韓国語を構成する「9つの品詞」について詳しく解説♪♪

Korean

日本語と韓国語は文法が良く似ていると言われますが、品詞に関しては少し違いがあります。

日本語の品詞は10個に分類されるのに対して、韓国語の品詞は9個で、その分類方法も異なります。

今回は文法の観点から韓国語の品詞をひも解き、韓国語に対する理解を深めていきたいと思います。

品詞とは

「品詞」とは、単語を文法上の性質によって細かく分類分けしたグループの事です。

日本語の場合、単語はまず「自立語」と「付属語」に分けられます。

「自立語」とは「犬」や「歩く」の様にそれ自体で意味をなす単語を言い、「付属語」とは「は」や「ようだ」の様に単体では意味を成さない単語を言います。

その次にそれぞれ活用があるかないかによって分け4つに分類されます。

4つに分類したものを更に性質ごとに分類したものが「品詞」になります。

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韓国語の9品詞

では韓国語の品詞は、どのように分類されているのでしょうか。

韓国語ではまず、形態が変化するかしないか(活用するかしないか)によって2つのグループに分けられます。

そこから単語の機能によって 「体言」
「修飾語」
「関係語」
「独立語」
「用言」
の5つに分類し、更に単語の持つ意味によって9つに分けられます。

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韓国語には形容動詞や接続詞は存在せず、見慣れない「冠形詞」というものが含まれていますね。

違う部分は他にもあります。

日本語と違い、韓国語にはどの品詞にも属さない言葉があるという点です。

ではこれから、それぞれの品詞と9品詞に含まれない言葉について、少し掘り下げて見ていきましょう。

名詞(명사)

名詞については説明しなくても皆さん知っていると思いますが、日本語との違いは、

日本語は名詞に代名詞と数詞も含まれるのに対して、韓国語は代名詞・数詞ともに独立したひとつの品詞として存在します。

また、ほとんどの名詞は他の言葉の助けを必要としない自立語ですが、他の言葉にくっついて名詞説を作る「依存名詞」というものがあり、これも名詞に含まれます。

것(~もの)・뿐(~だけ)・만큼(~くらい)・수(可能不可能を表現する時に使用)などがこれに当たります。

예쁜 것이 많다.(ィエップン コシ マンタ)

綺麗なものがいっぱいだ

너는 할 수 있어.(ノヌン ハル ス イッソ)

君ならできる

代名詞(대명사)

代名詞は読んで字のごとく名詞の代わりとなるものです。

人や物・概念などを代わりに指し示す役割をします。

物や場所を指し示す代名詞

物 →이것(イゴッ/これ),그것(クゴッ/それ),저것(チョゴッ/あれ)など

場所→여기(ヨギ/ここ),거기(コギ/そこ),저기(チョギ/あそこ)など

人を指し示す代名詞

나(ナ/私),너(ノ/君),우리(ウリ/私たち),그(ク/彼),그녀(クニョ/彼女),당신(タンシン/あなた)など

数詞(수사)

数量を表す数詞と、順序を表す数詞とに分類されます。

数量を表す数詞

하나(ハナ/ひとつ),둘(ドゥル/ふたつ),셋(セッ/みっつ),넷(ネッ/よっつ)...

順序を表す数詞

첫째(チョッチェ/1つ目),둘째(トゥルチェ/2つ目),셋째(セッチェ/3つ目),…

数だけど数詞じゃない?

하나,둘,셋と同じ様に数を表すのに使われる言葉ですが、한,두,세は数詞ではありません。

사과를 한 개 주세요.(サグァルル ハン ゲ チュセヨ)

リンゴをひとつ下さい

ポイントはその単語単体で使えるかという点です。

「하나」は単体で「ひとつの」を表すことができる「数詞」。

一方「한」は単体では意味を成さず、「개(ゲ/個)」「마리(マリ/匹)」「번(ボン/回)」などの依存名詞が後ろにつくことで「ひとつの」の意味を持てるようになり「冠形詞」に分類されます。

冠形詞(관형사)

主に名詞・代名詞・数詞に付いて使用され、活用しないのが特徴で、日本語の「連体詞」に相当します。

例えば、

그 집(ク チプ/その家)の「그」

새 옷(セ オッ/新しい服)の「새」

が冠形詞に当たります。

ひとつめの「그(その)」は後ろの「家」を修飾しています。同様に「이(この)」「저(その)」も冠形詞になります。

ふたつめの「새」は日本語に訳すと「新しい」で形容詞のように見えますが、韓国語の新しいを意味する形容詞「새롭다(セロプタ)」とは別の単語です。

分かりやすく日本語で例を挙げて説明すると、大きな家の「大きな」がそれに当たります。

大きいという形容詞の活用に「大きな」は含まれず「大きな」はその形単体で連体詞なのです。

他に代表的な冠形詞には「맨(メン/一番)」「헌(ホン/古い)」「순(スン/純粋な)」などがあります。

副詞(부사)

副詞は主に動詞・形容詞を修飾し、時に冠形詞や文章を修飾します。

천천히 걷다

(チョンチョンヒ コッタ/ゆっくり歩く)

설마 나를 의심하는 건 아니지?

(ソルマ ナルル ウィシムㇵヌンコン アニジ?/まさか私をうたがってるんじゃないでしょうね?)

