フィリピンのインターネットやWi-Fi環境は、日本に比べると不安定なことが多いですが、最近では都市部を中心に改善されつつあります。
「フィリピン旅行の通信手段として、何を準備すればよい?」
「フィリピンのWi-Fiは問題なく使えるの?」
など、渡航前の準備で不安に思うことはありませんか?
今回は、フィリピンのWi-Fi事情と最新通信インフラ実態について2025年最新版として徹底解説していきます。
フィリピンで使える各通信事業者のWi-Fiプランや、あると便利なSIMカード、eSIMについてもご紹介します。ぜひフィリピン旅行前に読んで、自分に合った通信手段を検討してください。
フィリピンの通信インフラの現状と課題
まずは、フィリピンの通信インフラの現状と課題について見ていきます。最近では、フィリピン都市部のインターネット環境は急速に改善されつつあります。
モバイルデータ通信においても、4GやLTEが一般に普及してきているので、スマートフォンでSIMカードを利用するのもおすすめです。
一方で日本と比べると、フィリピンの通信インフラはまだまだ不安定で、場所やその日の天気によっても速度が遅くなりつながらなくなることもよくあります。
フィリピンでの通信手段として、下記の4つについて特徴と課題を簡単に解説します。
①フリーWi-Fi
②ポケットWi-Fi(レンタルWi-Fi)
③海外SIMカード
④eSIM
①フリーWi-Fi
フィリピンの首都マニラや、セブ島などの都市部では、多くのホテルやカフェでフリーWi-Fiが利用できます。
【課題】
・日本に比べて通信速度が遅い
・個人情報漏洩、スキミングのリスクがある
②モバイルWi-Fi(レンタルWi-Fi)
ポケットWi-Fiは小型のWi-Fi機器で、日本でもいくつかの会社がフィリピンで利用できるサービスを提供しています。1台で5人くらいまで同時に接続可能なので、複数で利用するときにおすすめです。
【課題】
・Wi-Fiルーターの持ち運びが必要
・紛失や盗難、破損のリスクがある
③海外SIMカード
フィリピンでスマートフォンからインターネットに接続する場合、プリペイド式SIMカードがよく利用されています。
フィリピン国内の主要なデータ通信会社は「Globe(Globe Telecom)」と「Smart(Smart Communications)」の2社です。
現地に到着後の空港で、SIMカードを販売しているカウンターがあり、利用開始時の初期設定もお店でやってくれます。
【課題】
・SIMフリーのスマートフォンが必要
・現地到着後にSIMカードを購入し、差し替える手間がある
④eSIM
最近SIMカードの代わりに普及しつつある、オンラインモバイルデータ通信手段です。「eSIM」は端末に内蔵されたSIMで、スマートフォンにデータをダウンロードして使うサービスです。
従来のSIMカードのように物理的なカードを持ち歩く必要がなく、契約から利用まですべてオンラインで完結できます。
【課題】
・機種によって使えない場合がある
・電話番号がない
無料Wi-Fi提供プログラムの進展と課題
現在フィリピンでは、Wi-Fiを使った無線LANでインターネットを利用することがほとんどです。
フリーWi-Fiが使える場所は日本よりも充実していて、学校、ショッピングモール、カフェといった多くの施設でフリーWi-Fiにアクセスできます。
もちろんマニラのニノイアキノ国際空港やセブ・マクタン国際空港にも、フリーWi-Fiスポットが設置されています。
フリーWi-Fiを利用する場合は、
日本以上にセキュリティに注意が必要です。
パスワードなしで誰でも入れるような暗号化されていないWiFiは、第三者によってスキミングや盗聴される危険があります。
フリーWi-Fiに接続したあとに、IDやパスワードが必要なサイトへアクセスしたり、クレジットカード情報が入ったアプリを使用したりは控えるようにしましょう。
個人情報などの重要な情報を含むサイトを利用するときは、フリーWi-Fiではなく暗号化された通信環境で接続することを強くおすすめします。
Wi-Fiへ自動接続はせず、必要なときに適切なWi-Fiを選択して接続するように設定しておくことも重要です。
主要通信事業者のWi-Fiプラン比較
フィリピンの主要な通信業者は、下記の3社です。
①PLDT
フィリピン最大の通信事業者で、多様な光ファイバープランを提供しています。フィリピンでは最も高速で安定した通信業者として、信頼されています。
②Globe(Globe Telecom)
PLDTに次ぐ大手通信事業者で、幅広いサービスを提供しています。中心となる光ファイバー事業に加えて、モバイルWi-Fiのサービスも好評です。
③Converge ICT Solutions (Converge ICT)
光ファイバーに特化したプロバイダーで、近年急速にシェアを拡大しています。PLDTやGlobeと比べて安価なプランが多いので、費用を抑えたい人におすすめです。
ここでは、フィリピンの主要通信業者を3社に絞ってWi-Fiプランを比較していきます。
①PLDT
基本インターネットWi-Fiプラン
プラン名 | 月額料金 (PHP) | 日本円換算 | 回線速度 (Mbps) | 推奨 |
Fiber Unli 1699 | 1,699 | 約 4,400円 | 300 | 動画ストリーミング ビデオ通話 |
Fiber Unli 2099 | 2,099 | 約 5,440円 | 500 | ゲーム HD動画ストリーミング |
