アメリカに渡航する日本人の数はとても多く、JTB総合研究所のサイトによると、2023年12月時点で、今年アメリカに渡航した日本人は154,824人にも上ります。
日本で暮らしていても、アメリカでの発砲、窃盗、殺人などの事件に関するニュースが頻繁に耳に入ってきます。
英語学習者の方なら、
「一度はアメリカに行って、本場のネイティブ英語を体感してみたいと思っているが、犯罪などの情報が入ってくると、治安が心配でなかなか一歩を踏み出せない」
と思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、渡航する前に知っておきたいアメリカの治安事情や、現地で気をつけるべき注意点などをご紹介したいと思います!
アメリカの治安について
海外へ出る際、もっとも気になるところがその国の治安ではないでしょうか?ではアメリカの治安は?アメリカの治安は悪いの?英語を学んでいる皆さんにとってはとても気になるでしょう。
まずは、アメリカの治安事情について、特徴、治安の良い都市、治安の悪い都市などをご紹介します。その後で、アメリカの治安の良い都市ランキングと治安の悪い都市ランキングをみていきます。
治安の良し悪しの傾向
アメリカの治安は、都市部や観光地のようなエリアのほうが比較的治安は良いと言われています。留学先に挙がるエリアも比較的治安が良いと考えられます。
例えば、多くの日本人が訪れるニューヨークやロサンゼルス、シカゴのような大都市はアメリカの中でも治安は良いですし、ホノルルのような観光地もかなり治安は良いほうとされています。
ですが、必ずしも大きな都市が絶対に安全というわけではなく、ほぼどの都市にも危険で近づくべきではないエリアはありますし、アメリカ中西部にあるミシガン州のデトロイトのような犯罪率がとても高い都市は存在します。
また、貧富の格差により、富裕層の住む地域は治安が良く、貧困層の多いエリアの治安は悪い傾向にあります。
道路を一本隔てただけで、一気に治安が変わるという場所も珍しくありません。
例えば、世界的ラッパーのEminemが主演の「8 Mile」という映画がありますが、8 Mileとは、富裕層と貧困層、白人と黒人を分ける道の名前として知られています。
治安の良い街、悪い街
アメリカは50の州からなる大国であり、それぞれの州の中で治安の良い地域、犯罪率が高い地域がいくつか存在します。また、アメリカは州ごとに異なる法律(州法)があることも理解すべきだと言えます。このことから、行き先の州が決まったら、どのようなルールがあるのかを確認することも必要です。
ここでは、安全な街、危険な街を知っておくために、治安の良いエリアと悪いエリアをそれぞれ10都市ずつご紹介します。
治安の良い都市ランキングTOP10
まずは、アメリカの中で治安の良い都市として、以下の10都市が挙げられます。
1、バージニアビーチ・バージニア州
2、ホノルル・ハワイ州
3、レキシントン・ケンタッキー州
4、アナハイム・カリフォルニア州
5、サンディエゴ・カリフォルニア州
6、エルパソ・テキサス州
7、サンノゼ・カリフォルニア州
8、オースティン・テキサス州
9、メサ・アリゾナ州
10、タンパ・フロリダ州参照元:The 10 Safest and Most Danerous Metro Cities in America for 2019
※FBI(Federal Bureau of Investigation)が2018年に発表した、2017年の犯罪統計報告書(Uniform Crime Reports)のデータと人口データを分析し、人口30万人以上の都市を対象に出されたランキングです。
トップ1のバージニアビーチは有名なリゾートタウン、トップ2のホノルルは多くの日本人に親しみのあるエリアですね。上記は治安の良い都市として紹介していますが、日本の治安の良さと同等に捉えるのは危険でしょう。
というのも、私たちが暮らす日本は、世界の安全な都市ランキングで東京が3年連続1位、大阪も3位にランクインしている、物凄く治安の良い国です。
一方で、上記の都市はいずれもランクインしていないことを考えると、安全な都市とは言っても、危ない目に合う可能性は十分にあります。あくまでもアメリカにおいてという前置きがあるのです。
例えば、一番治安が良いと言われるバージニアビーチでも、今年の5月に市の複合施設に男が侵入し、無差別に銃を乱射し、死傷者を出した凶悪な事件が起きました。日本で治安の悪い街、良い街というランキングは存在せず、この点からもアメリカと日本はまったく違うんだという意識を持つことが大切です。
また、日本人に大人気の観光地、ハワイのホノルルも、とても治安の良い都市として知られてはいますが、それでもスリや置き引き、強盗事件に遭う日本人も少なからずいるようです。
