
日本人に人気の留学先として知られるアメリカですが、近年「実はあまりおすすめしない」と言われている背景があります。
学びのチャンスが豊富な一方で、物価の高さや治安、文化の違いなど、実際に渡航してから直面しやすい課題も少なくありません。憧れだけでアメリカ留学を決めてしまうと、思わぬ現地でのギャップに悩まされることもあります。
本記事では、アメリカ留学を検討している方に向けて、事前に知っておくべき6つのデメリットについて詳しく紹介します。
あわせて、そのデメリットを小さくするための考え方や対策方法についても解説するので、アメリカ留学を考えている方はぜひ参考にしてくださいね!
1. 留学費用が高い
海外留学を考えるうえで、費用面の不安は多くの人が感じる共通の悩みといえるでしょう。
特にアメリカは物価や学費が高く、近年は円安の影響もあって、留学にかかるトータルの費用が増加傾向にあります。
そのため、計画的な資金準備と、出費を抑える工夫が欠かせません。ここでは、アメリカ留学費用の主な内訳と、費用を抑えるポイントについて詳しく紹介します。
学費
アメリカの授業料は、留学する都市や学校の種類、目的によって大きく異なります。語学学校は週単位での料金設定が多く、短期でも通いやすいのが特徴です。
一方で大学は、州立か私立かによっても差が大きく、1年間で500万円以上かかることもあります。以下に、アメリカの学費の目安をまとめました。
学校の種類 |
授業料の目安(年間) |
語学学校 |
約300〜800万円 |
州立大学 |
約500〜700万円 |
私立大学 |
約600〜800万円 |
大学院留学の場合、学部留学よりもさらに学費が高くなる可能性があります。そのため、事前にしっかりと情報収集を行い、自身の予算に合った留学プランを立てることが重要です。
滞在費
アメリカ留学中の滞在費は、留学期間や滞在方法、都市によって大きく変動します。主な滞在先は、学生寮、ホームステイ、シェアハウスなどの選択肢があり、それぞれ利便性や費用に違いがあります。
ニューヨークやロサンゼルスなどの生活費が高い地域では家賃が高く、長期滞在になるほど負担も増えるため、滞在するエリアについては慎重に選ぶ必要があるでしょう。なお、住まいの形態によって、家賃のみか、光熱費込みかも変わります。ホームステイや学生寮は光熱費込みの場合もありますが、賃貸では、電気・ガスなどは別になることが多い点に注意しましょう。以下、参考までにアメリカ・ロサンゼルスでの滞在費の目安をまとめました。
留学期間 |
滞在費の目安 |
2週間 |
約30〜50万円 |
1ヶ月 |
約55〜85万円 |
1年間 |
約450〜600万円 |
食費
アメリカでの食費は、自炊中心か外食中心かによって大きく異なります。アメリカの外食は日本と比較して高いことが多く、レストランではチップも必要になるため、想像以上に費用がかさむことがあります。
一方、自炊を心がければコストを抑えることが可能ですが、日本食の材料は高価になりやすい点には注意が必要です。学生寮に滞在する場合は、学食のミールプランを利用することで食費の見通しが立てやすくなります。
また、都市や地域によって物価も異なるため、あらかじめ滞在予定のエリアのスーパーや外食事情を調べておくと良いでしょう。
その他の費用
留学費用の見積もりで忘れがちなのが、保険やビザ申請、教材費、航空券などの追加費用です。アメリカでは医療費が非常に高額なため、留学期間中は海外旅行保険への加入が必須です。
保険の種類や補償内容によって費用は異なりますが、数万円から数十万円程度かかる場合があります。
また、留学の目的や期間によっては、学生ビザ(F-1ビザ)や交流訪問者ビザ(J-1ビザ)などの申請が必要です。
これらの費用は渡航前にまとめて支払うことが多いため、事前に把握しておきましょう。
留学費用を抑えるコツ
アメリカ留学の費用は高額になりやすい一方で、工夫次第で費用を抑えることが可能です。まず、積極的に検討したいのが、奨学金(スカラーシップ)制度です。
大学や民間の団体が提供するさまざまな奨学金があるので、留学プランや自分の英語力、学業成績などを踏まえて応募してみましょう。
