
長い休暇が取りやすい年末年始は、海外でゆっくり過ごしたいと考える方も多いでしょう。一方で、旅費の高騰や観光地の混雑により、計画をためらう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「海外旅行に行きたいけれど、予算オーバーで諦めかけている」
「人混みで疲れる休暇にはしたくない」
そんな方に向けて、年末年始でも費用が抑えられ、人混みも避け過ごすことができる「穴場の海外旅行先」をご紹介します。
費用を抑えるためのコツを知り、賢く旅をするための注意点を詳しく解説します。
年末年始の海外旅行を検討されている方は、ぜひ最後までお読み下さい。
年末年始の海外旅行が高い理由
なぜ、年末年始の海外旅行は高くなってしまうのでしょうか。ここでは、理由について解説します。
国内外で需要が集中する時期
年末年始の海外旅行の価格が高騰するのは、単純に「誰もが休みを取りやすい時期」だからです。
日本では会社員や学生が一斉に年末年始のお休みを取得します。更に海外でも欧米のクリスマス休暇で休みを取る人が多く、年末年始は世界規模で人の移動が増えます。
需要と供給のバランスが極端に崩れる
年末年始に休みを取る人が多く、海外旅行に行きたい人が極端に増える一方で、ホテルや航空機などは、数や本数が極端に増えることはありません。
そのため、供給と需要のバランスが崩れます。
出発は12月26〜28日がピーク、帰国は1月2〜4日に需要が集中します。
・ダイナミックプライシング:
需要が高い時期は価格が高く、需要が低い場合は価格を下げるため、企業は年末年始の航空券や宿泊費の価格を高く設定します。
・リゾートチャージ:
アメリカのハワイなどで加算される、リゾートチャージはピーク時に加算される仕組みになっています。
年末年始に混雑・費用を抑えて楽しめる国

ここでは年末年始に混雑を避け、費用を抑えることのできる国を具体的にあげます。
東南アジア(マレーシア、ベトナム、タイ)
東南アジアは温暖で旅費を抑えやすいのがメリットです。
年末年始は乾季または乾季の入りの時期にあたる地域が多く、快適に観光がしやすいのが特徴です。ただし、地域により気候は異なるので事前に気候をチェックするようにしましょう。
1.マレーシア:世界遺産とリゾートが楽しめる
ペナン島のジョージタウンは世界遺産に登録されている街です。イギリスのコロニアル建築、中国寺院、モスクなど多文化が共存しているのが魅力です。街には至る所にポップなストリートアートや壁画があり、散策にも楽しい地域です。また、「美食の街」として有名で、屋台から本格料理まで、高コスパで楽しむことができます。
・ランカウイ島
島全体がユネスコ世界ジオパークに登録されています。白砂のビーチや豊かなマングローブなど自然を満喫することができます。
2.ベトナム:人気上昇中のトレンドエリア
ベトナム中部の近年人気が上昇しているビーチリゾートですが、歴史的な観光地もあり、食文化も豊かです。観光スポットとしては、パワースポットとして知られる「五行山」が有名です。
・ホイアン
ダナンから比較的容易にアクセスできる世界遺産の街です。夜には街にランタンの灯がともり、幻想的な風景が広がります。お手頃で質の高いスパも楽しめます。
・フーコック島
ベトナム南部の離島で、透明度の高い海や美しい夕日とサファリパークなどの大規模リゾートが共存しています。「ベトナム最後の秘境」と呼ばれます。
3. タイ:王室ゆかりの避暑地に滞在
バンコクから車で約2時間の所にある都市型のビーチリゾートです。ホテル、レストラン、ローカルグルメが充実しており、カウントダウンの華やかな花火などがあります。
・ホアヒン
バンコクから車で3時間ほどの場所にあるリゾート地です。タイ王室の別荘地として知られる、落ち着いた雰囲気が魅力のリゾートです。市場やカフェが多く、ゆったりとした滞在におすすめです。
| マレーシア (ペナン島) |
マレーシア (ランカウイ島) |
ベトナム(ダナン・ホイアン) | ベトナム(フーコック島) | タイ (パタヤ) |
