海外ドラマや映画を見ていて、また、ネイティブスピーカー同士の会話を聞いていてよく耳にするフレーズの一つが「end up」です。
「終わる」などの意味の動詞「end」と副詞の「up」が組み合わさった句動詞です。
「end up 〜」というように後ろにさまざまな語が来て、「最後には〜になる」「結局〜することになる」といった意味を表します。
さまざまな語句を伴うことができる
「end up」の後ろに来る語句は以下のように分類できます。
・end up + 名詞
・end up + 形容詞
・end up + 副詞
・end up + 前置詞句
このように、いろいろなタイプの語句と一緒に使うことができて、とても便利です。何が来てもOKというと言い過ぎかもしれませんが、使い方の自由度がかなり高いフレーズと言えるでしょう。
悪いことだけではなくいいことにも使える
「最後には〜になる」「結局〜することになる」という日本語からすると、「end up 〜」は、どちらかというと残念な結果、悪い結果を表現する時に使われるフレーズのように感じられるかもしれません。
しかし、実際の会話では、「end up 〜」は、その結果が悪い時だけでなく、良い結果や望ましい結果になった時にもよく使われます。また、良い、悪いといった価値判断がほとんど含まれていない場合にも使われます。
ですので、「end up 〜」は、「最終的には〜になる」といった意味でどんな時にも気軽に使える、使い勝手のいいフレーズなのです。
もっとも、しばしば、本人や周りの人の意思や予想に反する結果になるというニュアンスを伴うことは覚えておきましょう。「思ってもみなかったけど、こんなことになっちゃったよ」といった感じですね。
では、「end up」の後ろに来る言葉ごとに分類して、以下、解説していきたいと思います。
end up + doing
1つ目は、「end up」の後に「動詞のing形」が来るパターンです。
この「動詞のing形」が現在分詞なのか動名詞なのかは、実は文法的にはちょっと難しい問題です。ですのでそれはあまり気にせず、「動詞のing形を付ければOK」と覚えておけばいいと思います。
彼は最も裕福な俳優の一人だったが、結局ギャンブルで全財産を失った。
私は全速力で走ったけど、結局彼女が乗った電車に乗り遅れてしまった。
上の2つの例文は、悪い結果になってしまったという場合の「end up」です。しかし、前述のように、「end up」は、悪い結果になる時だけでなく、良い結果になる場合も、また、良い・悪いがあまり関係ない場合にも使うことができます。
彼女は貧しかったが、一生懸命勉強して働き、最終的にはたくさんのお金を手に入れました。
ジョージは数学が苦手だったが、驚くべきことに有名な科学者になった。
なお、この「end up + doing」のパターンは、「end up + by doing」というように、「動詞のing形」の前に前置詞の「by」を入れてもOKです。
彼女は最終的にはたくさんのお金を手に入れました。
end up + 名詞
2つ目は「end up」の後に名詞が来るパターンです。「最終的に〜になる」といった意味になります。
名詞のところには、職業、特定の身分、人のタイプ(例えば「犬好きの人」)、などが入ります。
これは、1つ目のパターン「end up + doing」を応用した「end up becoming 〜」の「becoming」が省略された形と考えることもできます。
例えば、前項で紹介した例文の中の「becoming」を削除して、以下のようにすることもできます。意味は同じです。
ジョージは数学が苦手だったが、驚くべきことに有名な科学者になった。
ナンシーは子供の頃は女優になりたかったが、最終的には弁護士になった。
ヴィンセントは犬が大嫌いでしたが、デイジーと結婚してからは犬派になりました。
その老人は、最後に大企業のCEOになったことをいつも自慢している。
また、この「最終的に〜になる」という意味の「end up + 名詞」は、前置詞の「as」を使って「end up + as 名詞」とすることもできます。
ですので、例えば上の最後の例文は、
その老人は、最後に大企業のCEOになったことをいつも自慢している。
というように「as」を入れることもできます。
この、前置詞を使った「end up + 前置詞句」のパターンについては、後の方でまた詳しく解説します。
end up + 形容詞
3つ目は、「end up」の後に形容詞を続けるパターンです。
