韓国語に限らず英語でもどんな言語でも勉強している人の多くは会話ができるようになりたいと思っていることが多いのではないでしょうか。少なくとも話せなくても良いと思っている学習者はほとんどいないはずです。
会話は外国語習得の4技能である、読む、聞く、書く、話す、の中では恐らく最も難易度が高いです。
実際に韓国語学習者の中でも、韓国語を勉強してもなかなか会話ができるようにならない、韓国語能力試験やハングル検定では中級以上のレベルに合格しているのに会話力となると初級レベルでの会話もままならない、試験で合格しているレベルの会話力にはなっていないという学習者も少なくありません。
このように多くの韓国語学習者が勉強しているのに話せるようにならない原因は複数考えられます。その中でもまず会話に対する間違った思い込みがあることにより会話習得のハードルが上がってしまっていることが挙げられます。
今回の記事では、会話に対する間違った思い込み、勉強しても話せるようにならない原因についてまず説明します。そして、自分一人で会話練習することで会話ができるようになる方法についても説明します。
- 韓国語会話の習得に対する間違った思い込み
- 韓国語を話すことは難しい
- 単語や文法をたくさん覚えないと話せない
- 間違わずに話さないといけない、通じない
- 会話は相手がいないと練習できない
- 韓国語を勉強しているのに話せるようにならない原因
- 会話をひとりでもできるようになるには?
- 段階を踏んで一人会話の練習する
- まとめ
韓国語会話の習得に対する間違った思い込み
韓国語に限らずですが、英語でも何語でも日本人学習者の中には会話の習得に対し間違った思い込みが根強くあるように思います。
ですが、この間違った思い込みがあるままで会話ができるようになる勉強方法やおすすめのテキストなどを探してやっても成果は出ません。
その理由は、間違った思い込み、言い換えると話せるようにならないマインドセットのままでは、それを元にした間違った行動を取り、それに合った結果が出るからです。
そのため、まずはこの話せるようにならないマインドセットを話せるようになるマインドセットに変える必要があります。
具体的な話せるようにならないマインドセットは次の通りです。
韓国語を話すことは難しい
韓国語でも会話と聞くと反射的に難しいものだと思う人が多いのではないでしょうか。
確かに、既に触れた通り会話はその言語の総合力が問われるので、その意味では難易度が高いと言えます。
ですが、韓国語習得をする中で普段の学習を着実にして土台がしっかりとできていれば会話自体がそんなに難しいわけではありません。
韓国語の会話を難しいと感じる理由は、会話が難しいのではなく単に韓国語を話すことに慣れていないからです。
単語や文法をたくさん覚えないと話せない
これも多くの学習者が持っている間違った思い込みです。
確かに、韓国語を話すためには単語や文法を知らなければならないです。ですが、単語や文法をたくさん覚えれば会話ができるのかと言えばそうではありません。
料理で例えるならば、食材とレシピは料理をするためには必要ですが、それらが数多く揃っているだけで料理が出来上がるわけではないです。
それと同じことが韓国語会話でも言えます。単語や文法をたくさん知っているだけで会話ができるようになるわけではありません。
間違わずに話さないといけない、通じない
韓国語会話のみならず仕事やスポーツなど技能の習得は初めから上手くできるものではありません。
初めは全くできない状態から何度も練習し、試行錯誤を繰り返すうちに段々と上手くなってきて、気が付くとはじめはできなかったものが上手に間違わないで出来るようになっているものです。
日本人は真面目で几帳面、完璧主義な傾向があるため、間違ってはいけないという考え方を無意識的にでも持っている人がほとんどだと思います。
会話でもその考え方を持ったままだと、上記の理由から習得が困難です。
会話は相手がいないと練習できない
会話は言うまでもなく自分がいて相手がいてお互いが相互に言葉をやり取りすることで成立するものです。
そのため、会話の練習は相手がいないとできないと考えるのが普通だと思います。ですが、韓国語がまだほとんど話せない、スムーズに話せない状態であれば会話の練習に相手は必要ありません。
なぜかと言うと、自分が話せない状態であれば相手が自分の目の前にいて話し相手になってくれたとしても話すことができないからです。
会話ができるようになりたいのであれば、まずは自分がある程度話せるようになっている必要があります。
韓国語を勉強しているのに話せるようにならない原因
次に韓国語を勉強しているのに話せるようにならない原因について具体的に挙げていきます。
会話目的の勉強をしていない
韓国語の会話をできるようになりたいという目的があるにも関わらず、実際にしている勉強は会話ができるようになるものではなく、別の目的に合った勉強をしてしまっているためです。
この場合、その多くは試験目的の勉強です。つまり、単語や文法を学び練習問題をやって終わりという受け身な勉強が該当します。
覚えるだけの勉強になっている
これは先の項目と被りますが、勉強の目的が覚えることになっている勉強です。
単語を暗記して終わり、文法知識を学んで終わりという勉強です。
韓国語を使えるようになるための土台としてまず単語や文法を学ぶことは必要ですが、そこで勉強が終わってしまうと会話のような自分から発信する能動的なスキルは身に付きません。
間違ってはいけないことがプレッシャーになって話さない
会話ができるようになりたいのであれば、会話の練習を必ずする必要があります。
ですが、間違ってはいけないという思い込みがプレッシャーとなりなかなか話すことができない人が多いです。
会話が難しいと感じるのも、会話の練習をしないことで会話にいつまでも慣れることができないからです。
何事もそうですが、やってみて慣れてしまえば難しくないものでも、それをやらないといつまでも難しいという思い込みを払拭できません。
相手がいないからと話す練習をしていない
既に触れた通りですが、会話は自分と話す相手がいて成り立つものなので確かに相手は必要です。
ですが、自分が話せない状態でいくら話す相手が目の前にいたとしても、自分が話せるようになるわけではありません。
本来は相手がいてできるものであっても、相手がいないからといって自分が練習できないわけではありません。
野球で例えるならば、バッターは球を投げてくれるピッチャーがいてその球を打ち返すことが本来のやり方ですが、自主練習でバッティングの練習や素振りをしています。
韓国語会話もこれと同じことで、ひとりで練習することはいくらでもできます。
会話をひとりでもできるようになるには?