また、費用面を優先する場合は、比較的学費や生活費が抑えやすいカナダ留学やオーストラリア留学も合わせて検討するのがおすすめです。
2. 日本よりも治安が悪い
アメリカ留学を検討するうえで、気になる点のひとつが治安です。
広大な国土を持つアメリカでは、地域によって治安状況が大きく異なり、日本と比較すると犯罪発生率が高いエリアも存在します。
留学生活を安全に送るためには、事前に現地の治安について把握し、適切な安全対策を講じることが不可欠です。
ここでは、アメリカの一般的な治安情報と安全対策について詳しく解説します。
地域によって治安状況が大きく異なる
アメリカは都市によって治安状況が大きく異なります。たとえば、ニューヨークやロサンゼルスなどの大都市圏では犯罪率が高く、夜間の外出や危険なエリアへの立ち入りには注意が必要です。
一方で、郊外や小規模な都市では比較的治安が良いとされる地域もあります。留学先を選ぶ際には、インターネット上の情報だけでなく、留学エージェントや留学経験者からの情報収集も心がけましょう。
日常生活で意識したい防犯ポイント
アメリカでの留学生活を安全に送るためには、日頃から防犯意識を高く持つことが重要です。具体的には、以下のような防犯対策を意識しましょう。
・夜間の1人歩きは極力避け、明るく人通りの多い道を選ぶ
・バッグは身体の前に持ち、貴重品は常に身につける
・スマートフォンを不用意に出したり、テーブルに置いたままにしない
・住居のドアや窓の鍵は必ず閉める
また、見知らぬ人に安易に声をかけられたり、親切にされたりした場合でも、必要以上に油断しないことが大切です。
緊急時の対応と知っておくべき連絡先
万が一のトラブルに備え、緊急時の対応方法と連絡先を事前に把握しておくことは非常に重要です。
アメリカでは、警察・救急・消防すべて共通の緊急番号が「911」で、英語での対応が必要となるため、事前に簡単な説明ができるように準備しておくと良いでしょう。
また、学校のセキュリティオフィスや、在アメリカ日本大使館(または総領事館)の連絡先も手元に控えておきましょう。
留学エージェントを利用する場合は、緊急時に役立つ連絡先リストを配布してくれることもあるため、渡航前に受け取っておくと安心です。
3. 医療費が非常に高い
アメリカでの留学生活を快適に過ごすためには、万が一の病気やケガへの備えも欠かせません。
アメリカの医療費は非常に高額であり、日本とは制度も大きく異なるため、事前の理解と準備が必要です。ここでは、アメリカの医療制度や医療費、留学中の健康管理について紹介します。
アメリカの医療制度と日本との違い
アメリカの医療制度は、日本のような国民皆保険制度とは大きく異なります。アメリカには全国民を対象とした公的な医療保険制度がなく、多くの人は民間保険に加入して医療費をカバーしています。
無保険の状態で医療機関を受診した場合、高額な医療費を全額自己負担しなければならない可能性が高いため、留学生は医療保険への加入が必須であることが多く、保険の内容をしっかり理解して選ぶことが重要です。
保険に加入しなかった場合の医療費の目安
アメリカで医療保険に加入せずに病院を受診した場合、日本では考えにくい高額な医療費を請求されることも珍しくありません。
軽い風邪で受診した場合でも、診察料だけで数万円かかることは珍しくありません。
さらに、入院や手術が必要になると、その費用は数十万円〜数百万円に達することもあります。以下は、アメリカでの無保険時の治療費の目安です。
医療サービス |
費用の目安(無保険時) |
一般診療(外来) |
約2〜5万円 |
歯科治療(虫歯1本あたり) |
約5〜30万円 |
入院費用(1日あたり) |
約30〜80万円 |
渡航前にできる健康管理
アメリカへ渡航する前に、日本でできる健康管理をしっかりと行っておくことが重要です。持病やアレルギーがある場合や、薬の成分によってはアメリカでの持ち込みが制限されることもあるため、処方薬は原則として元の容器のまま持参し、英文の診断書や薬の処方箋を用意しておくとよいでしょう。
