
国際電話のかけ方は日本国内での電話のかけ方とは違うため、初めて海外に電話をかける時は戸惑うかもしれません。
しかし、国ごとに違う「国際電話コード」が分かれば、簡単に国際電話がかけられます。
今回は、国際電話のかけ方について詳しく解説していきます。
海外から日本への国際電話のかけ方、国際電話をかける時の注意点、無料で国際電話をかける方法なども紹介するので、ぜひ参考にしてください。
海外旅行や留学に出かける前に国際電話のことを知っておくと、いざという時に役立ちます。
- 国際電話をかける方法は複数ある
- 基本的な国際電話のかけ方
- 国際電話のかけ方の例
- 緊急時に便利!国際電話「コレクトコール」とは?
- 国際電話を格安でかけられる!国際コーリングカード
- 国際電話をかける時の注意点
- 無料で国際電話をする方法はあるのか?
- まとめ
国際電話をかける方法は複数ある
国際電話は、海底ケーブルや通信衛星などの通信網を利用して国外の相手と通話ができるシステムです。
国際電話は固定電話からだけでなく、スマホ・携帯電話からもかけることができます。
国際電話をかける方法として現在使われている方法は、以下の通りです。
まずは、日本から海外にかける国際電話の基本的な通話方法として、「国際ダイヤル通話」と「国際オペレータ通話」の2種類をご紹介します。
国際ダイヤル通話
国際ダイヤル通話は、国際電話をかける方法としては最も一般的な方法です。
固定電話や日本で契約している携帯電話から、国際電話識別番号(国際プレフィックス番号)または「+」のあとに国番号を入力し、続けて相手の電話番号を入力することで、国際電話がかけられます。
一般的に、国際電話の通話料金は国内の料金よりも割高で、電話会社の契約ごとに違います。
また料金が加算されるタイミングも、30秒ごとや1分ごとなど電話会社によって異なるので、自分が利用する電話会社の料金を確認することが必要です。
国際オペレータ通話
KDDIのオペレータが230以上の国と地域へ、国際電話をつないでくれる通話方法です。
日本の国際オペレータサービスはKDDIが提供しています。
全国どこからでも局番なしの「0051」にかけると、KDDIのオペレータにつながり国際電話をサポートしてくれます。
日本語オペレータが24時間対応しており、料金は国際ダイヤル通話よりも割高です。
なお、国際オペレータ通話は、携帯電話からは利用できません。
基本的な国際電話のかけ方
国際ダイヤル通話で国際電話をかける方法は、「国際プレフィックス番号」「国番号」「市外局番」「電話番号」の順番で入力するのが基本です。
ここからは、それぞれの番号について解説します。
国際プレフィックス番号
「国際プレフィックス番号」は、かけている電話が国際電話であることを示す番号で、一番最初に入力します。国際プレフィックス番号は、国によって異なります。
例えば、日本は「010」、アメリカやカナダは「011」、イギリスやフランスなどは「00」です。
国際プレフィックス番号は「+」で代用することもでき、携帯電話の場合は「0」を長押しすると「+」が表示されることが多いです。
便利なので「+」で代用する方法は覚えておきましょう。
ホテルや一部の固定電話から国際電話をかけるには、「+」ではなく国際プレフィックス番号を入力しなければいけないケースもあります。
国番号
国番号とは、特定の国や地域を識別するために使われる 1〜3 桁の数字で、国や地域ごとに異なります。主な国の国番号は以下の通りです。
| 国名 | 国番号 |
| 日本 | 81 |
| アメリカ、カナダ | 1 |
| フランス | 33 |
| イギリス | 44 |
| ドイツ | 49 |
| 韓国 | 82 |
| 中国 | 86 |
国番号は世界共通で、どの国から国際番号をかけても同じ番号が使われています。
市外局番
市外局番は電話が発信される地域を特定するための番号です。
日本の市外局番は0から始まり、1~3桁の数字が続きます。国際電話をかける際に、市外局番の最初の「0」は省いて入力します。
