という意味が含まれており、「彼女=怒っている」となります。
冒頭にも載せた例文ですが
1. I(S) found(V) a book(O) easy(C). ・・・5文型
(私はこの本が簡単だとわかった。)
2. I(S) found(V) an easy book(O). ・・・3文型
(私は優しい本を見つけた。)
1. は第3文型でeasyはbookにかかる形容詞です。第5文型の「O」は名詞・代名詞が入る
ため2. は5文型ではないことが分かります。
3. I(S) saw(V) a dog(O) running(C).
(私は犬が走っているのをみた。)
4. He(S) had(V) his bag(O) stolen(C).
(彼はバッグを盗まれた。)
この3. と4. の例文のOとCにも隠れたSVの関係があります。
3. なら「a dog running」のところで(犬が走っている)、4. なら「his bag stolen」のところで(バッグが盗まれる)という隠れたSVがあります。O=Cの状態であると言い換えることもできます。
まとめ
英語の5文型は英語の文を作る時の読み・書きの基礎になります。
難しく考えすぎず、何度も使って間違えることで正しいものを身につけていきましょう。
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石川県出身。明治大学法学部の国際法コースで英米法を専攻。卒業後、日本の小学校教諭を経てタイ王国の首都バンコクの国立大学RMUTRの教養学部・日本語学科にて専任講師。日本語の講義や日本・タイの私立大学の交換留学提携、タイ全土の日本語コンテンストの審査員を経験。帰国後は留学生支援の財団法人・外資系小売業を経てライター職。好きな食べ物はカレー。東京に行く度にカレーの聖地、神保町のカレー屋巡りをしています。