
子連れで海外旅行に行きたいけれど、昨今の円安やインフレの影響もあり、海外旅行に悩む方は多いのではないでしょうか。
特に人気のハワイ旅行などは航空券やホテル代が高く、家族旅行となると予算が心配です。ですが工夫次第で費用を抑えつつ充実した海外旅行をすることも十分可能です。
本記事では子連れ海外旅行の平均的な費用の目安と節約術、さらに家族におすすめの安くいける海外旅行先をご紹介します。
旅行の計画やツアー選びの参考にしていただき、無理のない予算で素敵な家族旅行に出かけましょう。
子連れ家族の海外旅行の費用はどれくらい?
まず、海外旅行をする場合の費用目安を大まかに整理します。
費用は行先(国や地域)、旅行時期(繁忙期かオフシーズンか)、旅行日数、ホテルなどの宿泊先のランク、参加するツアーの内容などによって大きく変わります。
例えば、人気のハワイ旅行で、ホノルルに5泊7日滞在するケースをイメージしてみます。
成田空港や羽田空港からホノルル行きの直行便を利用し、燃油サーチャージや空港使用料などを加えると、大人1人あたりの往復航空券は、1人十数万円は見込んでおいたほうが安心です。
次にホテル代です。
ファミリー向けの中級クラスのホテルなら、シーズンにも寄りますが、1部屋あたりのホテル代は3万~5万円程度になることが多いです。
ここに食費や観光費、現地移動の交通費、お土産代などが加わると、大人2人+子ども2人の4人家族では、合計100万円前後になることも珍しくありません。
一方、韓国や台湾、シンガポールなどのアジア方面の海外旅行は、日本からのフライト時間が短く、航空券やホテル代も比較的リーズナブルです。
例えば家族4人で韓国・ソウルに3泊4日滞在する場合、LCCの直行便やセールを上手に使えば、家族4人の航空券総額は10万〜20万円台に収まることもできます。
中級クラスのホテルに3泊し、食事はローカルグルメと人気のレストランをバランスよく利用すれば、家族全員の食費も3〜5万円程度に抑えることができます。
観光費や電車・タクシーなどの移動費、お土産代も含めて、トータル20〜30万円台で収まるイメージを持っておくとよいでしょう。
このように、ハワイやアメリカ本土、ヨーロッパなどの長距離リゾートや人気観光地は、どうしても海外旅行の総額が大きくなりがちです。
一方で、アジアの都市やリゾートは、飛行機のフライト時間も短く、物価も比較的安いため、子連れ家族でも現実的な費用で楽しみやすい傾向があります。
まずは、どのくらいの予算でどのエリアまで行けそうか、大まかなイメージをつかんでおくと予算計画が立てやすくなります。
家族人数別の海外旅行の予算例
家族人数別に海外旅行の予算イメージを具体的に解説します。
ここでは例として、夫婦+子ども1人の3人家族パターンと、夫婦+子ども2人の4人家族パターンを取り上げます。
もちろん行先やシーズンによって金額は上下しますが、目安を知っておくと計画がぐっと立てやすくなります。
家族3人(夫婦+子ども1人)の予算例
まずは夫婦+子ども1人の家族3人で海外旅行をする場合の予算のイメージです。
ポイントは、子どもの年齢によって航空券やホテル代がどのように変わるかという点です。
航空券は一般的に2歳未満の幼児は座席を使わず大人の膝の上に座る「幼児運賃」となり、大人運賃の10%程度になるケースが多いです。
次に、2歳以上12歳未満の子どもは「小児運賃」として、大人運賃の75%程度が目安とされています。
12歳を超えると大人と同じ航空券となり、家族3人でも大人3人分の費用が必要となります。
ホテル代については、海外のホテルでは、12歳以下の子どもは大人と同じベッドで添い寝なら無料といったルールを多く採用しています。
子どもが1人だけであれば、夫婦と同じベッドを使う形にすれば、1部屋分のホテル代だけで宿泊できる場合がほとんどです。
ベビーベッドやエキストラベッドを追加する場合でも追加料金は1泊数千円程度に収まることもあるので、各自でベッドを使用したい場合はホテルに問い合わせしてみましょう。
これらを踏まえると、子どもが幼児~小学生の家族3人で、ハワイ旅行5泊7日を計画する場合、航空券・ホテル・食費・観光費などを含めたトータル費用は、おおよそ80~120万円程度を想定しておくと安心です。
さらにホテルをコンドミニアムタイプにして自炊を取り入れたり、乗り継ぎ便やLCCを選んだりすれば、さらに費用を抑えることもできます。
