倒置構文を使い分けできてますか?強調や否定を意味するパターンなどをご紹介します!

倒置構文, 英語学習, ネイティブキャンプ

今回は、英語の文法に焦点を置き、倒置構文について解説していきます!日本人は英会話はとても苦手ですが、文法はかなり得意です。

しかし、倒置構文を本格的に学ぶのは高校生になってからであり、忘れてしまった方もいるかもしれませんね。どういう目的でどのように使うのか、以下で見ていきましょう。

倒置構文とは

倒置構文とは、簡単に言うと決まった語順がひっくり返ることです。目的は2つあり、ひとつは、語順を入れ替えて言いたいことをより強調すること、もうひとつは、文法構造上の倒置です。

私たちは、中学校で英語の文法を習った時、「主語(S)+動詞(V)」という構成を習いました。高校生になるとSVOCを使ってより品詞の意味や語順に焦点を置きます。しかし、倒置構文はこの常識を打ち破り、「動詞(V)+主語(S)」で英文を作っていきます。

動詞ばかりが文頭に来るのではなく、例えば「主語(S)+助動詞+動詞(V)」と助動詞が入っている文の場合は、「助動詞+主語(S)+動詞(V)」という形になります。

強調のための倒置

まずは、倒置構文のうちの「強調のための倒置」について解説していきます。何を強調したいのか決め、強調語を文頭に持ってくることがポイントです。

 否定の意味

例えば、否定していることを強調したい場合に倒置構文を使えば、抑揚を付けられない小説内などでも文の作成者が否定を強めていることがわかるようになります。

I have never been to the UK.
私はイギリスに行ったことがない

これを倒置構文にすると、こうなります。

Never have I been to the UK.
私はイギリスに行ったことがない

否定語であるneverを文頭に出すことにより、否定文であることを強調しています。Neverの後は疑問文のようにhave I~と続くことに注意しましょう。否定文の倒置構文で使われる語句にはnever意外にseldom、rarelyなどがあります。

 方向や運動

「方向や運動」と言うと難しく思うかもしれませんが、具体的にはHere/There/Go/Down/Upなどの語句のことを指します。主語が名詞の場合に限られるという注意点があるので気を付けましょう。

The bus comes!
バスが来た!

普通は主語が先に来るものですが、この主語は名詞なので倒置ができます。

Here comes the bus!
バスが来た!

文語的な表現も多いのですが、小説などを読む機会があれば目にすることも多いかもしれません。

 位置や場所

位置や場所を強調したい場合は、その位置や場所を文頭に出してしまいます。その場合、やはり強調したい語句の次は疑問文を作る時のように倒置となるため、慣れるまでミスをしないよう気を付けなければなりません。

The little puppy was in front of the door.
ドアの前に可愛い子犬がいた

「ドアの前に」と場所を強調したい場合は、以下のように倒置構文を使います。

In front of the door was the little puppy.
ドアの前に可愛い子犬がいた
位置や場所を強調して倒置構文を作る場合、その文中で使われる動詞はbe動詞、またはstand/lie/sit/hangなどが続く場合に限られます。

 副詞や修飾語

副詞や修飾語を強調して文頭に持ってくることもできます。具体的には、程度を表す表現であるso~thatやsuch~that、well/oftenなどを使います。

She was so surprised that she stopped reading.
彼女はとても驚いて読書をやめた
So surprised was she that she stopped reading.
彼女はとても驚いて読書をやめた

とても文法的で、テストなどではよく狙われる表現です。

 形容詞

形容詞も強調することができます。よく使われるのは、主語を説明するための修飾語が長い時や、主語(S)+動詞(V)+補語(C)の文での倒置です。

The new meeting room is available.
新しい会議室は使えます
Available is the new meeting room.
新しい会議室は使えます

形容詞が文頭に出た場合の倒置構文は違和感が大きいかもしれませんが、使っていくうちに馴染むので練習あるのみです!