Fiber Unli 9499 | 9,499 | 約 24,630円 | 1000 | 無制限プラン |
出典:Unlimited Fiber Plan | PLDT Home
②Globe(Globe Telecom)
基本インターネットWi-Fiプラン
プラン名 | 月額料金 (PHP) | 日本円換算 | 回線速度 (Mbps) | 推奨 |
GFiber 300 | 1,499 | 約 3,890円 | 300 | 動画ストリーミング ビデオ通話 |
GFiber 500 | 1,999 | 約 5,180円 | 500 | ゲーム HD動画ストリーミング |
GFiber 1000 | 4,999 | 約 12,960円 | 1000 | 無制限プラン |
出典:GFiber - Unlimited Fiber Plans
③Converge ICT Solutions (Converge ICT)
基本インターネットWi-Fiプラン
プラン名 | 月額料金 (PHP) | 日本円換算 | 回線速度 (Mbps) | 推奨 |
Play Plan | 1,349 | 約 3,500円 | 200 | 動画ストリーミング ビデオ通話 |
Max Plan | 1,599 | 約 4,140円 | 400 | HD動画ストリーミング |
Ultra Plan | 2,599 | 約 6,740円 | 800 | ゲーム 4K動画ストリーミング |
出典:Super FiberX | Converge ICT
「Converge ICT」は2024年11月、今まで月額7,499PHP(約19,440円)だった1Gbps(1000Mbps)プランを、なんと半額の3,500PHP(約9,070円)にすると発表しました。
フィリピン家庭にも急速に浸透し始めている「Netflix」とパートナーシップを結び、月額利用料にNetflixの視聴プランがセットになったプランも提供しています。
安定した通信環境を低価格で提供する「Converge ICT」は、現在フィリピン国内で上位2社を追い越す勢いで成長している注目の通信業者です。
各社とも、持ち運び可能なモバイルWi-Fiの提供も行っています。
プリペイド式のモバイルWi-Fiを利用するには、まず専用のルーター(モデム)を購入(もしくはレンタル)をします。ルーター内にSIMカードが挿入されていて、それを通してWi-Fiを利用する仕組みです。
観光客・短期滞在者向けのSIMカードとeSIMの選択肢
SIMカードとeSIMについて
フィリピンでの滞在に必須であるスマートフォン。フィリピンでスマートフォンを使って、モバイルデータ通信を利用するには、現地の「SIM」もしくは「eSIM」の購入が必要です。
SIMカードは、フィリピンの空港や街中にあるSIMショップでSIMを購入する必要があります。
一方、eSIMは、購入から設定までオンラインで進められるのがメリットです。
日本出発前に購入しておけば、フィリピンについた後すぐに現地のモバイルデータ通信利用を開始できます。 どちらも主にプリペイド式で、利用日数や必要データ通信料によって料金が異なります。
eSIMとモバイルWiFiの特徴
SIMカードやeSIMを使って現地のモバイルデータ通信を利用するのと、モバイルWi-Fiでインターネットに接続するのとでは、どちらが良いのでしょうか?
ここでは、eSIMとモバイルWi-Fiの特徴の違いについてまとめます。
eSIM | モバイルWi-Fi | |
利用回線 | 現地回線 (利用回線を選べ安定して使える) |
クラウドSIM (エリアによって使う回線が違う) |
料金 | 4,290円 (Holafly 7日間無制限) | 16,072 円 (グローバルWiFi5G 7日間無制限) |
利用可能人数 | 1人 | 5〜10人 |
セキュリティ | 紛失・盗難のリスクが低い | 盗難リスクあり |
出典:
※Holafly フィリピン向けeSIMのデータ無制限プラン | Holafly
※グローバルWiFi WiFiレンタル・料金確認 WiFiレンタルはグローバルWiFi
・eSIMは現地のモバイルデータ通信を利用するため、エリアを限定せず通信環境が比較的安定しています。
・eSIMのほうがモバイルWi-Fi(レンタルWi-Fi)よりも圧倒的に安いです。
・eSIMの契約はスマートフォン1台(1回線)につきですが、モバイルWi-Fiは、1台で5つ程度のデバイスを同時に接続可能です。
・モバイルWi-Fiは機器を持ち歩く必要があるため、荷物が増えるうえに、紛失や盗難のリスクがあります。
・eSIMのプランは30日以内のものが多く、1週間〜1ヵ月の観光や短期滞在の場合におすすめです。
まとめ
フィリピンでの通信手段は、主に下記の4つです。
①フリーWi-Fi
②モバイルWi-Fi(レンタルWi-Fi)
③海外SIMカード
④eSIM
それぞれのメリットとデメリットについて、解説してきました。
マニラやセブ島などの都市では、公共施設でのフリーWi-Fiが普及しています。Wi-Fiに接続するときはセキュリティに十分注意して、個人情報をともなうサイトへのログインは極力控えましょう。
スマートフォンを主な通信デバイスとする人は、現地のモバイルデータ通信を利用するSIMカード、eSIMの利用がおすすめです。
それぞれの特徴を知り、フィリピンでの通信手段を選択してください!