韓国語学習での悩み事10個の原因と解決策(前編)

韓国語学習, 悩み, ネイティブキャンプ

 

韓国ドラマやK-POPなどの韓国エンタメが相変わらず人気の日本では、韓国語学習者も増加しています。
また、韓国は日本から最も近い外国で旅行しやすい国であることから、韓国旅行がきっかけで韓国語に興味を持ち学び始めた学習者もいると思います。

韓国語は日本語と似ている言語で理解がしやすく、英語に比べると習得難易度がかなり低いと言えます。
とは言え、それは韓国語が簡単であるという意味ではありません。

実際、ある調査によると、韓国語学習者のうち習得に成功できていない学習者の割合は60%~70%とのデータがあります。
このことから、韓国語習得は決して簡単ではないことが分かります。

何を以て韓国語などの言語を習得したと言えるか、どの程度の韓国語能力を目標にするかは明確にひとつだけ指標があるわけではなく、個々に違います。
ですが、多くの学習者から聞くのは、日常会話ができるようになりたい、歌詞やドラマを字幕なしで理解できるようになりたい、といったものです。

ですが、これらのレベルに達している学習者はほとんどいないのが実態で、多くの韓国語学習者は何らかの悩みを抱え学習しています。

今回と次回の記事では、よくある韓国語学習での悩みごとを前半と後半で5つずつにわけて、合計10個取り上げます。
そして、それぞれについての解決策を、私自身が3か国語の習得に成功、韓国語の指導をして来た経験を基に書きます。

 

 

よくある韓国語学習での悩みごと5つと解決策(前編)

ここからは、よくある韓国語学習での悩みごと5つを取り上げ、それぞれの解決策を書きます。

各悩みに共通して言えることは、学習に対する根本的な考え方が間違っているために、その考えをもとにした学習法も間違っている点です。
そのために、思うような成果が出ずに悩むことになるということです。

1.単語を覚えられない

単語を覚えられない悩みは誰もが持つ代表的な悩みです。その根本的な理由は2つあります。

1つ目の理由は、一回で覚えようとしているためです。具体的には、覚えようと勉強しているその時だけで覚えようとすることです。
また、それに関連して毎日〇個ずつ覚えるといった覚え方をすることも挙げられます。

単語など覚えるものは、一回で覚えられることはまずありません。その時に覚えたと思っても、個人差はありますが、20分経てば42%しか覚えてない、翌日には70%は忘れています。
そのため、記憶に定着させるためには、何度も繰り返すことで接触頻度を増やすことしなければなりません。

2つ目の理由は、単なる知識としての暗記をしているためです。
単語は、とにかく暗記しようと思ってもなかなかできません。学校英語の単語テストのように意味と綴りだけひたすら覚えるような覚え方では使える単語力も身に付きません。

語学習得での単語を覚えることは、知識として意味や綴りを覚えることが目的ではありません。それらは、まず第一段階としてすべきことで、それを使えるようになることが本来の目的です。

単語を覚えるには、その単語が実際にどう使われているのかが分かるようにフレーズの中で覚えたり、韓国語の場合は、自分でその単語を使って活用練習をしながら簡単な文を作るなどの方法で関連付けて覚える方が記憶に残ります。

2.会話がスムーズにできない

会話に関する悩みの根本的な原因は3つあります。

1つ目は、勉強不足により知識が足りていないためです。
会話は、挨拶や決まった言い方をするもの以外は自分で文を作れなければなりません。文を作るには、まずは単語や文法をしっかり学び、それらを自分で使えるようになる必要があります。

2つ目は、話す練習が足りないためです。
既に触れた通り、会話はまず作文力が必要になりますが、それが口から出てくるようになるためには話す練習をしなければなりません。

会話を韓国語スクールやオンラインレッスンでしている人もいるかもしれませんが、その時間だけの練習では全く練習量が足りていません。例えるならば、スポーツでコーチや監督の前でする練習だけでは、練習量が足りないことと同じです。スポーツでも外国語習得でも、自主練習をこなさなければできるようにならないのは同じです。

3つ目は、自分のことについてうまく話せないためです。
言い換えると、自分のことについて話す内容がない、聞かれたことに対して臨機応変に答えられない、といったことです。

例えば、「休みの日は何をしていますか」と日本語で質問されたとしてもすぐに答えられない、本当は「彼とデートしました」だけど、話したくないから無難に「友達と出かけました」と咄嗟に答えられないといったことです。

韓国語をうまく話せない人は、その原因が自分の韓国語能力の問題だと考えがちです。
確かに、韓国語能力の問題もありますが、韓国語を話す以前にベースとなる日本語でうまく話せない、自分が話すことがなければ韓国語で話せないのは当然です。

