今回ご紹介するのは、「insane」の英語表現。ドラマや映画を見ていると、“That’s insane!” というフレーズを耳にすることがあるのではないでしょうか。
Insaneは、「正気とは思えない」「常軌を逸している」などの意味を持つ単語で、特に若者の間で口語的に用いられます。ネガティブな文脈で使う言葉のように思われますが、日本語の「ヤバい」がポジティブな意味合いでも使われるように、英語でも褒め言葉として用いられることがあります。
類似表現や例文を交えて解説します。
insane
Insaneは、「正気とは思えない」「常軌を逸した」などを表す英単語。ネイティブの間では、「ヤバい!」「正気なの?」といったニュアンスで口語的に使われることが多く、特に若者の間でスラングとして定着しています。
似たような単語に「crazy(クレイジー)」があります。Crazyはinsaneに置き換えることができますが、insaneのほうがより強い感情を言い表します。凄さの度合いが異なると考えれば良いでしょう。
意味
Insaneの語源はラテン語の「insanus(狂った、正気でない)」で、「sanus(正気の)」とそれを否定する接頭語「in-」から成り立っています。病気などで精神が荒廃している状態のことを指します。
名詞形は「insanity(インサニティ)」で、精神異常や心神喪失、狂気、愚行などを意味します。
接頭語のinを取ると「sanity」となり、「(精神・考え方・判断などの健全さ、正気」を意味します。同じ語源を持つ「Sanitary(サニタリー)」は、「衛生の、公衆衛生の」などの意味を持ちます。
彼はすっかり正気を失ってしまった
「get (completely) insane」で、「(すっかり)正気を失う」という意味になりますcompletelyは、totally、absolutely、perfectly、entirelyなどに置き換えられます。
君のせいでおかしくなりそうだ
「Drive someone insane」で、「人を混乱させる」という意味になります。相手の言動にイライラさせられて心底うんざりしたときなどに使います。
彼のアイディアは常軌を逸している
薬をもらうだけで2時間も待たされちゃったよ
そりゃたまらないね
彼女の料理への執着は狂気じみている
使い方
Insaneは、字義通り「気が狂った」というネガティブな意味合いで使うこともあれば、反対に賞賛の意味を込めて使うこともあります。Amazing、beautiful、great、などの言葉をinsaneに置き換えることができます。
例えば、以下のような場合です。
↓
The view from this window is insane!
この窓からの眺めは最高だ!
↓
His performance is insane.
彼のパフォーマンスは常軌を逸しているね
ネイティブの会話を聞いていると、よく「That’s insane!」などと耳にするのではないでしょうか。日本語でも、信じられないような出来事を目撃したときや、並外れたパフォーマンスを見たとき、すごく美味しいものを食べたときなど、思わず「ヤバい!」と口走ってしまうことがありますね。
英語のinsaneも日本語の「ヤバい」と同様に、言語化が難しい感情をまとめて言い表しているようなイメージです。
あのゲームの新作はもうプレイした? ヤバかったよ!
ここヤバいな! こんな場所を貸し切りできるの?
昨日の試合はやばかったね。歴史的な瞬間だったよ
類似表現
Insaneの類似表現として、下記の単語をご紹介します。
・mad
・sick
・dead
・kill
・weird
crazy
Crazy(クレイジー)はカタカナでもよく使う言葉ですね。Insaneと同様に「正気じゃない」「頭がおかしい」という意味を持ち、感情が乱れている状態を指します。使い方もinsaneと同じですが、insaneよりは軽い意味合いです。
どうかしてるんじゃない?
彼はちょっと狂ってるよね
他に、「〜に熱中している」という意味でも使えます。我を忘れて没頭するようなニュアンスです。
彼は車に夢中だ
「Crazy about each other」で「お互いに夢中である」という意味のスラングになります。
彼らはラブラブだね
「Like crazy」で、「狂ったように」という意味になります。
実技試験のために、彼女は狂ったように練習をした
また、insaneと同様に、「最高」「ヤバい」といった褒め言葉としても使えます。
A: 今回のテスト、1番を取ったよ!
