英語を学習している時に、誰しもがぶつかる壁がいくつかありますが、その中の1つが「類義語の使い分け」です。
(ちなみに、類義語を英語で「synonyms」と言います。)
日本語にも様々な類義語があり、私たち日本人は日常会話をする際に、大人であれば大抵はネイティブスピーカーの感覚で、類義語を状況に応じ、自然に使い分けることができます。
しかし、それが英語となると、日本語を話す時のような類義語の使い分けに比べてかなり難易度は高くなります。
そのため、まずはしっかりとそれぞれの言葉のニュアンスの違いを理解しておくことが語学学習では大事になります。
そこで今回は、数ある類義語の中でも多くの英語学習者が悩みがちな「繋ぐ」という言葉の類義語をいくつかピックアップします。繋がる・繋がり・コネクトなどの英語にもつながっていきます。
現代ではインターネットによって、例えばオンライン英会話で講師と生徒を繋ぐ、ビジネスにおいてミーティングやメール対応で外国の人と繋ぐことを可能にしますし、高齢者と医療福祉を繋ぐなど、「繋ぐ」には生活するなかで様々な表現があります。
それぞれの言葉の意味やニュアンスの違いを例文も織り交ぜて紹介したいと思います!
「繋ぐ」を意味する英単語5選
「繋ぐ」という言葉において、英語ではかなりたくさんの数の類義語が存在します。
なかでも代表的な類義語をピックアップしたものが、以下の5つの英単語です。
・connect
・link
・join
・unite
・combine
これら5つの英単語はいずれも似たような意味は持ちつつも、それぞれ異なるイメージを持っているため、状況によって使い分けがなされます。
今回はイメージを掴みやすくするため、これら5つの単語をより意味の近い単語同士で組み合わせた
「unite / combine」
人によっては、ほとんどが見たことのある単語かもしれないくらい、どれも英会話には頻出のメジャーな単語であり、日常英会話にもビジネス英会話にも使われます。
それゆえに、意味はわかるけど細かい違いまではわからないため、なんとなく使っているという方も少なくないでしょう。
ここからは、上記の単語の意味、類義語との比較でわかるニュアンスの違いなどを説明していきます。
またそんなややこしい英単語を調べるための辞書の使い方に関する以下の記事も合わせて読んでみて下さい。
「繋ぐ」の英語表現connect, link, join
ここでは、
・connect
・link
・join
の3つの「繋ぐ」ニュアンスが入っている類義語の違いや使い分けなどを紹介していきます。
〈connect〉
「connect」の意味は「つなぐ・結ぶ・結びつける」であり、そのイメージは「2つ以上のものを繋ぐ」です。
これは、コンピュータとプリンタをケーブルで繋いだり、スマートフォンをWiFiに繋ぐといった物理的な接続から、人と人との関係的な繋がりまで意味します。
このように「結びつける」と英語で言いたい場合は、このconnectが便利です。また、コネクトするという日本語でも馴染みがあり、接続する・繋ぎ合わせるという意味で使われています。
よく、「AがBと繋がっている」という状態を表現するのに、
A is connected to B.
A is connected with B.
という受動態の形で使われることがありますが、前者の「to」を使う場合は「ものとの繋がり」、後者の「with」を使う場合は「人/組織との繋がり」を表すことが多いです。
That shopping mall is directly connected to the train station.
そのショッピングモールは駅と直結しています。
I'm connected to a political party.
私はとある政党と繋がりがあります。
”絆”を表わす表現として名詞の「connection」を使うこともあります。名詞になると「つながり」という意味の英語になります。
ちなみに、iPhoneなどで有名なアメリカ大手企業アップルの創設者であるスティーブ・ジョブズが、スタンフォード大学の卒業式で行った有名なスピーチがあります。そのスピーチの中で「connect」が以下のように使われています。
“You can’t connect(他動詞) the dots looking forward; you can only connect(他動詞) them looking backwards.
So you have to trust that the dots will somehow connect(自動詞) in your future.
You have to trust in something – your gut, destiny, life, karma, whatever.”
(英文はStanford Newsより引用)
このように、「connect」は「繋げる」という他動詞でも、「繋がる」という自動詞でも、両方で使うことができます。
My laptop doesn't connect to the internet.
ノートパソコンがインターネットに繋がりません。
I don't know how to connect my iPhone to a WiFi network.
iPhoneをどうやってWiFiに繋げられるのかがわかりません。
〈link〉
「link」は何かと何かを物理的に結びつけたり、発想や記憶のような抽象的な何かを結びつける場合も使用され、「connect」とかなり似た意味を持つ単語です。
「link」という言葉は本来「輪」(名詞)を意味します。関連付けられ繋がったものの間で、何かが周る、循環する、行き来するようなイメージがあります。
We finally linked these two theories together.
私たちは最終的にこれら2つの学説を結びつけました。
That bridge links those two cities.
その橋がそれら2つの市を繋げています。
Our company has linked up with an automobile company.
我々の会社は自動車会社と提携しています。
2番目の文章は、「link」が持つイメージを捉えるのにわかりやすい例かと思います。橋のおかげで2つの市がリンクし、人の「行き来」が可能になり、それによって経済的な「循環」が生まれるかもしれない、という想像ができるからです。
他にも皆さんがよく使っているlinkがあります。メールを送付する時にも参考にして欲しいものを添付し、「リンクをご覧ください」と促すことがよくあります。こちら側と外部の情報をつなげていますが、この場合の英語もこのlinkが使われます。
〈join〉
「join」は、複数のものの物理的な結合を表す時に使われる単語です。
つまり、2つのものを繋いだりするのにも使えますし、道などの合流にも使うことができます。
”Please join us.”(ぜひご参加ください)というフレーズも聞き慣れたものではないでしょうか?
