「洋書を読む」ということを、英語学習の1つのゴールにしている人は多いですね。
英語は、世界でもっとも会話で使用されている言語です。
したがって、印刷物も英語で書かれることが多く、また、英語で書かれていない書物も、まず英語に翻訳されます。
もし英語で本を読むことができて、英語の世界で自由に情報を得ることができれば、新たな知識や思考が手に入り、世の中の見え方が大きく変わることでしょう。
しかし、洋書を読むことはそう簡単なことではありません。
多くの英語学習者が挑み、挫折しています。もしかしたら、この記事を読んでいるあなたも、その1人かもしれませんね。
洋書を読み切るにはいくつかのコツ、もしくは「直さなければいけない癖」が存在します。
それらを知っていないと、ほとんどの人が数ページで読むことをあきらめてしまうでしょう。
今回の記事では、これから洋書に挑戦する人や、過去に挑戦したけれどあきらめてしまった学習者に向けた、「英語本の読み方」をご紹介します。
おすすめの英語本もあわせてご紹介しますので、ぜひブックマークして読み返せるようにしておいてください。
英語本の読み方
当然ですが、日本語の本と同じように英語の本を読み進めようと思っても、うまくはいきません。
英語力と日本語力を比べたら、当然英語力の方が圧倒的に劣っていますからね。
そのような母国語と第二言語の差をカバーするにはどうすればいいのでしょうか?
以下のポイントを押さえて、洋書を読み進めてみてください。
自分に合った本を選ぶ
まずは、「自分に合った本を選ぶ」ということです。
自分の好み、知識、目的、英語レベルなど、自分の状況をしっかりと認識し、それに適した本を手に取りましょう。
流行りのものや、ランダムにおすすめされているものなどを不用意に手に取るのは危険です。
自分が好きなジャンル
説明するまでもありませんが、普通の人は自分が好きなものには興味を持って取り組むことができます。
にもかかわらず、勉強のこととなると「アカデミックなジャンルを選ばなきゃ」「誰かに認めてもらえる内容の本を読まなきゃ」という思考に陥ってしまいます。
意外に思う人もいるかもしれませんが、勉強は「苦しい経験」よりも「楽しい経験」の方が身になりやすいです。
ファンタジーが好きなら、ファンタジーの小説を読めばいいし、料理が好きなら料理本を読めばいいのです。
そうして「英語で本を読む」という行為に慣れてきたら、別のジャンルをすこしずつ冒険すればいいでしょう。
仕事などに役立つジャンル
仕事や趣味に役に立つジャンルを選ぶのも、挫折を防ぐのに有効です。
何かの行動を継続するには、動機付けモチベーションはいくつも用意しておいた方がいいです。
「英語力を鍛えるため」「純粋に英語を楽しむため」という動機も素晴らしいのですが、それだけだと忙しさや疲労、ストレスなどが大きくなってきたときに耐え切れない可能性があります。
そんな時に「仕事に役立つ」という動機があれば、「今夜は疲れているけど、今1ページでも読み進めれば、昇進が近づくかも」といったことから、行動を起こしやすくなるでしょう。
自分の英語レベルに合った本
好きなジャンルでも、仕事に役立つ内容でも、自分のレベルに見合っていない本を選んでしまうと、挫折につながります。
洋書を読むときに大事なのは「テンポ感」です。リズムよく、読み進めることができなければ、ストレスになり本を手にとる頻度が少なくなってしまいます。
基本的には、自分の英語力よりも低めのレベルの本を選ぶようにしましょう。
最初は、ネイティブスピーカーの小学校低学年が読むような本でも全くかまいません。まずは「読み切る」ということを優先してください。
自分がもともと詳しいジャンル
「自分が好きなジャンル」と似ていますが、「自分がもともと詳しいジャンル」もおすすめです。
英語でなくても、日本語で日ごろから慣れ親しんでいるジャンルであれば、英語になっても大筋をつかむことができ、ストレスを軽減させることができます。
野球部に所属していた経験が長いのであれば、野球選手の自叙伝などは読みやすいでしょうし、エンジニアとして働いている人であれば、エンジニアが主人公の物語の小説などは理解がしやすいかもしれません。
和訳をしない
まじめなで本気な人ほど、和訳をしてしまいます。
「和訳しなきゃ」という義務感から日本語に変換してしまう人や、無意識に日本語訳が口から出てきてしまう人が多いです。
しかし和訳は、挫折の大きな要因となります。
学校の英語学習の習慣は忘れる
学校の英語教育は、和訳を通して文の意味、文構造、文法などを学びます。
確かに文の理解という点では、和訳は有効な勉強法です。実際に翻訳家は英語のエキスパートの中でも文法力に秀でている人が多いです。
しかしだからと言って、目に入る文章すべてを和訳する必要はありません。
和訳はあくまで、「学習の1つのメソッド」です。ディクテーションや多読、シャドーイングなどと同じ、要所で使う技ととらえてください。
特に「文構造・文法の理解」において和訳は有効です。
和訳は「最終手段」
洋書を読む際は、パラグラフ全体の理解に差し支えない程度に文章の意味を理解できるのであれば、そのまま読み進めます。だいたい70%くらい理解できればいいでしょう。
その70%も理解ができずに、そのあとに続く文章の理解に支障がでるときの最終手段として和訳を行います。
なんとなくでもいいので、自分なりの目安を決めておくといいですね。
和訳せずに読めると楽しい
和訳をしないように努めながら本を読み進めていくと、あることに気が付くはずです。
それは、「楽しい」ということ。
学校の授業とも、TOEICなどの試験とも違う環境で、自分のペースで物語を読み進め行くのは、とても楽しいことです。
