ビジネスの世界でキャリアアップを目指す方にとって、 MBAの取得は大きな武器となります。しかし、国内外に数多くのMBAプログラムがあり、それぞれに特色や難易度の違いがあるため、どのスクールを選ぶべきか迷ってしまうことも。
この記事では、世界的に評価の高い海外のビジネススクールから、日本国内の注目プログラムまで、ランキングや入学難易度、カリキュラムの特徴などを徹底比較します。 キャリア目標や学びたい分野に合った最適なMBA選びの参考にしてみてください。
海外と日本のMBAランキング概要
MBAランキングの評価基準は、それを作成する機関によって比重が異なります。ランキングの評価は、 MBA取得後の給与水準や起業の件数、講師・学生の質、ダイバーシティ(多様性)といった項目があります。MBAの学校選びの際は、 自分の目的に合った項目や留学したい地域が含まれているランキングを参考にすると良いでしょう。
世界的に有名なMBAランキングには、 Financial Times、The Economist、Bloomberg Businessweekなどがあります。Financial Timesは国際性を重視し、 世界各国のMBAを対象としています。The Economistは 学生満足度を重視しており、Bloomberg Businessweekは 雇用主の評価を重視する傾向があります。
国内のMBAプログラムはグローバル基準とは異なる特徴を持っていることが多いため、 日本のビジネス環境に合わせた評価基準が用いられています。しかし、世界と比べるとレベルは非常に低いと言わざるを得ません。そのため、 MBAを取得するなら海外と考えている方も多いです。
ランキングを参考にする際は、順位だけでなく、 自分のキャリア目標と照らし合わせることがポイントです。例えば、金融業界でのキャリアアップを目指すならその業界への就職実績が高いスクールを、起業を考えているなら起業家輩出率の高いスクールを選ぶといった具合です。
また、留学したい地域や予算、自分の学びたい専門分野などの条件も考慮する必要があります。ランキング上位のスクールは入学難易度も高く、英語力、職務経験など、厳しい選考基準を設けています。自分の条件に合わせて、挑戦できるスクールを現実的に選ぶことも大切です。
海外MBAランキング
では、権威ある評価機関として知られる 「THE FINANCIAL TIMES」が公表しているMBAプログラムの世界的評価をご紹介していきます。
イギリスを拠点とする経済専門紙「THE FINANCIAL TIMES」は、毎年オンラインMBAの世界ランキングを更新・発表しています。 以下は2023年3月に公開された「Online MBA 2023」における上位10校の一覧です。
位置 | 教育機関 | 所在国 |
1 | IE Business School | スペイン |
2 | Warwick Business School | イギリス |
3 | Imperial College Business School | イギリス |
4 | Carnegie Mellon: Tepper | アメリカ |
5 | University of Massachusetts Amherst: Isenberg | アメリカ |
6 | University of North Carolina: Kenan-Flagler | アメリカ |
7 | University of Florida: Warrington | アメリカ |
8 | Durham University Business School | イギリス |
9 | University of Liverpool Management School | イギリス |
10 | Politecnico di Milano School of Management | イタリア |
最新の結果ではスペインのIEビジネススクールが首位を獲得し、次点にはイギリスのウォーリック・ビジネス・スクールが続いています。 このランキングのポイントとしては、給与・昇給などの経済的指標だけでなく、 社会的貢献度も重要な評価項目に含まれていることが挙げられます。 従来の対面式MBAではハーバードやコロンビアといった米国の機関が上位を独占する傾向がありますが、 オンライン形式では英国の教育機関も多数トップ10入りしているのが注目に値します。
日本のMBAランキング
日本のビジネスに特化した教育を行う大学院の一部は、グローバルなMBA評価にも名を連ねています。 しかし、日本の大手メディアや文科省が運営する公式な国内MBA大学院の評価制度はまだありません。 この項では、「QS」が独自に集計した日本国内のMBAスクール比較データを紹介します。
日本の主なMBA提供機関の上位5校を以下にまとめます。 ただし、これらの教育機関は 世界規模で見ると100位圏外で、非常にレベルが低いことを念頭に置いておく必要があります。
国内評価 | 教育機関 | 取得認証 |
1 | 一橋大学大学院 | AACSB |
2 | 名古屋商科大学大学院 | AACSB・EQUIS・AMBA |
3 | 早稲田大学大学院 | AACSB・EQUIS |
4 | 立命館アジア太平洋大学大学院 | AACSB・AMBA |
5 | 同志社大学大学院 | ― |
