今回は、学校を退学するという言い回しを英語で学んでいきます。現在社会人でも、誰もが学校に通っていた時期があることからそこまで馴染みがない言葉でもありません。個人にとっては縁遠くても、日常会話では時折登場します。
また、洋画や映画の中でも使われており、有名なところでは「ハリー・ポッター」に出てくる登場人物、ハーマイオニーが、死ぬよりも退学の方が悪いと言い放ちました。この時に使っていたのはexpelledです。これ以外にもたくさんの言い回しがあるので、以下で解説していきます。
「退学」は英語でなんという?
退学という意味を示す英単語は意外にもたくさんあります。
あとで一つひとつ解説していきますが、その前に少しまとめておきます。退学の英語を覚える時のコツは、自主的に退学するのか、成績が悪くて退学になるのか、それとも強制的に退学させられるのか、この3つに分けて覚えることです。
①自主的にやめる場合
・leave school
・quit school
どちらも中学英語で、動詞としては使いやすいと思います。
②成績不良や勉強についていけなかった場合
・drop out of school
・flunk out
どちらもoutが付いているという共通点が見られますね。
③強制的に退学させられる場合
・be expelled from school
・be dismissed from school
・be kicked out of school
学校側から退学させられるのですから、どれも受動態になっていることがわかります。
それでは、それぞれの意味を以下でご紹介しましょう。
be expelled
冒頭でも触れたように、こちらはハーマイオニーが使っていた表現です。映画の中でも自然に出てくる表現だと知ると、学ぶことの意味が濃くなりますね。
学校から強制的に退学させられるというニュアンスですから、ハーマイオニーが言ったのは自分から辞めるのでも、成績が悪くてやめざるを得ないのでもありません。
思いがけず学校のルールを破ってしまったことに対して、死ぬより悪ければ退学よ、と言っているのですから、この表現が正しいわけです。
では、受動態に注意して例文を作ってみましょう。
Now, if you two don't mind, I'm going to bed, before you come up with another idea to get us killed. Or worse, expelled.
あなたたちと付き合って命を落とす前に、失礼して寝るわ。もっと悪くすれば、退学よ。
そう、こちらは「ハリー・ポッターと賢者の石」にて、ハーマイオニーが友達2人に言い放ったセリフです。もし日本語でしか見たことがないのなら、一度ここを英語で見てみてください。
ちなみに、このハーマイオニーのセリフに対して、彼女が去った後ロンがユニークな返しをしています。
She needs to sort out her priorities
死ぬより退学が悪いのかよ。
こちら、日本語訳は意訳となっていますが、英語学習者の皆さんなら英語と日本語でだいぶ意味が異なることがわかりますよね。
直訳は、「彼女は自分の優先順位を入れ替えた方がいいよ」です。殺されることよりも退学の方が悪いという彼女の思考を皮肉ったわけですね。
こうやって、ひとつのセリフから続く会話を物語の中で見てみると大変面白いものです。そこからつらなって学びも深くなるので、好きな映画やドラマの中で英語学習をするのもおすすめですよ。
be kicked out of
先ほどと同じく強制的に退学させられると言いたい場合は、別の表現もあります。
キックアウトというと蹴られるイメージがあるかもしれませんが、あながち間違いでもありません。学校から蹴られて外に出てしまうイメージは、まさに退学の意味と重なるからです。
前置詞ofの後にはどこから退学させられるのか、名詞を入れます。high schoolやuniversityを入れてもいいですし、固有名詞の学校名を具体的に入れても良いです。
Shoji was kicked out of high school.
庄司は学校を退学になった
日本語では単に退学になったと言うだけですが、英単語の意味をしっかりつかんでいれば、成績不振でも自分から辞めたのでもないことがわかりますよね。
leave
leaveは「去る」という意味で、中学英語です。中学校で多く使われたシチュエーションは発着で、駅から出発する時や、飛行機に乗る場面でよく使われました。
人だけでなく、ものが去っていくことにも使われます。飛行機が去ること、電車が去ることなど、乗り物が去ることに使われることが多かったです。
今回は、この「去る」を自主退学に使います。自分から学校を去るイメージを持っていれば、訳も簡単にできるでしょう。
I’m so sorry that you have to leave school for your family reasons.
