インフルエンザや風邪が流行ると、「免疫」という言葉を使う機会が増えます。「免疫」は、体内に侵入してきたウイルスや菌を撃退する、身体の防御システムのことですね。
「免疫がある」「免疫ができた」「免疫力が低下している」などといったフレーズは、日常会話でもよく使います。これらの「免疫」に関するフレーズは、英語ではどうやって言えばいいのでしょうか。
今回の記事では、「免疫」を意味する単語やフレーズ、そしてその使い方を、例文を用いて詳しく解説していきます。関連表現も紹介しているので、ぜひ最後まで読んでボキャブラリーを増やしていってください。
免疫って英語で?
免疫を英語で表現するとき、immuneという単語が主に使われます。immuneは「免疫の」という形容詞です。
この単語から派生したImmunityや、Immune systemを使うと、もっとも分かりやすく免疫を表現できるでしょう。
では、それぞれの表現を詳しく見ていきます。
Immunity
Immunityは、「免疫、免疫力、免疫性」という意味の名詞です。この名詞を使って、「~に免疫がある」「免疫力が下がっている」などといった言い回しを作ることができます。
彼らはマラリアに対する免疫を手にした。
Immunity to Aで、「Aに対する免疫」という意味になります。マラリアは感染症の1つですね。様々な感染症やウイルス、病気に対してこのimmunity to の言い方が適用できます。
彼らはその新しいウイルスに対しての免疫を作らなければならない。
「ウイルスに対する免疫」という言い方を使った例文です。develop an immunity to A(Aに対する免疫を作る)というフレーズも頻出なので、ついでに覚えておきましょう。
彼女は変化に対しての免疫がある。
immunity to は、病気に関すること以外でも使うことが可能です。この例文は「変化に対する免疫」をimmunityを使って表現しています。
転勤や進学などの変化にすぐに対応できる人と、抵抗がある人がいますが、変化にすぐに対応できる人をhave an immunity to changeという言い方ができます。
成功するには、社会的圧力に対する免疫を育てなければならない。
social pressure(社会的圧力)とは、集団の中での行動の規制や、重圧のことです。このような抽象的なものに対しても、immunityという単語を使うことができます。
その新しいワクチンは、ウイルスに対する強い免疫を作ることができます。
Immunityに形容詞が付く例です。Strong immunity(強い免疫)、high immunity(高い免疫)weak immunity(弱い免疫)という言い方ができます。
この10年で、子供の免疫力は低下してきている。
「免疫力が低下している」という言い方はいくつかあり、その1つがimmunity is going downです。
寝不足は免疫力を低下させ得る。
weakenは「弱める」という意味の他動詞です。この動詞を使い、「免疫力を弱める」という言い方をして、「免疫力の低下」を表現することができます。
その患者は免疫力の低下に悩まされている。
waningはwane(欠ける、衰える)の現在分詞形で、「欠けている、衰退している」という意味です。Waning immunityは「衰退している免疫力」、自然な日本語にすると「免疫力の低下」を表します。
免疫力を高めるために、ワクチンを接種しなければならない。
逆に「免疫力を高める」は、increase immunityという言い方が一般的です。Increaseを自動詞として使い、immunity increases(免疫力が高まる)という言い方もできます。
immune system
immune systemは、immunityとほとんど同じ意味ですが、特に「免疫機能、免疫システム」を表す熟語です。
immunityよりも、カジュアルな会話で使われやすいので、immunityと合わせて覚えておきましょう。
健康的な食事と十分な睡眠は、強い免疫システムを維持するのに欠かせません。
immunityと同様に、immune systemの強弱・良し悪しを表す際は主にstrong/weakが使われます。
ジョセフは免疫力が低下している。
「免疫力が低下している」をimmune systemを使って表すと、have a weakened immune system(弱った免疫システムを持っている) という言い方になります。
不規則な生活のせいで、最近免疫力が低下している。
immune system is downで「免疫力が低下している」という言い方ができます。Irregular lifestyleは「不規則な生活」という意味です。
あなたは免疫力を強化しなければならない。
反対に「免疫力を高める、強化する」と言いたい時には、improveが使えます。その他も、「免疫力を高める」と言いたいときに使われる動詞がいくつかあります。例文をまとめて見ていきましょう。
ある食べ物は、免疫力を高める。
この薬は免疫力を強化する。
エンドルフィンが免疫力を高めると考える人もいる。
病気になるのを避けるために、免疫力を上げなければいけません。
raise, boost, strengthen, upが、「免疫力を高める」と言いたいときによく使われる動詞です。Upは「上げる、増す」という他動詞の意味があります。
イングリッシュスピーカーの間では、語彙力がその人の能力を測る物差しの1つとして使用されます。同じ内容でも、複数の言い回しができる様に意識しておきましょう。
免疫の関連表現
ここからは、免疫について話をするときに同時に話題に出やすい語彙を見ていきます。
1つの表現を学ぶときには、それに関する表現も学ぶと、少ない時間で多くの語彙を効率的に増やすことができます。
同じ系統やジャンルの単語やフレーズをまとめた単語リストなどを作ってみてもよいでしょう。