この結果から読み取れるポイントとして、 トップ5のうち4機関が国際的な第三者評価機関からの認証を獲得していることが挙げられます。 全世界のビジネス教育機関の中で、こうした国際認証を持っているのは わずか5%ほどと言われており、非常に厳格な基準をクリアした証といえます。 AACSBなどの認証マークがあれば、そのカリキュラムやプログラム内容は 一定の質が担保されていると判断できるでしょう。
MBA取得の難易度
MBAを目指すなら、取得までのハードルや必要な時間を知っておきたいところですよね。学習内容から入学試験、学習期間まで、総合的に見たMBA取得の難易度について解説します。
入学試験と選考プロセス
教育機関によって学習範囲や入試内容も大きく異なります。国内の専門職大学院では多くの場合 「大学卒業資格と原則2年以上の社会人経験」などの応募条件があり、選考は 書類審査と面接という二段階方式で行われるケースが一般的です。 これまでの職歴や進学理由を明確に説明できることが合格の鍵となります。
欧米の一流ビジネススクールに挑戦する場合は、さらに高いハードルがあります。 高い英語力を証明する TOEFLスコアに加え、 言語・数学能力を測るGMATスコアの提出をしなければならず、入学難度は格段に上がります。
MBAにかかる期間
ビジネススクールへの入学には入試突破が必須であり、志望校のレベルや試験科目によって準備期間は異なります。
欧米の名門校を目指す場合は、少なくとも 1年前から本格的な英語学習を始め、出願の3ヶ月前までには志望理由対策や面接準備を完了させておくのが良いでしょう。
MBAの学位そのものは 通常2年間で取得するのが標準とされており、国内のほとんどのビジネススクールでは2年間の履修期間を設定しています。
欧米のビジネススクールでも一般的に1.5〜2年のプログラムが主流ですが、そこで求められる 高度な英語力を身につけるには約1年の準備期間が必要と言われています。そのため、準備から学位取得までトータルで 最低でも3年程度の時間的投資を覚悟しておく必要があるでしょう。
MBA取得の成功率
MBA学位の取得には所定の履修科目をすべて修了する必要がありますが、入学した教育機関のレベルによって最終的な取得率も当然大きく異なります。
一般的に、ビジネススクールに入学できた後は真面目に授業に出席し、必要な単位を取得していけば、ほぼ100%に近い確率で学位を取得できるとされています。しかし、欧米の名門校では英語力と専門知識が必要なため、人によっては想像以上に厳しいと感じることもあります。
国内外を問わず、仕事と学業の両立を図る社会人学生にとっては、時間管理能力と強い意志が成功への重要なポイントとなるでしょう。 オンラインMBAプログラムなどの柔軟な学習方法を選ぶことで、自分のペースで学位取得を目指すことも視野に入れてみましょう。
MBAのための大学院やスクールを選ぶポイント
どの教育機関を選ぶかは将来のキャリアに大きく影響します。アビタスのマサチューセッツ州立大学MBAプログラムが実施した調査によると、MBA志望者の主な動機として 「経営全般の知識獲得」や 「価値あるネットワーク構築」が上位に挙げられています。
MBA選びで最も大切なのは、カリキュラム内容や学費、卒業後のキャリアパスなど、 複数の視点から総合的に判断することです。経営学の修士号であるMBAでは、当然ながら経営に関する幅広い知識習得が基本となります。志望校のカリキュラムや教授陣を事前に調査し、自分が身につけたい専門知識やスキルが学べるかどうかを確認しましょう。
例えば、 マーケティングに特化したいのか、 財務・会計の専門性を高めたいのか、あるいはグローバルビジネスに焦点を当てたいのかによって選択肢は変わってきます。多くのビジネススクールではコア科目に加えて選択科目やコンセントレーション(専門領域)を用意しており、自分の関心分野を深く掘り下げることができます。
まとめ
今回は、海外と日本のMBAのランキングをはじめ、評価の高い海外のビジネススクールやスクール選びのポイントなどを見てきました。
MBAは強い武器となりますが、選択肢の多さに迷うこともあります。ランキングは参考にしつつも、自分のキャリア目標や学びたい分野、投資できる時間と費用などを総合的に考慮して選ぶことが大切です。難易度は機関によって異なりますが、準備と覚悟があれば必ず道は開けます。国内でも国際認証取得校が増え、選択肢は広がっています。これぞと思うMBAプログラムを見つけ、次のキャリアステージへ進みましょう。

◇経歴
英語科高校卒
外国語学部英米学科卒
学習塾で英語を教えている
◇資格
・IELTS6.5
◇留学経験
イングランドのオックスフォードのOxford English Centreに3週間の語学留学と、スコットランドのエディンバラのUniversity of Edinburghに1年間の交換留学をしていました。
◇海外渡航経験
高校時代にオックスフォードの語学学校へ留学
大学時代にエディンバラ大学へ1年交換留学
◇自己紹介
ハリー・ポッターがきっかけで英語に目覚め、高校・大学とイギリスに留学したイギリスマニア。学校はアメリカ英語なので自己流でイギリス英語を習得。発音、スペル、すべてにおいてクイーンズ・イングリッシュを使い英語の先生にバツをくらうもめげず。生まれも育ちも日本で、海外に繋がりがなかったため留学が夢となった。アルバイトで全資金を稼ぎ渡英すると、勝手な高い理想を上回るほどの素晴らしさを目の当たりにし更に虜に。