常備薬は日本から持参し、現地で入手困難な場合に備えて必要量を用意しておくと安心です。また、アメリカでの歯科治療は保険があっても高額になる可能性があるため、出発前に歯科検診を受けて治療を済ませておくことをおすすめします。
4. アメリカ文化に適応するのが難しい
新しい環境に飛び込むアメリカ留学では、言語の壁だけでなく文化の違いにも向き合う必要があります。
日本とは異なる生活習慣や価値観のギャップに戸惑い、ストレスを感じる留学生も少なくありません。
ここでは、アメリカでの文化の違いによるストレスの影響と、その対処法について詳しく紹介します。
日常生活で感じる価値観や習慣の違い
アメリカでの日常生活では、日本とは異なる価値観やコミュニケーションに触れる場面が多く、それがストレスの原因となることがあります。以下に、代表的な違いをいくつか挙げてみました。
・挨拶はハグや握手が基本で、すれ違う人にも気軽に話しかける
・個人を尊重し、プライバシーを重視する傾向がある
・自己主張がはっきりしており、意見を明確に伝えることが求められやすい
・時間に対してルーズな傾向がある(状況による)
こうした違いを理解し、少しずつ受け入れていくことが、ストレスを軽減して現地生活に適応するための第一歩となります。
孤独感やホームシックへの対処法
異文化の中で生活する留学生にとって、孤独感やホームシックを感じることは自然なことでしょう。
特に留学初期は、言葉の壁や慣れない環境での生活で、気持ちが落ち込みやすい時期でもあります。
孤独感やホームシックに対処するためには、定期的に家族や友人と連絡を取ったり、現地のコミュニティに参加するなど、つながりを意識して作ることが大切です。また、無理に我慢せず、他の留学生と気持ちを共有するだけでも楽になります。
現地の人との関係づくりに必要な姿勢
アメリカで現地の人と良好な関係を築くには、積極的にコミュニケーションを取り、相手の文化を尊重する姿勢が重要です。まずは、自分から積極的に話しかけることから始めてみましょう。
完璧な英語を話す必要はなく、相手に関心を持ち、間違いを恐れずに自分の言葉で話す姿勢が大切です。
また、地域のイベントやボランティア活動などに参加することで、より多くの現地の人と交流する機会を増やせます。
5. 人種差別を受ける可能性がある
アメリカは多様性のある社会として知られていますが、地域や状況によっては、人種や民族、マイノリティに基づく差別や偏見に遭遇する可能性もあります。
留学生活を安心して送るためには、アメリカ社会における現状を理解したうえで、対処の仕方を知っておくことが大切です。
日本人留学生が受ける可能性のある偏見
アメリカでは多くの人が多様性を尊重していますが、時として無意識の偏見(ステレオタイプ)や差別的な言動に出会うことがゼロとは言い切れません。
たとえば、アジア人全般に対する固定観念が原因で、誤解や偏見の対象となってしまう可能性があります。
直接的な差別的言動だけではなく、露骨に不快感を示されたり、理不尽な対応をされたりすることもあるでしょう。
ただし、これらのケースはあくまで一部であり、多くのアメリカ人は友好的で理解のある人々であるということも押さえておくと、必要以上に不安になりにくくなります。
差別や偏見に直面したときの対処法
アメリカで差別や偏見に直面した場合、感情的にならず冷静に対処することが重要です。
実際には悪意がない場合や、文化的な誤解の可能性も考慮しながら、相手の意図を見極めましょう。
明らかに差別的だと感じた場合は、毅然とした態度で自分の意見を伝えることが大切です。
ただし、相手を攻撃的な言葉で非難するのではなく、「その発言は私にとって不快です」と自分の感情を具体的に伝えることが効果的です。
また、道で通りすがりに差別的な言動を受けた場合は、聞こえないふりをして相手にしないようにしましょう。万が一、不快な思いをした場合には、1人で抱え込まず、学校や信頼できる人に相談しましょう。
6. 公共交通機関での移動が不便
広大な国土を持つアメリカでは、多くの地域で車が生活の必需品となっており、公共交通機関が十分に整っていない場所も少なくありません。
