「すみません」
「お疲れ様」
「失礼します」
などなど、たとえ海外にいても、つい口をついてでてきてしまう日本語ってありますよね。
これらの言葉、いざ英語に直そうとしても、中々ぴったりの言葉が見つからなかったり…。
そこで、今回は「失礼します」にあたる英語の言い回しを徹底的に解明したいと思いますので、お付き合いください!
そもそも「失礼します」って?
まず、私たちはどんな場面で「失礼します」という言葉を使っているのか、まとめてみましょう。
①入室時
②退室時
③他人の話を中断しなくてはいけない時
④相手に少し待ってもらいたい時
⑤他人の前を横切る時など
以上のことからもわかるように「失礼します」という短い言葉でも、色んな場面で使うことができますね。
では次からは、一つずつ詳しくみてみましょう。
①入室時
ドアを3回ノックして、「失礼します」、中に入ったら30度のお辞儀……。
受験や就活時の面接練習で習う、入室時の決まり事ですよね。
では、このように部屋の入る前や、入室の許可を求める決まり文句は英語ではなんと言うのでしょう。カジュアルな場面からフォーマルな場面まで、何通りかみていきましょう。
・Excuse me. May I come in?
(失礼します。入ってもいいですか?)
定番の決まり文句ですね。「May I ~?」を使っているので、目上の人やフォーマルな場面にも使えます。
また、もし他の同僚などから「君の上司が呼んでいるよ」とか、メールなどで「〇時に私のオフィスに来てくれ」などと当人からメッセージをもらったあと、上司のオフィスを訪れる時、こんな風に言って入室の許可を求めましょう。
・This is 〇〇. Did you want to see me?
(〇〇〈名前〉ですけど、お呼びですか?)
一見、wantを使ったカジュアルな表現かと思いきや、Doを過去形のDidにして丁寧さを表しています。
またもっと丁寧に言いたい場合は、以下のようになります。
・Would you mind if I come in?
・Is it alright for me to come in?
(入ってもよろしいでしょうか?)
mindは「~を気にする」という意味なので、直訳すると「私が入っても気にしませんか?」になります。
この質問に返事するとしたら、
気にしないよ(OK入っておいで)
→No, not at all.
ごめん、今はちょっと。またあとで来てくれる?
→Sorry, not now. Would you mind coming back later?
になりますので、ご注意を。
一方、気心しれた間柄の場合は、
Hi. Can I come in?
などと、軽い挨拶をする感じでOKです。
②退室時
話も落ち着き、そもそもお暇する場面で、日本人なら「では、失礼します」と最後に付け加えますよね。
英語では、退室する時、「失礼します」という代わりに、感謝の意やお別れの挨拶を伝えるのが普通です。
・Thank you for taking time out of your busy schedule.
(お忙しい中、時間をとっていただいて、ありがとうございます。)
・It was a pleasure to see you. Have a nice day.
(お会いできて、光栄でした。いい一日を。)
このように言うと、相手にいい印象を与えることができます。
また「そろそろ失礼します」と相手に退出の意をほのめかしたい時は、
・I have to excuse myself now.
・I have to get going now.
(そろそろ失礼しなくてなりません。)
などというのが一般的です。
カジュアルな場面では、
・I’m leaving now.
(もう行くよ。)
・I have to go.
(もう行かなくちゃ。)
などと言いましょう。
③相手の会話を中断しなくてはいけない時
他人同士が話している時や、仕事などしている時に何か尋ねたいことや緊急の用事がある場合は、こんな風に言って話しかけましょう。
・Sorry to disturb you.
(Sorry for disturbing you.)
・Sorry to interrupt you.
(Sorry for interrupting you.)
・Sorry to bother you.
(Sorry for bothering you.)
(お邪魔して申し訳ありません。→失礼します。)
ここで紹介したdisturb、interrupt、bother、どれも同じような意味なのですが、それぞれニュアンスが少しずつ違うので、一緒にみていきましょう。
★ interrupt
主に他人の会話を中断させなくてはいけない、流れを断ち切るニュアンス。
(例)
May I interrupt you to comment on your remark?
(話し中ですが、あなたの発言について一言言ってもいいですか?)
★ disturb
広い意味で、相手の行動を中断させなくてはいけないニュアンス。
例えば読書、TV鑑賞、考え事や、相手の行動全般を指す。よくホテルのプレートで「Do not disturb」というドアプレートがありますが、これは会話だけでなく、他の行動全部を「邪魔するな」と言っている文言になります。
(例)
Sorry for disturbing you. I can do it myself.
