この記事を読んでいる読者の中にも、子供のころにプラモデルで遊んだことがある、あるいは、大人になった今でもプラモデルにはまっているという人がいるかと思います。
プラモデルは、今も昔も人気の高い遊びであり、幅広い年齢層から親しまれている遊びです。
ところで、このプラモデルについて「英語で」語ってみて、と言われたらどうでしょうか。
スムーズにプラモデルの魅力を語れる人は、なかなかいないかと思います。しかし、この手の話は、日本に遊びに来た、プラモデルに興味がある外国人なんかに聞かれそうでそうよね。
そこでこの記事では、プラモデルに関連する英単語やフレーズ、関連情報などを余すとこなく紹介し、プラモデルに関する英語をマスターするためのノウハウを伝授します。
プラモ好きで英語好きな人には、必見の内容です。
- 「プラモデル」そのままでは通じない!
- プラモデルは海外発の文化。関連用語も英語由来が多い
- プラモデルを英語で説明してみよう
- 海外製プラモデルの組立説明書を読みこなす!
- 日本の鉄道模型は世界的に定評がある
- さいごに
「プラモデル」そのままでは通じない!
プラモデルを英語で言うと
plastic modelです。
その名の通り、プラスチック素材でできた模型のことであり、船舶や航空機、自動車などが模型としてリアルに再現されているものを指します。
イギリス英語では、プラモデルのことをconstruction kitといいます。
kitは、模型や機械などの組み立て材料一式の総称であり、日本語でも「キット」とカタカナワードで多用されています。
kitはほかにも、meal kit(ミールキット)や、tool kit(道具一式)といった使われ方をします。
ちなみに、「プラモデル」や「プラモ」は日本の玩具メーカーが作ったカタカタワードであり、英語ではありません。
このワードを使っても英語ネイティブには全く伝わりませんので、注意しましょう。英米のフレーズどちらも覚えておけば、完璧です。
プラモデルは海外発の文化。関連用語も英語由来が多い
プラモデルがこの世に生まれたのは昭和戦前、1930年代であり、プラモデルは登場から瞬く間にブームを巻き起こしたといいます。
また、プラモデル自体がイギリスやアメリカ発の文化であるため、関連用語のほとんどは英語に起源を持っています。いくつか例を見てみましょう。
バリ(burr)
プラモをやったことがある人なら、ご存知かと思いますが、ランナーからニッパーでパーツを切り取った後にできてしまう突起のことです。
やすりで削りバリを落とす、バリ取りの処理をすることが一般的です。
バリは、英語のburrがなまってできたワードです。
プラモデル以外にも、たとえば金属加工後の削り残しや、鋳型鋳造で製造した製品の端部に発生する突起もバリと呼ばれます。
パテ(putty)
パテは、模型、プラモデル制作で用いられる材料で、パーツの隙間を埋めたり補修したりする際に使う、粘土のような材料です。
模型やプラモをやっている人であれば、おなじみのワードですが、実は、これも英語由来です。
puttyは、模型やプラモデルだけではなく、ガラスを固定する際の材料として使われるものもあります。
ランナー(runner)
プラモデルのことを知らない人がrunnerと聞いたら、マラソンランナーか何かかと思ってしまうかもしれませんが、プラモデルで使われるランナーはそれとは違います。
プラモデルのランナーは、番号が振られたパーツを保持する外枠であり、数十個単位のパーツが1つのランナーに収まっています。
ちなみに、sprueという単語もこのランナーを意味します。合わせて覚えておくといいでしょう。
ジオラマ(diorama)
dioramaは、プラモデルの周辺環境、背景を立体的に表現する作品展示方法のひとつで、本物の情景を切り取ったようなリアリティが特徴です。
ジオラマの対象となるのは、木や山などの自然、ビルや民家などの建造物などが一般的です。
模型のみならず、科学博物館のはく製展示などでもジオラマの手法がよく使われます。こちらのジオラマは原寸大で再現されており、完成度も非常に高いです。
似たようなワードにパノラマ(panorama)がありますが、これとジオラマは似て非なるものです。
パノラマは、ある地点からの「眺め」を表すワードであり、ジオラマのように模型用語として使われることはありません。
「模型のジオラマ」とは言いますが、「模型のパノラマ」と言うと少し変です。
ウェザリング(weathering)
プラモをやらない人であればまず聞かないweatheringと言うワードは、模型にわざと汚しや傷の塗装を施して、リアリティを再現するための塗装技報です。
ジオラマなどとの相性がよく、リアルさを徹底的に追及するモデラ―に好まれるテクニックです。
このウェザリングは、天気のweatherという単語に由来しています。天気など環境による汚れや傷を塗装で再現する、と言った意味合いがあります。
モデラ―(modeler)
プロ、アマ問わず、プラモデルなどの模型制作をする人のことをmodelerと言います。
モデラ―には、趣味として個人で楽しむモデラ―、ジオラマ制作や原形制作など、特定の分野に特化したモデラ―までさまざまです。
model builderや、model makerと言ったワードが使われることもあります。
セメント(cement)
プラモを知らない人がcementと聞いたら、コンクリートのようなものをイメージするかと思いますが、プラモのセメントは少し違います。
プラモデルでいうところのセメントは「接着剤」のことであり、パーツとパーツをつなぎ合わせるためのものです。
スケール(scale)
実際のサイズを基準として、何分の1で縮小したかを示す値のことを、scaleと言います。
このスケールの値はある程度固定されていて、バリエーションはあまり多くありません。
例えば、飛行機のプラモデルであれば1/72スケールのモデルが最もポピュラーであり、出回っているモデルのほとんどは、この縮尺で製造されています。
パッケージ(package)
packageはいわゆる外箱のことで、店舗で平積みされている、プラモが入っている箱のことです。
この外箱にはイラストなどがあしらわれており、マニアの中では箱だけで高値で取引されることも多いため、モデラ―の中には箱を丁寧に保管している人も数多くいます。
プラモデルを英語で説明してみよう
プラモデルのあれこれを英語で説明するには、どのようなフレーズを用いればいいのでしょうか。シーン別に、いくつかご紹介していきましょう。
A boy is now assembling a plastic model of a battleship.
