「サーカス」に関する英語表現を紹介していきます。
サーカスと言えば、カナダの近代サーカス「シルク・ドゥ・ソレイユ」や、ロシアの「ボリジョイサーカス」、そして世界三大サーカスの1つでもある日本の「木下大サーカス」などがよく知られています。
また、欧米のアニメや映画の舞台になることも多く、公演を実際に観たことが無いという人にも、サーカスは身近な存在でしょう。
そのため、英語の表現の中には、サーカスが由来となっているものがいくつかあります。今回は、そのようなサーカスに関連する用語を学んでいきます。今から紹介する単語や表現を知っていると、「よくそんな言葉知っているね」と驚かれること間違いなしです。
「サーカス」の英語表現
まずは、「サーカス」の英語表現について見ていきましょう。
サーカスはCircusと綴ります。複数形はCircusesです。Cで始まるのに注意しましょう。
語源は、「輪、円形状のもの」を表すcircusというラテン語です。もともとは「キルクス・マクシマム(Circus Maximum)」という古代ローマの円形競技場や円形広場のことを指します。サーカスの客席が、ステージを囲むように丸くなっていることや、サーカス小屋が丸いのは、昔の円形競技場の名残のようです。
circusを使ったフレーズ
ここで、circusという単語が日常会話でどのように使われるのか、例文を見ながら学んでいきましょう。
メディチさんはサーカスを興行している。
runにはたくさんの意味があり、その1つに「経営する、運営する、事業を営む」という意味があります。
サーカスもビジネスなので、サーカス運営は、run a circusとなります。
9月には、みんながサーカスを見に行く。
「サーカスを見に行く」はgo to the circusです。Seeやwatchは使わなくても表現できるので、覚えておきましょう。Go to the movieと同じ感じですね。
そのサーカスの最大の見世物は空中ブランコだ。
サーカスの話題でよく使われる単語が、the greatest attraction(最大の見世物) です。Attractionは、「人を魅了する」という意味のattractの名詞形で、「人を惹きつけるもの、見世物」という意味になります。
そのサーカスは次の街へ移動した。
一般的にサーカスは、街から街へ旅をしながら公演を行います。そのため、travelという動詞を使うことが多いです。
on to the next~はひとまとまりの言い方で、「次の、次の~へ」という意味の副詞句です。
サーカス団長
サーカスのリーダーは日本語では「団長」、英語ではringmasterもしくはmaster of ceremoniesと呼ばれます。
ショーの司会進行を行うポジションです。「ladies and gentlemen!」と叫んでショーを開始する姿がイメージしやすいのではないでしょうか。
サーカスの演技を行う舞台のことをringと言います。その場所を取り仕切るという意味で、ringのmasterという名前になりました。
小規模のサーカス団では、運営者や演出家がringmasterを兼任することもあります。さて、サーカス団の中には、多くのAct(役)があります。Ringmaster以外の役の名称も見ていきましょう。
その他の役の名称
道化師/Clown
clownは、様々なトリックや演技で観客を笑わせるパフォーマーです。
道化師の英訳はピエロ(pierrot)だと思われがちですが、ピエロは実はフランス語です。英語だとclownなので注意しましょう。
また、「冠」という意味のcrownと混同しがちなので、スペルと発音にも注意が必要です。
怪力男/Strong Man
怪力男は、サーカスの歴史の中でも最も古い演目の1つです。
大きなダンベルを持ち上げたり、人間でジャグリングをしたりといった、力を見せるパフォーマンスが特徴です。
ジャグラー/Juggler
ジャグラーはサーカスよりも大道芸でなじみがある人が多いでしょう。
ボール、ナイフ、皿などを使ってジャグリングを披露するパフォーマーです。
juggleには「ジャグリングをする」以外に「さばく、つじつまを合わせる、欺く」といった意味があり、日常生活でも使う単語なので覚えておきましょう。
手品師/Magician
magicianは、マジシャンという和製英語にもなっているので、分かりやすいですね。
と言っても、日本人が得意とするテーブルマジックというよりは、サーカスでは人が消えたり、箱に入った美女がノコギリで切られたりといったような大掛かりなマジックが主流です。
曲芸師/Acrobat
Acrobatは、「アクロバット」とカタカナ表記でなじみがあるでしょう。その意味のとおり、新体操のようなバク転や宙返りなどでオーディエンスを楽しませます。
カタカナで「アクロバット」というと、その演目の名前のように思われますが、Acrobatはバク転などの技を披露する「人物」の名称です。そのため、acrobatを使って文章を作ると次のようになります。
彼はかつて曲芸師としてサーカスにいた。
曲芸師はタンブリングで観客を沸かせた。
ブランコ曲芸師/Trapeze Artist
trapezeとは「空中ブランコ」のことです。サーカスと言えばこれを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
天井からつられた大きなブランコを使って数々の技を披露するパフォーマーです。多くのサーカスで目玉演目になっていますね。
ちなみにtrapezeの発音は「チュラピィーズ」という感じです。スマホの音声機能などを使って確認しておきましょう。
猛獣使い/Lion Tamer
ライオンやトラなどの猛獣に技を覚えこませ、披露させる猛獣使いは、lion tamerと呼ばれます。Tameは「飼いならす」という意味の他動詞です。
ライオン以外の動物を手なずける場合でも、役の名前はlion tamerになります。
古くからサーカスの目玉演目でしたが、動物愛護の観点から、サーカスでの動物の使用を禁止されている国が多くあり、lion tamerの数も減ってきています。
綱渡り芸人/Tightrope Walker
空中高くに貼られたロープの上を、バランスを取りながらわたるパフォーマーです。
