今回は、「お陰で」を英語で何というのかを解説していきます!日本の独特の表現で、英語にできるのか疑問に思う方もいるかもしれませんね。しかし、意訳を上手く考えることで複数の表現に言い換えることができるのです。意外と簡単で今からでも使いやすい表現もあるので、ぜひ練習してみてくださいね。
Thank you for~
Thank you for~は、ものや行為に対して使う表現で、感謝の意を表しています。人に使うことはあまりないため、使い方には少し注意が必要ですね。
訳としては、「~のお陰です(ありがとう)」になります。forの後にものや行為を入れるだけでできてしまう単純な仕組みなので使いやすいでしょう。
よく見かける表現はこちらです。
Thank you for your help.
「あなたが助けてくれたお陰です」
誰かに助けてもらったときにはとっさに言えるようになっておきたい表現です。短い文ですし、中学英語で言えるのでぜひ覚えておいてください。
Thanks to~
先ほど解説したThanks for~ととても似ている表現で、こちらも感謝を表す単語であるThankが使われています。前置詞がtoに変わっていますが、こうなると続くのは人やものになります。つまり、Thanks for~はもの中心、Thanks to~はものでも人でもOKということです。
ネイティブスピーカーもこの表現はよく使い、スピーチで感謝したい人の名前を挙げる際などに使います。メールでも会話でもよく使う表現なので、しっかり暗記しておきましょう。
Thanks to everyone, my dream came true.
「皆さんのお陰で私の夢が叶いました」
Thanks to Robert, Henry and Ms Johnson, I was able to win the game.
「ロバートやヘンリー、ジョンソン先生のおかげで、私はこの試合に勝てました」
ちなみに、Thanksよりも感謝の意が強い表現として、thankfulやgratefulも使うので言い換え表現として覚えておくことをおすすめします。
I am thankful for you!
「皆さんのお陰です!」
I am grateful for her help!
「彼女のお陰だよ!」
このように、be動詞を入れて使うことに注意です。
少し話がそれますが、大事な注意点がもうひとつあります。それは、Thanks to you.と言うときに、言い方によっては嫌味に思われてしまうことです。
強めに言ったり、言葉とは裏腹に感謝の意が感じられない言い方をすれば、それは「あなたのせいで」という意味になってしまうのです。
しっかりとコミュニケーションをとっていたり、相手の温度感がわかる会話であれば問題なく意味を受け止めることができるでしょう。しかし、文で表されているときは、その後に続く言葉が発言者にとって不利益を被っていないかに注意することで、感謝しているのか、それとも嫌味で言っているのか見分けることができます。
例として、以下の文を見てみましょう。
Thanks to her, I was able to get a new game.
こちらの文章は、Thanks to herの後に、ゲームをゲットできたとポジティブな内容になっていますよね。発言者にとってこれは利益になることなので、訳は「彼女のお陰でゲームをゲットできた」となります。
逆に、以下の文を見てみてください。
Thanks to you, we were late for school.
Thanks to youの後の文章は、私たちは学校に遅刻したというネガティブな内容になっており、発言者にとっては不利益を被ることです。となれば、訳は「あなたのせいで私たちは学校に遅れた」となるわけです。
言い方ひとつで意味のとらえ方が変わってしまうことには注意して、自分が言うときには感謝をしているときの言い方に気を付けましょう。
because
becauseは皆さんご存じ、「~だから」と、理由を表す表現です。こちらを使えば、「~のお陰で」という表現に変えることもできます。
訳は、「~だから」と「お陰で」をつなげることが難しいので、「~してくれたから、お陰で…」とつなげると自然になるでしょう。
Because John gave me his bike, I could come here.
「ジョンが自転車をくれたから、お陰でここに来れたんだ」
I could run faster because Mary taught me how to move my legs.
「メアリーがどうやって足を動かせばいいか教えてくれたお陰で早く走れたんだ」
この場合、訳の「お陰で」は省略しても差し支えない意味合いになります。
また、例文に組み込む際にはbecause of~と、前置詞を補うこともよくあるのでセットで覚えておきましょう。
「because+英文」、あるいは「because of+名詞」と覚えることをおすすめします。
She could read many books because of her rich family.
「裕福な家庭のお陰で、彼女はたくさんの本を読むことができたんだ」
Because of his help, I could understand this report!
