現在完了・現在完了進行形の正しい意味とは?

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現在完了・現在完了進行形を使いこなそう!その意味の見方とは?

英語を学習している人の多くが、現在完了形という日本語にはない英文法の概念にまずつまずいてしまいます。日本語の時制はとてもシンプルなので、現在完了形・現在完了進行形なんていうものがないのですね。そのため、現在完了という概念を理解するのが難しいのでしょう。

しかし、現在完了をマスターできなければ、その先にある過去完了や仮定法などといった文法を理解するのが難しくなってきます。英語上級者になるためには絶対に必要な現在完了。今回はその現在完了そして現在完了進行形の意味をうまく理解できるようになるために、その意味や使い方をまとめてみました。

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現在完了は過去から現在まで継続している事実


現在完了は(主語 + have + 動詞の過去分詞形)という形でできている文章のことです。この文章でどんなことが表現できるのかというと、「過去から現在まで継続している事実」ということになるのですが、これだけではわかりづらいでしょうから実際に現在完了を使った例文を見ながら解説していきます。

1) I have lived in London.(私はロンドンに住んだことがあります。)

2) I have never been to Canada.(私はカナダに一度も行ったことがありません。)

3) My friend has worked in a famous company.(私の友達は有名な会社で働いたことがあります。)

4) My father has finished his beer.(私の父はビールを飲み終えています。)

5) He has left his house.(彼は家を出ました。)

 

この5つの例文ですが、日本で現在完了を学ぶとき、「継続用法」だとか「経験」「完了」だとかそういう言葉を使って種類がわけられるでしょう。しかし英語で英語を学ぶときには、全て同じです。英語的な感覚だと、これは全て同じニュアンスになるからです。

まず、1)について考えてみましょう。なぜこれはI lived in London.というシンプルな過去形ではだめなのでしょうか。それは、この文章に”I lived in London.”という過去形と、現在もその経験があったという事実があるというニュアンスが一緒になっているからです。
これを和訳すると「私はロンドンに住んだことがある」となるのですね。

そして2)の例文は、1)の否定文のようなものです。neverとしてしまったので、「一度も行ったことがない」と強調するような文章になっていますが、文法的な考え方としては否定形ということになります。
こちらの方が現在完了のニュアンスを捉えやすいかもしれません。”I didn’t go to Canada.”という状態が過去から現在までずーっと続いているのが、こちらの文章の意味です。

3)は1)と同じ意味で考えられる文章です。いくつか同じ種類の現在完了形の文章を見てみると、段々ニュアンスがわかってくるでしょう。

4)については、”My father finished his beer.”(父はビールを飲み終えました。)という文章に、その状態が現在まで続いてるニュアンスが一緒になっています。
「すでに飲み終わっている」とすると、日本語的にも考えやすいかもしれません。
この場合ただの過去形と現在完了形をどう使い分けるのかわからない人はとても多いでしょう。このニュアンスについては、大きな違いはありません。「もう終わったよ」のようなニュアンスを出したいかどうかによるでしょう。
例えばこんな会話文で使えます。
A: Who wants another beer?(もう一杯ビールが欲しい人?)
B: I think my father does. He has finished his beer already.(私の父が欲しいと思う。もう彼はビールを飲み終わっているから。)
この”already”の部分ですが、”now”とすると「今飲み終えた」というニュアンスになります。
とは言えどうやらこの場合も過去形で済ましてしまうことも多いのだとか。私自身の英語はイギリス英語なのですが、イギリスではこの程度のニュアンスの違いでも明確に過去形と現在完了形を言いわけます。
もちろんアメリカで言い分けてもきちんとそのニュアンスは伝わるので安心してください。

そして次は5)の英文についてです。
こちらについても、「彼がすでに家を出た」というニュアンスがあり、4)の文章とほぼ同等のニュアンスがあります。「彼が家を出た」という事実が過去にあり、その状態が現在も続いている。それがこの文章の考え方です。

前述で触れたとおり、日本では「継続」「経験」だとかいう言葉で現在完了をわけていますが、ここまでの説明で、それら全てが同じ考え方だということが見えてきたのではないでしょうか。
現在完了とは、過去に起きた・あった事実が、今現在も続いている状態に使える文法です。日常会話に頻繁に出てくる表現ですし、イギリスではびっくりするほど頻繁に使われる表現なので、ぜひたくさん練習してマスターしてください。

現在完了進行形の考え方


さて次は現在完了進行形です。こちらは現在完了の考え方を進行形にしただけなので、現在完了さえ理解できればこちらはそう難しくないでしょう。
では早速例文から見ていきましょう。

1) I have been living in London since last year.(私は昨年からロンドンに住んでいます)

2) My friend has been working in a famous company.(私の友達は有名な会社で働いています)

3) My father has been drinking beer for long.(私の父はビールをもう長いこと飲んでいます)

 現在完了でも使った例文を現在完了進行形になるようにアレンジしてみました。こちらですが「昨年」や「長いこと」などの時間を表す表現がなければ、和訳したときにニュアンスを出すのが難しかったりします。

1)についてはとても簡単ですね。ロンドンに住み始めたという「過去」が昨年時点にあり、今もロンドンに住み続けていることを表しています。

2)については、友達が過去のどこかの時点からずっと今までその会社で働いているというニュアンスがあります。英語でも”My friend is working in a famous company.”とのニュアンスの差は小さなものですが、現在完了を使うことで、一定の期間働いていて、そして今も働いていることを表しています。
つまり、”My friend was working…””My friend is working…”を足したような表現なのです。そう考えるとイメージできるでしょうか。

そして3)については、お父さんが今現在ビールを飲んでいるという進行形の事実があって、それが過去のいつかの時点からずっと続いていることを表しています。”for long”とつけてしまったので、たくさん飲んでしまって酔っ払っているか、とてもゆっくりビールを飲んでいるかのどちらかですね。

前述のとおり、現在完了がわかれば現在完了進行形は割と理解しやすいのではないでしょうか。

まとめ


今回はなるべく現在完了・現在完了進行形を簡単に理解できるように解説してみましたが、前よりもクリアになったでしょうか。
文中でもふれたとおり、イギリスでは現在完了の表現をとてもよく使います。その代表的なのは、”I have a pen.””I’ve got a pen.”というような表現です。これは、I got a pen.という事実が過去にあって、今もペンを持っているということですから、納得できるところなのですが、アメリカでは”I have a pen.”としか言わないようですね。
もちろんイギリスでI have a pen.と言っても間違いではありません。しかし現在完了の意味がわかれば、イギリス人が現在完了を多用するのを見て、なるほど・・・と納得いくでしょう。

アメリカ英語でも現在完了はもちろん重要な文法ですから、絶対に必要なときにはしっかり使えるようにしていきましょう。