「せざるを得ない」って英語でなんと言う?どうしてもしなくてはならない時のフレーズ!

自分から進んでしたくはないのだけれど、何らかの行動をしないではいられない、つまり「〜せざるを得ない」という状況になることってありますよね。

たとえば「上司に頼まれたので、イヤだけどやらなければならない」とか、「本当は旅行に行きたかったけど、都合が合わなくて諦めざるを得なかった」など、色々なシチュエーションがあるでしょう。

そういった状況になったとき、日本語では「聞かざるを得ない」や「見ざるを得ない」などといった表現をしますが、英語ではどのように表現すればよいのでしょうか?

今回は「せざるを得ない」を意味する色々な英語表現について、解説していきます。

「せざるを得ない」の英語表現

そもそも「〜せざるを得ない」という表現が使われるのは、どんな状況なのでしょうか。

まとめてみると、次のようになります。

1)義務 (〜しなくてはならない、〜するべき状況にある)

2)選択肢の限定 (〜以外の行動を選ぶことができない)

3)強制 (~することを強いられる)

4)不可避 (~しないということが不可能である)

「〜せざるを得ない」という言い回しは、「電話するべき」=「電話せざるを得ない」というように義務的な意味合いで使うこともあれば、「行かないという選択肢はない」=「行かざるを得ない」というように、選択肢が他にないという意味合いで使うこともある、ということですね。

このように、同じ「〜せざるを得ない」という言い回しにも複数の意味があります。英語では、「〜せざるを得ない」のそれぞれの意味ごとに、異なる英語表現を使います。

1)義務(〜しなくてはならない、〜するべき状況にある)

must、have to、be obliged to など

2)選択肢の限定(〜以外の行動を選ぶことができない)

have no choice but to など

3)強制(~することを強いられる)

be forced to do など

4)不可避(~しないということが不可能である)

can’t avoid doing など

ここからは、それぞれの英語表現の意味や使い方について、詳しく解説していきます。

must

”must” 「〜しなくてはならない、〜すべきである」という義務を表す単語です。

I must see a doctor.

私は医者に行かなければなりません。

”must” は、義務を表す表現の中でも「自発的な強い意思」というニュアンスを持っているのが特徴です。

主語が「I(自分)」であれば、自分の意志に基づいて何かをしようと思っているし、主語が自分以外であれば、その人にそうしてもらいたいと「自分が強く思っている」、つまり自分の意思に基づいて他人に何らかの行動をさせようと思っている、命令に近い意味合いになります。

I must submit this paper by the deadline.

私はこの文書を締切までに提出しなければなりません。

You must submit this paper by the deadline.

この文書を締切までに提出しなければなりませんよ。

文脈にもよりますが、”must” はそもそもの意味である「〜しなくてはならない」から派生して、「〜しなくてはならない」=「〜しないわけには行かない」=「〜せざるを得ない」という流れで「〜せざるを得ない」を表す英語表現として使うことができます。

We must see her.

我々は彼女に会わないといけない。

=我々は彼女に会わないという訳にはいかない。

=我々は彼女に会わざるを得ない。

have to

”have to” は、”must” と同様に「〜しなくてはならない」という義務を表す表現です。

”must” 「自発的な意思に基づく義務」というニュアンスを持っていますが、”have to” 「外からの要求や状況に基づく義務」というニュアンスを持っているのが特徴になります。

I must go there tomorrow.

明日、そこに行かないとなと思ってるんだ。

I have to go there tomorrow.

明日そこに行かないといけないんだ。

同じ ”go there”(そこに行く)という文章が続いていても、”must” の場合は自分から行こうと決めた意思が感じられるのに対し、”have to” の方は、自分の意思よりも「誰かにセッティングされたから」とか、「誰かに頼まれたから」といった外部要因の方が強く感じられ

る、という違いがあります。

このように、 ”have to” と ”must” は「〜しなくてはならない、〜せざるを得ない」という状態になった理由に違いがあるというわけなのですが、「〜しなくてはならない」から派生して「〜しなくてはならない」=「〜しないわけには行かない」=「〜せざるを得ない」という流れで「〜せざるを得ない」を表す英語表現として使うことができる、という点は共通しています。

We have to buy it again.

