日々の暮らしでは、様々な場面で「我慢する」ことを強いられますよね。そういう時は、ストレスをため込まず、親しい人に「自分が我慢している」ことを伝えたり、周囲に「もう我慢できない!」と発散したりしたいものです。
この記事では、「我慢する」という意味の、様々な英語表現について紹介します。
それぞれの表現の発音やニュアンスについても解説するので、ぜひ参考にしてみて下さい。
「我慢する」の英語表現
英語で「我慢する」と言いたい場合は、「我慢している状況」や「我慢の程度」に応じて、様々な表現を使い分けます。
Endure
「endure」は「我慢する」という意味の単語ですが、「耐え忍ぶ」とも訳される言葉です。
苦痛やストレス、痛みなどをぐっと我慢し、堪えるようなニュアンスで「我慢する」と言いたい場合に使われます。
発音は、アメリカ英語では[endúər](エンドゥアァ)または[indúər](インドゥア)となり、イギリス英語では[indjúər](インデュア)となります。
「endure」を使った例文としては、以下のようなものがあります。
I had to endure the pain of my wound.
私は傷の痛みを我慢しなければならなかった
He endured a poor upbringing and succeeded.
彼は貧しい生い立ちを耐え忍んで成功した
このように、「endure」は、特に、苦しみが持続している状態を表す単語と言えます。
「endure」の「dur」は「during(〜の間)」と同じルーツの言葉で、「継続する」という意味があります。そして「en」は「中に」という意味です。
そのため、「endure」は、「自分の中に長続きする苦しみを抱え込んで、ぐっと我慢している」ようなイメージの言葉です。
Put up with
日本語の日常会話で言う「我慢する」という表現に比較的近いのが、「put up with」というフレーズです。
「endure」よりも軽いニュアンスで、「本当は嫌だけど、仕方なく受け入れる」という意味で「我慢する」ことを表します。
She puts up with the noise of his neighbors.
彼女は隣人のたてる騒音を我慢している
He had to put up with his wife's profligacy.
彼は妻の浪費癖を我慢しなければならなかった
ちなみに「put up with」は「put up(隠す)」に由来しています。「嫌な思いをしているけど、その気持ちを隠して我慢する」という意味合いです。
Have patience
「patience」は「我慢」「忍耐」という意味の名詞です。
「patient(我慢強い)」という形容詞について聞き覚えのある人もいるかもしれません。「我慢する」と言いたい場合は、「have patience」というフレーズを使うことになります。
「patience」の発音は、アメリカ英語でもイギリス英語でも[péiʃəns]で、カタカナで表すと「ペイシェンス」または「ペイシャンス」といった感じです。
I have no patience with the dog.
あの犬には我慢ならない
With a little more patience, you would have passed the exam.
もう少しあなたが我慢強ければ、試験に合格していたでしょう
「patience」は「忍耐」という意味合いが強い単語なので、「事態が好転するのを辛抱強く待つ」ようなニュアンスで「我慢する」と言いたいなら、「have patience」を使うと良いでしょう。
Be strict with oneself
「strict」は「厳しい」という意味の形容詞です。
「自分に厳しくする」という意味で「我慢する」と言う場合、「be strict with oneself」というフレーズを使います。
I've successfully lost 10 kg, so I won't be strict with myself and eat something sweet today.
10㎏のダイエットに成功したから、今日は我慢せず甘いものを食べるわ
You don't have to be strict with yourself any longer.
もうそれ以上我慢しなくていいよ
ちなみに、「それ以上」を指す言い方は、「any longer」以外に「any more」や「anymore」があります。
Tolerate
「tolerate」は、「不快なことに耐える」という意味での「我慢する」です。
本来は「許容する」という意味の単語で、「本当は許したくないけど、多めに見る」というニュアンスで、「我慢する」という意味になります。
発音としては、アメリカ英語では[tɑ́lərèit](タレレイト)、イギリスでは[tɔ́lərèit](トレレイト)となります。
I can't tolerate his outbursts anymore.
もう彼の暴言には我慢ならない
She wouldn't have tolerated that situation.
彼女はそんな状況を我慢できないだろう
ちなみに、「tolerate」の形容詞「tolerant」は「寛容な」という意味の形容詞です。そのため、以下のような例文で使うことができます。
Be strict with yourself and tolerant of others.
