日本の心「おもてなし」を英語で伝えよう!

最終更新日:2019-06-25

おもてなし、和服、着物、抹茶、お茶

みなさんは覚えていらっしゃいますか?

2020年の東京オリンピック・パラリンピックを東京へ招致するための最終プレゼンテーション。

プレゼンターの一人、滝川クリステルさんが「東京は皆さまをユニークにお迎えいたします」と言いました。
それが「お・も・て・な・し」でしたね。

このおもてなし、ローマ字表記「Omotenashi」として日本語そのままの発音で、外国ではすでに「日本文化の素晴しさを示す概念」として捉えられています。

そして、多くの訪日外国人や在日外国人が飲食店などの接客業などで日本でおもてなしの素晴らしさを体験しています。

今回のブログは“おもてなしの心たっぷり”に、日本特有のホスピタリティについて、その英語での表現や海外での反応など詳しく紹介していきます!

 

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おもてなしは英語で何?

「おもてなし」はズバリ、英語で「Hospitality」
「Japanese Hospitality」と言っても良いでしょう。

相手からの見返りを期待しない“もてなし”です。

Hospitalityと調べると、親切なもてなし/歓待/接待/もてなしの心とでてきます。
それでは、Hospitalityの使用例を紹介しましょう。

 

Hospitalityの使用例

Thank you very much for your hospitality.
(おもてなし頂き、ありがとうございます。)

I appreciate your hospitality.
(おもてなしに感謝します。)

※appreciateはthank youとともに、感謝を伝えるキーフレーズです。
何に感謝しているかをすぐ後に続けましょう。

Your hospitality has been great and made us feel at home.
(おもてなしが素晴らしく、自宅にいるような居心地でした。)

※「feel at home」は慣用句で“くつろぐ・ゆったりする・居心地がいい”という意味を持ち、おもてなしにはピッタリの言葉ですのでぜひ覚えて使えるようにしましょう。

外国人旅行客がホテルなど滞在先でそう感じられれば、おもてなしの一つになりますね。

 

おもてなしの精神を英語で説明しよう

日本特有のおもてなし文化、外国人にどのように説明したら良いでしょう。

まずは、文化交流などのシーンで想定されるこんな質問からスタートです。

What is Japanese Omotenashi?
(おもてなしとは何ですか?)

Omotenashi is a traditional Japanese way of hospitality with the most dedicated and exquisite manners.
It creates an ambiance of tranquility and relaxation where the guests will experience unforgettable moments at ease.
(おもてなしは、もっとも献身的かつ洗練された上品なマナーによる日本の伝統的なホスピタリティです。
おもてなしは穏やかな空間を作り出し、ゲストは忘れがたいくつろぎの時間を経験するのです。)

※dedicatedは「献身的な・熱心な・ひたむきな」という意味、exquisiteは「非常に美しい・繊細な・優雅な・洗練された」といった意味があります。

The meaning of Omotenashi goes way deeper than just providing outstanding hospitality as the original meaning is to entertain the guests wholeheartedly.
(おもてなしの本来の意味は心からゲストをもてなすものであって、ただ優れた接待をするというより奥深いものです。)

※この文章でもwholeheartedly(心をこめて)というおもてなしに相応しい表現が使われています。with all (someone’s) heart.という表現もあります。どんどん使って語彙力を高めましょう。

 

おもてなし/Hospitalityと似た表現例

Hospitalityと似た表現をいくつか見てみましょう。

Friendliness/好意・親近感
Warmth/真心・暖かみ
Amicability/友好・親善
Cordiality/心からの気持ち

このように調べるだけでも、心が暖かくなってきますね。

 

日本と外国、おもてなしの違いは?

日本では高級ホテルであってもファストフード店であっても、おもてなしのサービスはどこでも受けられます。

ある珈琲店でコーヒーとケーキが運ばれたとき、お店の人から「ごゆっくりお過ごしください」と一言言われた外国人が驚くこともあります。

しかし、外国ではむっつり顔でスーパーのレジをしている人をよく見ませんか?

高級ホテルで素晴らしいサービスを受けられるのは、その対価を払っているから当たり前といえば当たり前。

しかし、おもてなしは何も接客業に限ったことではありません。

どんな場所でも笑顔で迅速なサービスが受けられるのは日本の大きな特徴であり、それは素晴らしいおもてなし文化から来ています。

 

例えば、日本の交通機関。

その本数の多さだけでなく正確さが限られた時間の観光客にとっては大変便利で有難いものに感じるようです。

また、電車やバスに乗れば乗客の安全を気遣うものや乗り換えのアナウンスやもありますね。

一部の人からは案内が過剰だというレビューもあるようですが、やはり日本ほど懇切丁寧な対応をする国は世界には珍しいのではないでしょうか?

おもてなしに関しては、日本人の持つ習慣ならではの相手を気遣う心にコミュニケーション力がプラスされた独特なところがポイントと言えそうです。

 

おもてなしするときに使える英語表現例

おもてなしは相手を思いやる気配りです。
お客様をもてなす時、Hospitalityを使わずにできる英会話フレーズはたくさんあります。

さっそく、いくつか見てみましょう。

・Thank you for coming!
(いらっしゃいませ!)

・Please make yourself comfortable.
(どうぞゆっくりしていって下さいね。)

・Who’d you like something to drink?
(何か飲み物はいかがですか?)

・I hope you like it.
(お気に召すといいのですが。)

・Please let me know if there is anything I can do for you.
(何かできることがあればおっしゃって下さいね。)

また「おもてなし料理」という言葉がありますが、
英語にすると「Hospitality Cuisine」・・・?
しかし、そういう言葉はありません。
料理自体、おもてなしするということだからでしょう。

お客様をディナーに招待したい場合は以下のような表現を使いましょう。

I would like to invite you for dinner next Saturday if that is ok with you.
(ご都合がよろしければ、来週土曜ディナーにお呼びしたいのですがいかがでしょうか?)