私達はその商品をもう一度買わなければなりません。

=私達はその商品をもう一度買わないわけにはいきません。

=私達はその商品をもう一度買わざるを得ません。

be obliged to ~

”be obliged to” は、「義務づけられている」という意味をもつ慣用句です。

”oblige” 「義務を負わせる」という意味をもつ動詞で、”be obliged to” や ”feel obliged to” のように受身形で慣用句にすることで「義務付けられている」「義務としてやらざるを得ない」という意味を表すことができます。

We are obliged to pay taxes every year.

我々は毎年の税金の支払いが義務付けられている。

=我々は義務として、毎年税金を支払わざるを得ない。

”be obliged to” に意味も見た目も見ている表現として、”be obligated to” があります。

”obligate” は、”oblige” と同様に「~する義務がある」という意味の動詞なのですが、”obligate” の方は特に法律的や道徳的な考えに基づいて義務を感じている場合に使われます。

I felt obligated to repay the favor of the old lady.

私はその老婦人の恩に報いる義務があるように感じました。

The police were obligated to intervene in the trouble.

警察はそのトラブルに介入せざるを得なかった。

be forced to do

”be forced to do” は、自発的にはやりたくないと思っていることを強制的にやらされる場合に使われる表現です。

”forced” ”force”(強いて〜をさせる)という動詞の受身形で、”be forced to do” という慣用句の形をとることで「仕方なく〜させられる、強制されて〜する、〜せざるを得ない」というような意味になります。

I was forced to run for an hour.

私は1時間も走らされました。

”force” には「強いて〜をさせる」という意味がありますが、強制する側が人間でなければいけないというわけではありません。

「悪天候のせいで」とか「〜という事情のせいで」など、行動を強制してくる側の存在としてはいろいろなバージョンが考えられます。

He didn’t pick me up, so I was forced to take a bus.

彼が迎えに来てくれなかったので、バスに乗ることになってしまいました。

=彼が迎えに来てくれなかったので、バスに乗らざるを得なかった。

He was forced to postpone his trip because of the bad weather.

悪天候のため、彼は旅行を延期せざるを得なかった。

have no choice but to ~

”have no choice but to” は、選択肢が無いために特定の行動を取るしかない、という意味での「〜せざるを得ない」を表すフレーズです。

”choice” は選択肢のことを指し、”have no choice” 「選択肢がない」ということを表します。”but to” 「〜をする以外の」という意味ですので、”have no choice but to” 「〜をする以外の選択肢がない」という意味になります。

I have no choice but to accept this situation.

この状況を受け入れるしかないのです。

=この状況を受け入れざるを得ない。

We have no choice but to cancel the whole schedule.

すべての日程をキャンセルするしかありません。

=すべての日程をキャンセルせざるを得ません。

can’t avoid doing

”can’t avoid doing” は、「〜することを避けることはできない」という意味の表現です。

”avoid doing” ”〜(do)することを避ける」という意味で、その前に ”can’t” がつくことで「〜をすることを避けることは不可能である」という意味になります。

ある行動を取ることを避けることができないということは、ある行動をとるしかない、ということですよね。つまり、ひとつ前に出てきた表現の ”have no choice but to” (〜する以外の選択肢がない)と同じように、「〜するしかない、〜せざるを得ない」という訳し方をすることもできるというわけです。

There is something you can't avoid doing in your life.

人生には、避けて通ることのできないことがある。

=人生には、やらざるを得ないものがある。

まとめ

「〜せざるを得ない」を意味する色々な英語表現をご紹介してきました。日本語では「〜せざるを得ない」のひとことでまとめられる内容にも、シチュエーションや意味合いによって色々な英語表現が当てはまることがおわかりいただけたかと思います。

”must” ”have to” は短いので覚えたり使ったりするのも簡単ですが、”can’t avoid doing” などの長い慣用句になると、覚えて使いこなすまでに少し時間がかかってしまうかもしれません。

「〜せざるを得ない」という表現は、日常会話だけでなくビジネスシーンなどでもよく使います。いろいろなバリエーションの表現を少しずつ使い続けることで、どんどん身についていくはずです。毎日の英語学習や英会話で実際に使いながら、楽しく習得していってくださいね。

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