近年、ビジネス環境のグローバルな変化に伴い、経営スキルを磨くために海外留学を考える社会人が増えています。
とはいえ、MBAに興味を持っていても実際にどんなプログラムなのか、どれほどの準備が必要なのか分からない人も多いでしょう。
実際に、海外のMBAプログラムは留学費用や学費、入学条件、奨学金制度など、多くのハードルがあるのも事実です。
本記事では、海外MBAのメリットや費用相場、オンラインMBAとの比較、さらには難易度別のおすすめランキングについて詳しく解説します。
海外MBAを取得するメリット
そもそもMBAとは?
MBAとは「Master of Business Administration」の略であり、経営学修士と呼ばれる学位のこと。
主にビジネスやマネジメントを体系的に学ぶためのプログラムとなっていて、特に経営学を深く学び、経営スキルを磨くことで、企業経営者向けのスキルを身につけられる点が魅力です。
ビジネススクールで取得する学位であり、ビジネススクールとは経営学や関連分野を専門的に学ぶ教育機関を指し、経営大学院やビジネス関連講座の総称です。
具体的には財務会計、マーケティング、経営戦略など、ビジネススクールが提供する専攻プログラムを修了することで取得できますが、資格試験を受けるだけではなく、一定期間の学習のほか実践も求められるという特徴があります。
MBAのさまざまな種類を知ろう
MBAとひとくちに言っても、そのプログラムは様々。
国内外に多様なプログラムがあり、それぞれに費用や特徴が異なります。
一般的には以下のような種類に分類できます。
・「海外で通学」の「フルタイム」MBA
・「国内で通学」の「フルタイム」MBA
・「国内で通学」の「パートタイム」MBA
・「通学しない」「オンライン」MBA
費用や期間など、ライフスタイルにあう形のものを選ぶのがMBA取得の肝となるでしょう。
本記事で見ていくのは、海外で通学orオンラインで取得するタイプの海外MBAとなり、英語力向上を目指していることを前提としています。
海外MBAのメリットは様々
複数種類あるMBAの中で、海外の大学またはビジネススクールで提供される経営学修士(修士号)のプログラムを、海外MBAと呼びます。
海外のMBA教育機関で学ぶことには多くの利点があります。
まず、国際的なビジネス環境に身を置くことで、グローバルな視点でのマネジメント能力を磨くことができます。
MBAで学ぶ内容はどのような職種や業種、立場でも役立つものばかり。
現職においてのスキルアップのみならず、転職や起業においても無駄になることはありません。
もちろんレベルの高い英語力が求められるため、英語スキルの向上も間違いなく叶うでしょう。
また専門知識を得ることで、企業派遣や支援制度を活用したキャリアチェンジも視野に入れやすくなります。
さらに、特にランキング上位校では、世界中から集まる優秀なMBA取得者と交流する機会が多く、卒業生ネットワークを活用して転職成功率を高めることが可能です。
得られる知識はもちろんですが、この「生涯付き合える仲間を得られる」というのは大きなメリットなのです。
MBA課程を共に乗り越えるクラスメイトは、年齢や立場は多様でありながら、同じ熱量で課題に取り組むことでディスカッションなどを通しながら「仲間」になっていきます。
在学中だけでなく卒業後も交流を続けたり、勉強会などオフラインでつながったりすることで、人生を通して互いに切磋琢磨し合える仲間ができます。
入学条件と求められるスキル
では、海外MBAの取得のために海外のビジネススクールに入学しようと思ったら、どの程度の難易度なのでしょうか。
①四年制大学卒業の学歴
まず、海外MBAは大学院修了資格ですので、「四年制大学を卒業していること」が受験資格。つまり学歴要件は最低でも学士が必須です。
英文での卒業証明書の提出が求められるため、出身大学から取り寄せることになります。
②職務・実務経験
多くのビジネススクールは、職歴2〜3年以上を条件として設定しています。
特に社会人向けのプログラムは、実際のビジネスの中で使える技能を磨く場なので、当然と言えるでしょう。
③学力・英語力
学力はGPAで測られます。GPAは大学の成績を測る指標で、一部の大学では3.0〜3.3を最低要件として設けています。
さらに、GMATあるいはGREという英語での試験を受ける必要があります。
TOEFLやTOEICのような英語力を測る試験というよりは、分析能力や問題解決能力などを総合的に見る試験内容となっています。
加えて、英語スキルを証明するための要件があります。
TOEFLまたはIELTS が主流で、学校によって求める最低要件は異なります。
TOEFL iBT 90点で足りるところもあれば、最低が110点というビジネススクールも。
入学に必要な条件はよく調べた上でスクールを選ぶことが重要ですね。
海外MBAの費用相場と安く抑える方法
たくさんのメリットがある海外MBAですが、安くはない費用がかかるのがネックに思う人も多いでしょう。
海外MBAの費用相場
海外MBAの費用には学費だけでなく、生活費や渡航費用、学生ビザ取得費用などが含まれることにまず注意が必要。
その上で、海外MBAの学費は、選ぶビジネススクール(プログラム)によってかなり大きく異なります。
フルタイムMBAの場合、授業料だけでも年間500万円〜1,500万円程度かかることが一般的で、そこからさらに渡航費用や留学生寮の費用、生活費を考慮すると、留学費用の総額は2,000万円を超えることも…!