タイ (ホアヒン) |
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| 気温 | 24〜31℃ | 26〜31℃ | 19〜27℃ | 22〜30℃ | 23〜30℃ | 22〜29℃ |
| 気候 | 熱帯:乾季より | 乾季:ビーチに入りやすい | 雨季から乾季への移行期 | 乾季で海が穏やか | 乾季で湿度が低め | 乾季 |
| 所要時間 | 乗り継ぎで7〜10時間程度 | 乗り継ぎで8〜11時間程度 | 直行で約6時間 | 乗り継ぎで約8〜15時間 | 乗り継ぎで6〜12時間 | 乗り継ぎで7〜15時間 |
| 時差 | -1時間 | -1時間 | -2時間 | -2時間 | -2時間 | -2時間 |
| 楽しみ | コロニアル建築、グルメ、ビーチ | リゾート滞在、島巡り、 | 世界遺産の旧市街、ランタン、美食 | 静かなビーチリゾート | ビーチとナイトライフ、 | 王室ゆかりの落ち着いたリゾート |
| 4泊5日コスト(1名・円) | 約8〜18万円 | 約9〜20万円 | 約7〜15万円 | 約8〜18万円 | 約7〜15万円 | 約7〜16万円 |
ヨーロッパ(エストニア、ジョージア)
エストニアやジョージアは、冬の雰囲気を楽しみつつ、比較的人混みを避けたい方に向いています。
ただし、物価上昇や気温の厳しさには注意が必要です。
■ エストニア(タリン)
エストニアはバルト三国の国の一つで、首都のタリンは中世の街並みを残す”絵本の世界”のような旧市街が魅力です。クリスマスマーケットは、ドイツ、フランス、オーストリアの人気都市よりも観光客が少ないながらも雰囲気を存分に楽しむことができます。世界遺産であるタリンの旧市街地を散策しながら、ロマンティックな時間を過ごすことができます。
■ ジョージア(トビリシ)
コーカサス地方のジョージアも知る人ぞ知る穴場スポットです。物価はヨーロッパの国よりも3〜5割程度と安いため、長期滞在をしたい方におすすめの渡航先です。雪景色や温泉も楽しむことができます。
ジョージアのキリスト教は、ギリシャ正教会の影響を強く受けているため、西ヨーロッパのクリスマスや年末年始と異なる独特なクリスマスを体験することができます。
ジョージアでは、クリスマスはユリウス暦に基づき、12月31日〜1月7日までクリスマス期間が続きます。サンタも赤い装束ではなく、白い装束を着ており、モミの木の代わりにチチラキという乾燥したヘーゼルナッツでできたモニュメントを飾ります。
南半球の国(オーストラリア)
寒い日本の冬を抜け出して、真夏の太陽を求めるのであれば、オーストラリアがおすすめです。
東南アジアと同様、時差が少なく飛行時間も短めなのが魅力的です。年末年始で特に混雑するのは、シドニーやメルボルンなので、2都市以外のおすすめスポットをご紹介します。
■ アデレード
南オーストラリアのアデレードは、緑豊かでコンパクトな観光都市です。ワイナリーやグルメが楽しめます。宿泊費が大都市より2〜4割程度安いです。
■ ブリスベン
ブリスベンはシドニー、メルボルンに続く第3の都市として知られます。ショッピングモール、カフェ、博物館、植物園、「ローンパイン・コアラサンクチュアリー」で動物を観察するなど観光スポットが沢山あります。年末年始はシドニーほど混雑せず費用も控えめです。
■ パース
西オーストラリアのパースは、「世界一美しい街」と称されます。年末年始は、大晦日の花火が有名ですが、街自体はゆったりしており、宿泊費もシドニーより抑えられます。
■ ケアンズ
オーストラリア北東部のリゾートタウンです。グレート・バリア・リーフと熱帯雨林という2つの世界遺産があり、山と海の大自然の双方を楽しむことができます。
| エストニア(タリン) | ジョージア (トビリシ) |
オーストラリア (アデレード) |
オーストラリア (ケアンズ) |
オーストラリア (ブリスベン) |
オーストラリア (パース) |
