みなさんの中には、同じような意味を持つ英単語や熟語の習得に手を焼いた経験がある方がいらっしゃるのではないでしょうか?
このように、他に同じ意味の単語やフレーズを複数もつものとして、“despite”(発音:ディスパイト)が挙げられます。今回は、この“despite“について、意味や言い換え方法を一緒に学んでいきます。
日常的に“despite”をよく使われる方は、使い方をもう一度復習し、初めてこの単語を見るという方は一緒に言い換え方法まで習得しましょう。 “Despite”の言いかえやその使い方を学ぶことで、一気に英語の幅を広げていきましょう。
「Despite」の基本的な意味
ここでは、まず“despite”の基本的な意味についてみていきましょう。“Despite”が前置詞として使われる場合は、「~にもかかわらず」という意味を持ち、名詞の場合には「軽蔑」や「侮辱」という不可算名詞として使われます。“Despite”の名詞はあまり使われず、私たちが日常的に使う“despite”は前置詞の「~にもかかわらず」です。“Despite“は日常的な場面・ビジネスシーンの両方で使われ、非常に使いやすい表現です。
逆説を表す「despite」
先ほども示したように、“despite”は逆説的な意味を表す前置詞として使われる場合、「~にもかかわらず」と訳されます。これは、ある条件・事実があるにもかかわらず、それとは異なる結果や状況が生じることを示します。Despiteを前置詞として使う場合は、直後に名詞節(名詞や動名詞)を伴い、文頭や文中に使うことができます。しかし、文尾には使うことができないので、この点については注意しましょう。また、despiteはややフォーマルな印象を相手に与えると言われています。
以下では、日常で“despite”を使う場合と、ビジネスで使う場合の2つ場面での例文をそれぞれ見ていきましょう。
【日常的に使われる場合】
雨にもかかわらず試合は続行された。
時間が押しているにも関わらず、彼女はスピーチを続けた
お忙しい中、お時間をいただきありがとうございました。
※この表現は、ビジネスにおいても取引相手などに使うことができますね!
【ビジネスで使われる場合】
このような長時間の手続きにもかかわらず、プロジェクトの技術的側面についての綿密なチェックは行われていない。
さまざまな制度があるにもかかわらず、当社における改革の目的は類似している。
ちなみに、“despite”を使用した構文として、「despite the fact that~」(~という事実にも関わらず)があります。Despiteの後に「主語+動詞」を持ってきたいときに非常に便利です。
【例文】
シートベルトをしていたにもかかわらず、彼女は前方に大きく投げ出された。
「Despite」の言い換え
“Despite”言いかえの代表格として、“In spite of~”(発音:インスパイト)があります。“Despite” と“in spite of~”は発音も非常に似ているので、使い方を混乱して“despite of”としないようにしましょう。この言い方は間違いです!
以下では、“in spite of~”の使い方をみていくので、みなさんも一緒に覚えましょう。
In spite of
“In spite of~”は文頭、文末どちらにも置き、despiteと同様に、「~にもかかわらず」と訳すことができます。また、“in spite of~”を文頭に持ってくる場合には、in spite of+名詞,(カンマ)をつけることに注意しましょう。なお、一般的に“despite”はアメリカ人が好む傾向にあり、“in spite of~”はポジティブな印象を与えると言われています。しかし、これらは明確な差があるわけではなく、ニュアンスの問題とも言われています。 それでは、“in spite of~”を使った例文についてみていきましょう。
【例文】
この寒さにもかかわらず、彼女はセーターを着なかった
彼は一生懸命勉強したにもかかわらず、質問に答えることができなかった。
その他の逆説表現
Despite以外にも、逆説的な表現をする際に使われる英語は複数存在します。以下では、thoughはじめとして、複数の逆説的な意味を表す際に使われる英語表現を紹介します。
Though
Thoughは逆説接続詞と呼ばれ、前の文章や内容とは反対のこと、予想外のことを伝える際に使われます。Thoughは文頭・文中のいずれにおいても使うことができ、despiteと同様に「~だけれども」と訳すことができます。
また、thoughを逆説接続詞として使う場合には、
「文+カンマ(,)+though+文」
の形になります。
【thoughを文頭で使用する場合の例文】
あなたの言うことは認めるが、それでも私はあなたが間違っていると思う。
彼はお金持ちだが、幸せではない。
【thoughを文中で使用する場合の例文】
本当は家にいたかったが、叔父の家に行った。
私は日本にいるが、どちらかと言えば韓国にいたい。
私の仕事はストレスが多いけど、良い職場だよ。
Thoughが逆説の意味で使われる場合は、文頭もしくは文中で使われることはすでにご紹介しました。しかし、thoughが文尾で使われることもあります!Thoughが文尾で使われた場合は、逆説の意味にならないので注意が必要です。
Thoughが文尾で使われると、接続詞ではなく副詞としての役割を果たし、「~だけどね」と訳します。これは、「逆説譲歩の用法」といわれ、すでに述べられた事項に対して対照的な情報を加える時に使われます。
ちなみに余談ですが、thoughを文尾で使う方法はネイティブスピーカーによって頻繁に使われ、カジュアルな言い方になります。日本人にとってはあまり馴染みのない言い方かもしれませんが、実際に筆者がオーストラリアに滞在していた時には、日常会話で頻繁に耳にしました。
【例文】
