英語を学習していると、色々な表現の中で目にする「up」と「down」。それぞれ「上」と「下」というイメージは強いですが、「なぜupやdownが付くとこのような意味になるの?」と、疑問に思うことも多い言い回しも多々あるでしょう。
また、「up」と「down」という真逆な単語なのにも関わらず、それぞれを使って同じ意味を表せる表現も存在します。いざ会話の中に出てきたときに、どちらの意味も知っておかないと、何のことなのかわからなくなってしまいます。
そこで今回は、「up」と「down」の基本的な使い方や、同じ意味での使い方を解説していきます。ぜひ最後まで読んで参考にしてください!
upとdown の基本的な使い方
まずは、「up」と「down」それぞれの基本的な使い方を、コアイメージをもとに説明していきます。
upの使い方の基本
「up」のコアイメージは、主に以下の5つです。
・現れるイメージ
(例)show up(現れる)、bring up(話に持ち出す)、come up(思いつく)
・上方へ向かうイメージ
(例)go up(昇る、上昇する)、grow up(育つ)、look up to 〜(〜を尊敬する)
・増えていくイメージ
(例)turn up(〜を上げる)、hurry up(急ぐ=スピードを上げる)
・活動しているイメージ
(例)get up(起き上がる)、stay up(夜更かしする)、keep up(付いていく)
・限界を迎えて終わるイメージ
(例)use up(使い切る)、eat up(食べ切る)、break up(別れる)
箱の底から何かが出現⇨動きながら上昇⇨最後には天井を迎えて終焉、といった流れをイメージすると覚えやすいでしょう。
downの使い方の基本
次に、「down」のコアイメージは、主に以下の5つです。
・下方へ向かうイメージ
(例)go down(下る、下降する)、slow down(スピードを落とす)、look down on 〜(〜を見下す)
・減少していくイメージ
(例)go down(減少する)
・非活動的なイメージ
(例)shut down(閉じる)、feel down(落ち込む)、get down(降りる、がっかりさせる)
・押さえつけるイメージ
(例)hold down(押さえつける)、write down(書く)、put down(置く)
・消滅のイメージ
(例)break down(崩壊する)、turn down(拒否する)
考え方は「up」と真逆です。
箱の天井から何かが降りていく⇨活動しなくなっていく⇨押さえつけられて最後には消滅、といった流れをイメージすると覚えやすいでしょう。
同じ意味でのupとdown使い方
「up」と「down」は、ここまで見てきたコアイメージを見ると、意味的には真逆です。しかし、それぞれを使った2つの文章が、全く同じになる表現もあります。
①up for 〜
②I’m down
上2つはどちらも、「〜したい」という意味になることがあります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
up for 〜の場合
「up for 〜」は、「Are you up for 〜?」という形で使うと、「〜したいですか?」という意味の疑問文になります。
答えるときは、「I’m up for it / that.」や「I’m down.」、といった表現を使うのが一般的です。
ちなみに「Are you up for 〜?」では、文章の中で「up」が使われていますが、返答としては次に紹介する「I’m down.」のほうがよく使われます。
本来は「I’m up for it / that.」が使われていたので、間違いではありません。ただ、若い人たちの間ではどちらかというと「I’m down.」のほうが多めなので、覚えておきましょう。
(例文)
A:Are you up for camping?
キャンプしたいですか?
B:Yeah, I’m down.
えぇ、したいです。
A:We are going to a bar after work. Are you up for it?
私たちは仕事後にバーに行く予定です。あなたは行きたいですか?
B:I’m not down.
遠慮しときます。
I’m down
前述した通り、「Are you up for 〜?」の返答として、「I’m down.(したいです)」が使われます。相手からの誘いに乗り気なときに便利な表現です。
乗り気でないときは、否定文「I’m not down.(やめときます)」、と返答できます。
また、「down」は以下のように、疑問文でも使用可能です。
Are you down?
Are you down to 動詞?
Are you down for 名詞?
いずれも相手に乗り気かどうかを、誘いの意味も含めて尋ねることができます。また、この場合も返答は乗り気であれば「I’m down.」、乗り気でなければ「I’m not down.」です。
なお、「I’m down」は以下のような意味もあるので、一緒に覚えておきましょう。
・具合が悪い
I’m down with 〜:〜で具合が悪い
・気分が落ちている
「I’m feeling down」と同じようなニュアンス
(例文)
A:Are you down for clubbing tonight?
今夜クラブに行きたいですか?
B:Yes, I’m down.
はい、行きたいです。
A:I’m gonna jog tomorrow morning. Are you down?
明日の朝、ジョギングをする予定です。あなたはしたいですか?
B:I’m not down.