期間で考えると、アメリカの私立であれば授業料と自費留学の場合の生活費まで含めると、1年で約1000万円程度はかかると考えておくと安心です。
海外MBAを費用を抑えて取得する方法
当然、費用を抑える方法もあります。
例えば一つは奨学金制度。活用することで、授業料や生活費の一部をカバーすることが可能です。
奨学金給付金を受けるためには、事前に契約条件をしっかりと確認して試験対策を行うことが重要です。
そうすることで、良い条件でMBA取得が叶う可能性がぐんと上がります。
また、企業派遣制度を利用することで、会社の支援を受けながらMBAを取得することもできますよ。
オンラインMBAと通学MBAの費用比較
近年、オンラインMBAの人気が高まっています。
オンラインコースは通学型のコースと比較して学費が安く、留学先へ渡航する必要がないため、渡航費用や生活費を節約できる点が魅力。
例えば、ハーバード大学のオンラインMBAプログラムでは、フルタイムMBAの半分以下の学費で受講できるケースもあります。
また、オンラインMBAは仕事を続けながら受講できるため、社会人にとっては最適な選択肢となります。
その一方で卒業生ネットワークの活用や直接の交流はどうしても少なくなるため、メリットとデメリットを十分に比較した上で選択することが重要。
オンラインか通学か、コストだけで比較するのは得策とは言えません。
例えば人脈の形成は通学型のプログラムの方が向いており、英語力の向上には海外のプログラムが最適になるでしょう。
また、仕事や家庭の事情で時間的な制約がある場合に関しては、オンラインプログラムでなければ取得が難しいということもあるはずです。
ご自身のMBA取得の目的や現実的な生活スタイルから、コスト以外の要素も総合的に見て判断しましょう。
難易度別おすすめMBAランキング
MBAランキングは、評価機関ごとに評価基準が異なります。
例えば「Bloomberg」は給与、学び、ネットワーク、起業の4つの要素を評価し、さらにダイバーシティ(多様性)も考慮しています。
「The Economist」は平均GMATスコア、給与、学生の質、平均勤務年数など30以上の項目を評価基準としていますし、「Financial Times」は給与のアップ率や環境・社会貢献などを評価項目に含めています。
「Bloomberg」の評価基準に基づくと、難易度別のおすすめスクールは以下のようになります。
難易度「高」
・スタンフォード大学
GMATの平均スコアが非常に高く、倍率も高いため、世界で最も入学が難しいMBAプログラムのひとつです。高いリーダーシップスキルや起業家精神が求められます。
・ハーバード大学
受験者のレベルが非常に高く、GMATスコアや職務経験もトップクラスのものが求められます。世界中のエリートが志願するため、合格率も非常に低いです。
・ウォートン(ペンシルベニア大学)
ファイナンス分野に強く、MBAの中でもトップクラスの学力と実務経験が求められます。
・MIT(スローン)
テクノロジーやイノベーションに特化したMBAで、数理的な能力が特に求められます。
・シカゴ大学(ブース)
分析的なスキルが特に重要視されるMBAで、ファイナンスに強く、実務経験の質が重視されます。
難易度「中〜高」
・コロンビア大学
ニューヨークという立地を活かしたネットワークが魅力。トップスクールほどではないものの、GMATや職務経験は高水準で求められます。
・UCバークレー(ハース)
西海岸のテクノロジー企業との連携が強いものの、スタンフォードほどの競争率ではなく狙い目。創造性や起業家精神が求められます。
難易度「中」
・ノースウェスタン大学(ケロッグ)
マーケティングや経営戦略に強みを持ち、コミュニケーション能力やチームワークが重視される特徴があります。
・デューク大学(フュークア)
トップスクールと比べるとやや入りやすいものの、それでもGMATスコアや職務経験のレベルは高いです。チームワークを重視する文化があります。
トップ5のスクールである「スタンフォード、ハーバード、ウォートン、MIT、シカゴ」は特に競争率が高く、GMATスコアや職務経験のレベルが非常に高いです。
一方でコロンビアやUCバークレーは比較的競争率が低めですが、それでも難関校の部類。
いずれにしても、各スクールの評価基準やコースカリキュラムを比較し、自分のキャリア目標に合ったプログラムを選ぶことが重要です。
まとめ
海外MBAの取得は、キャリアアップや転職成功率の向上に大きく貢献します。
しかし、学費や生活費、入学試験の難易度など、多くの課題も存在することは確かです。
オンラインMBAも視野に入れつつ、自身のキャリア目標に最適なMBAプログラムを選ぶことで、より視座高く世界を見ることができるグローバル人材を目指しましょう。

◇経歴
幼稚園時代をシンガポールで過ごし、現地の友達と英語でよく遊んでいました。小学校からは日本で暮らし、中学生の時にカナダにホームステイした経験から海外での暮らしに魅了され、東京外国語大学に進学。
在学中にバンクーバーへの留学を経て就職し、新卒で入った会社では外資系クライアントと英語でやり取りをしていました。
現在は仕事で英語を使う機会はほとんどないものの、趣味として楽しく勉強し続けています!
◇資格
TOEIC940点、TOEFL iBT 90点
◇留学経験
バンクーバー(カナダ)、半年間、ILSC vancouver
◇海外渡航経験
・シンガポール(居住・旅行)
・マレーシア(旅行)
・モルディブ共和国(旅行)
・サイパン(旅行)
・カナダ(ホームステイ・留学)
・グアム(旅行)
・タイ(旅行)
・ドイツ(旅行)
・イタリア(旅行)
・トルコ(旅行)
・インドネシア(旅行)
◇自己紹介
英語が話せるだけで、世界中の「私が自分の言葉で会話できる人」の母数がぐんと広がったことが、私にとってはいちばん面白いポイントでした!これからも英語を通じていろんな地域のいろんな文化や人に触れ、知らないことを知っていきたいと思っています。