「彼のお陰で、この論文が理解できたの!」
becauseというと「~のせいで」というネガティブな意味合いを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、使い方やシチュエーションによっては良い意味になるので「お陰で」と訳せることもあります。
文の内容を見て、ポジティブな意味合いに変換した方が良いと思ったら「お陰で」などを使ってみましょう。
owe
oweは、「~に借りがある」という動詞です。この動詞を意訳すると、「~のお陰で」と言えます。
よく見聞きする例文にはこんなものがあります。
I owe you one.
「ひとつ借りができたな」
借りができるということは、その人のお陰でその人が助かったわけですから、「お陰で助かったよ」などと言い換えることも可能です。ここはシチュエーションや文脈からどの訳が適切か判断することになりますが、会話であればあまり訳にこだわらず、ニュアンスがわかれば支障はありません。
他にも、「I owe you.」「I owe you one.」「I owe you a lot.」と言うことができ、いずれも「あなたのお陰で」と訳せます。
「I owe it to you.」「I owe a lot to you.」も上記と同じ意味です。
virtue
「お陰で」をビジネスシーンでも使えるくらいフォーマルなものにしたのがvirtueです。こちらは「徳」や「善行」という意味の名詞です。動詞と間違えないように注意しましょう。
使い方は、熟語の中に名詞を落とし込むことが多く、「by virtue of ~」や「in virtue of ~」と使います。セットで覚えておくと楽です。
By virtue of your work, our company was able to sell the products.
「あなたが頑張ってくれたお陰で、私たちの会社は商品を売ることができました」
日常会話で友達に言うには少し硬いので、フォーマルな場面で使うことを心がけてみてください。
with your help/without your help
こちらは、一見すると相反している表現ですよね。with your helpは「あなたの助けで」と訳せ、without your helpは「あなたの助けなしには」と訳せます。しかし、これらはどちらも「あなたの助けのお陰で」と言い換えることができます。ポイントは、肯定文を使うか否定文を使うかの違いに気を付けることです。
例えばwith your helpを使うのであれば、以下のように肯定文で文章をつなげます。
With all your help, my son passed the exam.
「あなたのお陰で、私の息子は試験に合格しました」
これがwithout your helpになると、以下のように否定文でつなげます。
Without your help, my son wouldn’t pass the exam.
「あなたの助けがなければ、私の息子は試験に合格できませんでした」
どちらの文章も同じ意味ですが、肯定文か否定文かよく見極めないと、変な文章になってしまうので気を付けましょう。言い換えのトレーニングをたくさんして、言い間違えないようにしてみるのもいいですね。
もちろん、所有格のyourのところはhisやherなどに変えてもらっても構いません。
With all his help, my son passed the exam.
「彼のお陰で、私の息子は試験に合格できたのよ」
こんな風に言えば、塾に通っている先生への感謝を第三者へ伝えているようにも見えますよね。
言い換えるならこんな感じです。
Without his help, my son wouldn’t pass the exam.
「彼のサポートがなかったら、うちの息子は試験に合格できなかったわ」
helpは「助け」と訳しがちですが、日本語訳をするときには「お陰で」や「サポート」などと言い換えた方がしっくりと文になじむことがあります。どの日本語が一番自然で、かつ英語本来の意味を変えてしまわないか考えてみましょう。
まとめ
今回は、日常英会話で使える「おかげ」「お陰で」といった英語表現を学びました。ビジネス英語もありましたが、基本的にはすべて覚えておいてほしいフレーズです。感謝の気持ちを表す英語と言えばThank you.が王道ですが、それ以外にも「お陰で」と訳せる英語があることを覚えておきましょう。オンライン英会話などでもスモールトークなどで第三者に感謝をしていると伝えるときに使えます。積極的に使うことで自分のものにしていってくださいね!
◇経歴
英語科高校卒
外国語学部英米学科卒
学習塾で英語を教えている
◇資格
・IELTS6.5
◇海外渡航経験
高校時代にオックスフォードの語学学校へ留学
大学時代にエディンバラ大学へ1年交換留学
◇自己紹介
ハリー・ポッターがきっかけで英語に目覚め、高校・大学とイギリスに留学したイギリスマニア。学校はアメリカ英語なので自己流でイギリス英語を習得。発音、スペル、すべてにおいてクイーンズ・イングリッシュを使い英語の先生にバツをくらうもめげず。生まれも育ちも日本で、海外に繋がりがなかったため留学が夢となった。アルバイトで全資金を稼ぎ渡英すると、勝手な高い理想を上回るほどの素晴らしさを目の当たりにし更に虜に。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.