3.読むスピードが遅い

韓国語の文を読むスピードが遅い原因は次の2つです。

1つ目は、文字に慣れていないため文字認識に時間がかかるためです。
韓国語の文字であるハングルは慣れてしまえば早く読むことができますが、初心者や初級者であれば、まだ慣れていないためどうしても時間がかかります。

初めの段階から少し大変でもカタカナで発音が書いてある教材を使ったり、自分で書かずに、ハングルだけを見て読めるようになる練習をすることです。

2つ目は、ハングルに慣れた中級者以降で読むスピードが遅い場合、考えられる原因は知識不足と音読練習不足です。
知識不足で単語や文法知識がないと、知らない単語や文法を見た時にそこで考えてしまうため認識に時間がかかります。

また、テキストを使い文字を見ながら音読練習をしっかりして、ある程度のスピードで読めるようになっていれば読むスピードもそのスピードでできるはずです。

4.発音がうまくできない

まず初めに発音に関しては、大人になって学習を始めた場合韓国人と同じネイティブレベルにはならないということを認識すべきです。日本人は何語でも発音を過剰に気にする傾向があります。

ですが、発音はうまくなることよりも、通じる発音ができるようになっているかの方が重要です。
つまり、韓国人のような正確な発音を目指すのではなく、通じる発音を目指すことが現実的だということです。

韓国語能力は発音のうまさだけで判断されるものではありません。
読解力、聴解力、作文力、会話をスムーズにできるコミュニケーション力など他の要素も含めた総合的な能力です。
発音に関しては、文法など規則通りにすれば誰でも一定水準までできるようになるものとは違い、個人差が大きく身に付けることが難しいスキルです。

発音規則を学ぶことは有効ですが、それをどれだけ知っていても知識で発音がうまくなるわけではありません。
結局のところ、何度も音を聞いて真似してできるだけ近づけるように練習をする、韓国人からフィードバックを受けながら改善していくという方法でしていくしかないです。

5.聞き取りが苦手

聞き取りが苦手という学習者もとても多いですが、聞き取りができない場合、根本的な原因は知識不足と練習不足、そして練習法が正しくないためです。
まず、聞き取りができるようになるには、聞き取る単語や文法を知っていなければ聞き取ることはできません。

その理由は、自分が知らない、音として認識できないものはいくら聞いても脳は認識してくれないためです。
単語や文法を学んで、知識習得ができている段階で聞き取りができない場合、音読練習が足りていないことが原因です。

これは、練習法が正しくないというということにも繋がります。聞き取りができるようになるには、とにかく聞いていれば良い、聞く量を増やせば良いと思っている学習者が少なからずいると思います。
ですが、聞き取りができるようになるには、自分のレベルに合ったレベルの文でまず音読練習し、自分で音を認識できるようになることが必要です。

初めはゆっくりと丁寧に発音しながら読むスピードも上げていき、スムーズに読めるようになれば、それを聞いても理解ができるようになります。やりがちな間違った練習法は、聞き流す、好きなドラマを見る、音楽を聴くというものです。

韓国ドラマや歌詞を理解するには、少なくとも中級レベルの単語や文法を知っている必要があります。
既にそのレベルを学習済で、6~7割程度理解ができるのであれば良いです。
ですが、とにかく聞けば良いと、初心者や初級者が理解できないものを聞き続けても聞き取りはできるようにはなりません。

第二言語習得理論では、現状のレベルより少し難しいものを学習することが効果的だと言われています。
少し難しいレベルとは、今すぐにはできないけど少し練習をすればできそうだ、というレベルのことです。
この理論は、韓国語習得でも聞き取り練習に限らず、すべての学習にも当てはまります。

また、教材などの聞き取りはできるのに、実際の会話が聞き取れないという悩みもあります。教材の聞き取り音声は、学習用であるため聞き取りやすいです。
ですが、実際の会話では聞き取りやすさには個人差があります。教材の音声のようにはっきりした発音や聞き取りやすい速度で話してくれるわけではないため、聞き取りが少し難しいです。

この場合、教材ではない生の音声に慣れる練習をすると良いです。
例えば、言語交換アプリや会話レッスン、YouTubeなどで一般の韓国人が話している音に耳を慣れさせるようにすると段々聞き取りができるようになっていきます。

まとめ

今回の記事では、よくある韓国語学習での悩みごと10選のうち、前半として5つの悩みと解決策を書いてきました。今回の記事で取り上げた悩みは、学習者であれば誰もが持っていると思われるよくある悩みです。
次回の記事でも、よくある悩みの後半5つを取り上げます。

 

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