以下の例文では、「dead(死んで)」「close(親しい)」「soaked(ずぶ濡れになって)」といった形容詞が使われています。
物語によれば、カウボーイは非常に険しい山に入り、結局死んでしまったという。
私たちは、最初はほとんど話しませんでしたが、2カ月後にはとても仲良くなりました。
30分間激しい運動をして、汗びっしょりになりました。
end up + 副詞
次は、「end up」の後に副詞が来るパターンです。「here」「there」などの場所を表す副詞や、「together」などの状態を表す副詞がよく使われます。
野良犬たちは何日もかけて長い道を歩いて、やっとそこにたどり着きました。
今は別れなければなりませんが、最後は一緒になれると信じています。
end up + 前置詞句
パターンの最後は、「end up」に前置詞句が続くものです。
場所等を表す「in」「at」「on」、選択・状態等を表す「with」、前述のように職業や身分等を表す「as」などの前置詞で始まる前置詞句がよく使われます。
医師のアドバイスにもかかわらず、ジャックは甘いものを食べ続けたため、入院するはめになりました。
私の予想通り、トムは刑務所に入れられてしまいました。
それは長くて厳しい道でしたが、彼らは最終的に山の頂上に着きました。
昨今の状況を考慮した結果、この価格になりました。
いつものように、猫は家中を走り回って、結局テレビの近くの小さな机の上に座りました。
どの車を買おうか迷った結果、赤い車に落ち着きました。
彼女は結局女優になった。
否定文
「end up」を使った否定文の例を見てみましょう。「end up」を使った否定文には2通りあります。
1つは「not」などの否定語が「end up」の前に置かれるもの。
例えば「end up」の前に「don’t」「doesn’t」「didn’t」などを入れる普通の否定文です。「最終的に〜になるということはない」「最終的に〜するということはない」といった意味になります。
彼女は毎日多額のお金を使いましたが、最終的に全額を失うことにはなりませんでした。
もう1つのタイプの否定文は、否定語が「end up」の後に来るものです。
例えば、「end up + doing」のパターンの場合、「end up + not doing」という形になります。「最終的に〜ではないことになる」といった意味です。
彼女は毎日多額のお金を使いましたが、最終的には、全額は失いませんでした。
1つ目の否定文は「end up」以下全部を否定しており、2つ目の否定文は「losing」以下の部分を否定しています。
この2つを比べると、日本語訳を見てもわかるように、微妙な違いはあるのですが、多くの場合、ほとんど同じ意味と考えて大丈夫でしょう。
まとめ
いかがでしたか。今回は、海外映画やドラマでよく登場し、ネイティブスピーカーも日常会話の中で頻繁に使っている「end up」について解説しました。
後ろにいろいろな言葉をくっつけることができ、いろんな場面で使える、とても便利なフレーズです。ネイティブスピーカーの中には口癖になってしまっている人もいたりします。
何かを伝えるのに絶対必要というフレーズではありませんが、使いこなせるようになると、表現に深みが出てくること間違いなしですよ。
◇経歴
児童英語講師
オンライン英会話講師
NC英語アドバイザー
英語学習ライター
元大学教員
◇資格
TESOL/TEC(CANADA)
中学校教諭二級免許状(英語)
◇留学経験
アメリカ・サンディエゴに語学留学(2カ月)の経験あり
その後、オーストラリア・シドニーに大学院留学(2年)の経験もあり
◇海外渡航経験
25歳で初めて、短期間の語学留学をきっかけに本格的に英語の勉強を開始しました。
雑誌の編集・ライティング、テレビCMの企画・撮影等などの仕事が長く、英語を使っての海外取材や撮影経験も多く経験しています。また海外で日系新聞社の副編集長をしていたこともあります。
◇自己紹介
「英語学習に終わりはない」「継続は力なり」を実感し、50代半ばから毎日英語の勉強を続けて2000日近くが過ぎました。
「楽しく学ぶ!」をモットーに、僭越ながら私の異文化経験や英語の知識などをブログに織り交ぜながら、執筆することを心がけています!ネイティブキャンプのオンライン講師もしています。初心者・初級者限定ですが、ぜひ一緒に学びを続けましょう。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.