市外局番が東京23区の「03」の場合、先頭の0を省いて「3」となります。
千葉市の市外局番「043」の場合は「43」、東京武蔵野市の「0422」の場合は「422」を入力します。
携帯電話番号にかける場合も同様に最初の「0」は省くため、「090」は「90」、「080」は「80」と入力します。
電話番号
最後に相手の電話番号を入力します。電話番号は通常通り、そのまま入力できます。
国際電話のかけ方の例
国際電話の基本的なかけ方の仕組みが分かったところで、日本から外国へ、外国から日本への国際電話のかけ方を詳しく解説します。
日本から外国への国際電話のかけ方
日本の国際プレフィックス番号は「010」なので、国際電話をかける時はまず「010」を入力します。
続いて相手の国番号を入力し、市外局番、電話番号と入力していきます。
基本的にこの方法を使って、世界中どの国へも国際電話がかけられます。
外国から日本への国際電話のかけ方
外国から日本へ国際電話をかける場合、滞在している国や地域によって国際プレフィックス番号が異なります。
アメリカやカナダでは「011」、イギリスやフランスは「00」、韓国は「001」か「002」です。渡航前に国際プレフィックス番号を調べておくと安心です。
国際プレフィックス番号を入力した後は、国番号を入力します。
日本の国番号は「81」で、これは世界共通の番号で、世界のどの国からかけても「81」が利用できます。
その後、最初の「0」を省いた市外局番、相手の電話番号と入力します。
緊急時に便利!国際電話「コレクトコール」とは?
コレクトコールは、電話を受けた側が通話料金を支払うサービスです。
通常、電話の通話料金は発信者が支払いますが、コレクトコールでは着信者が支払うことになります。
コレクトコールをかけると、相手にコレクトコールであることが自動音声で伝えられ、料金の支払いを承諾すれば、電話がつながる仕組みになっています。
海外からもコレクトコールがかけられる
コレクトコールは主に国内で使われているサービスですが、海外から日本への国際電話にも利用できます。
緊急で海外から日本に電話をしたい時など、相手が料金の支払いを承諾してくれるならばコレクトコールは便利な方法です。
例えば、海外旅行中に財布も携帯も盗まれてしまいクレジットカード会社に連絡する時や、病気や怪我をして病院から日本の家族へ連絡を取りたい時など、緊急事態で他の方法で国際電話がかけられない時に便利です。
海外から日本へのコレクトコールのかけ方
海外から日本へのコレクトコールをかける方法には、以下の2つの方法があります。
それぞれのかけ方について、ご紹介します。
1. KDDIジャパンダイレクトを通したコレクトコールのかけ方
KDDIジャパンダイレクトのコレクトコールは、KDDIの日本語オペレータを通して日本国内の相手へ国際電話をつなげてもらいます。
かけ方は、地域ごとのアクセス番号(KDDIジャパンダイレクト番号)にかけて、KDDIのオペレータに日本の相手先の電話番号と名前を伝えるだけです。
地域ごとのアクセス番号(KDDIジャパンダイレクト番号)については、公式サイトをご確認ください。
料金は、一般の国際通話と比べると、オペレータ対応があるため割高になりますが、コレクトコール料金は着信者側に請求されます。
なお、日本から海外への国際電話には利用できません。
2. 現地オペレータを通したコレクトコールのかけ方
海外で現地のオペレータを呼び出すためのコレクトコール番号は、国によって異なります。
主な国のオペレータの呼び出し番号は、以下の通りです。
| 国名 | 国番号 |
| アメリカ(ハワイを含む) | 0 |
| イギリス | 155 |
| 台湾 | 100 |
| タイ | 100 |
| オーストラリア | 0101 |
| 韓国 | 007 |
オペレータにつながったら、「日本にコレクトコールをかけたいこと」や「日本の相手先の電話番号」などを英語で伝えます。