近場の台湾や韓国、シンガポールなどであれば、家族3人3〜4泊の海外旅行でも総額30~50万円程度の予算で実現しやすくなります。
LCCの直行便と中級ホテルを組み合わせ、現地では屋台やフードコートを活用して食費を節約すれば、満足度も保ちながら予算を抑えることが十分可能です。
家族4人(夫婦+子ども2人)の予算例
次に夫婦+子ども2人の家族4人の場合です。
人数が増える分、単純に航空券と食費、観光費は家族3人よりも多く必要になりますが、宿泊については工夫次第で大きな差がつきます。
航空券に関しては、子ども2人の年齢がポイントになります。
例えば、小学生1人と2歳未満1人という構成であれば、上の子は小児運賃、下の子は幼児運賃になるため、合計の航空券コストは大人3人分に近いイメージになります。
一方で、中学生以上の子どもがいる場合は、大人運賃がしっかりかかるため、4人分の航空券だけでかなりの金額になる可能性があります。
ホテル代は、1部屋に4人まで泊まれるファミリールームを用意しているホテルを選べば、1室分の料金で済ませることができます。
ただしヨーロッパやアメリカの一部都市では、1室2〜3名までのホテルも多く、4人家族だと2部屋予約が必要になる場合があります。
この場合、ホテル代が2倍になってしまうため、事前にしっかり確認しておきたいところです。
モデルケースとして、家族4人でシンガポールに4泊5日旅行した例を紹介します。
LCCの直行便を利用し、フライトは成田発のリーズナブルな航空券を選んだ場合、往復航空券の総額は20万円前後に抑えることができます。
市内中心部の中級ホテルに宿泊し、食事はフードコートやローカルレストランを中心に、時々ホテルレストランに行くスタイルで過ごした総食費は5万円以内が目安です。
ここに、観光費や電車・タクシーの移動費、お土産代なども含めると、トータルで40〜50万円前後に落ち着くことが多いでしょう。
一方、家族4人でハワイに5泊7日、ビーチフロントのホテルに泊まりツアーなども楽しむプランの場合は、少なくとも総額150万円程度は見積もっておくと良いでしょう。
家族で海外旅行におすすめの安い国

ここからは、家族旅行の費用を抑えたいご家庭におすすめしやすい比較的リーズナブルな海外旅行先をいくつか紹介します。
フライト時間や物価、安全性、観光のしやすさなどを総合的に考えると、次のような国・地域は子連れ海外旅行の候補にしやすいです。
近くて時差が少なく、子連れにやさしい渡航先・台湾
おすすめなのが台湾です。
日本から台北までは飛行機で約3〜4時間と比較的近く、時差も1時間だけなので、子どもの体への負担が少なく済みます。
夜市での食べ歩きやローカルフードは日本人の口に合うものも多く、子連れには嬉しいポイントです。
また、子ども向けの観光地も多数あります。
現地の物価は日本よりやや安いくらいで、ホテル代や食費を抑えやすい点も魅力です。
家族4人で3〜4泊する場合の予算目安は、航空券とホテル代、食費、観光費、お土産代を含めて20〜30万円台に収まるケースが多いです。
短時間フライトで行ける身近な海外旅行先・韓国
次に韓国です。
ソウルや釜山などは、成田空港や関西空港、中部セントレアなど各地の空港から直行便が多数出ており、フライト時間も2時間ほどです。
子どもが飛行機に慣れていない場合でも、短時間で到着するため負担が比較的小さく済みます。
韓国料理は辛いイメージもありますが、子どもが食べやすいメニューも多く、カフェやベーカリーも充実しています。
ショッピングモール内にはキッズスペースやゲームセンターが併設されていることも多く、海外の雰囲気を感じつつも、日本の感覚に近い安心感もあり、初めての海外旅行にも向いています。
コスパ抜群で家族旅行に人気のタイ&フィリピン
タイやフィリピンなどの東南アジアも、コストパフォーマンスの高い海外旅行先として人気があります。
タイのバンコクでは、寺院観光や水上マーケット、巨大ショッピングモールなど子どもと一緒に楽しめる観光地が豊富です。
フィリピンでは、セブ島などの美しいビーチリゾートが有名で、海遊びやシュノーケリングなど子どもが喜ぶアクティビティが揃っています。
東南アジアの多くの国も日本から直行便で行けるため移動時間も短く、物価が比較的安いことから、食費やホテル代、現地での旅費を抑えやすい点も魅力です。