ホノルルの中でも特に注意が必要なエリアなどがないか、事前に調べておくのが無難です。
治安が良いとされている地域であっても、旅行中はそれなりに注意して過ごすことが大事だと言えます。
治安の悪い都市ランキングTOP10
次に、アメリカの中でも特に治安の悪い10都市とその州をご紹介します。アメリカの治安の悪い州ランキングは治安がいいところよりもしっかりと押さえるべき情報です。
1、セントルイス・ミズーリ州
2、デトロイト・ミシガン州
3、ボルチモア・メリーランド州
4、メンフィス・テネシー州
5、カンザスシティ・ミズーリ州
6、ミルウォーキー・ウィスコンシン州
7、クリーブランド・オハイオ州
8、アルバカーキ・ニューメキシコ州
9、インディアナポリス・インディアナ州
10、オークランド・カリフォルニア州参照元:The 10 Safest and Most Danerous Metro Cities in America for 2019
アメリカ治安ランキングに堂々インのセントルイスは、「西良し東悪し、南良し北悪し」と言われており、西部や南部はそこまで治安は悪くないが、東部と北部の治安がとても悪く、結果としてセントルイスの殺人事件の発生率は全米平均の約18倍という驚くべき数字が出ています。
また、デトロイトはかつて、自動車産業の発展とともに栄えましたが、1980年代の日本車がアメリカ市場で台頭してきたこともあり、失業率が16%になったこともあるほどでした。多くの人たちが職を失った結果、治安の悪い荒れた街として知られるようになりました。就職率と治安には大きな関係があることが分かります。
いずれにせよ、基本的にこれらのような都市に限らず、治安の悪いと言われているところには、用事がないのであれば近づかないことが無難です。
最近ではYoutubeで、日本人ユーチューバーが治安の悪いエリアに潜入する動画などが色々とアップされていますが、それを見て影響され、軽い気持ちで同じようなことをするのはおすすめできません。
どうしてもそのような地域に行かなければいけないことがあっても、必ずしっかりと事前にリサーチをして、なるべく危険なエリアを避けるべきでしょう。アメリカの治安ランキング、渡航の際には外務省のホームページなどで最新の情報を得て参考にすることをおすすめします。
アメリカ渡航中に注意すべきこと
アメリカの中で治安が良い地域であっても、そこは日本ではありません。映画やドラマで親しみを感じる国であっても、日本とは別世界という認識を持つべきでしょう。
スリ、置き引き、恐喝、大麻、滞在するホテルを完全に信用してしまったための紛失など、トラブルに巻き込まれないためにも、なるべくリスクを避け、対策をしておくことが大事です。外務省による”たびレジ”への登録、海外保険に入っておくこと、この2点も重要です。
ここでは、アメリカ渡航中に注意すべきことを、いくつかピックアップしたいと思います。アメリカの治安の悪い都市の情報と合わせて、ぜひ安全対策としてお役立てください。
常にインターネットと電話は使える状態にしておく
現地滞在中に、もし何かトラブルに遭遇した時に、電話が使えない状態では緊急連絡ができません。万が一の時に備えて、電話は常に使えるようにしておくべきでしょう。
また、渡航中はレンタルwifiなどを利用し、インターネットも常時接続できる環境にいたほうが好ましいです。充電に関してもモバイルバッテリーをいつも持ち歩くなど、電池切れを避けるための意識を持ちましょう。
インターネットを使うことで、道に迷った際、すぐにGoogleマップを使って現在地や目的地を確認することで、危ない通りに入り込むことを防げます。
また、観光ガイドマップを広げながら歩いていると、自分は観光客であるとアピールしているのと同じです。
観光客はスリやひったくり、ぼったくりなどのターゲットになりやすいですし、特に日本人はお金を持っていると思われがちです。
スマートフォンでさらっと確認できたほうが良いと言えます。
ただし、スマートフォンのような電子機器をひったくられる可能性も十分にあります。
スマホのひったくりも多発しています。観光スポットで油断しながら写真を撮っている時に、盗み取られてしまわないように何かしらの対策をしておいたほうが無難でしょう。
人通りの少ない通りを歩くのは避ける
人通りの少ない通りを歩くのは、夜だけでなく早朝もなるべく避けたほうが良いです。また、早朝、夜の公園も避けてください。
例えば、もしギャング集団に囲まれて暴力犯罪に巻き込まれそうになっても、通りに人がいなければ助けてもらうことはできません。
なるべく大きな通りで、人がたくさん歩いているような場所を歩いたほうが、そのようなトラブルに合う可能性は低いと思いますし、もしそのような目にあっても、周りに人がいたほうが助けを求めやすいと言えるでしょう。
