英語の発音において大事な「リダクション」ってなに?

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今回は、英語発音のリダクション、そして発音の学習方法についての解説です。

リダクションとは、英語がスペル通りに発音されず、音が脱落したり弱くなったりすることです。このリダクションの特徴や発音の仕方が分かれば、ずいぶんとネイティブスピーカーの発音に近づくことができます。

以下、英語の発音の重要性と、具体的な発音矯正方法をご紹介していきます。

英語の発音を学習することの重要性

「英語なんて伝わればいい!」「フィーリングでなんとなく!」という意見もありますが、それではもし留学をしたり、発音が悪すぎてどうしても言いたいことが伝わらない時に困りますよね。また、自分が発音できない音を聞き取ることは困難なため、相手が言っていることが分からない事態にもなりかねません。もしこれが留学中で、誰とも会話できないとなると、それはもう地獄です。

コミュニケーションを取るのに英語の発音が大事であるだけでなく、英語の向上にも正しい発音は欠かせません。なぜなら、耳で聞いた音は経験値として蓄積され、これから学ぶ英語にも影響を及ぼし続けるからです。本当は同じ音なのに違う音として捉えていては、いつまで経っても英語を非効率な覚え方でしか学べない可能性があります。

逆に、英語の発音が良くなれば英語を話すことに自信が持て、性格に変化が生まれることもあります。心のどこかで、「自分の英語はネイティブスピーカーには笑われるのではないか」「アジア人特有の発音で変に思われていないだろうか」とネガティブに考え出すと、自分の意見を言わないことで知られている日本人が、ますますシャイだと思われてしまいます。「これが正しい発音だ!」と自信を持てたら、スピーキングに積極的になれるでしょう。

他にも、英語の発音を学習することでリーディングが速くなるメリットがあります。英語の音を頭の中で正しく再生できれば、それが読む時にもリズムとなってスムーズに文字をたどっていけます。ライティングにおいても同様のことが言え、ネイティブスピーカーが言わない言い回しを作った時に、感覚的に「なんだか音が変だな」と違和感を持てるため、自然と「こちらが正しい」と判断できるようになります。なぜなら、その音を聞いたことがあるからです。

英語の「音声変化」の特徴

英語には音声変化があります。例えば、日本人がカタカナ読みしてすべての単語をそのまま発音している音に対して、ネイティブスピーカーがナチュラルなスピードで話す時に単語と単語の音がくっつきます(これはリエゾンと言います)。ここに音声の変化が見られます。

実は、日本語にも音声変化はあります。「体育」のことを「たいいく」とは発音せず、「たいく」と言いますよね。「洗濯機」も「せんたくき」ではなく「せんたっき」と言います。そのままの音で発音すると話しにくいため、より発音しやすい音に音声が変化しているのです。

英語では、「I have a pen.」をそれぞれの単語をしっかり読んで発音しません。「アイハヴァペン」のように、「have」と「a」の音がつながり、「ハブア」ではなく「ハヴァ」と変わります。これが英語の音声変化です。

発音における「リダクション」とは何か

リダクションとは、音の脱落と弱化です。脱落についての例を見てみましょう。

例えば、「walking」を発音する時、「ウォーキング」ではなく「ウォーキン」と発音します。スペルで言えば「g」に当たるところの音が脱落していますよね。

次に、弱化について見ていきましょう。

「Pens and notebooks」と言う時、「and」の音は小さくなります。はっきりと発音すべきは「pens」と「notebooks」であり、「and」は聞こえるか聞こえないくらいの大きさで発音されることもあります。英語の文法や文脈を分かっていれば聞き取れる音ですが、これは英語初心者だとリスニングを難しく感じる要因となります。

この脱落と弱化が、英語におけるリダクションです。

英語の発音の学習方法

では、ここからは英語の発音の学習方法について、具体的にご紹介していきます。いきなりネイティブスピーカーレベルの英語を聞いて、聞き取れずにやる気をなくしてしまうのは避けたいところです。すべてを行う必要はありませんが、自分のレベルに応じたテキストを購入し、スマホアプリなどに音声をダウンロードして聞く習慣を付けてみてください。

シャドーイング

英語の発音の練習で一番おすすめしたいのはシャドーイングです。シャドーイングとは、ネイティブスピーカーが喋った直後に続けて真似(リピート)をし、英語をどんどん発音していく方法です。

ネイティブスピーカーが何を言っているのかに集中するのはリスニング練習の時で良いので、まずはとにかく音を真似ることに集中してみてください。リズムやイントネーション、アクセントなどの細かいことは気にせず、ただ真似さえできればOKです。