3時間半で行けるビーチリゾート・グアム
ビーチリゾートを楽しみたい場合は、グアムも候補に挙がります。
日本からのフライトは約3時間半で、時差も1時間だけと比較的近く感じられるにもかかわらず、南国のリゾート感がしっかり味わえます。
ビーチ沿いのホテルにはキッズプールやウォータースライダーが揃っているところも多く、子どもが飽きない環境が整っています。
物価もハワイほど高くはなく、ホテル代や食費も工夫次第で抑えられます。
家族4人で3~4泊する場合、総予算は30~50万円程度を目安に考えておくとよいでしょう。
子連れ海外旅行を安くするための節約ポイント
ここからは、子連れ海外旅行を少しでも安く、かつ安心して楽しむための節約ポイントを紹介します。
お金をかけるところ、削るところのバランスを上手に調整することが、満足度の高い家族旅行を実現するコツです。
安い時期を選んで旅行費用を抑える
1つ目のポイントは、旅行時期の選び方です。
海外旅行の料金は、出発する日程によって大きく変動します。
お盆や年末年始、ゴールデンウィークなど、日本全体が休みになる時期は需要が高まり、航空券やホテル代も一気に上がる傾向があります。
逆に長期休暇後やオフシーズン、平日出発のフライトを選べば、同じ行き先でも数万~十数万円単位で費用を抑えられることがあります。
目安として、1月中旬〜2月下旬、5月中旬〜7月中旬、10月上旬〜12月上旬は、比較的旅行料金が落ち着きやすい時期です。
可能であれば混雑するピーク日を外した日程を検討してみてください。
航空券を安く手に入れる方法
2つ目は、航空券の取り方を工夫することです。
航空券は、基本的に早く購入するほど割安になる傾向があり、早割制度や期間限定セールを活用すると効率よく費用を抑えられます。
特に、年末年始のセールやブラックフライデーなどのセール時期を上手に活用すると、同じ便でもかなり安い価格で航空券を手に入れられます。
また、FSC(フルサービスキャリア)にこだわらず、LCCの直行便や乗り継ぎ便も候補に入れると、価格の選択肢がぐっと広がります。
さらに、道のりは決して簡単ではありませんが、航空会社のマイル・マイレージを貯め、特典航空券で旅行に行くという方法もあります。
ホテル代を安くする方法
3つ目は、ホテル選びの工夫です。
子連れの場合、ホテルは「立地」「安全性」「快適さ」を重視しつつ、予算とバランスを取ることになります。
メインストリートから1本離れたホテルや、キッチン付きのコンドミニアムタイプの宿泊施設なども検討してみると、同じ予算で広い部屋に泊まれたり、食費を抑えられたりするメリットがあります。
旅行サイトでは子ども無料・添い寝無料といったプランも多く提供されています。
これはホテルの検索条件の設定上、子どもも大人も1名としてカウントされ、本来空室があるはずでも満室と表示されるケースがあります。
検索方法を変えるだけで選択肢が広がることもあるので、ぜひ試してみてください。
まとめ
子ども連れの海外旅行は、大人だけの海外旅行よりも費用も準備も大変ですが、その分、家族全員の思い出に残る体験を共有できる貴重な機会でもあります。
ハワイ旅行のような王道リゾートから、韓国や台湾、タイ、フィリピン、シンガポールなど、距離が近く物価も比較的安い国を選べば、家族3人・4人の海外旅行でも、現実的な価格帯で満足いく旅行を実現しやすくなります。
まずは家族全体の予算の上限を決め、その範囲で行ける旅行先やプランを比較していくと計画が立てやすくなるでしょう。
◇経歴
現在はプライム上場企業で管理職を務める傍ら、Webライターとしても精力的に活動中。
2人の子どもの育児と仕事を両立しながら、英語を通して自分の世界を広げることを大切にしています。
◇留学経験
日本の高校を卒業後、1年間ハワイ・オアフ島へ留学。
◇海外渡航経験、渡航先での経験内容
(アメリカ・ハワイ・インドネシア・オーストラリア・台湾・タイなど)
ハワイ留学をきっかけに世界の文化に興味を持ち、3年近くバックパッカーとして単身放浪の旅に出発。
ハワイで出会ったサーフィンに魅了され、現在では毎年、家族とともに良い波を求めて世界各地へサーフトリップを楽しんでいます。
◇自己紹介
英語は勉強というよりも、世界の人と心を通わせるための意思疎通のツールとして日々学習中。
将来的には子どもと一緒に親子留学をすることを目標に、日々学びを重ねています。