バスに乗る際も気をつけるべき事があります。乗り込んできたギャングなどに携帯電話をよこせと言われるときのために普段使用しているスマホと別にもう一台準備し、何かの際には用意しておいた方を渡すということをしている動画が最近ありました。お金にしてもスマホにしても、相手に抵抗をすることを避けて、その分対策をすると心に余裕もできるでしょう。
夜間に夜道を歩くのは避ける
場所にもよりますが、アメリカでは夜間に出歩くのは避けたほうが良いということをよく聞きます。
アメリカは車社会のため、特に夜は道の人通りが少ないです。
また、夜間に活動するギャングなども数多くいるため、夜道を歩いている日本人観光客などはターゲットにされやすいです。
また、アメリカに限らず、一般的に夜間はお酒や快楽のための嗜好品を嗜む人々が多く、理性が効かなくなってしまって犯罪を犯してしまう人もたくさんいます。
そのような現場に遭遇しないためにも、なるべく夜間の出歩きは避けたほうが良いでしょう。
実体験から学んだこと
私は以前に、アメリカのサンフランシスコとロサンゼルスに旅行に行ったことがありますが、日本ではなかなか起きない、以下のようなちょっと怖い体験をしました。
・地下鉄電車内でミュージシャン風の男性にCDを買うようしつこくセールスを受けた
・バスの中で、高齢の方にご飯を奢ってほしいとねだられた
・観光地でスーパーマンのコスプレをしてる人に「写真を一緒に撮ろう」と言われ、撮ったら料金を請求された
・観光地でミュージシャン風の男性にCDを買うよう脅された
もちろん全て断りましたが、どうやらこういうことは観光地でも日常茶飯事で起きているようです。
特に観光客だと一発でわかる人が狙われるとのことです。
そもそもこういう人たちに話しかけられても乗っかってしまうのは良くないことだと学び、今後は気をつけようと強く思いました。
また、観光地で人が沢山いたから大きな声で断ったり、走って逃げることができましたが、もしこれが人通りのないような通りで起きていたらと思うとぞっとします。
ただし、前述していますが、本当に通り一本で治安が全然違うので、歩くところを間違えなければ、基本的には安全に楽しめる都市だと思いました。
ロサンゼルスについてもっと詳しく知りたい方はこちらから!
アメリカの治安まとめ
では、今回の記事のまとめです!
・アメリカの治安は、人口の多い都市部や観光地が比較的治安が良いという特徴がある
・アメリカ国内治安が良いと言っても、世界で最も安全な都市で3年連続1位を獲得している東京を持つ日本と同じ感覚で捉えることは危険
・渡航中にトラブルに巻き込まれないためにも、あらかじめ注意点を把握し、リサーチをしっかりとした上で現地に渡るべきである
私たちが住む日本はとても治安が良く、大変恵まれている環境です。日本に住む理由に治安の良さを挙げる外国人も珍しくありません。
そのため、普段はそこまで警戒せずに平穏に暮らすことができています。
しかしひとたび海を渡ればそこは外国であり、様々な事情により治安がとても悪い地域がそこらじゅうにあります。
一方で危機管理をしっかりし、変なリスクを冒さなければ、何も問題なく過ごせるところももちろんたくさんあります。
アメリカ渡航を考えている方は、アメリカの治安が悪化しているのかどうかというよりも、日本との安全面でも違いは確実にあることを意識してください。なにしろ、銃の保持が認められている国です。この記事をきっかけに、またアメリカの治安に関するランキングを参考に、ぜひとも治安の良いエリアを宿泊先に選ぶようにしましょう!
◇経歴
・コールセンターでの日英バイリンガルオペレーター(3年)
・外資系企業(製薬業界)でのテクニカルサポート(2年)
・副業でオンライン英会話の講師(2年)
・東京にて通学型の英会話スクール経営(4年)
・英会話スクールをオンラインに切り替えて運営(現在で約4年)
・英会話講師歴は合計で10年
◇資格
・英検1級
・TOEIC990点
◇海外渡航経験
・イギリス(3ヶ月、短期留学)
・タイ(6ヶ月)、マレーシア(3ヶ月)、台湾(3ヶ月)の滞在歴あり(海外ノマド)
・海外旅行:韓国、マルタ、ベトナム、インドネシア、アメリカ
◇自己紹介
バイリンガル英会話コーチのBobです!ほぼ日本国内で英語を習得してバイリンガルになりました。たまたま始めたオンライン英会話講師の仕事が天職だと悟り、自らの英会話スクールを開校。これまでに200人以上の英語学習者に教えてきました。多くの人たちに英語を好きになってもらい、思いっきり英会話を楽しんでもらえるよう日々活動しています!
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.