(どうぞお構いなく。自分でできますから。)
★bother
単純に相手の動作を邪魔するだけではなく、相手の心を「煩わせる」という意味も含んでいます。またsorry to bother youの言い回しは、イギリスでよく言われるそうです。
(例)
I don’t have time to bother with such a small thing.
(私は、そんな小さなことを気をもんでいる時間はない。)
④相手に少し待ってもらいたい時
例えばビジネスの場面や、接客時などで少しその場を離れる時、「少々失礼します」と断りをいれますよね。
これを英語で表現するとなると、以下のようになります。
・Excuse me for a second(a moment/a minute)?
もっと丁寧にいいたい場合は、
・May I be excused for a moment?
・Would you excuse me a minute?
などとなります。
注意して欲しいところは、Iが主語になる時はexcusedと受け身になり、相手が主語になる時はexcuseのままというところです。
なぜそうなるかわからない人のために、詳しく解説していきましょう。
普段“Excuse me”と定型文としてそのまま覚えてしまっている人も、ここで原点に立ち返ってexcuseの本来の意味を確認し直してみましょう。さらに、理解が深まると思います。
さてexcuseを改めて辞書で調べてみると、下記のようになります。
excuse
【動】(他人の行動や態度を)許す、大目に見る、見逃す
簡単に言うと、excuseは「~を許す」という意味になります。ということで、 Excuse meはもちろん「私を許して下さい」ということになります。
そして、あなたがもし正確にexcuse meを使いたいのでなれば、以下のように言うことになります。
Pardon me/Sorry for interrupting your work.
(お仕事中に失礼する私を許して下さい。)
Pardon me/Sorry for keeping you waiting.
(あなたをお待たせしていることを、許して下さい。)
ただ、いちいちこんなことを言っているのも面倒なので、Excuse meという短い言葉で、それぞれのシチュエーションに適応させていることになります。
さてここまでくると、勘のいい人は、なぜ主語によって受け身になったりするかわかりますよね?
May I be excused for a moment?
上の文の場合は、許される(受け身)のは自分の方なので、受動態のexcusedになります。
対して、
Would you excuse me a minute?
この文はシンプルに「you(相手)がme(自分)をexcuse(許す)」となるので、excuseはそのままの形になります。
⑤相手の前を通りすぎる時
ドアの前やエレベーターの前などに人がいて通れない時、「ちょっと失礼します」と言いますよね。
こんな時、英語ではなんというのでしょうか。
・Excuse me.
・Could you let me through?
・Can I pass (through here)?
・May I pass?
ただ前を指さして“May I….?”などと言えば、だいだい通じるので、それだけでもなんとかなります。
この“May I….? ”は、空いている席に座っていいかどうか聞きたい時にも、役に立ちます!
【番外篇】「失礼しました」ってどう言うの?
ちょっと失敗してしまった時や相手に不快な思いをさせてしまった時など、「失礼しました」って言いますよね。
みなさんならこの言葉、英語で何ていうか想像できると思います。
そう、
“Sorry”
で、大丈夫です。
一緒に例文をみてみましょう。
I’m sorry for/about the other day.
(先日は失礼しました。)
または、apologizeを使うとより丁寧になります。
I sincerely apologize about my mistake.
(ミスしてしまって、大変申し訳ありません。)
その他にも、初対面の人と話している場面で自己紹介を忘れていた時や、3人で話しているのに2人だけで話してもう一人を無視してしまった時などに「おっと失礼」として使えるのが、こちらのフレーズになります。
Where are my manners?
直訳すると「私のマナーはどこ?」となりますが、自分の非常識を戒める=相手へ間接的に謝罪しているということになります。
まとめ
さて、いかがでしたでしょうか?
ついついポロっとでてしまう「失礼します」。日本語では色んな場面で汎用できる言葉ですが、これを機に、それぞれの意味をどう英語で言うか覚えてみましょう。
①入室時
→ May I come in?
②退室時
→ Thank you for taking your time.
③他人の話を中断しなくてはいけない時
→ Sorry to interrupt you.
④相手に少し待ってもらいたい時
→ May I be excused a second?
⑤他人の前を横切る時など
→ Excuse me. May I pass?
これさえ覚えてしまえば、大声で自信をもって「失礼しまーす!!」という日もくること間違いなしです(笑)

茨城県出身。筑波大学在学時に、JICAにてインターンを経験し国際問題に興味を持つ。日本に拠点を置きながら英会話をマスター。その他、タイ語、ベトナム語等も国際交流の中で学ぶ。 ボランティア活動の為海外へ何度も足を運びました。 そこで触れ会った文化や生活などリアルな声を知ってほしいとブログを開始。 趣味はオーガニック製品を集めること。ダイビング、登山など自然に触れることが大好きです。