日本が世界に誇るべき文化は数多くありますが、意外にも海外の人たちが感心するのが、日本の学校の「給食文化」です。
栄養バランスが考えられたメニュー、衛生面が配慮された調理過程、生徒たち自らが協力して配膳する姿が、子供の発育にいい影響を及ぼしていると評判なのです。
そのため、日本に興味のある外国人や日本に引っ越してきた人達に、給食について説明する場面に多く出くわすでしょう。
今回の記事では、給食を英語でどう言えばいいのかと、お昼ご飯に関する関連表現、そして海外の学校給食事情などを紹介していきます。
「給食」の英語表現
まずは何より、「給食」を英語でなんというのかを見ていきましょう。
何か特別な単語があるのかと思われるかもしれませんが、実はシンプルで、中学校で習う英語で表現できます。
school meal・school dinner
給食は英語でSchool meal, School dinnerと表現します。
mealは「食事、食事時間」という意味です。食事そのもの、食事という行為、食事の時間などを一緒くたに表す表現なのでぜひ覚えておきましょう。
make a meal (食事を作る)
eat a meal out (外食をする)
a plain meal (簡易食)
a stand-up meal (立食)
など、日常会話でも頻繁に使われる単語です。
そしてもう1つの言い方がschool dinnerです。
「dinnerって夕食のことでしょ?」と思った方も多いでしょう。確かにdinnerは「夕食」という意味で使われることがほとんどです。
しかし、もともとのdinnerの意味は「1日の内のメインの食事」です。西洋の文化では、たいていの場合夕食が一番大きな食事になるので、必然的に夕食をdinnerと呼ぶことが多かったのです。
それにより、だんだんと「dinner=夕食」という意味にとらえる人が増えていきました。その名残で、給食をdinnerと呼ぶのです。
また、カジュアルな会話では単純にlunchということが多いということも覚えておきましょう。
school meal, school dinnerを使った例文
給食の英訳は意外とシンプルでした。
ここではschool meal, school dinnerを、日常会話でどのように使うのかを、例文を用いて紹介していきます。
もうすぐ給食の時間だ。
アメリカでは、給食は食堂で配膳されます。
給食は子供たちにとって十分に健康的でしょうか?
全ての小学校が、無料の給食を提供するべきだ。
いくつかの国では、学校給食制度が一般化していない。
英文からもわかる通りschool meal, school dinnerは、学校の制度などを議論するときなどのフォーマルな場でも使用できる用語です。特に変則的な使い方はありませんが、例文を音読して言い慣れておきましょう。
関連表現
school mealとschool dinnerの使い方はおおかた問題ないでしょう。
ここからは、「お昼ごはん」に関する英語表現を紹介していきます。何か新しい知識を脳に入れるときは、色々なものを関連付けて覚えると、効率よくたくさんのことを覚えることができます。
学校以外でも、職場などでも使える表現です。
社員食堂
まずは職場にある、社員専用の食堂「社員食堂」は英語でなんというのかを見ていきましょう。
cafeteria
社員食堂はいくつか言い方がありますが、もっとも一般的なのがcafeteriaです。日本語のカフェテリアと同じですね。
cafeteriaは食事が提供される場所全般を表す言葉で、年代や地域、食堂の種類に限らず様々なシチュエーションで使われます。
特に「会社内の食堂」ということを特定した場合は、company cafeteria、もしくはstaffroom cafeteriaという言い方が可能です。
彼らはたいてい、会社の食堂で昼食を取ります。
この食堂はベジタリアン料理を提供している。
Thanks, but I brought my own lunch today.
ミッシェル、私たち食堂に行くけど、来る?
ありがとう。でも今日は自分のお昼ごはんを持ってきたの
canteen
cafeteriaよりも使われる頻度は少ないですが、canteenという単語も社員食堂を表すのに使われます。イギリスだとcanteenの使用頻度は多くなります。
軍隊の酒保(しゅほ)、娯楽所、売店、水筒など様々な意味がありますが、Company canteenと言えば、社員食堂の意味で使うことができます。
またcafeteriaと同様に、canteenで会社以外の、学校や工場などの食堂を表すことも可能です。ちなみに発音はそのまま「キャンティーン」。Canとteenをつなげて言うだけですね。
私たちは食堂で新しいプロジェクトについて話し合った。
火災報知器の誤作動の影響で、食堂は閉まっている。
君の会社の食堂は、私たちのよりもだいぶ上等だね。
特にひねった言い方や、特別な慣用句などはありません。
まかない
レストランや飲食店で働いていると、その店で提供される料理を昼食や夕食代わりに食べることができます。「まかない」という文化ですね。
海外でも同じような文化はあるのですが、英語に「まかない」を表す単語はありません。
1つの言葉を使わずに説明する必要があるので、meals for employees(従業員のための食事)や、staff meal(スタッフの食事)という言い方をします。
なお、店のシェフが店の食材を使ってスタッフ全員に振る舞うという点は、日本と変わりないようです。有料か無料かは日本と同様、店によって異なります。
私たちのレストランはハイクオリティーなまかないで有名だ。
今日のまかないは誰が作ったの?
たいていは若手の料理人が、練習のためにまかないを用意する。
日本の給食を英語で紹介
ここでは、日本の学校給食について、英語で紹介する方法を見ていきます。
4つのトピックを、それぞれ1 文から1パラグラフ程度の文章で説明して、その後に日本語訳と解説を紹介します。文章を丸ごと覚えても良いですし、所々を覚えて応用しても良いかもしれません。
What is Kyushoku? 給食って何?
