英語学習をされている方の中には、「英語の聞き流し」という言葉を聞いたことがある、もしくは、実践したことがあるという方が多いのではないでしょうか?「英語を聞き流すだけで英会話ができるようになった」と謳っているテレビCMも記憶に新しいところです。
しかし、実際に英語の聞き流しは効果があるのでしょうか。
この疑問に答えるために、今回は英語の聞き流しのメリット・デメリットをご紹介します。また、メリットとデメリットを紹介したうえで、効果的な英語の聞き流し方法についても徹底的にご紹介します。
皆さんも、メリットとデメリットをしっかり把握したうえで、英語の聞き流しを行ってみてください。それでは、解説を始めていきます。
英語の聞き流しは効果がある?
英語の聞き流しは、正しく行えば効果があります。この「正しく行えば」と言うところが、ポイントになります。反対に、なんとなく英語を聞いているだけでは、その効果は感じることができません。また、英語の後の日本語訳を聞いて、内容を理解しただけでも、残念ながらその効果を十分に得ることはできません。
以下で、まず英語の聞き流しに関するメリット・デメリットについて一緒に見ていきましょう。
英語の聞き流しのメリット
英語の聞き流しは、「習得した英語知識を使えるようにする」というメリットがあります。聞き流して理解できる英語を多く聞くことで、英語の思考回路を形成することが可能となります。これは、英語を英語のまま理解する英語脳を鍛えることにつながります。
この他に、英語の聞き流しには、隙間時間にできるというメリットもあります。通勤時間やちょっとした休憩時間に英語の聞き流しを行うことは、英語に触れる機会を増やし、耳が英語に慣れることにつながります。また、隙間時間に英語学習を行えるようになるため、継続的な英語学習につながるというメリットもあります。
英語の聞き流しのデメリット
英語の聞き流しのデメリットには、次の2つが挙げられます。
1つ目は、英語の聞き流しは勉強をした気にさせるということです。勉強をした気にさせるということは、実のところ勉強になっていないということなのです。ここでいう、「英語の聞き流し」は、意味を理解していない英語の教材を使う場合に限定しており、内容を理解している英語教材を使う場合には当てはまりません。意味を理解していない英語の聞き流しを行うと、自分が英語環境にいて、何となく内容が分かったような感覚になりますが、これは理解したような気になっているだけで、実際の英語能力は残念ながら向上していません。
2つ目のデメリットとして、集中せずにリスニングを行う癖がついてしまうことが挙げられます。内容を理解していない英語音声は、BGMと同じであると脳が認識します。そのため、こうした聞き流しを多く行ってしまうと、集中して英語音声を聴かなければいけない時にうまく集中できなくなることがあります。
英語の聞き流しを行う際は、このようなデメリットが発生しないような方法で行うことが重要です。
英語の聞き流しで上達するためには?
再度お伝えしますが、英語の聞き流しで英語を上達させるためには、英語の聞き流しの方法を適切に行うことが重要です。意味の分からない難しい英語のコンテンツを聞き流しの教材として使っていても、ただ聞いているだけで英語力の向上にはつながりません。
英語の聞き流しで英語能力を上達させるためには、内容の8割程度が理解できる英語教材を使用するようにしましょう。理想的な英語の聞き流しとは、「出てくる単語はほぼ理解でき、内容も理解できるけれど、いくつか知らない単語や知らない英語のフレーズが出てきた」という状態です。内容が9割以上が理解できる英語教材を使うことで、英語脳を鍛えることにつながります。
英語脳とは、英語を母国語に変換せず英語のまま理解する脳の状態を指します。英語脳を鍛えることで、「英会話でのレスポンスが速くなる」や「英語が聞き取れるようになる」といったメリットがあります。
それでは、実際に英語の聞き流しで英語を上達させる方法を紹介していきますので、一緒に見ていきましょう。
発音
まず初めに、英語の聞き流しで上達するための方法として、「発音を学ぶ」ことが挙げられます。
英語ネイティブスピーカーではない日本人が話す英語は聞き取ることができても、英語ネイティブスピーカーが話す英語は聞き取ることができない。こうした体験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。
この理由に、英語と日本語では発音が大きく違うことが挙げられます。発音が違うというのは、例えば母音や子音の数の違いをはじめとし、その他に音声変化ルールの違いなどが挙げられます。英語の母音と子音を学ぶことにより、一般的に日本人が苦手とされる”R”と“L”の違いも聞き分けることができるようになります。また、音声変化ルールでは、英語特有の音がつながって発音される場合や特定の音が弱く発音される場合があります。英語発音を学ぶことで、英語の聞き流しも効果的に行うことができます。
語彙力
続いて、英語の聞き流しで上達するための方法として、「語彙力を強化する」ことが挙げられます。