オペレータの呼び出し番号は、電話機やホテルによって異なる場合もあるため、ホテル客室の電話やDirectoryに記載されている番号を確認してください。
国際電話を格安でかけられる!国際コーリングカード
プリペイド式の国際コーリングカードは、海外から日本への国際電話も、日本から海外への国際電話もかけられる便利なカードです。
国際通ダイヤル通話やコレクトコールに比べると料金が格安で、現地で契約した携帯電話、ホームステイ先の固定電話、公衆電話などさまざまな電話から利用ができるのが魅力です。
国際コーリングカードは、空港や現地のコンビニなどで購入することができます。
カードの値段は、$5、$10、$20などがあり、通話できる時間によって金額も異なります。
国際コーリングカードの使い方は以下の通りです。
国際電話をかける時の注意点
国際電話はかけ方によっては料金が高額なので、国内通話やスマホのメッセージアプリと同じ感覚で国際電話を利用していると、後日莫大な料金が請求されてしまうこともあります。
また、日本と海外では時差があるため、国際電話をかける時は相手の現地時間を考慮する必要もあります。
ここでは、国際電話をかける時の注意点について解説します。
国際電話の通話料の確認
国際電話の通話料金は国内通話に比べると高額な上に、契約しているサービス、かける国や地域、時間帯によって異なります。
例として、NTTドコモの国際電話サービスとNTTひかり電話の国際通話料金を比較してみましょう。
NTTドコモの国際電話サービス
アメリカ本土へ平日の昼間に電話をかける場合、30秒ごとの通信・通話料金は34円です。
同じサービスで同じ時間帯にイギリスにかける場合は108円、インドは148円と、国によって料金が違います。
また、土日祝や平日夜間に電話を掛ける場合は、アメリカ本土は31円、イギリスは78円、インドは98円と、料金が割引されます。
NTTひかり電話の国際通話サービス
アメリカ本土への国際通話料金は1分9円、イギリスは1分20円、インドは80円です。
休日にアメリカ本土に国際電話をかけて20分通話した場合の料金は、NTTひかり電話の国際通話サービスなら180円ですが、NTTドコモの国際電話サービスでは1,240円になります。
平日の昼間にインドへ国際電話をかけて20分通話した場合、NTTひかり電話の国際通話サービスでは1,600円ですが、NTTドコモの国際電話サービスでは5,920円になります。
同じ20分の国際電話でも利用する電話会社、国や地域、時間帯によって料金が変わるため、事前にご利用の電話会社の公式サイトで通話料金を調べておくことをおすすめします。
海外滞在中の着信料
海外から日本国内の携帯電話や固定電話に国際電話がかかってきた場合、コレクトコール以外では着信側には通話料金はかかりません。
しかし、海外滞在中に日本で契約しているスマホに電話がかかってきた場合、電話を受けることで「着信料」が発生します。
着信料は滞在国や携帯電話会社によって異なりますが、一般的に1分間あたり70円~180円程度発生するため注意が必要です。
国際電話をかける場合と同じように、渡航前に着信料についても確認しておくと安心です。
時差とサマータイムに注意
国際電話をかける場合、相手の現地時間を考慮する必要があります。
時差を考慮せずに国際電話をかけてしまうと、現地の深夜に電話をかけて相手の睡眠を妨害してしまったり、オフィス時間や営業時間を逃して電話が通じなかったりすることがあります。
また、アメリカ、ヨーロッパ、南半球の国ではサマータイムを導入している国や地域があります。
サマータイムとは、夏の間は時計の針を1時間進めて日中の活動時間を伸ばす制度で、実施期間は国や地域によって異なります。
サマータイム実施期間は、日本との時差が1時間ずれるため注意しましょう。
現地時間を簡単に調べられるWebサイトやスマホアプリなどもあるので、国際電話をかける前に確認することを習慣づけましょう。
無料で国際電話をする方法はあるのか?
