英語で過去に起きた出来事について話す際に、どれくらい前かを表す「ago」と「before」。どちらも時間と一緒に使うことで、具体的な過去の時点を表現できます。
しかし、「ago」と「before」には明確な意味の違いがあります。間違って使ってしまうと、不自然に聞こえたり、相手に意図したことが伝わらなかったりといったことが起きてしまいます。
そこで今回は、「ago」と「before」の決定的な違いを解説していきたいと思います。使い分け方や言い換え表現も紹介しているので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください!
時間を表す agoとbeforeの違い
「ago」と「before」はいずれも、具体的な時間を付けることで、起きた出来事がどれくらい前かを表せます。ただし、それぞれ本質的な意味はやや異なるので、ここでは2つの単語のコアイメージから解説していきます。
agoの意味
まずはネイティブスピーカーの感覚を掴むためにも、ケンブリッジ英英辞書に載っている「ago」の意味から見ていきましょう。現在から時間をさかのぼって
(英文引用:ケンブリッジ辞書)
ここで重要なのは「現在から」という部分です。
「ago」は話し手が今いる現時点を基点とし、そこからどれくらい前かを表すときに使われます。
過去⇦⇦⇦⇦⇦⇦現在
ago 基準点
例えば、
10 years ago(10年前)
であれば、過去からでも未来からでもなく、今日から見て10年前を指します。
また、現在から見た過去の時点を表すので、以下のように文章は基本的に過去形になります。
私はマイクに10年前に会いました。
「ago」はあくまでも過去の「点」を表すだけで、期間の長さを意味するものではないので、過去から現在までの「線」を表す現在完了形では使えません。
◯I had breakfast an hour ago.
✖️I have eaten breakfast an hour ago.
◯I lived in Spain 3 years ago.
✖️I have lived in Spain 3 years ago.
◯I went to Thailand 10 years ago.
✖️I have been to Thailand 10 years ago.
beforeの意味
次に、beforeの意味もケンブリッジ英英辞書で見ていきましょう。(述べられた物事)よりも前の時点もしくはその間
(英文引用:ケンブリッジ辞書)
上記のように、「before」には基準となる時点が存在し、そこからどれくらい前であるかを指すコアイメージがあります。
また、基準となる現在からさかのぼった過去の時点を表す「ago」とは異なり、「before」の基準となる点は「過去」の時点です。
「時間+before」で過去の1点から時間ぶんさかのぼった時点、つまり「大過去」を指すため、大抵は過去完了形(had+過去分詞)と一緒に使われます。
大過去⇦⇦⇦過去⇦⇦⇦現在
before 基準点
彼は10分前にここを出ていっていたと彼女は言った。
「彼女が言った」時点が基準点になり、そこから10分前であることを表している。
なお、「before」は「以前に」という副詞として、単体で使うことも可能です。過去形で「以前に〜した」や、現在完了形「主語+have+過去分詞」の形で、「以前に〜したことがある」という意味でよく使われるので覚えておきましょう。
ago before 使い分け方
「ago」と「before」のコアイメージを学んだところで、次はそれぞれの使い分け方を例文で見ていきましょう。それぞれの単語を使った文章を2組セットにし、正しい使い方を「◯」、誤った使い方を「✖️」としています。
正しい/間違っている理由も解説しているので、ぜひ参考にしてください。
◯I arrived at the station 10 minutes ago.
✖️I arrived at the station 10 minutes before.
◯I had finished the task an hour before.
✖️I had finished the task an hour ago.
◯ Yesterday, I found out that my ex-girlfriend had gotten married a year before.
✖️Yesterday, I found out that my ex-girlfriend had gotten married a year ago.
◯I started Yoga a week ago.
✖️I started Yoga a week before.
◯I have been to England before.
✖️I have been to England ago.
以前にあなたに教えましたよ。
以前にあなたに教えたことがありますよ。
「before」を単体で使う場合は、過去形・現在完了形のいずれでも使えるため、上記2つの文章はどちらも適していると言えます。
ago 言い換え
「ago」の言い換え表現として、「back」が使えます。「back」には「以前の場所や状態、時間に向かって」といったコアイメージがあり、「時間+back」でどれくらい前かを表せます。
ただし、「ago」に比べてややカジュアルな響きになるので、使うシーンや相手は考えて使用しましょう。
私は2、3年前にギターを始めました。
数分前に家に到着しました。
しばらく前に雨は止みました。
before言い換え
「prior」は過去完了形と一緒に使うことで、「before」と同じように表現できます。ただし、日常会話の中ではさほど使われないことも覚えておきましょう。
彼は数分前には皿洗いをしていたと言いました。
彼女がここに1時間前に来ていた事は知っていました。
あなたがそのバンドに数年前に参加していたと言うことを聞きました。
時間を表すearlier
「before」の言い換えとして使えるのが「earlier」です。「earlier」は「early(早い)」の比較級ですが、過去のとある時点よりも時間的に前を指します。
つまり、「before」のように過去完了形を使うことで、大過去を表すことが可能です。
父は3時間前にはオフィスを出ていたと言いました。
あなたは数時間前に全てのタスクを終えていたと聞きました。
また、「〜時間早く」という意味であれば、現在形・過去形いずれでも使えます。
1時間早く仕事に行くことを決めました。
約束があるときはいつでも、5分前にその場所に着くようにしています。
まとめ
最後に、本記事のまとめです。before:過去の1点が基準点となり、そこからさらにさかのぼった大過去の地点
今回は「ago」と「before」の違いや使い分け、類似表現などを紹介していきました。
まずは記事の内容を理解した上で、意識しながら2つを使い分ける練習をしてみましょう。自分の過去の経験に基づいた内容だと、練習しやすくなるのでおすすめです。
また、実際に英語を話しながら定着させたい方は、オンライン英会話「ネイティブキャンプ」も活用してみてください。講師とのマンツーマンレッスンで、楽しく英会話の上達を目指しましょう!
◇経歴
・コールセンターでの日英バイリンガルオペレーター(3年)
・外資系企業(製薬業界)でのテクニカルサポート(2年)
・副業でオンライン英会話の講師(2年)
・東京にて通学型の英会話スクール経営(4年)
・英会話スクールをオンラインに切り替えて運営(現在で約4年)
・英会話講師歴は合計で10年
◇資格
・英検1級
・TOEIC990点
◇海外渡航経験
・イギリス(3ヶ月、短期留学)
・タイ(6ヶ月)、マレーシア(3ヶ月)、台湾(3ヶ月)の滞在歴あり(海外ノマド)
・海外旅行:韓国、マルタ、ベトナム、インドネシア、アメリカ
◇自己紹介
バイリンガル英会話コーチのBobです!ほぼ日本国内で英語を習得してバイリンガルになりました。たまたま始めたオンライン英会話講師の仕事が天職だと悟り、自らの英会話スクールを開校。これまでに200人以上の英語学習者に教えてきました。多くの人たちに英語を好きになってもらい、思いっきり英会話を楽しんでもらえるよう日々活動しています!
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.