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| 気温 | 約0〜5℃ | 約0〜8℃ | 約20-30℃ | 約24〜31℃ | 約22〜30℃ | 約20〜33℃ |
| 気候 | 雪や曇り、短日 | 山岳気候 | 夏 | 熱帯 | 夏 | 夏 |
| 所要時間 | 乗り継ぎで約15〜18時間 | 乗り継ぎで約13〜18時間 | 乗り継ぎで約10〜12時間 | 乗り継ぎで約7〜10時間 | 乗り継ぎで約9〜11時間 | 約10〜11時間 |
| 時差 | -7時間 | -5時間 | 1時間 | 1時間 | 1時間 | -1時間 |
| 楽しみ | 冬の旧市街地、クリスマスマーケット | ワインと旧市街地、美食 | ワイン、海岸線散策 | グレートバリアリーフ、海遊び | 島日帰り、ビーチ | 西オーストラリアの自然自然とビーチ |
| 4泊5日コスト(1名・円) | 約22〜40万円 | 約18〜35万円 | 約15〜30万円 | 約16〜30万円 | 約15〜30万円 | 約16〜32万円 |
年末年始の海外旅行の注意点
年末年始の海外旅行をするためには、準備が必要です。以下、気をつけることについてご説明します。
3〜4か月前に予約をする
旅行の計画はできるだけ早く立てるのがおすすめです。
遅くとも出発の3〜4ヶ月前に予約を完了させるのがおすすめです。もし、休みの日程調整が可能であれば、12月の第1週〜第2週は混雑が少なく、価格もクリスマス、年末年始よりも落ち着いているので、「穴場」の期間です。
現地の「祝日事情」と「気候」をリサーチする
■ ヨーロッパのクリスマス25日に注意
ヨーロッパでは、クリスマスの12月24日午後から25日(国よっては26日も)は、クリスマスマーケット、レストラン、お店が一斉にお休みになります。食事ができない、観光の計画が狂った等がないように、事前の確認が必要です。
■ 足元の装備
ヨーロッパの道は石畳のため、底冷えします。スニーカーではなく厚手のブーツなどを準備するのがおすすめです。
防犯意識を高く持つ
年末年始の観光地は多くの人で賑わい観光客を狙ったスリや置き引きの犯罪も多く発生します。
特別日でない日の海外旅行よりも、より注意して意識を持つようにしましょう。
特に女性一人旅の場合は、ホテル立地選びが重要です。安さだけを重視せずに、大通りに面していて、夜でも明るく人通りがある場所を選ぶようにしましょう。
まとめ
以上、年末年始の海外旅行で比較的費用が抑えられる渡航先をまとめました。
費用の安さやビーチをもとめるのであれば、乾燥期でベストシーズンの東南アジア、クリスマスの雰囲気を味わいたいのであれば、ヨーロッパのエストニアやジョージア、都会と自然の両方を味わいたいのであれば、オーストラリアがおすすめです。
ぜひ予算に合った旅行先探しの参考になれば幸いです。
◇経歴
・国際教養学部卒業
・外資系企業に勤務経験があり、アドミや会計分野で、インド人、カナダ人、オーストリア人、フランス人など様々な国の出身の同僚と働いた経験があります。
◇資格
英検1級、TOEIC 900点、IELTS 7.5 など
◇留学経験
大学時代に交換留学プログラムでイギリスの大学へ1年間留学し、リサーチの基礎や英語学について学びました。
◇海外渡航経験
・高校時代にシンガポールで3週間ホームステイをし、現地の高校で授業を受講した経験があります。
・大学留学中は休暇を利用してヨーロッパ各国を旅行し、多様な文化に触れました。
◇自己紹介
英語が好きで、子どもの頃から自ら進んで勉強してきましたが、日本式の文法やリーディング中心の学習方法では、なかなか話せるようにならず、苦労した経験があります。ネイティブキャンプでの英会話に助けられました。
英語学習に役立つ情報をまとめたブログも運営しておりますので、よろしければご覧ください。
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