特に留学生にとっては、通学や日常生活での移動手段をどう確保するかが重要な課題となります。
ここでは、アメリカの車社会の実情と、移動の不便さを解消するための具体的な方法について詳しく紹介します。
公共交通が発達していない地域の現実
アメリカでは、都市によって交通インフラの整備状況が大きく異なります。ニューヨークなど一部の大都市を除くと、郊外や地方都市ではバスや電車が少なく、運行本数や時間も限られています。
留学先を選ぶ際には、学費や治安だけでなく、公共交通機関の利便性もあわせて確認しておくと安心です。
自転車・バス・ライドシェアサービスの活用法
車を持たない留学生にとって、利用可能な公共交通機関やサービスを最大限に活用することが大切です。
自転車はキャンパス周辺の移動に便利ですが、地域によっては安全面に注意が必要です。バスは学生割引が適用されることも多く、本数や路線が限られている点を除けば、比較的使いやすい交通手段です。
また、UberやLyftなどのライドシェアサービスはドア・ツー・ドアで移動できるため、公共交通機関が不便な地域や夜間の移動にも役立ちます。
免許取得や中古車購入を考える際の注意点
長期留学で車の所有を検討する場合は、現地での運転免許の取得や中古車購入の手続きに注意が必要です。
アメリカの運転免許は州ごとにルールが異なり、筆記試験と実技試験に合格する必要があります。
日本で取得できる国際運転免許証は有効期間が限られるため、長期滞在する場合は現地の免許取得や切り替えも検討しましょう。
中古車を購入する場合は、日本よりも安価に入手できる可能性がありますが、車の状態をしっかりと確認する必要があります。
まとめ
本記事では、アメリカ留学をする前に知っておくべき6つのデメリットと、その対策について紹介しました。
留学費用や医療費の高さ、治安、文化の違い、差別の可能性、移動手段の不便さなど、心配になる点は多いかもしれません。
ただ、事前に理解して備えることで、不安を最小限に抑えられます。
デメリットも含めて現実を把握したうえで、アメリカ留学を検討している方はぜひ本記事を参考にして、新たな環境へチャレンジしてみてくださいね!
◇経歴
・英米文学科卒業
・George Brown College卒業(カナダ・トロント)
・カナダ現地のパティスリーにてパティシエとして働く
・現在はWebライターのほか、SNS運用やコンテンツクリエイターとして活動しています。
◇資格
IELTS General 6.0
◇留学経験
・ニュージーランド(2週間)
→高校留学でホームステイ体験
・カナダ(13年)
→ワーキングホリデー→カレッジ留学→現地就職→永住権取得
◇海外渡航経験
長期滞在:カナダ、韓国(3ヶ月)
旅行:ニュージーランド、オーストラリア、アメリカ、
イタリア、タイ、インドネシア、シンガポールなど
◇自己紹介
英語学習や留学に関する記事を書いているWebライターです。
幼少期から英語や海外に興味があり、子ども英会話教室に通ったり、ニュージーランドへ短期留学したり、大学は英米文学を専攻したりと英語に関わる人生を過ごしてきました。
現在はカナダ在住13年め、海外で子育て奮闘中です。
英語学習や海外生活に興味のある方に、役立つ情報をお届けできたらと思っています。どうぞよろしくお願いします!
◇経歴
現在はプライム上場企業で管理職を務める傍ら、Webライターとしても精力的に活動中。
2人の子どもの育児と仕事を両立しながら、英語を通して自分の世界を広げることを大切にしています。
◇留学経験
日本の高校を卒業後、1年間ハワイ・オアフ島へ留学。
◇海外渡航経験、渡航先での経験内容
(アメリカ・ハワイ・インドネシア・オーストラリア・台湾・タイなど)
ハワイ留学をきっかけに世界の文化に興味を持ち、3年近くバックパッカーとして単身放浪の旅に出発。
ハワイで出会ったサーフィンに魅了され、現在では毎年、家族とともに良い波を求めて世界各地へサーフトリップを楽しんでいます。
◇自己紹介
英語は勉強というよりも、世界の人と心を通わせるための意思疎通のツールとして日々学習中。
将来的には子どもと一緒に親子留学をすることを目標に、日々学びを重ねています。