ひとつめの「천천히(ゆっくり)」はどの様に걷다(歩く)のか、動詞を修飾し説明しています。

ふたつめの例文の「설마(まさか)」は後続する文章全体を修飾しています。

また、韓国語では「接続詞」という品詞が存在しないため、

그런데(クロンデ/ところで)

그래서(クレソ/ですから)

따라서(タラソ/よって)

のような、日本語に訳すと接続詞になる単語も、韓国語ではこの副詞に含まれます。

助詞(조사)

助詞は単語と単語をつなぐ役割をします。

たった一語ですが、間違えると文章の意味が全く違ってしまう事もある重要な品詞ですので、間違えずにしっかり覚えておきたいところです。

「~は」に当たる「은/는」

「~が」に当たる「이/가」

「~を」に当たる「을/를」

「~と」に当たる「과/와」

「~で」に当たる「으로/로」

は、前の単語の最後のハングルがパッチム有りか無しかで使い分ける特徴があります。

他にも「~に/에」「~から/부터」「~より/보다」やなどがあり、すべて取り上げると助詞だけで1記事になるくらいのボリュームなので、ここではざっとだけご紹介しておきますね。

感嘆詞(감탄사)

「あぁ」のように感情や返答などを一語で表した言葉が感嘆詞です。

「앗!(ア!/あ!)」

「앗싸!(アッサ!/やった!)」

「영차(ヨンチャ/よいしょ)」

のようなおのずと口から出る感情表現の「感情感嘆詞」と、

「예(イェ/はい)」

「여보세요(ヨボセヨ/もしもし)」

「글쎄…(クルッセ…/さあ…)」

のように、呼びかけや応答の意味合いを持つ「呼応感嘆詞」とに分けられます。

動詞(동사)

動詞はご存じの通り 「울다(ウルタ/泣く)」
「먹다(モクタ/食べる)」
などの動作を表す単語です。

活用することで色々な形に変化します。

形容詞との見分け方は、命令形にできるかどうか。

命令形になるものは動詞と覚えておきましょう。

動詞  가다(カダ/行く)→가라(カラ/行け)

形容詞 늦다(ヌッタ/遅い)→✖命令形にできない

形容詞(형용사)

形容詞は 「예쁘다(イェップダ/美しい)」
「높다(ノプタ/高い)」 のように物事の性質や状態を表します。

日本語には「~だ」で終わる形容動詞がありますが、韓国語に形容動詞はないので「조용하다(ジョヨンハダ/静かだ)」や「편리하다(ピョンリハダ/便利だ)」などもすべて形容詞になります。

存在詞「있다・없다」

存在詞「있다(イッタ/居る・有る)」「없다(オプタ/居ない・無い)」「계시다(ケシダ/いらっしゃる)」は動詞として使われる場合と、形容詞として使われる場合があります。

〈動詞として〉

人や動物が一か所に留まったり、状態を維持したりする事を意味します。

너는 거기에 있어라.

(ノヌン コギエ イッソラ/君はそこにいて)

〈形容詞として〉

上記の動詞での使われ方以外は形容詞の扱いになります。

날지 못하는 새도 있다.

(ナルジ モッタヌン セド イッタ/飛べない鳥もいる)

그는 실력이 있다.

(クヌン シルリョキ イッタ/彼は実力がある)

指定詞「이다(~だ)」「아니다(~でない)」

「~だ」を表す「이다」は助詞

「~でない」を表す「아니다」は形容詞

に分類されます。

日本語でも「ある」と「ない」で品詞が分かれるのと似ていますね。


ここで少し余談!

語学学習の大きな壁「スランプ」。下記記事では韓国語学習中にやってくるスランプの乗り越え方をご紹介しています!ぜひ参考にしてください♪♪

nativecamp.net


9品詞に属さない単語

日本語と違い、韓国語には基本の9品詞に含まれない品詞が存在します。

例えば、

「~じゃないですか」と言う意味の「~잖아요」

「~なんですよ」と言う意味の「~거든요」

などの語尾がそうです。

「~잖아요」は聞き手も知っている事を確認する意味で話すときに使用し、「~거든요」は相手が知らないことを話すときに使います。

내가 지금 하고 있잖아요.

(ネガ チグム ハゴ イッジャナヨ/私が今してるじゃないですか)

어제 약속했거든요.

(オジェ ヤクソク ヘッコドゥンニョ/昨日約束したんですよ)

このような9品詞に含まれない語尾が韓国語にはたくさんあります。

各場面にあった語尾を使いこなせるようになれば、韓国語の会話力はグンとアップしますよ。


ここでまた少し余談!

下記記事では韓国語の謙譲語について詳しく解説しています!文法を攻略して効率よく韓国語を学んでいきましょう♪♪

nativecamp.net


おわりに

韓国語を学習していく上で、絶対に品詞を覚えなければいけないという訳ではありません。

よく英語学習においては品詞の理解が重要だと言いますが、正直、品詞を知らなくても正しい韓国語は話せます。

しかし、言語についての文法的な理解を深めることは、学習を進めるにおいてプラスになることは間違いありません。

また、今後TOPICやハングル検定といった韓国語試験の受験を考えているのであれば、品詞を理解しておくことは読解問題の理解にも繋がります。

あまり深く突っ込んで学習する必要はありませんが、せっかく韓国語に興味を持ったのですから、品詞についても少し知ってもらえたらと思い記事にしました。

難しく考えすぎず、韓国語の品詞ってこうなっているんだなという参考にしていただければ幸いです。