複数のものが繋がって、最終的に1つのものにまとまるイメージです。
Join these two boards together.
これら2つのボードを繋げてください。
My company will join hands with a famous tech company.
私の会社はとある有名なIT企業と提携します。
なお、ランゲージエクスチェンジパートナーを探せるサービス「italki」にて、「connect」「link」「join」についての違いについての以下の記事を見つけました。
"The word 'join' doesn't imply a connection, but the 'link' does. Though the 'link' means only a one-way connection, a two-way link is a connection.
For example, when you follow someone on italki you'll make a link. When he(she) approves your request a connection will be established. It's a two-directional linkage.
When the partner answers to you with a message it means the partner joined the conversation. It's simple!"
(和訳)
「join」という言葉は「connect」を意味しませんが、「link」は意味します。 ただし、「 link」は一方向の繋がりのみを意味します。 双方向の繋がりの場合は「connect」です。 たとえば、italkiで誰かをフォローすると「linkとしての繋がり」ができます。その人があなたのリクエストを承認すると、「connectとしての繋がり」ができます。これは双方向の「繋がり」です。その人があなたにメッセージで返答したら、それはその人が会話に「join」したことを意味します。
(英文は、italkiでのアメリカ人の回答を引用)
「繋ぐ」の英語表現unite, combine
ここでは、
・unite
・combine
の2つの類義語の意味、ニュアンスの違いなどを見ていきましょう。
〈unite〉
「unite」は、共通した目的などを持っている人々の力を合わせたり、同じビジョンをもった人々を集めて強く団結、結合させ、また新たな別の団体として機能するように緊密に一体化するようなイメージです。
We are united to oppose our company's new policy.
私たちは、会社の新しい方針に反対するために結束しました。
That incident united our team.
その出来事が私たちのチームを結束しました。
「団体」「組合」という意味の「union」という言葉を聞いたことがあると思いますが、「uni」は「1つ/単一」を表します。ちなみに、一輪車は「unicycle」です。
また、海外に目を向けると、アメリカはいくつかの州が結びついている成り立っている国のため、「United States」となります。多くの国が同じミッションを掲げて集まっている国際連合「United Nations」も同様です。
〈combine〉
「combine」も2つ以上のものを組み合わせて、何か違うものを創造する時に使われますが、とても強い結合で、個々の要素の識別が難しくなるほど緊密なイメージが伴うこともあります。
Combine oxygen with hydrogen first.
まず、酸素を水素に化合してください。
Combine meat, salt, sugar, and soy sauce in a bowl.
ボールの中で肉、塩、砂糖、醤油を混ぜ合わせてください。
例えば2番目の例文で考えてみるとわかりやすいのですが、肉、塩、砂糖、醤油それぞれは、混ぜ合わさる前はそれぞれの姿形、色、においなどの特徴が明らかですよね。
しかし、一旦お互いに混ぜ合わさることで、特に塩や砂糖においては溶けて視覚では確認できなくなります。これが前述した「個々の識別が難しくなるほど緊密」が意味する特徴になります。
以下の英単語の覚え方の記事もぜひ一緒に読んでみて下さい!
「繋ぐ」の英語まとめ
いかがでしたか?
他にも、単純に「結びつける」という意味での「tie」、それに加えて「動いてほしくないからまとめる」という意味まで含む「bind」、人と人とのフレンドシップなど関係性を表す結びつきの「bond」といった類義語もあれば、犬を繋いでおく時に使う「leash」や、馬などを繋いでおく時に使う「tether」など、「繋げる」という意味を持っている類義語は数え切れないくらいあります。
母国語でも類義語の使い分けというのは難しいため、英語の類義語の使い分けはさらに難解なものになります。
しかし、今回のように一度イメージやニュアンスを理屈・理由と例文で学んでしまえば、一気に理解が深まり、今までよりも遥かに使い分けの感覚がわかるようになるかと思います。
英語にはまだまだ類義語がたくさんあるので、今回の記事を機に、ぜひ気になっている類義語があれば自分でインターネットで調べてみると、さらなる英語力向上に繋がりますよ!

◇経歴
・コールセンターでの日英バイリンガルオペレーター(3年)
・外資系企業(製薬業界)でのテクニカルサポート(2年)
・副業でオンライン英会話の講師(2年)
・東京にて通学型の英会話スクール経営(4年)
・英会話スクールをオンラインに切り替えて運営(現在で約4年)
・英会話講師歴は合計で10年
◇資格
・英検1級
・TOEIC990点
◇海外渡航経験
・イギリス(3ヶ月、短期留学)
・タイ(6ヶ月)、マレーシア(3ヶ月)、台湾(3ヶ月)の滞在歴あり(海外ノマド)
・海外旅行:韓国、マルタ、ベトナム、インドネシア、アメリカ
◇自己紹介
バイリンガル英会話コーチのBobです!ほぼ日本国内で英語を習得してバイリンガルになりました。たまたま始めたオンライン英会話講師の仕事が天職だと悟り、自らの英会話スクールを開校。これまでに200人以上の英語学習者に教えてきました。多くの人たちに英語を好きになってもらい、思いっきり英会話を楽しんでもらえるよう日々活動しています!

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.