日が短くなる季節、街の灯りが美しくなる時期でもあります。ビルや木々にイルミネーションが灯るからですね。クリスマスなど、その最たるものです。
さて、日本語でイルミネーションという英語はあるのでしょうか?ライトアップとどう使い分けをするのでしょう?この記事では、気分がアガる美しいイルミネーションの英語表現について紹介します。
イルミネーションとは?
私たちがイルミネーションというときには電飾のことを指します。電飾とは、電球などを連ねて明かりを灯した装飾です。LED電球やネオンを使い、建物や木々などを煌びやかに飾り、幻想的な雰囲気を創り出します。
冬の暗い夜にキラキラと綺麗なイルミネーション。その起源は16世紀、ドイツのマルティン・ルターという人が森できらめく星を見て感動し、木の枝に多くのロウソクを飾ることで景色を再現したのが由来と言われています。このような感覚、大事にしたいですね。
今でも、イルミネーションは大きなイベントだけでなく、海外では家の前庭や公園にある木々にライトを飾って光のデコレーションが楽しまれていますね。
日本のイルミネーション
一方、日本では1900年に神戸沖で行なわれた艦船式で、各艦船が光を発して海面を照らして見せたことが始まりと言われます。明治時代には、東京や大阪の博覧会で盛大なイルミネーションが行なわれます。
今では、クリスマスシーズンに丸の内などの都心または地方でも季節のイベントとして多くの人がイルミネーションを見に訪れます。イルミネーションデザイナーという職業もあるそうです。
ちなみに、日本の三大イルミネーションとして認定されているのは、長崎県佐世保市「ハウステンボス・光の王国」、栃木県足利市「あしかがフラワーパーク・光の花の庭」、北海道札幌市「さっぽろホワイトイルミネーション」です。皆さんはどこかのイルミネーションを見に行ったことがありますか?
イルミネーションの英語はillumination
イルミネーションといった言い方をするときの英語は「illumination」になります。
ところが、illuminationという単語を辞書で調べて見ると、私たち日本人が使うイルミネーションとはちょっと違った意味があることがわかります。
illuminationは明かりの意味
illumination=lightです。実は、lightのフォーマルな言い方がilluminationなのです。
lightには色々な意味がありますが、本記事に関係するものとしては、人工的な「ライト・明かり」やモノや人を照らす「光」でしょう。それ以外には、日光や太陽光や目の輝きといった意味も含まれます。人工的な明かりということでは、キッチンのライト、部屋のライト、デスクライトなど多くの明かりに関する言葉が日常生活で使われています。「照明、明るくすること」という名詞がilluminationなんですね。
ところが、illuminationをilluminationsと複数形にすると意味合いが変わってきます。こちらに関しては、次の項で解説しましょう。
イルミネーションの英語表現を紹介
ここからは、夜景で楽しむイルミネーションのほうの表現をみていきます。
先ほど、illuminationをilluminationsと複数形(-s)にすると意味合いが変わってくると触れました。
複数形illuminationsにすると、一般的な照明からいわゆる私たちが使う電飾のほうのイルミネーションのニュアンスになります。夜の街を明るくエキサイティングに魅せる装飾ライトです。
イルミネーションがとっても綺麗です。
多くの観光客がロンドンのカーナビーストリートの有名なイルミネーションを見るのを楽しみます。
今年は計画を立てて、クリスマスイルミネーションを見に行ってみない?