先に触れた通り、会話練習は話す相手がいなくてもすることができます。
むしろ自分がほとんど話せない状態であれば、ひとりで練習する方が効率的です。
ここからは、会話をひとりでもできるようになるにはどうすれば良いのかについて説明します。
会話は繰り返し練習して体得する
韓国語などの語学習得は勉強と捉えられることが多いですが、実際にはスキルの習得であるためどちらかと言うとスポーツのような実技です。
そのため、単語暗記や文法知学習のような頭で覚える事だけをやっていても会話はできるようにはなりません。
スポーツと同じように何度も繰り返し練習をしながら少しずつ感覚を掴み、体が覚えていき、最終的には考えなくても口から韓国語が出て来る状態になる体得が必ず必要です。
自分が既に知っている単語と文法を活かす
日本人学習者はとにかく知識を増やすことしかやらない勉強を優先しがちです。
韓国語を話せるようになるためには、必要最低限の単語や文法知識は必要です。ですが、必要以上の知識は日常会話レベルではひとまず必要ありません。
数や量を増やしても会話力に繋がるわけではないので、まずは自分が既に学んで知っている単語や文法をうまく活かしてできる範囲内の会話をできるようになることが大事です。
段階を踏んで一人会話の練習する
会話は相手がいなくてもひとりで練習することができます。特に、韓国語がほとんど話せない状態であればひとりで練習する方が効果的です。
ひとり会話は、いきなりしたい会話をしようとするのではなく段階を踏んで練習します。
1.一文を話せるようになる
会話は文がある程度集まっただけのものです。そのため、まずは簡単で良いので一文を話せるようになることを目標に練習します。昨日サムゲタンを食べました
サムゲタンはおいしかったです
2.疑問文と答えの文をセットにして簡単な会話にする
一文をある程度話せるようになったら、実践会話と同じようにひとり二役で疑問文と答えの文をセットにして作り、話す練習をします。
最初はそれぞれ一回のやりとりの簡単な会話から始めていき、徐々にやりとりの回数を増やしていき、より実践の会話に近づけていきます。
単語や文法を学んで知識が増えてくると段々と長い文や少し複雑な文も作れるようになってくるので、自分の実力に合わせて会話力をつけていきます。
1.一回のやりとりの会話
나:삼겹살을 먹고 싶어요.
가:お昼に何を食べたいですか?
나:サムギョプサルを食べたいです
2.複数回のやりとりの会話
나:11시는 어때요?
가:10시에 약속이 있어서 늦을지도 모르겠어요.
가:그러면 오후 1시에 만나요.
가:明日何時に会いましょうか
나:11時はどうですか
가:10時に約束があって遅れるかも知れません
나:では、午後1時に会いましょう
まとめ
ここまで会話に対する間違った思い込み、勉強しても話せるようにならない原因、そしてひとりで話せるようになる会話練習の方法について説明してきました。
会話はそれ自体が難しいのではなく会話に慣れていないだけです。自分が既に持っている韓国語を活かして、まずはできることからひとりでしっかりと練習をしていきましょう。

◇経歴
日本、韓国の企業で通訳・翻訳、アシスタントとして勤務
日本にて韓国語講師として5年勤務
フィリピンにてフリーの通訳として英語、韓国語、日本語の3言語の通訳を担当
◇資格
韓国語能力試験(TOPIK)6級
延世大学校韓国語教員養成課程修了
◇海外渡航経験
ワーキングホリデーにてソウルの企業数社で通訳・翻訳、セールス、マーケティングを担当
韓国語習得のための留学5回(一般韓国語、ビジネス韓国語)
延世大学校にて韓国人と共に韓国語教育について学ぶ
◇自己紹介
韓国語学習コンサルタント
韓国語講師
講座構築コンサルタント
オンラインで韓国語学習に悩みを持つ学習者の問題解決をする韓国語学習コンサルタント、韓国語講師として韓国語習得に成功する学習法や練習法も指導しています。
また、英語と韓国語習得に成功した経験とカリキュラム構築、教材作成の経験を活かし講座構築の方法をあらゆるジャンルのプロに指導するコンサルタントとしても活動しています。
海外就職でフィリピンのセブに移住して5年半在住、現在はタイのチェンマイに住んでいます。
外国語に興味があり、英語、韓国語(ビジネスレベル)、中国語(中級)、現在はタイ語習得を目標に勉強しています。