英語の聞き取りを向上する方法
日本人は英語の読み書きが比較的得意という方が多く、話す方もあらかじめ言いたいことを考えておけばなんとかなるケースが多い方が多いのに対し、聞き取りが非常に苦手という方が多いようです。
英語の検定試験はもちろんのこと、ビジネスなどでもリスニング力が必要になるシーンが多いと思います。また、会話は言葉のキャッチボールなので、相手の言っていることが聞き取れないと、会話も成り立ちません。
今回の記事では、英語の聞き取りが難しい理由や、リスニング力が上達するコツについてご紹介します。
語彙力を上げる
英語の聞き取り力を上達させるためには、語彙力を強化していく必要があります。基本的な語彙が足りないと、英文を正確に理解できないからです。語彙力を上げるためには、単語を覚えるだけでなく、覚えた単語をしっかりと自分の中に定着させなければなりません。
英語学習初心者の方は、まずは中学校から高校までに習う基礎レベルの文法力と、英語を使う上で最低限必要と考えられる単語力を身につけて、英文を正確に理解できる状態を目指しましょう。
これは時間がかかる作業で、地道な努力と根気が必要です。知識として覚えた英単語を記憶に定着させるためには、脳の記憶メカニズムを活用して長期記憶に残すことを心掛けます。長い時間勉強して頭にどんどん単語を詰め込むよりも、適切なタイミングで復習の時間を挟んだほうが、忘れるまでの期間が延びていきます。
新しく覚えた単語は、翌日に再度復習し、さらに1週間後くらいにもう一度復習すると、記憶に定着しやすくなるのです。忘れかけるタイミングで復習することで、より強固な長期記憶として定着させます。
また、インプットだけでなく「書く」「話す」といったアウトプットも重要です。 SNSやブログでの発信、日記、動画など、現在は個人でも情報を発信できる手段がたくさんあります。 これらを上手く活用しながら、自分の考えや意見などを英語でアウトプットする習慣を持つようにしてみてください。
音声を繰り返し聞く
リスニング力の上達には、音声をたくさん聞くことも重要です。
おすすめの学習法としては、ただ音声を聞き流すだけではなく、数分間ほどの長さのYouTubeやPodcastなど、好きな動画や音声コンテンツを選んで何度もくり返し聞く方法が効果的です。
最近ではリスニング力強化のための無料アプリ教材なども多く存在します。最初は全く理解できなくても、くり返し聞くうちに少しずつ理解できる部分が増えていきますので、わからない単語や表現は気にせずに、とにかく全体の要点を理解することに集中するのがコツです。
また、海外ドラマや映画の視聴もおすすめです。自分の好きな作品や、興味のある分野のものを選べば、内容の理解度も高まって、自然にリスニング力が上達します。
映画鑑賞のコツとしては、まず日本語字幕や吹き替え版を観て、ストーリーや内容を理解してから英語字幕で観るという方法です。字幕なしで観るよりも、英語字幕つきで観たほうが、学習効果が高いという研究結果も出ています。もちろん何度も同じ作品を観ることも重要です。登場人物のセリフを覚えるくらいまで観れば、聞き取ることのできる英語の量も増えてきますし、語彙や言い回しのストックもどんどん増えていきます。
声に出して練習
自分で声に出して発音することも、リスニング力を鍛える練習法として有効です。
ここでは、発声方法の中でも特に効果があると言われているシャドーイングという学習方法をご紹介します。
シャドーイングというのは、耳に入ってきた英語を少しずらしたタイミングで真似して発音する練習方法です。英文を聞き終えてから繰り返すリピートと異なり、シャドーイングは聞こえてくる英文のすぐ後ろを影のように追いかけるのがポイントです。
聞くことと発音することを同時に行うので、比較的難易度の高い学習法ですが、ポイントをしっかりおさえて繰り返し練習することで、確実にリスニング力が上達していくはずです。
単なるリスニングの場合、聞き取りが曖昧であっても内容を理解できることがありますが、シャドーイングはすべての音を聞き取る必要があり、しかもその音をすぐあとに発音しなければなりません。
だからこそ、シャドーイングは音声知覚のプロセスを集中的に鍛えることができるのです。英語特有のイントネーションやアクセントにも慣れ、聞き取りが楽になることに加えて発音練習や会話力のレベルアップにも効果的です。
英語の聞き取りができない理由
英語の聞き取りがなかなか上達しない理由にはいくつかあります。ここではその代表的な理由から、リスニング力の上達方法を探ります。自分にあてはまっているものがないかチェックしてみましょう。
英語の音が聞き取れない
ネイティブスピーカーの英語が聞き取れないという方はいませんか?