国際電話は通話料金が高いため、無料で国際電話をする方法はあるのか気になる方も多いはず。
「完全に無料」ではありませんが、Wi-Fi環境下であれば通話料をかけずに国際通話ができる方法があります。
それが、Skype、WhatsApp、Zoom、LINEといった通話アプリの利用です。
通話アプリを利用すれば、Wi-Fiに接続されていれば、同じアプリを利用している相手と無料で音声通話やビデオ通話を行うことができます。
海外滞在中はホテルや寮などWi-Fiに接続できる場所から通話アプリを使えば、通話料金を気にせずに長時間の音声通話やビデオ通話が可能です。
また、日本で契約しているスマホで海外のデータパッケージを購入したり、現地のポケットWi-Fiを購入したりすれば、外出中も通話アプリを使うことができます。
通話アプリを利用すれば、利用料金を気にしないで済むので、家族や友達と長く話したい場合にいいですね。
ここからは、国際通話におすすめの通話アプリをいくつかご紹介します。
LINE
LINEはLINEヤフー株式会社が運営・開発するコミュニケーションアプリで、無料でメッセージや通話ができます。
日本、台湾、タイ、インドネシアで高いシェアを誇っていますが、その他の国では利用者が少ないアプリです。
LINEのユーザー同士であれば、Wi-Fiが利用できる環境で無料でテキストや通話することができます。
ただし中国、北朝鮮、イラン、ロシア、アラブ首長国連邦など一部の国では、LINEの使用やLINEを使った通話機能が制限されている場合もあるので、注意が必要です。
LINEがアジア中心のアプリなのに対し、欧米でユーザーが多いコミュニケーションアプリが「WhatsApp」です。
Meta社(旧Facebook)が提供する無料のメッセージングアプリで、テキストメッセージだけでなく、音声通話、ビデオ通話、グループチャットが利用できます。
2024年時点で、アジア・アメリカ・ヨーロッパ・オセアニア・アフリカなど世界中で180カ国20億人以上のユーザーがいるそうです。
LINEと同じく、相手も「WhatsApp」を使用していてWi-Fi環境下なら、「WhatsApp」を使って無料で音声通話やビデオ通話が可能です。
楽天モバイル利用者ならRakuten Linkアプリがおトク!
Rakuten Linkアプリは楽天モバイルの契約者向けに提供されている、無料通話やメッセージ機能を持つコミュニケーションアプリです。
Rakuten Linkのユーザー同士の音声通話はもちろん、日本の固定電話や他社の携帯電話へ電話をかける時も通話になるのが特徴です。
「国際電話かけ放題」オプション
Rakuten Linkでは「国際電話かけ放題」というオプションを提供しており、日本から海外の通話、海外から日本への通話が月額980円でかけ放題となります。
このオプションに含まれているのは海外65の国と地域で、アメリカ・カナダ・イギリス・フランス・ドイツ・オーストラリア・韓国・中国・フィリピンなど、日本人が渡航することの多い国や地域が含まれています。
「国際電話かけ放題」の対象国と地域からであれば、相手が「国際電話かけ放題」への加入しているかどうかは問われず、「Rakuten Linkアプリ」を使って電話をすれば、固定電話や携帯電話への通話も無料になります。
渡航先が対象国・地域に含まれるかどうかは事前にチェックしておきましょう。
まとめ
海外旅行や留学で海外に滞在している時に日本の家族に連絡を取る時、渡航前に現地の学校や寮などに連絡を取らなければいけない時など、国際電話をかける時に戸惑ってしまう人も多いでしょう。
国際プレフィックス番号や国番号など、国内で電話をかけるよりも手順が複雑で、高額な通話料金も気になります。
緊急時に数分国際電話をかける程度なら、通話料金をそれほど心配する必要はありませんが、海外滞在中に日本に住む家族や友人とたくさん話をしたい方や、仕事で海外の人と電話でやり取りすることが多い方などは、LINEやWhatsAppといった無料のコミュニケーションアプリや、楽天モバイルのRakuten Linkなどを利用するのがおすすめです。
ご自身の利用状況や渡航先のWi-Fi環境も考慮して、最適な方法を選んでみてください。
◇経歴
高校では、英語クラスに在籍。
大学では、英米文学を専攻。
営業事務として、メールや電話で英語を使いながら仕事をしていた経験があります。
◇資格
TOEIC 855点
◇留学経験
カナダで1年間の語学留学をしていました。
◇海外渡航経験
カナダ、アメリカ、メキシコ、台湾、韓国、タイ、カンボジアなど。
旅行・仕事・留学で、渡航した国々です。
◇自己紹介
学生時代から、なにかと英語に触れてきました。
子どもが産まれてからは、わが子に「おうち英語」をゆるーく続けています。
今は、子どもが英語を学んでいくプロセスに興味があり、フォニックスの教え方を勉強しています。
言語・文化・食事などを通して、その国の空気感を感じられる海外旅行が大好きです。
子どもと一緒に海外のさまざまな場所に旅行をすべく、計画中です。