何といっても、英語学習に欠かせない語彙力の強化。英語の聞き流しを行う際も、語彙力、つまりは単語力が不可欠となってきます。単語力を上げる方法として、まず単語帳を何周もするといいでしょう。単語帳を使って単語力を上げようとするとき、一度で完璧に単語を覚えようとしないでください。一度は覚えていても、何十、何百もの英単語を覚えないといけないので、すぐに忘れてしまいます。そのため、一度に覚えようとせず、単語帳を何周もして、何度も同じ単語を目にするようにしてください。こうすることで、英単語と意味が脳に刷り込まれていきます。
また、イメージと一緒に単語を覚えたり、声に出して単語を覚えたりすることもおすすめです。見るだけではなく、耳や口を使い、イメージと共に単語を覚えることで、単語の定着率がグッとあがります。
単語帳以外にも、無料の英語アプリを活用することもおすすめです。英語アプリの中には、ボタンを押すと発音も教えてくれる機能があるものがあります。発音の確認は語彙力だけではなく、発音の理解にもつながります。この他、好きな英語の歌を活用し、その歌詞で使われている単語を習得するのもいいかもしれません。
文法
最後に、英語の聞き流しで上達するための方法として、「文法を理解し英語の語順になれる」ことが挙げられます。
英語と日本語では基本的な語順が異なることは、英語学習者であれば誰しもが知っていることでしょう。文法、つまり英語の語順になれることは、一つ一つの文章の意味を把握することだけではなく、文章全体の意味を把握するために不可欠です。そのため、英語の語順に慣れていることは文章全体の把握につながり、英語の聞き流しを効果的に行えることにつながります。
まずは中学英語の文法を習得することを目標に、学習を始めてみてください。中学英語の文法は、英語の基礎がぎっしりと詰まっています。よって、中学英語の文法が分かれば、ある程度の英語の構造や語順を理解することができます。
この他に、ディクテーションを行うことも、英語の聞き流しで上達するうえで手助けしてくれます。ディクテーションとは、英語音声を聞いて、その文章を一語一句間違えずに紙に書きとっていくことです。紙に書きとるためには、集中して英語を聞き取る必要があります。そのため、ディクテーションはリスニングの力をつけ、英語の聞き流しを行った際に理解度を上げてくれます。
適切な英語教材
英語の聞き流しを行う際に、利用する教材を自分にあった物にすることがポイントになります。
始めから難しい英語教材を使って、「何を言っているか分からず、だらだらと聞いているだけ」と言う状態は絶対に避けてください。英語初心者の方やこれから英語の聞き流しを始めようと思っている方には、しっかり日本語の解説がついているものを使うことをおすすめします。
さらに、英語学習アプリやポッドキャストなど、無料の英語音声コンテンツがおすすめです。ポッドキャストの中には、ニュースが英語と日本語で交互に読み上げられるものもあります。このようなコンテンツは初心者の方に使いやすいものになっています。
英語をある程度聞き取ることができる、英語中級者以上の方には「TED」がおすすめです。幅広い内容のプレゼンテーションが行われているので、好きな内容のものを選んで聞いてみてください。発表者も大人数を前にしてプレゼンを行うので、聞き取りやすい英語を使う傾向にあります。そのため、英語を学習する人向けの教材としておすすめです。
まとめ
今回は、英語の聞き流しについて特集しました。英語の聞き流しを行っているけれど、なかなかその効果を得ることができない方や、これから英語の聞き流しを始めようと思われている方は、あなたが8割以上理解できる英語教材を使ってみてください。
また、英語の発音に関する勉強や語彙力の向上を行い、文法の理解深めたうえで英語聞き流しを行ってみてください。そうすれば、英語の聞き流しによる効果を感じることができます。
隙間時間で英語の聞き流しを行い、効率的な英語学習を継続的に行っていきましょう。将来きっと、ネイティブスピーカーが話す英会話が耳に飛び込んできたとき、日本語を介さずに、すぐに理解できるようになるでしょう。

◇経歴
元大学研究員
児童英語教師
マーケティングライター
英語学習ライター
◇資格
TOEIC 825点
IELTS 6.5
◇海外渡航経験
幼少時代より海外に興味を持っており、いつか留学がしたいと思い学生時代から英語学習に力を入れていました。初めての海外旅行はグアムへ行き、海外のスーパーに魅了されたことを覚えています。就職後も留学へのあこがれが消えず、オーストラリアの大学院へ留学を果たしました。
◇自己紹介
満を持して行ったオーストラリア留学では、最初の数か月間はネイティブオーストラリア英語に苦しめられ、もがき苦しむ日々でした。しかし、とにかく伝えることをモットーに積極的に現地の方とコミュニケーションをとっていきました。その後、現地にも慣れたころから、文法や単語の使い方にも注意しようと決め、コツコツと英語学習に取り組んできました。英語を習得すると、自身の視野や行動範囲をグッと広げることができます。英語を使って「これまで見たことがない」「知らなかったこと」に一緒に出会っていきましょう!

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.