給食は日本のスクールランチのことです。普通、小学校や中学校で給仕され、生徒は食事のマナーや食品衛生管理について学ぶことができます。
前述しましたが、給食を一言で英訳するとschool meal, school dinner, school lunchのいづれかになります。
食事に関するトピックでは、serveという動詞はよく使うので辞書で確認しておきましょう。「テーブルマナー」はtable mannersと複数形になる場合がほとんどです。food safety management(食品衛生管理)は決まった言い方なので、覚えておきましょう。
How do they serve it? どうやって配膳するの?
まず、給食は給食センターか学校の給食室で用意されます。クラスの内の数人が交代で、給食室から教室に食事を運び、クラスの生徒たちに配膳します。このプロセスにより、生徒たちは共同作業と食べ物を適切に扱う方法を学ぶのです。
「食事の用意」はprepareという動詞を使うと簡単に表現できます。
一般的には、クラス全員がいくつかのグループに分けられて、順番に給食当番を行います。それを表すのにちょうどいいのが、take turnsです。Turnsと複数形になるので注意しましょう。A class is divided into several groupsなどといった言い回しを使ってもいいかもしれません。
How do they pay? どうやって支払うの?
給食への支払い方法はいくつかあります。ほとんどの学校では、保護者が銀行を使って給食費を支払います。もうあまり一般的ではありませんが、子供に現金を持たせて先生に渡す保護者もいます。たいていは月ごとの支払いで、平均の月の支払いは5,000円くらいです。
What do they serve? 何が出るの?
給食に何が出されるかは、栄養士によって慎重に検討されており、毎回の食事は栄養バランスがとれたものになっています。たいていは白米かパン、主菜、副菜、スープ、牛乳があります。また多くの学校は、生徒たちが自分が住んでいる地域について知ることができる様に地域の特産物を使うようにしています。
「栄養士」はnutritionist、「栄養バランス」はnutritionally balancedです。普段あまり使わない単語かもしれませんが、大人であれば知っていて当然の表現なので覚えておきましょう。
「地域の特産」はlocal productsで表します。ちなみに他の地域でも名前が知れている「名産品」はspecialtyやa famous foodと言います。
海外の給食事情
世界のほとんどの国では、小・中学校で昼食が用意されます。
しかし日本の給食文化とは、違うところが多くあります。というよりも、日本の給食は世界の中でもかなり異質なのです。
カフェテリアが多数派
先進国の多く、とくに欧米圏では、小・中学校にカフェテリアがあり、そこまで移動して食事をとるという方法が一般的です。
カウンターに並び、欲しい食べ物を注文したり、あらかじめ決められているメニューを受け取ったり、もしくはビュッフェ形式になっており自分で選んで取ったり、という方法で食事を給仕しているところが多数派でしょう。
大人が配膳を行うのが普通で、日本のように生徒が配膳に参加することは世界でもかなりまれです。
また中には、昼食の時間には全生徒が自宅まで戻って食事をとり、午後の授業にはまた学校に戻ってくる、という方法が普通である国もあります。
メニューに関しては、裕福な国では十分な栄養バランスが考えられていることが多いです。しかし経済の安定しない国々では、スープを1杯ずつ配るのが精いっぱいという学校もあります。
給食費の問題は世界でも深刻
「給食費が払えない」という問題はたびたび話題になりますが、世界でも学校の昼食代事情は深刻な問題となっています。
経済的な格差が広がってしまい、同じ学校に通う生徒でも昼食代を用意できる家庭と、そうでない家庭があるのです。
そのためイギリスやアメリカでは、フリーミールといって、申請すれば昼食をタダでもらえる制度を設けている学校があります。
健康な身体があった上での学問です。生徒の健康を守る取り組みは、多くの国の政府が力を入れています。
まとめ
「給食」の英語訳は意外と簡単でしたね。日本の学校給食の仕組みも、あらかじめ調べておけば、基本的な英語力で十分に説明できます。
給食は、日本に来た外国人が感心する文化の1つです。いざと言うときにサッと説明できるようになっておくと、便利でしょう。
また、今回の「学校での昼食」のような文法書や教材からは学べない、「世界の日常の文化」を学ぶことは、国際理解を高める上で重要です。このようなトピックはやはり、その国で生まれ育った人から直接聞くのが一番です。
ネイティブキャンプでは、世界中から雇われた英語講師たちと、24時間365日レッスンが可能です。フリートークを行えるコースもあるので、生の声を聞いて国際理解を深めるにはうってつけのツールでしょう。無料体験レッスンも行っているので、ぜひご検討ください。

◇経歴
・アメリカ、オクラホマ州の四年制大学を卒業
・英語学習に関するブログを中心に、英語ライター・翻訳家として活動(現在)
◇資格
・TOEFL503点(大学入学時)
・Bachelor of Arts(文学士号)
◇海外渡航経験
・高校卒業後に、アメリカのオクラホマ州にあるNortheastern州立大学へ5年間の正規留学を経験
◇自己紹介
高校時代にアメリカの音楽文化に興味を持ち、アメリカへの大学留学を決意したことが、英語学習を本格的に始めることになったきっかけです。渡米後に3ヶ月の語学研修とTOEFL試験をクリアし、正規入学を果たしました。音楽学部にてJazz Studiesを専攻し、複数のバンドでギタリスト・ベーシストとして活動したことは一生の財産です。言葉はその人の価値観を定義付け、語学の習得は世界の見え方を変えます。自分が今も現在進行形で経験している、言語の魅力を発信するために、日々、英語・語学に関する情報発信をしています。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.