(少年が戦艦のプラモデルを組み立てている。)
assembleは、部品などを組み立てて一体する、と言った意味合いを持つ動詞です。工場の組み立て工程を行う生産ラインのことをassembly lineと言いますが、あれと同じニュアンスです。
Many plastic models are displayed in a clear case.
(たくさんのプラモデルが、クリアケースの中に展示されている。)
プラモデルなど、模型や作品を展示すると言いたいときには、displayを使うのがおすすめです。
displayと言うとパソコンのディスプレイを連想する人も多いかと思いますが、このような意味も持っています。
Target age: 15 years old and over
(対象年齢:15才以上)
Target ageは対象年齢のことです。
プラモデルの中にはパーツの総数が多かったり細かいパーツがあったりすることがあり、そのためほとんどのプラモデルには対象年齢が設けられています。
子どもに海外製のプラモデルを買うときには、target ageを確認しておくといいでしょう。
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海外製プラモデルの組立説明書を読みこなす!
海外製のプラモデルの組立説明書には日本語に訳されているものもありますが、原文の英語だけが記載されているものもあります。
組立説明書のほとんどはイラスト付きで説明がなされているので、英語を読まずともフィーリングでなんとかなる場合もありますが、英語が読めないと苦戦することは事実です。
説明書に頻出の単語をまとめてみましたので、チェックしてみましょう。
parts
partsは、ランナーから切り離した部品一つ一つのことです。
それぞれのパーツにはpart numberが割り振られており、これをもとにどの順番で何を組み立てるかを判断します。
ちなみに、欠品や紛失などの場合にはパーツを追加注文する必要があるのですが。その際にはこのpart numberをメーカーに伝えることになります。
orientation/ direction
これらの単語も組立説明書には頻出の英単語です。
車や飛行機など、プラモデルの対象となるもののほとんどは左右対称であり、そのため左右対称のパーツが1ペアになっていることが非常に多くあります。
これを正しく組み立てる際に重要となるのが、orientation(方向)です。
1ペアのパーツは鏡写しの関係になっているので、パーツの方向を見ればどちらがどちらになるか、わかるようになっています。
attach
attachは、パーツとパーツを組み合わせる、と言う指示で多用されるワードです。
実際の組立説明書ではイラストで図示されるので、このワードが出てくることはあまりありませんが、前置きなどで多用されるので覚えておきましょう。
日本の鉄道模型は世界的に定評がある
プラモデルは海外発のカルチャーとご紹介しましたが、日本の鉄道模型は海外でも定評があります。
鉄道模型は金属や樹脂製の完成品を購入し楽しむ娯楽であり、プラモデルではありませんが、ジオラマなど、プラモデルとの共通項は非常に多いです。
日本の鉄道模型の文化は海外にも輸出され、今でも高い人気を博しています。
さいごに
いかがでしたでしょうか。
プラモデルはニッチな趣味であるゆえに、知らなければわからないワード、専門用語がかなりあります。
いざ外国人にプラモデルのことについて聞かれてスムーズに答えられるように、ぜひ今回紹介したワードやフレーズを積極的に使ってみてください。
英語学習歴10年以上のフリーランス翻訳者、ITやテクニカルが専門。本業の傍らネイティブキャンプなどの英語学習メディアの寄稿をこなす生活を送る。趣味はランニング、旅行など。場所や時間にとらわれず、自分のやりたいことをどんどん実現していくことを生きがいとする。TOEIC945点、英検準一級、工業英検二級取得。好きな食べ物はラーメンや餃子などのこってり系。