ご家族でもカップルでも、年末の企画でクリスマスイルミネーションを見に出かけることを入れる人は多いでしょう。
しつこいのですが、単数のilluminationにすると”明かりや光”になりますので、外国人に通じない可能性があります。イルミネーションはilluminationsと複数形にすることをここでしっかり押さえましょう。
さて、飾りという意味では、イルミネーションの代わりにChristmas lightsやChristmas decorationsという言い方もあります。以下、それらについて紹介しましょう。
Christmas lights
上で、lightのフォーマルな言い方がilluminationということを述べました。
そこで、Christmas illuminations(複数形!)=Christmas lightsということになります。日常英会話ではカジュアルな言い方であるChristmas lightsのほうがネイティブスピーカーに使われます。
Christmas lightsのlightsも複数形になっている点、気づきましたか?電飾はひとつではなく、いくつかがまとまって飾られることから複数形になります。Illuminationsもlightsも複数形、ここはバッチリ覚えましょう。
また、公共の場で飾られる電飾だけでなく、家庭のクリスマスツリーを飾るものもクリスマスライトとして使うことができます。
毎年、子どもたちがクリスマスツリーにクリスマスライトを飾るの。彼らはそれが大好きなのよ。
この例文を見てみると、”クリスマスライトを飾る”という行為はput Christmas lights onというフレーズになっています。この表現もぜひ覚えたいですね。
彼と一緒にクリスマスライトを見にどこかへ行けたら素敵だな~
Christmas decorations
日本語もデコレーションとして使われる「decorations」もChristmas decorationsとすれば、クリスマスの飾り付けのオーナメントや電飾も含むことから、イルミネーションとして表すことができます。ここでもdecorationsが複数形である点に注目しましょう。
今年、リージェントストリートにどんなクリスマスイルミネーションが使われるのか楽しみです。
外にクリスマスイルミネーションの飾り付けをしている家が多いことで有名な通りがあります。
ライトアップの英語表現を紹介
さて、建物や橋などに投光器などによって照明を当てて夜の暗闇に浮かび上がらせるように見せることを”ライトアップ”と言い、”XXがライトアップされている”などと表現します。
このライトアップを英語でどう表現するのか、2つのフレーズを紹介しましょう。
lit up(建物等)
ライトアップは、そのままlight upにすればいいのでは?と考えた人、とっても惜しいです。Light upには「光を発する」「明るくする」「点灯する」などの意味があり、ライトアップに当てはまる感じがします。
このlight upを使ったネイティブスピーカーが使うフレーズは「lit up」になります。
lit upの”lit”の時制の変化を見てみると、light-lit-litです。そして、lit upの使い方を厳密に言えばbe動詞+lit upのパターンであり、”ライトアップされている”といった受け身の形にすることが分かります。
夜、木々がライトアップされています。
建物がクリスマスのために、赤と緑にライトアップされているよ。
illuminated
Illuminationに関連する言葉で、illuminateという動詞があります。この動詞は「明るくする」「光を当てる」「光で飾る」などの意味を持ちます。
そこで、illuminateの過去分詞であるilluminatedで、やはり受動態の形にして”ライトアップされている”と表現します。また形容詞illuminatedとして「照明を当てたXX」「イルミネーションで飾ったXX」のような表現も英会話に使うことができます。
コンサートホールはライブコンサートのためにライトアップされています。
ライトアップされたお城がとても美しいです。
おまけ イルミネーションとライトアップの違いってなに?
最後に、イルミネーションとライトアップの違いについて紹介しましょう。
イルミネーション→ 電灯や電球、ネオン管などを使い、夜間の建物や木々などをキラキラと飾ること。神戸ルミナリエのようなイルミネーションは、様々な色の光自体の美しさを楽しみます。
ライトアップ→ 投光器や照明などによって夜、建物や木々などを明かりで照らし出すこと。ライトアップするための光ではなく、ライトアップされた対象そのものの美しさを楽しむことになります。
まとめ
光の祭典といったイルミネーションは、複数形でilluminationsと表現します。Christmas lightsやChristmas decorationsでも光の装飾を表すことができます。
冬でも気分がアガるような明かりの存在は大きいですね。英語学習の講師や外国人と、ぜひ行ったことのあるイルミネーションやライトアップについておしゃべりをしたり、実際に出かけるような企画ができると素晴らしいでしょう。
◇経歴
日本では外資系製薬会社などで勤務。
2006年夏に渡英し、現在イングランド在住。
2012年以来、南ロンドンで剣道道場を運営。地元の行政と関わり、日本文化を紹介するイベントを担当したり、剣道や居合道のデモンストレーションのオーガナイスを行なう。
また、日本の2大学と英国剣道協会とのパートナーシップ締結のためのリエゾンおよび翻訳・通訳を担当。
◇資格
・Food Safety Level 2
・Principles of Internet Safety Prepare to Deliver Excellent Customer Service
◇海外渡航経験
スキューバダイビングで訪れた国々を始め、3ケ月間のヨーロッパ各国バックパッカーの旅を経験。
◇自己紹介
こんにちは!椿サリーです。夫がイギリス人、日英ミックスの息子(UK大学生)という家族構成の国際結婚組です。ライターとして、多国籍メンバーが所属する剣道道場の女将として、日本文化紹介を紹介する地元グループ代表として行政とのやりとりなど、イギリスで幅広く活動しています。英会話ができると世界が広がりますし、外国人とのコミュニケーションは楽しい!を日々実感しています。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.