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過去完了・過去完了進行形について説明していきます。
過去完了は苦手な人が多い文法。
過去形と過去完了・過去完了進行形との違いが、高校の授業で習ったものの、曖昧になっている人も多いのではないでしょうか。
今回は、例文を用い特大ブルー過去完了・過去完了進行形の用法、使い方を紹介します。基本となる肯定文はもちろん、否定文、疑問文でも正しい英文法で話せるようになって、英語上達へのステップを一段上りましょう!
過去形と過去完了・過去完了進行形との意味上の違いを確認し、それぞれの持つ意味や用法を理解したうえで、使い分けるそのポイントを解説していきます。
参考記事:現在完了・現在完了進行形を使いこなそう!その意味の見方とは?
過去完了と現在完了の違い
現在完了は「過去から現在まで継続している事実」で用いられるのが基本用法となっています。一般的に継続用法と呼ばれます。
この継続用法は、過去完了でも同じように登場します。
では過去完了は何かというと、「過去のある時点からある時点まで継続している事実」というのが一番しっくりくる説明でしょう。逆に言えば、「過去のある時点までそうだったけど現在は違う」という意味を持つ場合もあります。
ちなみに過去完了は(主語+had+動詞の過去分詞形)で作ります。
現在完了との文法上の違いは、haveがhadと過去形になるところです。
現在完了の継続用法
現在完了では現在もその現象や出来事が続いています。
例えば現在完了の記事でも使った例文 I have never been to Canada.
(私はカナダに行ったことがありません。) を例にすると、「行ったことがない」という事実が今でも続いています。
現在完了・過去完了形での否定文の作り方
現在完了形でも過去完了形でも否定文を作るときは、「never」を使います。
過去完了の使い方・用法
この文章を過去完了形にしてみたら、どのような違いが生じるのでしょうか。
さきほどの例文を使って、過去完了の使い方や現在完了との違いを見ていきましょう。
経験を表現する過去完了
さきほどの文章を過去完了の形
I had never been to Canada.
と変えてみると、
「カナダに行ったことがなかった。」
つまり、ある時点までは行ったことなかったのだけれど、現在はおそらくカナダに行った経験があることを意味します。
つまりこういう感じです。
I had never been to Canada until I went there last month.
(先月行くまで、私はカナダに行ったことがありませんでした。)
現在完了が表す「〇〇したことがある」という意味の文章は、過去完了形にはしづらいので実はネイティブでも日常会話の中で過去完了を使うことはあまりありません。
経験があるという状況は変わらないからですね。
ですが、上記のように「カナダに行く」という経験について、「行ったことがない」から「行ったことがある」という風に状況が変化すると、過去完了形にすることができます。
継続を表現する過去完了
他の例文も見てみましょう。
My father has finished his beer.
(私の父はビールを飲み終えています。)
この現在完了形の文章でも同じことが言えます。これも以下のような状況なら、過去完了形が使えます。
My father had finished his beer when I ordered for the next one.
(私が次のビールを頼んだとき、父はビールを飲み終えていました。)
では何故これはただの過去形ではないのでしょうか。
My father finished his beer when I ordered for the next one.
このシンプルな過去形の文章だと、どういうことになるかというと「私が次のビールを頼んだ時、父はビールを飲み終えました。」という意味になります。
この2つの英文についてニュアンスの違いがわかるでしょうか。
ただの過去形の文章にしてしまうと、次のビールを頼んだその瞬間に、父がビールを飲み干したようなイメージになります。
しかし、過去完了形だと「ビールを飲み終えた」のが「いつ」ということは言及しておらず、「次のビールを頼んだときには、いつ終わったかは分からないけれど、ビールを飲み終えた状態がいつの時点からか続いていた」ということになります。
英語の文章上、一見似ているこの文章ですが、過去形なのかそれとも過去完了形なのか、その使い分け次第で話の状況や文章の意味に違いが出てくるのです。
このニュアンスの違いがわかれば、過去完了は使いこなせるはずです。
日本語でもこの文章には違いがあるので、いくつかパターンを覚えて練習をすれば、すぐにコツをつかめると思います。
過去完了は時制を合わせるときにも使う
過去完了の使い方は、継続用法としてだけでなく、時制を合わせるための役割としても用いられます。
例えば誰かがあなたに、
I have been to the UK.
(私はイギリスに行ったことがある。)
と言ったとします。
そしてあなたが誰かに伝えるとき、以下のように言えるでしょう。
He said he had been to the UK.
「彼」が
I went to the UK last week.
(私は先週イギリスに行きました。)
と言った場合も、
He said he had been to the UK last week.
となります。
上記の例文で過去完了になっているのは、時制を合わせるためです。
事実としては、
He has been to the UK.
(彼はイギリスに行ったことがある。)
もしくは、
He went to the UK last week.