家庭の事情で君が退学しなきゃならないのはすごく残念だよ
leaveのあとにはすぐ名詞が来ます。arrive atのように前置詞は不要なので気を付けましょう。
quit
quitも中学英語で、自主的に退学する時に使います。
中学校では「やめる」と訳し、あとに動詞が続く場合は動名詞にすることを学びました。タバコをやめるのならquit smokingのように使います。
ある教科書ではより学校生活に即して、部活をやめるという言い回しが出てきています。
注意すべき点は、quitは過去形でもquitと、形が変わらない点です。現在形と過去形で形が変わらないため、文脈を読んでよりしっくり来る時制を選ぶ癖をつけておきましょう。
I’ve heard that he quit university last week.
彼が先週学校をやめたって聞いたよ
drop out of
こちらは、学校の勉強についていけなかったことを含んだ言い方です。
dropには「落ちる」という意味がありますが、ここでは単位を落とすようにイメージすると覚えやすいでしょう。
Nobody wants to drop out of school.
誰も中退なんてしたくない
日本語では、退学と似た意味で使われる中退で訳しても良いですね。
flunk out
flunk out (of〜)のflunkは、「落第する」「単位を落とす」「不合格」という意味があります。
この単語の意味を知っていれば、退学は退学でも成績不振によって学校をやめることがわかりますね。
英英辞書では、以下のような説明がされています。
To expel or be expelled from a school or course because of work that does not meet required standards
要求された基準に達しない仕事をしたために、学校やコースから退学させられること、または退学させられること
退学という意味のflunk outの説明に、また退学という意味のexpelが使われていますね。退学の理由をしっかり理解しておきましょう。
I’m in danger of flunking out!
落第寸前だよ!
be in dangerは「~の危険にある」という意味です。「危険の中にいる」という直訳からニュアンスをつかむと良いでしょう。
休学は英語でなんというの?
退学についての英語を学んだので、追加で休学にまつわる英語も学んでみましょう。こちらもいくつか表現があるので、以下に並べておきます。
temporary absence from school suspension
temporaryは「一時的に」という意味で頻出単語なのでここで覚えておきましょう。
正社員ではなく、一時的に働く人たちに求人を出しているサービスが「テンプスタッフ」ですよね。馴染みがない英語だと思っていても、意外と身近なところにあったりします。
ちなみに、comtemporaryという単語と間違われることがありますが、こちらは「現代的な」という意味なのでまったく違います。コンテンポラリーダンスなどと言われることもありますね。
take a leave of absence from school
take a leave of absenceという言い回しも覚えておきましょう。どれも初歩的な英単語で語彙は難しくないのですが、慣れないとこの語順で「休学」にたどり着けない人も多いので暗記しておくべきです。
他にも、似たようなもので以下のような言い回しもあります。
・take off school
・take time off school
・withdraw from school temporarily
休学を、休むことをメインに据えるのではなく、戻ることをメインに据えて言うならこちらの表現。
return to school after a __-year absence
直訳は、「~年休んだ後に戻る」です。年単位で休むわけではないならば、もちろん1か月や2か月など、単位を変更して構いません。
休学することを学校を休むと捉えるなら、以下の表現も可能です。
be absent from school for __-year.
be absent fromは中学英語なので、こちらの方が使いやすいでしょう。
まとめ
学校側から学生を退学させる時、自主退学する時、成績不振で辞める時、それぞれ使う単語は違いましたよね。
たくさん派生がある場合は、和英辞書で引いてどんな類義語があるか見てみるのも良い勉強です。和訳した時に訳されないニュアンスもわかるようにしておけば、ネイティブスピーカーから見て違和感のない単語が正確に選べるようになります。

◇経歴
英語科高校卒
外国語学部英米学科卒
学習塾で英語を教えている
◇資格
・IELTS6.5
◇海外渡航経験
高校時代にオックスフォードの語学学校へ留学
大学時代にエディンバラ大学へ1年交換留学
◇自己紹介
ハリー・ポッターがきっかけで英語に目覚め、高校・大学とイギリスに留学したイギリスマニア。学校はアメリカ英語なので自己流でイギリス英語を習得。発音、スペル、すべてにおいてクイーンズ・イングリッシュを使い英語の先生にバツをくらうもめげず。生まれも育ちも日本で、海外に繋がりがなかったため留学が夢となった。アルバイトで全資金を稼ぎ渡英すると、勝手な高い理想を上回るほどの素晴らしさを目の当たりにし更に虜に。

I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.