カタカナ英語とは全く違う音ができていれば合格なので、シャドーイングをしている自分の声を録音するのがおすすめです。時折、不思議なくらいカタカナの呪いに取りつかれている人がいますが、聞こえた音をそのまま復唱するだけなので、日本語の音が出てくるのはおかしいのです。

「真似るだけ!」これを意識しましょう。ネイティブスピーカーが自然に行っているリエゾンやイントネーションを体に染み込ませます。

好きなアクセントをたくさん聞く

英語と一口に言っても、イギリス英語やアメリカ英語、オーストラリア英語などなど、英語のアクセントはかなりたくさんあります。日本より小さなイギリスでさえ、国内に45以上のアクセントがあるとされていて、実際かなり音が違います。

英語上級者であれば、むしろ世界中の英語の訛りに触れてどんな音でも聞き取れるようにしたいところですが、初心者から中級者の方は、ひとつのアクセントに絞ることをおすすめします。

例えばイギリス英語が好きならば、いわゆる聞き取りやすいRPという英語をおすすめします。イギリス国民の3%くらいしか使ってはいませんが、BBCニュースのアナウンサーが話す言葉で、イギリス国民全員が理解できます。

RPアクセントは、海外の英語学習者に向けて発信しているイギリス人がもっともよく話すアクセントでもあり、YouTubeなどの無料動画サイトにたくさんの教材があります。自分のレベルに合った講師を探し、聞き続けてみましょう。

音源はYouTube内だけでもほぼ無限にあると言っても過言ではありません。ネイティブスピーカーが動画内で話した内容は字幕を付けられますし、その講師が重要だと思ったフレーズや単語は無料PDFで配布していることも珍しくありません。動画の説明欄をクリックすればもらえたり、メールアドレスを登録すればそのアドレスに送られてくることもあります。

音慣れしていけばそのアクセントにおける英語発音の特徴がわかり、言葉の意味はわからなくてもリズムや癖に耳が慣れていきます。聞き流すのではなく、相手が話している言葉の意味を理解しようと努めながら、何度も繰り返し聞くことが重要です。

オンライン英会話で発音矯正

自分ではどうもカタカナ英語になってしまうと感じたら、プロに頼る方法もあります。英会話スクールの中には発音矯正コースが用意されているところもあり、一から指導してもらえます。

いきなり何か喋らなければいけない英会話とは少し異なり、発音強化に特化しているため、コミュニケーションに自信がない方にもおすすめです。音をただ真似するだけでなく、口の中の舌の位置まで分かれば、苦手克服の一手となるでしょう。

大事なのは、英会話スクールのレッスンが終わったらそれで満足してしまわないことです。むしろレッスンが終わってからが本番です。レッスンはいわばインプットの時間で、英語の発音の仕方を覚える時間が多いです。それだけで発音がすべて変われば苦労はしません。レッスンが終わったら、習った発音の仕方を忘れないうちに今度はひたすらアウトプットに取り組み、しっかり復習しておきましょう。

英会話スクールに通うのが大変であったり、あまり外出したくないといった場合にはオンライン英会話がおすすめです。家にいながらリラックスした状態で取り組めるため、継続しやすくモチベーションも維持できます。

フォニックスを覚える

英語圏に住んでいる子供たちは、小さい時にフォニックスを覚えます。フォニックスとは、アルファベットが持つ決まった発音ルールです。そのため、初めて見る単語でもその正しい音がわかります。

このフォニックスを覚えるのも、正しい発音を身に着ける方法のひとつです。日本人はフォニックスを覚えずに英語を学習していくため、慣れないうちは新しい単語に出会うたびにその音を覚えていく必要があります。

ただ、フォニックスを覚えるのは、上記の方法を一通りやっても発音に自信がない方のみで良いでしょう。なぜなら、中学校の3年間を過ごしたら、だいたいの方が初めて目にする単語でも、ある程度の音は予測できるようになっているからです。それまでに覚えてきた単語が一定数に達すると、新出単語でも発音傾向が自然にわかるようになります。

よって、フォニックスは正しい発音を追求するための追加要素として考えても良いでしょう。

まとめ

英語の発音矯正は、英語学習者ならばぜひしておきたいところです。

リダクションのような音の脱落や弱化を意識せずにできるようになれば、それだけキレイな音に聞こえます。発音が上手な人は、聞こえた音をそのまま発音する才能があります。上手に発音できない場合、まずはカタカナなど日本語を完全に振り払って、全く新しい音に親しむように意識しましょう。

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