 

日本人の素晴らしい気配り、温泉旅館西村屋の紹介

現代ではおもてなしの心が改めて見直され、多くの企業でおもてなしを意識した接客術などを身につける研修などが行われています。

ここで、老舗温泉旅館西村屋さんの事例を紹介します。
西村屋さんは、江戸時代から続く創業150年の老舗温泉旅館です。

その歴史も素晴らしいですが、日本が誇るおもてなしの心を大切にし地域経済を活性化させる存在として発展していくという挑戦を常にしています。

様々な研修がありますが、ユニークなことに全てがおもてなしを意識した接客の仕方を学ぶものとなっています。

観光業であるから当たり前とも言えますが、これが徹底しているのです。

 

英会話研修

外国からのお客様を迎えるにあたり、コミュニケーションのために英語は必要不可欠。その上で、お客様に上質なもてなしを心ゆくまで堪能していただく。

 

華道研修

お客様の到着時に可憐な一輪の花で心を和ましていただく、また花と向き合うことにより接客姿勢を磨く。

 

茶道研修

従業員の所作、着物の着付けの美しさなどは日本人の美しさの原点という考えから、茶道の作法によっておもてなしの精神を学ぶ。

日本では個人も企業もおもてなしの心で人と接することが根付いていますが、さて海外ではどんな反応があるのでしょう。

さっそく、見てみましょう。

 

日本のおもてなしは海外で好評?

日本ほどその接客が素晴らしい国はありません。

まさに「お客様は神様です」であり、レストランやカフェで席に座ったとたんに出てくる無料のおしぼりは海外ではほとんど見られません。

旅行や留学で海外に出ると、はっきりと感じる人も多いのではないでしょうか。

そんなおもてなし、海外ではどう受け取られているのでしょうか。

Japanese Omotenashi is the best in the world!
(日本のおもてなしは世界一です!)

Japanese Omotenashi with the politeness and smile treats people very well and make them happy.
(丁寧そしていつも笑顔のある日本のおもてなしは、人々を素晴らしくもてなしハッピーにします。)

Japan is the most polite country in the world!
(日本は世界でも一番礼儀正しい国です!)

There is too much Omotenashi resulting in Japanese people losing their individualities.
(同じようなおもてなしが行き過ぎ、日本人は個性がない。)

おもてなしへの海外の反応は、好意のあるものが多いようですね。

 

外国人が日本で体験したおもてなし、その反応は?

外国人にとって、日本のおもてなしはどのように感じられているのか見ていきます。

<ポジティブな反応>

It was amazing when I found my coat pockets were delightfully warm.
It was because the restaurant staff placed instant hand warmers in each of the pockets while we were having dinner since the weather was cold.
That was absolutely Japanese Omotenashi we have experienced!
(コートのポケットが暖かいのに気付いた。寒い日、ディナーをしている間にレストランのスタッフが使い捨てカイロをポケットに入れていてくれたからでした。
これこそ、真の日本のおもてなしを体験したということです!)

 

There are little baskets under or beside the tables at restaurants and bars so people’s bags and coats don’t have to be placed on the floor.
(レストランやバーなどのテーブルの下または横には小さなバスケットが置かれているので、鞄やコートを床に直接置く必要がありません。)

 

Taxi doors open automatically at your approach and the uniformed-white-gloved driver doesn’t expect a tip.
(タクシーに近づけばドアは自動に空き、そして制服、白い手袋をつけた運転手はチップなどまったく期待していません。)

 

<ちょっとビックリした反応>

I thought I might have done something wrong when I walked into a shop and saw all the shop employees bowed and yelled Irasshaimase!
(店に入った途端、店員達がおじぎをしていらっしゃいませ!と言われたときには、何か間違いを犯したのかと思ってしまった。)

 

I felt uncomfortable at an entrance when some Ryokan staff lined up and greeted us.
(旅館の玄関ではスタッフ達が並んでいて、一斉に挨拶をされたときは居心地が悪かった。)

 

接客業界で働く人だけじゃない、どこでもできる「おもてなし」

ここまでお読みになってきた皆さんであれば、おもてなしは特別なものではないということがお分かりではないでしょうか?

接客業でなくても東京オリンピックのような盛大なイベントでなくても、みじかにあるものでおもてなしはできます。

道に迷っていそうな外国人がいれば、英語でのスピーキング力には少し自信がなくても困っている人を助けたいという気持ちが上回れば良いのです。

基本表現とジェスチャーを使えば大丈夫、時間があれば近くまで一緒に行ってあげることだって素晴らしいおもてなしになります。

 

まとめ

自分よりの考えや研修で学んだからと、どんな相手にも柔軟性のない押しつけのおもてなしは返って逆効果ですね。

おもてなしは人が何を必要とするかを敏感に察知し、さりげなくできるのがベストです。

そのためにはコミュニケーションがカギになるのではないでしょうか。

その人がどの国から来てどんな習慣を持っているのかを考えることができれば、最高のおもてなしができるのではないでしょうか。

簡単な英語でもいいので、自分のできるベストなおもてなしをするだけで、相手は十分喜んでくれます。
しかし、英語力に自信がない人は「外国人のお客様だ・・・どうしよう・・・。」と戸惑ってしまいますよね。

そんな方のために、ネイティブキャンプでは「旅行英会話」の教材を用意しております。
旅行客としての英会話はもちろん、接客する側のフレーズも練習するので、しっかり覚えて使ってみて下さいね!

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。