彼は可愛らしいんだけどね
Although
Althoughはthoughと同様に逆説の意味を表す接続詞で、「~ではあるが」「~とはいえ」と訳すことができます。Althoughはカジュアルからビジネスの場面まで幅広く使うことができ、thoughと比較すると、相手に形式張った印象をあたえます。また、Althoughもthoughと同様に文頭と文中の両方で使うことができます。
【例文】
私は遠く離れていたが、彼が私を見ているのがわかった。
確率は低いが、確かに起こりうることだ。
Even though
“Even though”は逆説の接続詞で「~にも関わらず」「~だけれども」と訳すことができます。また、文頭・文中いずれにおいても使えることから、thoughとほぼ同じを考えても良いでしょう。ただ、“even though”は“though”と比較して、「~にも関わらず」「~だけれども」と訳す箇所を強調する場合によく使われます。
【例文】
民主主義国家であるにもかかわらず、私たちは独裁者と話すことを好む。
人生で最も憂鬱なことは、たとえ短い間であっても、愛し合っている者同士の別れである。
Nonetheless
“Nonetheless”は「ナァンザァレェス」と発音し、「それとは関係なく」「それにもかかわらず」といった意味を表す副詞です。これは、「以前に言われたことにもかかわらず、何かがまだ真実であることを示すため」に使用します。
“Nonetheless”は文章中で使う場所を選ばず、文頭・文中・文尾のいずれでも使うことができます。また、日常的な会話で使われる傾向にあります。 上記の“nonetheless”に関する説明文のみでは、使い方があまりピンとこないので、実際の例文を使ってみていきましょう。
【例文】
問題がたくさんあるとはいえ、それが人生だと思います。
→前半部分「I have many problems」(問題がたくさんある)について言及されたうえで、前半部分とは異なった真実を後半部分「I think that's the way life is」(それが人生である)で示しています。
彼女には多くの欠点があるが、それでも彼は彼女を愛しています。
→カンマまでの前半部分で示された事実「She has many faults」(彼女には多くの欠点がある)とは反する事実「he loves her」(彼は彼女を愛している)を後半部分で示しています。
さらに、上記の例文からも分かるように、“nonetheless”を使う場合、前半部分と後半部分の内容には関連性がありません。この点にも注意して使うようにしましょう。
ちなみに、“nonetheless”は“none the less”と分けて記載される場合もありますが、意味や使い方など特に違いはありません。
Nevertheless
“Nevertheless”は「ネヴァザレス」と発音され、逆説的な意味を表す際に使われる副詞です。上記にある“nonetheless”と同じように使われ、「それにもかかわらず」と訳されます。ただ、“nevertheless”は文頭で使われることが多く、“nonetheless”より頻繁に使われる傾向にあります。
【例文】
それにもかかわらず、消費者はこれらの商品をいまだに買っている。これは、信用購入である。
彼は疲れているが、それでも彼の宿題を終わらせなければならない。
Nonetheless とneverthelessの違いについて
“Nonetheless”と“nevertheless”はほぼ同じように使われます。しかし、本当にこれら2つに違いはないのでしょうか?前述にもあるように、“nonetheless”と比較して、“nevertheless”の方が頻繁に使われる傾向にあるようです。このほかには、“nevertheless”はフォーマルな場面で使われ、書き言葉として使われる傾向にあります。
一方“nonetheless”は、カジュアルな印象を与え、会話で使われる傾向にあるといった違いがあります。
まとめ
今回は、“despite”の意味や使い方、言い換え方法についてご紹介しました。また、“despite”と同じように逆説的な表現をする際に使われる英語表現も複数紹介しました。
同じ逆説的な意味を表す表現でも、それぞれ品詞が異なるため、使用する際には後に、「名詞のみ」がくるのか、はたまた「文章がくるのか」というように、どのような形がくるのか注意する必要がありますね。
最初は頭がこんがらがってしまうかもしれませんが、何度も使っていくうちに自然と身についていきます。まずは、何度も英文を口に出して発音してみましょう。そうすると、自然と口が覚えていくことに気が付きますよ!

◇経歴
元大学研究員
児童英語教師
マーケティングライター
英語学習ライター
◇資格
TOEIC 825点
IELTS 6.5
◇海外渡航経験
幼少時代より海外に興味を持っており、いつか留学がしたいと思い学生時代から英語学習に力を入れていました。初めての海外旅行はグアムへ行き、海外のスーパーに魅了されたことを覚えています。就職後も留学へのあこがれが消えず、オーストラリアの大学院へ留学を果たしました。
◇自己紹介
満を持して行ったオーストラリア留学では、最初の数か月間はネイティブオーストラリア英語に苦しめられ、もがき苦しむ日々でした。しかし、とにかく伝えることをモットーに積極的に現地の方とコミュニケーションをとっていきました。その後、現地にも慣れたころから、文法や単語の使い方にも注意しようと決め、コツコツと英語学習に取り組んできました。英語を習得すると、自身の視野や行動範囲をグッと広げることができます。英語を使って「これまで見たことがない」「知らなかったこと」に一緒に出会っていきましょう!

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.