中には命綱を使わないパフォーマンスもあり、その緊張感とスリルで観客を楽しませます。
walking a tightropeというイディオムがありますが、それはこのあと見ていきましょう。
空中演技
サーカスで一番目を惹くのが、空中で行われる演技です。空中ブランコやロープ、シルクなどは、サーカスのCMなどでも真っ先に使われるパフォーマンスです。
「空中」はAerialという単語を使って表されます。「空中の、大気の、航空の」という意味の形容詞です。サーカスの演目の中には、このAerialが付いたものがたくさんあります。
天井から吊り下げられた布を使うAerial Silk、空中の輪っかを使ったAerial Hop、空中のブランコを飛び移るAerial Trapezeなどですね。
Aerialは発音が難しいので、音声で確認しておきましょう。
その他の演目の名称
サーカスのパフォーマンスは空中演技だけではありません。その他にも数多くのパフォーマンスによって、サーカスは成り立っています。
主なサーカスの演目の名称を見ていきましょう。先ほど紹介した「役の名称」と重なる部分があるので、サッと見ていきます。
アクロバランス/Acrobalance
Acrobalanceは、不安定な台の上で逆立ちをしたり、数人で組対象のようなポーズをとって観客を沸かせるパフォーマーです。大道芸などでよく見ますね。
Acroは「高い、頂上の、先端の、人体の四肢の」という意味の接頭語です。
道化/Clowning
clowningは道化師を表すclownの現在分詞形です。
日常会話では「ふざけまわる」という意味ですが、サーカスでは観客を笑わせる道化師のパフォーマンスのことを言います。
ルーンラート/German Wheel
ルーンラートは、2つの大きな鉄の輪を平行につなぎ合わせた器具で行う体操です。省略してラートとも呼ばれます。
ドイツのルーン地方で発明された遊びなので、ルーンラートと呼ばれていますが、英語では「ドイツの輪」という意味のGerman Wheelと呼ばれます。
ナイフ投げ/Knife Throwing
ナイフを投げて小さな的に当てたり、人を貼り付けにした板にナイフを投げて刺していくパフォーマンスをKnife Throwingと言います。そのまま「ナイフ投げ」ですね。
兵士が戦闘用のナイフで行っていた遊びが起源だと言われています。
タンブリング/Tumbling
タンブリングは「床体操」のことです。新体操の選手のように、バク転やバク宙で床を飛び回るパフォーマーです。
tumbleは「倒れる、転びまわる、宙返りをする」といった意味を持つ動詞です。
サーカス関連のイディオム
英語圏でのサーカスの歴史は長く、人々の生活に浸透していました。そのため、サーカスが起源となっているイディオムがいくつか存在します。例文と共に見ていきましょう。
walking a tightrope
walking a tightropeは、先ほども紹介したサーカスのパフォーマンスの1つです。日常会話では「危ない橋を渡る」とか「危なっかしいことをする」という意味になります。
彼らは予算をギリギリまで引き上げた。危ない橋を渡っているということを知っていることを願うよ。
three-ring circus
サーカスのパフォーマーが技を披露する舞台を「リング」と言い、大きなサーカスになるほどこのリングの数が増えます。
three-ring circusは、3つのリングでパフォーマンスを行っている状態のことで、「賑やかな場所」「てんやわんやの状態」を表しています。たまに「混沌とした状態」という批判の意味で使われることもあります。
50人以上の人がいてね、みんなが食べ物を持ってきたんだ。昨夜のパーティーはとても賑やかだったよ。
clown
clownは道化師ですが、職業として道化師をやっていない人に向かって言うと若干の悪口になります。なぜならclownには「ひょうきんもの」「田舎者」という意味があるからです。
彼は田舎者のように話していたので、みんなが彼を見下し始めた。
juggle
ボールやナイフなどをお手玉することをジャグリング(juggling)と言いますが、juggleという動詞は日常会話でも使います。
juggleには「上手にやりくりする」「ごまかす」という意味があります。
彼はビジネスオーナーと俳優の役割を上手くこなしている。
マネージャーは、不正取引を隠すために、数字をごまかした。
まとめ
サーカスは一見縁のない存在に思えますが、想像以上に生活に浸透しているものです。特にアメリカやヨーロッパでは、友人との会話の話題に上ることも多いでしょう。日常生活でも使える表現があるので、覚えておいて損はないですね。
サーカスに関するフレーズや単語は、やはりサーカスが盛んな地域出身の人から学びたいところです。ネイティブキャンプでは、世界各国から講師を雇っており、英語だけでなく様々な国の文化も同時に学べます。無料体験レッスンだけでもぜひチェックしてみてください。

◇経歴
・アメリカ、オクラホマ州の四年制大学を卒業
・英語学習に関するブログを中心に、英語ライター・翻訳家として活動(現在)
◇資格
・TOEFL503点(大学入学時)
・Bachelor of Arts(文学士号)
◇留学経験
渡航先:アメリカ、オクラホマ州タレクア
留学期間:2012〜2017(5年)
学校名:Northeastern States University
◇海外渡航経験
・高校卒業後に、アメリカのオクラホマ州にあるNortheastern州立大学へ5年間の正規留学を経験
◇自己紹介
高校時代にアメリカの音楽文化に興味を持ち、アメリカへの大学留学を決意したことが、英語学習を本格的に始めることになったきっかけです。渡米後に3ヶ月の語学研修とTOEFL試験をクリアし、正規入学を果たしました。音楽学部にてJazz Studiesを専攻し、複数のバンドでギタリスト・ベーシストとして活動したことは一生の財産です。言葉はその人の価値観を定義付け、語学の習得は世界の見え方を変えます。自分が今も現在進行形で経験している、言語の魅力を発信するために、日々、英語・語学に関する情報発信をしています。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.