 目的語

目的語を強調する際に起きる倒置には3つの特徴があります。

ひとつは、前の文や節とのつながりを示している時、2つ目は、他の名詞との対照を示したい時、そして3つ目は、長い修飾語句などが付いた時です。

ただし、厳密に倒置構文と言うには今までの解説の中で違う箇所があります。それは、目的語を文頭に出しても、その後の文に倒置が起こらないことです。疑問文の要領で主語と動詞などを逆にしてきたと思いますが、目的語を文頭に出した場合はそれだけで文が完成するので注意が必要です。

It took two hours from the station to this park.
その駅からこの公演まで2時間かかった
Two hours it took, from the station to this park.
その駅からこの公演まで2時間かかった

感嘆文

今までは強調をするための倒置構文を見てきましたが、ここからは感嘆文についておさらいしていきますよ!

感想を伝える時に使うもので、パターンが決まっているので知っている単語を使いたくさん例文を作ってみてください。

構文上の倒置

感嘆文に使う倒置構文は、「構文上の倒置」と言います。強調したい時に使う倒置構文と似ているのでセットで覚えましょう。

 So+(助)動詞+主語

So+(助)動詞+主語は、相手の言葉の返答として使います。意味は、「〜も…だ」で、相手に共感している時などに使います。

A: I prefer tea to coffee.
B: So do I.

A: 私はコーヒーより紅茶の方が好きだ
B: 私もです

Aの発言に共感しているので、Bは他にもI prefer tea too. や Me too.などを答えられます。

 Neither(Nor)+(助)動詞+主語

Neither(Nor) +(助)動詞+主語は、先ほどのSo+(助)動詞+主語の反対の意味です。「〜も…ではない」と否定を表しますが、「~も」と言っているため相手に賛同していることは変わりません。

A: I can’t play the piano at all.
B: Nor can I.

A: 私はピアノがまったく弾けません
B: 僕も弾けません

相手の発言を受けて答えるため、Nor do I. Nor was I.などと、文法によってマイナーチェンジするため少し考える必要があります。

 as

「asの譲歩構文」というものもあります。AだけどBと、逆説的に使う表現です。

Young as he is, he can think well.
彼は若いが、よく考えることができる

例文の場合、asの前に形容詞を出しています。He is young, but~. と考えればわかりやすいでしょうか。

 仮定法ifの省略

仮定法を使う際にも倒置が起きることがあります。仮定法とは、その名の通り仮定の話で、実際には起きていないことを表現する時に使います。

少しややこしいので、先に仮定法の解説をしておきましょう。以下の英文とその訳を見てみてください。

If I was a bird, I could fly to you.
もし私が鳥だったら、あなたの元へ飛んでいけるのに

仮定法を学ぶ際の典型的な例文です。

コンマより前の文を見てみると、私という人物は鳥ではないのですが、動詞は過去形になっています。コンマより後の文に使われている助動詞も過去形ですよね。ここが仮定法の最大のポイントです。現実から離れた仮定の話をする時は、「時が現実より遠い」というイメージを持つため起きていないことでも過去形を使うのです。

「もし財布を落とさなかったら~」と、過去に起きたことに対して仮定法を使う場合は、元の文が既に過去形なので、さらに過去にして過去完了形を使います。

本格的な説明をすると長くなるので、今回はここまで。仮定法は高校生で習う文法なので、高校生向けの参考書などにもバッチリ載っていますよ!

さて、では先ほどの例文を倒置構文で表してみましょう。

Were I a bird, I could fly to you.
もし私が鳥だったら、あなたの元へ飛んでいけるのに

仮定法の倒置構文の場合は、ifが省略されます。その後に倒置が起こり、疑問文を作る要領で文を再構築します。ただ、be動詞の場合は主語がIでもwereを使うことがあります。これは文語的表現で、交互ではwasを使っても問題ありません。

まとめ

さて、今回学んだ倒置構文ですが、難しかったでしょうか。コツを掴めば基本は理解できると思いますが、「こういう時限定!」などの細かなルールを暗記しようと思うとちょっとややこしいかもしれませんね。

また、今までは絶対のルールと教えられてきた「主語」+「動詞」が破られるため、文自体に違和感を抱く方も多いと思います。英語はただの言語ですから、数々の例外や表現方法があります。

学生時代なら型にハマった正確性を求めなければなりませんでしたが、今は柔軟な思考で英語を迎え入れた方が良いでしょう。

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