免疫を高める
「免疫を高める」の表現は、いくつか見てきました。新しいものを含めて、まとめていきましょう。
強い免疫力を育てるには時間がかかる。
免疫力を高める方法はいくつかある。
健康的な食事が免疫力を高めることは証明されている。
腸内環境を整えると免疫力が高まる。(腸内環境を整えることは免疫力を高める。)
インフルエンザと戦うために、免疫力を高める方法を見つけなければいけない。
免疫力を高めるために、何をすればいいのでしょうか。
インフルエンザの季節には、免疫力を上げることが大事だ。
develop, increase, improve raise, boost, strengthen, upが、「免疫力を高める」を表すときに主に使われる動詞です。
抗体
免疫に関する話題でよく出てくるのが「抗体」です。抗体は、身体の中にある特定の異物を除去する物質のことです。
その抗体は英語だとAntibodyと言います。
Antibodyという単語がどのような文脈で使われるのか、例文を見ていきましょう。
ワクチンは身体が抗体を作るのを助ける。
抗体検査は以前にウィルスに感染していたかどうかを示すことができる。
新しいモノクローナル抗体は、コロナウイルスを除去する力を見せた。
monoclonal antibody(モノクローナル抗体)は、日常会話ではあまり使われない言葉ですが、TOEICや英検のリーディング、リスニングの問題では出てくる可能性が十分にあります。
ちなみにモノクローナル抗体は、ある特定の細胞のみを攻撃する抗体のことです。このような専門的な知識をあらかじめ知っておくと、リーディングやリスニングで有利になります。英検1級やTOEIC満点を目指すのなら、医療の発達や時事問題には敏感になっておきましょう。
自己免疫力
自己免疫力とは、外部からの菌やウイルスに対して、身体が本来持っている細胞や組織が身体を守る免疫応答を起こすことです。
自己免疫はautoimmunityと言います。例文を見ていきましょう。
その治療は、人体が自己免疫を獲得することを目的としている。
自己免疫によって引き起こされる疾患もある。
関節リウマチは自己免疫疾患だ。
Articular rheumatismは関節リウマチ、autoimmune diseaseは自己免疫疾患、免疫が害のない細胞や組織まで攻撃してしまう疾患の総称です。
このような、日常会話では使わないような難しい語彙も、頭の片隅に覚えておくとテストで思わぬ形で役に立ったりするので、なんとなくでも覚えておきましょう。
感染症
コロナやインフルエンザなどの、人から人へ伝染する病気のことを感染症と呼びます。英語ではInfectious diseaseもしくはInfectionです。
マラリアという感染症。
おたふくかぜは感染症ですか?
新しい感染症が流行っている。
政府はその新しい感染症に対して、予防策を取っている。
TOEICや英検のリーディング、リスニング問題では、日本語でも聞いたことのない病名や疾患の名前が出てきます。現実的に見て、そのような医学用語を網羅することは、医学系の勉強をしていない限り不可能に近いでしょう。
しかし今回紹介した、infectious diseaseやantibodyなどの基本的な用語を覚えておけば、分からない専門用語が出て来てもおおかた理解はできます。
医学系の問題は苦手意識を持っている人が多いですが、ちょっとしたコツを覚えれば、十分に点数は取れるのです。
まとめ
「免疫」に関する英語は医学用語の範囲になるので、難しいように感じるかもしれません。しかしいくつかの単語や言い回しを覚えてしまえば、たいていの会話には対応できます。医学用語や免疫学だからと言って身構えずに、シンプルに考えるようにしましょう。簡単に考えれば、簡単に済んでしまうものです。
また、このような医学形の英語フレーズは英会話だけでなく、受験英語や英検、TOEICなどでも必ずと言っていいほど出題されます。英検1級、TOEIC満点を目指すのなら、絶対に押さえておきたいトピックです。
ネイティブキャンプでは、カジュアルな英会話からTOEICを始めとした試験対策まで、幅広いジャンルに対応したレッスンを行っています。友達同士での実践的な会話で「免疫」をどう表現すればいいのか、試験に備えるにはどのような単語を覚えれば良いのかなど、生徒の目的に合わせてレッスンを展開してくれます。
完全オンラインで24時間365日対応しているので、自分の都合に合わせてレッスンを受けることも可能です。無料体験レッスンも行っているので、ぜひ一度活用してみてください。

◇経歴
・アメリカ、オクラホマ州の四年制大学を卒業
・英語学習に関するブログを中心に、英語ライター・翻訳家として活動(現在)
◇資格
・TOEFL503点(大学入学時)
・Bachelor of Arts(文学士号)
◇留学経験
渡航先:アメリカ、オクラホマ州タレクア
留学期間:2012〜2017(5年)
学校名:Northeastern States University
◇海外渡航経験
・高校卒業後に、アメリカのオクラホマ州にあるNortheastern州立大学へ5年間の正規留学を経験
◇自己紹介
高校時代にアメリカの音楽文化に興味を持ち、アメリカへの大学留学を決意したことが、英語学習を本格的に始めることになったきっかけです。渡米後に3ヶ月の語学研修とTOEFL試験をクリアし、正規入学を果たしました。音楽学部にてJazz Studiesを専攻し、複数のバンドでギタリスト・ベーシストとして活動したことは一生の財産です。言葉はその人の価値観を定義付け、語学の習得は世界の見え方を変えます。自分が今も現在進行形で経験している、言語の魅力を発信するために、日々、英語・語学に関する情報発信をしています。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.