これは彼らの話す英語のスピードが速いから聞き取れないのではなく、自分の想定している発音と違うから聞こえないのです。
語彙や文法の知識はあるのに、英単語の発音や文中で自然に起こる英語特有の音声変化を理解していないため、耳で聞いたときに認識することが出来ないということが起こっているのです。
このケースの場合は、正しい英語の音声知識を学ぶことが必要です。
ネイティブスピーカーは、話す時に単語の音をつなげたり落としたりして、発音を変化させています。例えば「get out」は、これまで学校で学んできた「ゲットアウト」ではなく「ゲローン」のように結合して発音したり、「kind of」は「カインドオブ」ではなく「カインダ」のように変化させて発音しています。
このように自分が学んできた単語と違う形で発音されるため、簡単な会話のリスニングも非常に難しく感じるのです。
日本語では、書き言葉と話し言葉が異なると思いますが、それは英語でも同じです。
話す時には言葉が短縮されたり、省略されることも多いので、書かれたものは理解できても耳にしたものと結びつかないのです。
リスニングでは何を言っているのか聞き取れないけれど、同じ英語を文字で読めば理解できるという方は、自分の知っている英語と違う形で発音されているということを意識しながらリスニングを心掛けてみましょう。
日本語に訳して理解しようとしてしまう
英語のリスニングを行う上で、最初はどうしても英文を日本語に置き換えて理解しようとしてしまいます。
実は、無意識に行なっているこのクセが、英語の聞き取りを難しくしている大きな要因の1つであると考えられます。
例えば日本語の特徴として、肯定なのか否定なのか、文章の最後まで聞かないとわからないことがありますが、逆に英語の場合は最初に否定の表現がくると言ったように、日本語と英語は語順が逆なのです。
そのため、日本語に訳しながら理解しようとすると、長い会話になればなるほど混乱して理解できなくなって、最初に話されていた内容も忘れて要点がわからなくなってしまうのです。
英語の文の中にはいくつも意味のかたまりがあり、ネイティブスピーカーはそのかたまりごとに意味を処理していくそうです。
しかし、日本人の場合は、英語と日本語の語順が異なることもあって、単語を1つずつ処理しようとしたり、文全体の訳で理解しようとしたりしてしまいます。
この対策として、瞬時に意味の切れ目を見つけてかたまりごとに意味を処理していく読み方にシフトしてみましょう。
いきなり耳で聞いたものをそのまま理解しようとするのは難易度が高いのですが、まずは日本語に置き換えずに英語のまま理解する訓練をすることにより、自然と英語で理解して考える力を身につけることができます。
知らない単語が出てきて思考停止してしまう
リスニング中にわからない単語やフレーズが出てくると、そこで思考が停止してしまい、そのあとの文章が頭に入って来なくなった経験はありませんか?
英語のリスニングで大事なのは、一言一句を完璧に理解することではなく、全体的に伝えようとしていることを理解することが重要です。
日本の英語教育の中では英単語を覚える訓練を受けているため、どうしても単語1つずつの意味を捉えようとしてしまいます。
しかし英語を聞き取るためには、単語ではなく、意味ある文のかたまり単位で理解しようとすることが必要となります。
日本語であっても、相手の話す全ての単語を理解しているとは限りませんし、映画やドラマを観ていても、知らない単語がいくつか出て来ると思います。
それでも会話やリスニングに大きな支障はありません。英語も同様で、わからない単語やフレーズが出てきても気にせずに、まず全体の意味をつかむように心掛けます。
単語ごとではなく、文のかたまりの単位で聞き取るようにすると理解がしやすくなり、知らない単語で思考が停止する、というようなことを避けることができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は英語の聞き取りが難しい原因や、リスニング力上達のコツを解説してきました。
英語を勉強をしている多くの方にとって、もっとも難しいのはリスニングです。
英語で映画やドラマなどを観ても、最初はネイティブスピーカーの英語がほとんど聞き取れずに何を言ってるかさっぱりわからないと思います。しかし、いくら英語が読めたり書けたりしても、リスニングが出来ずに相手の言っていることが理解できなければ、コミュニケーションを取ることは出来ません。
ここまで述べてきたようなことに注意して、正しい方法でトレーニングすれば、英語のリスニング力は上達して、必ず聞き取れるようになります。まずは海外の映画やドラマ、動画を字幕なしで楽しめるようになることを目標に頑張りましょう。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.