海外に住んでいる人と電話で話す場合、具体的にどのような手順を踏めばいいのでしょうか。特にカナダは日本との時差が大きく、電話をかけるタイミングや方法に悩む方も多いでしょう。実は、カナダへの国際電話は思ったよりもシンプルで、スマートフォンやアプリを活用すれば、通話料を抑えることもできます。
この記事では、カナダへの電話のかけ方の基本から、知って得する節約術まで、誰でも実践できる情報をご紹介します。離れていても会話を楽しめる方法をぜひマスターしていきましょう。
国際電話の基本
国際電話は一見複雑に思えるかもしれませんが、基本的な仕組みを理解すれば誰でも簡単にかけることができます。まず押さえておきたいのが、国際電話に必要な3つの要素です。
1つ目は「国際電話発信番号」で、日本から海外に電話をかける際の入り口となるコードです。2つ目は「国番号」で、これは世界中の国々に割り当てられた固有の番号です。そして3つ目が「相手の電話番号」となります。
これらの番号を正しい順序で組み合わせることで、地球の裏側にいる相手とも会話することができるのです。重要なのは、携帯電話と固定電話では国際電話発信番号が異なる点です。携帯電話からの場合は「010」、固定電話からは「001」または「0041」といった番号を使用します。
国際電話の料金体系も理解しておく必要があります。基本的に国際電話は、発信する国と受信する国の間の距離や、使用する通信回線の種類、時間帯などによって料金が変わります。例えば、深夜や早朝の時間帯は比較的安価な料金で通話できることが多いため、時差を考慮しつつ、こうした時間帯を上手く活用するのもコスト削減の一つの方法です。
日本からカナダへの電話のかけ方
カナダへの電話は、実は非常にシンプルな手順で行うことができます。まず、携帯電話から発信する場合は「010」、固定電話からは「001」を入力します。次に、カナダの国番号である「1」を入力します。そして最後に、相手の電話番号を入力します。ここで注意したいのは、カナダの電話番号は市外局番を含めて10桁であり、最初のゼロは不要だということです。
例えば、バンクーバー在住の友人に電話をかける場合、市外局番が「604」で電話番号が「987-6543」だとすると、携帯電話からは「010-1-604-987-6543」という順序で番号を入力することになります。この時、ハイフンは実際の入力時には必要ありません。すべての番号をつなげて入力するだけでOKです。
カナダは広い国土を持ち、地域によって時差が異なります。例えば、バンクーバーがある西海岸は日本との時差が-17時間、トロントがある東海岸は-14時間となります。つまり、日本の正午は、バンクーバーでは前日の午後7時、トロントでは前日の午後10時ということになります。
相手の生活リズムを考慮しつつ、双方にとって都合の良い時間帯を見つけましょう。一般的に、日本の朝方(午前7時~9時頃)はカナダの前日の夕方にあたるため、通話に適した時間帯と言えます。休日であれば、日本の夜(午後9時以降)もカナダの朝や昼間にあたるため、ゆっくりと会話を楽しめるでしょう。
スマホの時間を調整し、カナダ時間も入れておくといちいち時差を計算しなくて済むのでおすすめです。逆に、カナダから日本の夜中に電話がかかってくるとびっくりしてしまうと思うので、相手にも日本の時間を伝えておきましょう。
通話料金を抑える賢い方法
スマートフォンの普及により、従来の国際電話サービスに加えて、インターネットを利用した通話サービスが一般的になっています。代表的なものには、Skype、WhatsApp、LINE、FaceTimeなどがあります。これらのアプリを使用すれば、インターネット環境さえあれば、基本的に無料で通話ができます。
Wi-Fi環境下での利用であれば、データ通信料も気にする必要がありません。ただし、モバイルデータ通信を使用する場合は、データ通信量に注意が必要です。長時間の通話は、思わぬデータ通信料の請求につながる可能性があるためです。
国際電話かけ放題プランも考えてみましょう。携帯電話各社では、国際電話の定額サービスや割引プランを提供しています。例えば、月額数百円程度で一定時間の国際通話が可能になるサービスや、特定の国への通話料金が割引になるプランなどがあります。カナダへの通話が頻繁にある場合は、これらのサービスの利用を検討してみましょう。
国際電話プリペイドカードも通話料金を抑える有効な手段の一つです。コンビニエンスストアやインターネットで購入可能で、競争が激しい分、比較的安価な料金設定となっています。使用方法も簡単で、カードに記載された専用のアクセス番号に電話し、暗証番号を入力した後、通常の国際電話と同じように相手の番号をダイヤルするだけです。
トラブル防止のための注意点
国際電話でよくあるトラブルの一つが、番号の入力ミスです。市外局番は地域によって異なるため、事前に正確な番号を確認しておいてください。また、カナダ国内での市外局番の変更や追加が行われることもあるため、定期的な確認を心がけましょう。