自分に厳しく、他人にやさしくありなさい
Try not toを使ってもOK
「我慢する」ことを言いたい時は、難しい表現を使わなければいけないという印象を持った人もいるのではないでしょうか。
実は、「我慢する」ことを言う場合は、シンプルに「try not to〜」を使って「〜しないよう試みた」ということもできます。
She tries not to eat chocolate before bed, but she always eats it.
彼女は寝る前のチョコレートを我慢しているが、結局いつも食べてしまう
I tried not to get angry about her mistake.
私は彼女のミスについて怒らないよう我慢した
「我慢する」と言いたい時、とっさに適切な表現が思い浮かばない時は、「try not to」を使って切り抜けましょう。
「我慢する」という意味のスラング
「我慢する」ことを意味するスラング的な表現もあります。日常会話でもよく使われるのは「hold」です。
Mommy, I can’t hold it!
ママ、もう我慢できない(トイレ行きたい)!
He held in a yawn.
彼はあくびを我慢した
ちなみに「トイレに行きたい」と言う時は、「おしっこ」などの具体的な表現は使わず、「it」で表現するのがマナーです。
また、「グダグダ文句を言うな」という意味で「我慢しなさい」と言う場面では、次のような3種類の表現があります。
Just suck it up and do your homework.
とにかく、しっかり宿題をこなしなさい
Sometimes you have to bite the bullet.
嫌なことがあっても我慢をしないといけないよ
I thought the clothes were terribly designed, but I bit my tongue.
ひどいデザインの服だと思ったけど、言うのは我慢したよ。
「我慢できない」と言いたいとき
ここでは、「もう我慢できない!」と叫ぶ時に使う英語表現を紹介します。
今まで紹介してきた表現を否定文にすれば、もちろん「我慢できない」という意味になります。
ここでは、「我慢する」という意味の単語でも、ほとんど否定文でしか使われない「stand」と「bear」を紹介します。
Stand/bear
洋画などで「もう我慢できない!」という場面で「I can’t stand it!」という表現がよく使われますよね。
I can’t stand it anymore!
もうこれ以上我慢できない!
I can't stand losing you.
君を失うなんて耐えられない
「stand」が感情的な場面で使われる口語的表現なのに対し、「bear」はもう少し堅く文語的なイメージです。また、「bear」の方が「stand」より深刻な苦痛に「我慢できない」ことを指します。
I can't bear my work environment.
この職場環境には耐えられない
They were terribly abusive and I couldn't bear it.
ひどい罵声を浴びせられて、我慢できなかった
「Take」を使うことも
「もう耐えられない!」と言いたい時には、実は「take」を使うこともあります。
I can't take it anymore!
もう耐えられない!
「take it」は「それを持っていく」という意味のフレーズなので、「自分にはもう抱えきれない」という意味合いになるようです。
具体的に我慢がならない対象について言及する場合もあります。
I can’t take this cold!
こんな寒さには耐えられない!
まとめ
日常英会話で「我慢する」と言いたい時に最も気持ちが伝わりやすいのは、「put up with」でしょう。
また、「もう我慢できない!」という時は、「I can’t stand it!」と言うとしっくりくるかと思います。
しかし、これらの表現はどちらかというと、軽いニュアンスでの「我慢」を指します。辛い状況に耐えている状況を表す場合は「endure」などを使った方がよいでしょう。
自分の辛い気持ちを伝えるためにも、辛い状況におかれている人たちに寄り添うためにも、様々な「我慢する」という意味の表現をおさえておいてください。
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◇経歴
東北大学大学院で「日本人の英語習得」について研究、英語で論文執筆・学会発表
◇資格
・TOEIC860点
◇海外渡航経験
ギリス・アメリカ・オーストラリアに留学、フィンランドで学会発表
◇自己紹介
はじめまして。英語学習Webライター・兼・英語学習研究者のなっつるんです。
Webライターという仕事を通して、「日本人の大人がどうやったらラクに英語を覚えられるか」を追求しています。
最近英会話のカンが鈍ってきたと感じ、オンライン英会話のレッスンを受け始めました。
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I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.