普通の読書と同じですね。
洋書を読むという行為を下手に勉強に昇華しようとせずに、楽しみな時間にすることで、結果的に効率よく英語力を上げることができるでしょう。
一語一句読まない
こちらも勉強熱心な学習者に多いのですが、文章の隅々まで読んで、すべて理解しようとしてしまうのです。
日本語なら大丈夫なのですが、英語となるとこれは大きなストレスとなります。
すべて理解しようとしなくてもいいのです。
優先すべきは「読み切ること」
「完璧に読むこと」よりも、「ざっくりでも全部読み切ること」を優先してください。
特に物語のある小説などでは、最後まで読んでやっと全体像が理解できる、というたぐいのものが少なくありません。
多くの本を100%楽しむのに必要なのは、「完璧な理解」よりも「全体的な理解」なのです。
また1冊まるまる読み切ることで、「1冊洋書を読み切った」という自信につながり、次の本を手に取りやすくなります。
本は変わらずにいつでもそこにあります。しっかり理解したいと思ったときにまた改めて読めばいいので、とりあえず全部読み切ることを優先しましょう。
だいたいの筋がわかればそのまま読み進める
1冊を読み切るのに大切な心構えは「だいたい理解できればそのまま読み進める」ということです。
前述しましたが、そのパラグラフを理解するのに問題ない程度理解できれば、そのまま次の文章に進んでしまって問題ありません。
「ここを理解しておかなきゃあとでわからなくなるかも」という考えを持ってしまう人もいますが、たいてい取り越し苦労です。
一生懸命理解した難しい文章が、そのあとの文章や問題にあまり関係なかった、ということが長文読解の問題でもよくあります。
理解しなければいけない文章だったら、その時に読み返せばいいだけなので、だいたい理解できればどんどん次の文章に進んでいきましょう。
あとでまとめて精読する
とはいえ、1つ1つの文章をしっかり読み込むことは、まったく悪いことではありません。ただ義務ではない、というだけです。
しっかり読み込みたいのであれば、「まとめて精読する」という方法をおすすめします。
1パラグラフもしくは1ページ読み終わったら、わからなかった文章を、辞書を使って精読をするという形ですね。
そのときに、軽く和訳をしてみてもいいでしょう。
そうすることで、モヤモヤすることなく読み進めることができます。
おすすめの英語本①
おすすめ英語本1:はらぺこあおむし
「はらぺこあおむし」は、日本でも人気の子供向け絵本です。
はじめは小さなあおむしが、冒険を経て成長していき、最後は美しい蝶になる、というストーリーです。
「え、これって子供向けの本でしょ?」と思われるかもしれませんが、ネイティブスピーカーの子供に向けて書かれた絵本の英語レベルは意外と高いです。
洋書初心者にはピッタリでしょう。
おすすめの英語本②
おすすめ英語本2:ハリーポッターシリーズ
映画化されて世界的なヒットとなったハリーポッターシリーズは、原作である小説も世界中で読まれています。
難しそう、と思われるかもしれませんが、使われている語彙や文法は意外とシンプルです。
それが世界中で読まれているゆえんなのかもしれませんね。
映画を見てだいたいのストーリーを知っている人は、サクサク読み進められるのでおすすめです。
おすすめの英語本③
おすすめの英語本3:Who Moved My Cheese
Who Moved My Cheeseは、世界的ベストセラーとなった自己啓発本です。
急激な変化の中でどう生きるか、ということが絵本のようなテイストで描かれています。
自己啓発本にしては読みやすく、どの職種の人にも通じる内容になっているので、モチベーションを維持しながら読み切ることができるはずです。
おすすめの英語本④
おすすめ英語本4:A Street Cat Named Bob
A Street Cat Named Bobは「ボブという名のストリートキャット」という邦題で日本語訳もされ、映画化もされている本です。
売れずに路上生活を強いられているミュージシャンのジェームズと、野良猫のボブが繰り広げる、ノンフィクションのストーリーです。
著者はこの物語に登場するジェームズ本人で、プロの作家ではありません。
だからこそ、凝った表現や、作家にしか使いこなせないような難しいボキャブラリーなどが少なく、洋書初心者にも読みやすい文章になっています。

◇経歴
・アメリカ、オクラホマ州の四年制大学を卒業
・英語学習に関するブログを中心に、英語ライター・翻訳家として活動(現在)
◇資格
・TOEFL503点(大学入学時)
・Bachelor of Arts(文学士号)
◇留学経験
渡航先:アメリカ、オクラホマ州タレクア
留学期間:2012〜2017(5年)
学校名:Northeastern States University
◇海外渡航経験
・高校卒業後に、アメリカのオクラホマ州にあるNortheastern州立大学へ5年間の正規留学を経験
◇自己紹介
高校時代にアメリカの音楽文化に興味を持ち、アメリカへの大学留学を決意したことが、英語学習を本格的に始めることになったきっかけです。渡米後に3ヶ月の語学研修とTOEFL試験をクリアし、正規入学を果たしました。音楽学部にてJazz Studiesを専攻し、複数のバンドでギタリスト・ベーシストとして活動したことは一生の財産です。言葉はその人の価値観を定義付け、語学の習得は世界の見え方を変えます。自分が今も現在進行形で経験している、言語の魅力を発信するために、日々、英語・語学に関する情報発信をしています。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.