やめときます。
I’m down with the flu.
私はインフルエンザで具合が悪いです。
I’m a bit down today because I made a big mistake at work.
仕事で大きなミスをしたので、少し気分が落ちています。
upとdownを使ったフレーズ
「up」と「down」を動詞と組み合わせたフレーズは様々ありますが、ここでは以下の表現を紹介したいと思います。
①Live it up / Live it down
②Crack up / Crack down
Live it up / Live it down
Live it up
「live it upは、以下のような意味があります。
・思いっきり楽しむ
・贅沢・豪遊する
なお、「live up to 〜(〜の期待に応える)」と似ているので、混同しないように注意しましょう。
(例文)
We should live it up without feeling guilty.
私たちは後ろめたさを感じることなく、思いっきり楽しむべきです。
I won the lottery!! Let’s live it up tonight.
宝くじに当たりました!今夜は豪遊しましょう。
live it down
「live it down」は、「罪を償って帳消しにする」という意味の表現です。
「never live it down」と否定形にして、「一生後悔する・忘れない」、といったニュアンスでよく使われます。
また、「it」以外にも「this」や「that」などを入れたり、「live down 〜」という形にすることも可能です。
(例文)
You’ll live it down someday.
あなたはいつか罪を償うでしょう。
I will never be able to live down the stupid thing I did that day.
あの日私がした愚かなことは、一生後悔するでしょう。
Crack up / Crack down
Crack up
「crack up」は「笑う」や「笑わせる」という意味の表現です。
笑顔の「smile」でもなく、ケラケラ笑う「laugh」でもありません。どちらかというとゲラゲラ笑う、大爆笑といったニュアンスです。
「crack」は「ひび割れる」という意味ですが、それくらい強い衝撃の走る笑いだとイメージすると、覚えやすいでしょう。
主語が大爆笑する場合は、「crack up」という形で使います。また「〜を爆笑させる」と言いたいときは、「crack 人 up」のように、「crack」と「up」の間に挟むのがポイントです。
(例文)
I cracked up when I saw my friend dancing. That was so funny.
友達が踊っているのを見て爆笑しました。とてもおかしかったです。
He is the class clown. He always cracks us up.
彼はクラス1のひょうきんものです。いつも私たちを爆笑させます。
Crack down
「crack down」は「取り締まる」という意味の表現です。警察などが犯罪を摘発するようなイメージを思い浮かべるとわかりやすいでしょう。
「〜を取り締まる」は、「crack down on 〜」で表現します。例えば、「crack down on a drug smuggling」であれば、「ドラッグの密売を取り締まる」と言えます。
また、「crackdown」と1単語にして、「取り締まり」という名詞で使うことも可能です。
いずれもニュース英語でよく出てくるので、この機会に覚えておきましょう。
(例文)
The police cracked down on drug smuggling today.
今日、警察はドラッグの密売を取り締まりました。
There was a crackdown on human trafficking.
人身売買の取り締まりがありました。
upとdown の基本的な使い方 まとめ
最後に本記事のまとめです。
<upのコアイメージ>
・出現
・上昇
・増加
・活動
・限界
<downのコアイメージ>
・下降
・減少
・非活動
・抑制
・消滅
いかがでしたでしょうか?「up」と「down」を使った表現は、他にもまだまだたくさんあるので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
また、学んだ内容は、口から出す練習をしながら覚えていきましょう。1人で練習するのが難しい方は、オンライン英会話の「ネイティブキャンプ」をチェック。マンツーマンレッスンが受け放題なので、たくさん英語を話しながら英会話の上達を目指せますよ!
◇経歴
・コールセンターでの日英バイリンガルオペレーター(3年)
・外資系企業(製薬業界)でのテクニカルサポート(2年)
・副業でオンライン英会話の講師(2年)
・東京にて通学型の英会話スクール経営(4年)
・英会話スクールをオンラインに切り替えて運営(現在で約4年)
・英会話講師歴は合計で10年
◇資格
・英検1級
・TOEIC990点
◇海外渡航経験
・イギリス(3ヶ月、短期留学)
・タイ(6ヶ月)、マレーシア(3ヶ月)、台湾(3ヶ月)の滞在歴あり(海外ノマド)
・海外旅行:韓国、マルタ、ベトナム、インドネシア、アメリカ
◇自己紹介
バイリンガル英会話コーチのBobです!ほぼ日本国内で英語を習得してバイリンガルになりました。たまたま始めたオンライン英会話講師の仕事が天職だと悟り、自らの英会話スクールを開校。これまでに200人以上の英語学習者に教えてきました。多くの人たちに英語を好きになってもらい、思いっきり英会話を楽しんでもらえるよう日々活動しています!
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.