That’s crazy. Conglatulations!
B: すごいね! おめでとう!
mad
Madは「怒っている」という意味を持ち、insaneやcrazyと同様に狂気じみている状態を指します。相手への攻撃性を含むこともあります。
今日はめちゃくちゃ暑い
She is mad about collecting first editions.
彼女は初版本の収集に狂っている
ルイス・キャロルの児童文学『不思議の国のアリス』に登場するマッド・ハッターは、日本語では“いかれ帽子屋”と訳されていますね。「帽子屋のように頭がどうかしている」という意味で「mad as a hatter」という慣用表現がありますが、由来は『不思議の国のアリス』以前まで遡ります。一説によると、19世紀のイギリスでは帽子を作る過程で水銀が用いられており、帽子製造者がしばし水銀中毒になったことに由来するそう。
常軌を逸した科学者を「マッド・サイエンティスト」などとも表現しますね。
sick
Sickは「病気の、体調の悪い、風邪」などの意味を持ちます。スラングでは「最高」「すごい」「かっこいい」など、ポジティブな意味で使うこともあります。Beautiful、amazing、awsomeなどの単語とも置き換えられます。文脈やトーンで判断するようにしましょう。
これすごく美味いよ! 君も食べてみなよ
I really like your style today! It's so sick!
君の今日のスタイル好きだよ。すごくいいね
dead
Deadは「死んだ」という意味を持ちます。何かを強調するときに「死ぬほど」という意味で用いることがあります。「Dead serious(死ぬほど本気)」は会話のなかでもよく使われる表現です。副詞を用いて「deadly insane」と表現することもあります。
日本語にも「真面目、真剣、本気」などから来た「マジで」というスラングがありますね。
A: ダンスオーディションに挑戦する? 本気で言ってるの?
B: I’m dead serious!
B: 本気だよ!
A: They were dead serious about that plan.
彼らはその計画について極めて真剣だった
kill
Killというと「殺す」という意味を思い浮かべるかもしれません。killにはほかにもさまざまな意味合いがあり、そのひとつがポジティブな表現である「上手くやってのけた」という表現です。日本語では「キメた」というニュアンスです。難しいタスクが上手くいったときなどに、“You killed it!”と賞賛します。
よくやった! 見事なプレゼンだったよ
You guys killed it. You did a great job against a superior team.
よくやった。格上相手にやってのけたね
weird
「変な、奇妙な」などを意味する「weird(ウィアード)」は、「奇抜な、変わっている」というニュアンスの褒め言葉として使うこともできます。
すごく変わってるね!
まとめ
「正気とは思えない」「常軌を逸している」などの意味を持つinsaneと、その類語表現をご紹介しました。日本語でもネガティブな意味を表す言葉が転じて褒め言葉として使われるように、英語でもさまざまな言葉が反対の意味で使われています。
ぜひ今回ご紹介した表現を頭の隅に置きつつ、ドラマや映画を見てみてくださいね。スラングを覚えると、よりネイティブらしい会話を楽しめますよ。
◇経歴(英語を使用した経歴)
アメリカの四年制大学に留学
◇英語に関する資格(資格、点数など)
大学入学時にTOEFL580点を取得
◇海外渡航経験、渡航先での経験内容(仕事、留学、旅行など)
高校卒業後に留学し、アメリカ、ニューヨークの四年制大学を卒業
アメリカ国内の他に、カナダ、ドイツ、ポーランド、香港を旅行得
◇自己紹介
ライター/編集者/時々漫画家
出版社、広告代理店を経て、現在は編集プロダクションに勤務しながらフリーランスのライターとしても活動。さまざまなマイノリティが住むブルックリンに滞在していた経験から、人種・ジェンダー・貧困などの社会問題に関心を持つようになり、現在の活動の軸となっている。好きなものは大型犬。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.