(彼は先週イギリスに行った)
なのですが、”He said”という過去形をつけていることによって、時制を一致させる必要があり、その後の文章が過去完了になるというわけです。
この2つの文章の違いは、“last week”という時間を表す言葉が入っているかどうかです。
これがあることで、「先週」「行った」と言っているのか、「行ったことがある」と言っているのかがわかるわけです。
過去完了の時制の一致で使われる副詞
時制を一致させるために過去完了形を使う場合、過去形や現在完了形だったものをそのまま過去完了にするだけですから、使う時にはあまりその意味合いや使い方を考える必要はないでしょう。
しかし事実の見分け方は、「先週」「○○したときに」「○○するまで」「○○して初めて」などの時間を表す語句があるかどうかで見分けることができます。
これらの言葉は、副詞や接続詞など様々な形で登場します。
たとえば、
- when
- since
- until
- till
- as
- yesterday
などが時間を表す言葉として多くみられます。
過去完了形の仮定法での使い方
過去完了は他に仮定法と言われる用法でも使われます。
こちらの使い方も頻出するものなので、文法上の構造は少し複雑ですが、非常に重要な用法となっています。
こちらについても、どのようなタイプの仮定をするときに使うものなのか、そしてその正しい文法について勉強していきましょう。
この場合の過去完了は、事実に反することや、現実的に実現の可能性の低いことへの仮定をする際に使います。
仮定法で過去完了を使うときは、if節つまりif+SVの部分が過去完了の形を取り、それに続く節が現在完了の形を取ります。
同じように、I wish SVの仮定であっても、wishに続く節が過去完了の形を取ります。
「英語の仮定法はConditionalsで制す!複雑な仮定法もシンプルに理解できる方法。」で仮定法についてご説明していますが、この記事の例文を例にとると下記のようになります。
If you had helped me, I would have been finished it much earlier.
(もし君が助けてくれたなら、もっと早く終われたのに。)
I wish I hadn’t told a lie to my mother.
(お母さんに嘘をつかなければよかった。)
これが何故過去完了になるかは、「You haven’t helped me./You didn’t help me.」や、「I have lied to my mother./ I lied to my mother.」という事実があるからなのですが、こちらは仮定法という文法の用法がわからなければとっつきづらいかと思うので、詳細は上記の仮定法の記事を参考にしてください。
過去完了進行形の使い方・用法
過去完了進行形についても少しご説明しておきます。
過去完了進行形は、(主語+had+been+動詞のing形)で表します。
現在完了進行形は、(主語+have+been+動詞のing形)であったので、こちらも現在完了進行形との文法的な違いは、haveがhadに変わることです。
意味は過去完了形とほとんど一緒ですが、それが進行形になっているだけです。
現在完了の記事でも使った例文で考えてみましょう。
現在完了進行形:
My father has been drinking beer for a while.
(私の父はビールをもう長いこと飲んでいます)
過去完了進行形:
My father had been drinking beer for a while, when I ordered the next one.
(私が次のビールを頼んだとき、私の父はビールを長いこと飲んでいました。)
過去完了の場合は、「私が次のビールを頼んだ」という過去の時点が存在していて、そこまでの間父がビールを飲み続けていたという継続の事実を表しています。
過去完了形と同じように過去のある時間を指定して、その時点まで続いてしていた動作や状態を進行形で表現します。
また、例文で示したように、多くの場合は、過去完了形のように、「○○した時」などの時間を表す言葉があって、過去のその地点まで続いた動作や状況を過去完了進行形で表現します。
ちなみに時制の一致として過去完了進行形を使う場合ももちろんあります。
こちらについても、過去完了の時制の一致と同じように、現在完了進行形であったものを過去完了進行形に変化されるだけなのでそれほど難しくはないでしょう。
過去完了・過去完了進行形のまとめ
過去完了・過去完了進行形に焦点を当て、例文を用いて使い方や現在完了との違いを解説しました。
過去完了は、高校生で習う英語文法の中でも頻出英文法とされ、英語学習では避けては通れないものです。
ただ、本文中でも少し触れていますが、時制の一致や仮定法以外ではネイティブでもあまり過去完了を使うことは多くありません。
日常英会話であまり使われない表現法だからです。
とは言え、訳し方がわかっていればいざ相手が使った時や英作文問題で出題されたとき、映画のセリフに登場した時など、迷うことなく意味を理解できますし、自分も使いどきがわかるはず。
使用頻度は低いとは言え、文法的には大事な英文法のひとつですから、しっかり理解できるようになれるといいですね。
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特に中級レベルでは現在完了形の復習から始まりますので、1つずつ進めていくのがオススメです。
また、講師と一緒に色々な表現やフレーズの言い方を学習していきますが、英会話文法がまだ苦手という人には、日本人講師レッスンの受講をおすすめします。
日本人講師は日本語での説明はもちろんのこと、役立つ英語勉強法も教えてくれます。
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I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.