料金の確認も事前にしておきましょう。利用する通信サービスや時間帯によって料金が大きく異なる場合があります。ホテルや公衆電話からの国際電話は非常に高額になる可能性があるため、注意が必要です。また、携帯電話の国際ローミングサービスを利用する場合も、事前に料金プランをよく確認しておくことをおすすめします。
また、インターネット通話を利用する場合、通信環境が通話品質に大きく影響します。重要な話をする際は、安定した Wi-Fi 環境下での利用をおすすめします。また、時間帯によっては通信が混雑し、音声が途切れたり遅延したりする可能性があるため、余裕を持って通話時間を設定することをお勧めします。
カナダからの電話の受け方
カナダから日本への国際電話は、実は日本からカナダへの電話よりもシンプルな仕組みになっています。国際電話を受ける側は特別な設定や操作は必要なく、通常の着信と同じように電話に出るだけでOKです。ただし、知っておくと便利なポイントがいくつかありますので、以下で詳しく解説していきます。
国番号の仕組み
カナダから日本への電話では、発信者が以下の順序で番号を入力します。
・カナダの国際電話識別番号(011)
・日本の国番号(81)
・市外局番の最初の0を除いた電話番号
例えば、日本の携帯電話「090-XXXX-XXXX」に電話をかける場合、カナダからは「011-81-90-XXXX-XXXX」となります。固定電話の場合も同様で、「03-XXXX-XXXX」であれば「011-81-3-XXXX-XXXX」となります。
着信時の表示
カナダからの電話を受ける際、携帯電話の画面には通常「+1」から始まる相手先電話番号が表示されます。これは発信国がカナダの国際電話であることを示しています。海外から電話が来ること自体が珍しいと、最初はびっくりしてしまうかもしれませんね。
知人からの電話の場合は、事前に番号を電話帳に登録しておくと便利です。その際、国番号を含めた形式(+1-XXX-XXX-XXXX)で保存しておくことをおすすめします。
英語が話せなくても電話をする方法
言語の壁は国際電話をためらう大きな理由のひとつではないでしょうか。電話だと音声がクリアでなくなるため、より高いリスニングスキルとスピーキングスキルが必要となります。しかし、実は英語が話せなくても工夫次第で簡単なコミュニケーションなら取ることができます。
基本的な英語フレーズの準備
まずは、最低限必要な英語フレーズをメモしておくと安心です。例えば、以下のフレーズを暗記してしまいましょう。
挨拶と自己紹介ができます。
相手を呼び出せます。
お礼も忘れずに。
英語が得意でないことを伝える時に使いましょう。
ゆっくり話してもらうようお願いできます。
通訳サービスの活用
最近では、スマートフォンの翻訳アプリを活用する方法も増えています。Google翻訳やiTranslateなどのアプリを使えば、リアルタイムで会話を翻訳することができます。スピーカーフォン機能を使用しながら翻訳アプリを併用するのも一つの方法です。
しかし、通訳サービスも万能ではありません。意味不明な言葉になったり、英語の方言や訛りにはまったく対応できない場合も多々あります。よって、英語に自信がない場合は、以下のような準備をしておくと安心です。
・伝えたい内容を事前に日本語で整理する
・重要なポイントを簡単な英語に翻訳しておく
・予想される質問への返答を用意しておく
・必要に応じて、バイリンガルの知人に協力を依頼しておく
まとめ
カナダとの国際電話は一見ハードルが高く感じるかもしれませんが、基本的な仕組みを理解し、適切なツールを活用することで、誰でも利用できるサービスです。
最近は、インターネット通話やさまざまな通信アプリの普及により、従来よりもずっと手軽に、かつ安く国際通話を楽しむことができるようになりました。言語の問題も、翻訳アプリやオンライン通訳サービスの発達により、以前ほど大きな障壁ではなくなってきています。大切なのは、コミュニケーションを取りたいという気持ちです。完璧な会話でなくても、その思いは必ず相手に伝わるはずです。

◇経歴
英語科高校卒
外国語学部英米学科卒
学習塾で英語を教えている
◇資格
・IELTS6.5
◇留学経験
イングランドのオックスフォードのOxford English Centreに3週間の語学留学と、スコットランドのエディンバラのUniversity of Edinburghに1年間の交換留学をしていました。
◇海外渡航経験
高校時代にオックスフォードの語学学校へ留学
大学時代にエディンバラ大学へ1年交換留学
◇自己紹介
ハリー・ポッターがきっかけで英語に目覚め、高校・大学とイギリスに留学したイギリスマニア。学校はアメリカ英語なので自己流でイギリス英語を習得。発音、スペル、すべてにおいてクイーンズ・イングリッシュを使い英語の先生にバツをくらうもめげず。生まれも育ちも日本で、海外に繋がりがなかったため留学が夢となった。アルバイトで全資金を稼ぎ渡英すると、勝手な高い理想を上回るほどの素晴らしさを目の当たりにし更に虜に。